イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

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2.0はお亡くなりになりました。さらば2.0、お前のことは忘れない・・・

冗談はさておき、エイリア学園の皆さんとか雷門がいた時が1.0、そこからの2.0、そして今回の3.0に至ったと思ってください


ナニワ修練所ver3.0

加わった三人の正式な手続きについてはとりあえず後にすることにして、まずは練習をするために城翔中学サッカー部はナニワ修練所まで移動することになった。

 

「みんな準備できたか?それじゃあいくぞー!」

 

「おー!」

 

いつものメンバーに加え、新たに加入した三人も早速参加する。ただユニフォームはあったもののスパイクまでは用意できなかったので、今日はひとまず運動靴で参加する。

 

「そういえばキャプテンいつもより元気そうじゃない?」

 

道中、話は赤城の様子についての話になる。特にやましいことではないが、一応本人には聞こえないように話す。

 

「・・・新しい技を覚えて、試合でも上手くいったから・・・でしょうか」

 

「はぁー、単純なやっちゃなぁ。中学生にもなれば大人の余裕というやつをやな・・・」

 

「キミは言う権利ないよ」

 

程度に差はあれど、全員赤城の機嫌がいつもより良いことに気づいていた。ただ騒動に巻き込まれただけのようにも思えるが、恐らく技ができたことにはしゃいでいるのだろうと結論付けた。

 

しかし実際は少し違う。もちろん技ができたことに対しての喜びを感じているが、それ以上に相手と対等に、そして仲間と遜色ないレベルで戦えたからである。

 

そもそも覚えようと思ったのは役に立ちたかったから。周りに追いつきたかったからである。

 

なので間違いとまではいかないが、技ができようができまいが関係なく、ただチームメイトの実力に追いつき役に立てれば本人は満足していた。

 

そして前回の試合、結果的に新たに完成させた技は上手く機能し、チームメイトと同じように戦えた。自分も成長し、ようやくみんなと同じ位置に立てたと実感している。そのため今日は目に見えて元気なのだ。

 

「よーし、折角だから走るか!」

 

「おもしれぇ!早速俺の実力を見せてやるよ!」

 

「やるのはいいんですが、練習前にバテませんか?」

 

自分は肩書きだけのキャプテンではないかという気持ちがずっとのしかかっていた。その気持ちは完全に消えたわけではないが、ひとまず落ち着いている。

 

まだまだ足りないことは多いものの、今の自分ならみんなと共に歩いていける。そう信じている。

 

 

 

 

 

 

無事にナニワランドに到着し、いつも通り入場。そのままアトラクションには乗らずホラーハウスの裏側に入る。例によってナニワ修練所へ入場する。秘密の場所なので誰もいない。

 

「やっと来たのね!」

 

「遅すぎて遊びに行くとこだったぜ」

 

かと思いきや、入江と太智が来ていたらしい。この場所にいるのはチームのメンバーを除けばこの二人以外にはいないので、声だけで誰がいるのかは予想はできていた。

 

「どうせそろそろ物足りなくなってきたとか言う頃でしょう?まっ、なってないとは言わせないけど!」

 

「だから施設をアップデートしといたんだぜ!」

 

「ここ結構広くてねー、改造も捗るわ!まだ開拓できてないところもあるみたいだし」

 

どうやら新しい施設が追加されたらしい。ここでの練習はかなりキツかったものの、最近は周回し慣れてきたのでこの改造はありがたい。

 

・・・変なことをされていなければの話だが。

 

「で、早速データ取りたいんだけど誰かやってくれるかしら?今日は天才である私がこの目で見て確かめるけど?」

 

「うーん、やってみたいけど・・・今日は三人の実力が見たいから今日はパスかな。また次来るときにやるよ」

 

赤城は三人の実力を見るために今回はスルー。やってみたい気持ちはあるが、さすがに新入り三人をいきなり知らない場所に連れてきて後はご自由に、とはできない。

 

「はーい、じゃあウチがやるんヨ!!麻宮ちゃんも一緒にやろー!」

 

ここで三日月が志願。さらに麻宮にも一緒にやろうと誘いかけた。

 

「私もか?しかし私は・・・」

 

「ダメ?」

 

「・・・わかった、付き合おう」

 

「ありがとー!」

 

麻宮は少し渋ったが、折角誘ってくれたのに断るのは少し気が引けたので一緒に練習することにした。

 

「他おらんのか?しゃーない、じゃあワイが行ったるわ」

 

「っとぉ、冗談はやめろよ?俺が行くしかねぇだろ」

 

「いやいや、ここは先輩のウチに任しとき」

 

「えっ?やるの?じゃあ私も・・・」

 

「「「どうぞどうぞ」」」

 

「なんなのよあんたらーっ!!!」

 

ぐだぐたなやり取りもありながら、最終的には赤城と新入り三名を除いたメンバー全員が新しい施設を試すことになった。

 

 

 

 

 

 

 

「よーし、だいたいデータ取れたから次行くわね。それじゃあ続けて頑張ってねー」

 

しばらく入江がいる状況で練習。そして満足の行くデータが取れたのか、彼女は軽く手を振って出ていった。ちょうどいい区切りだったので、三日月はゴロンと寝転ぶ。

 

「これ、結構キツいんヨ・・・!」

 

そこまで長時間やっていたわけではないが、相当キツい。

 

三日月は寝転んだまま顔だけ上げ、自分をこのようにした相手を見る。その視線の先にはそびえ立つ壁。それは何もない綺麗な壁ではなく、足場のようなものが設置されている。

 

そう、ボルダリングの壁である。

 

 

 

 

 

 

 

「これ・・・ボルダリング?」

 

遡ること数十分前、三日月は目の前の壁を見てポツリと呟く。そびえ立つ壁に複数の出っぱり。ボルダリングのものである。テレビなどで見たことあるため知っていた。

 

「そう!ほら、あそこに足場があるでしょ?後はまぁ・・・見たらわかるわよね?とにかく光ってるところのボタンを押す。時間内に全部押せたらクリアよ」

 

初めて来た時にあったものがかなりとんでもない物ばかりだったため、思っていたよりも普通なものが来ていると感じてしまう。感覚が麻痺しているからのだろう。

 

その証拠にこれではサッカーではなく完全に別競技になっている。やっぱりおかしい。

 

最もこの世界のサッカーは選手をバットにしたり玉乗りしたりかめ◯め波を打つため、はなから常識など通用していないが。

 

「でも面白そう!早速やってみるんヨ!!」

 

正直どこまで役に立つのかは疑問ではあるものの、ボルダリング自体全身の筋肉を使うためまあ無駄にはならないだろう。

 

それに元からボルダリングは面白そうと思っていたためやる気自体はある。幸いにも初心者用なのか足場は普通のものよりかなり広く感じる。

 

そんなわけで早速取り組もうと手を伸ばす。

 

「あっ、サッカーだから使っていいのは足だけよ。もちろんボールも使ってね」

 

「・・・えっ?」

 

 

 

 

 

そんなわけで片足でボールをキープしつつ、次の足場に移り、なおかつボタンがあるところを目指さなくてはならない。いくらバランス感覚のある三日月でも厳しい。

 

広く感じた足場だが、手を使わないとなれば話は別。初心者どころが上級者も苦戦するステージに早変わりだ。

 

「うぅん・・・ちょっときゅーけーするんヨ・・・」

 

一瞬でも普通だと思った自分自身に後悔した。飛び移るのに失敗すると落ちる。それにボールをキープしながらなので、実質片足しか使えない。もれなく足場はどんどん狭くなる。難しいことこの上なし。数回でかなり疲れてしまった。

 

「なら次は私でいいか?」

 

「うん!次はどうぞ、なんヨ!」

 

三日月が休憩している間、今度は麻宮が挑む。

 

「もう始めてもいいのか?」

 

「うん、大丈夫なんヨ。頑張れー!」

 

練習開始。初トライでも順調に進めていく、さすがのセンスと言えよう。しかし上にいけばいくほど、足場も小さく、より精密な動きが要求される。

 

あともう少しで半分というところまではなんとか対応したものの、次の足場でボールをキープできず落としてしまう。残念ながら失敗である。

 

「わぁ!初めてなのにあそこまでいけるなんてすごいんヨ!」

 

「ありがとう」

 

褒められるのは嬉しいが、少し気恥ずかしいため少し顔を逸らしながら返事をする。

 

「・・・三日月、一つ聞いてもいいか?」

 

「もー!他人行儀なんヨ!三日月ちゃんとか帝瑠でいいんヨ!」

 

「ん、わかった。みかづ・・・帝瑠」

 

三日月と呼びかけ、ちゃんと言われたとおり帝瑠と訂正する。三日月はそれでよしと言わんばかりのにぱーっという効果音が似合いそうな可愛らしい笑みを浮かべてみせる。

 

「改めて帝瑠、同じポジションだからこそ聞きたい。自分のシュートが止められると悔しい?」

 

「んん?んー・・・やっぱり悔しいんヨ」

 

三日月自身、ここ最近は自分のシュートが止められることに気にしてはいる。彼女の自慢の技であるバウンドフレイム、厄介な技ではあるが対策さえしていればそこまで怖い技ではない。

 

初めて覚えた技、折角磨いてきた技が通用しない。思い入れのある技が通じないのだから悔しくないはずがない。だが、それでも・・・

 

「でも・・・今の実力でダメなら、もーーーっと上手くなればいいんヨ!みんなと一緒なら頑張れるし!」

 

今の技が通用しないということは、同時に高い目標ができるということ。今の自分がダメならさらに上手くなればいい。彼女はそのことにやりがいを見出だしていた。

 

「そうか・・・もっと上手く、か」

 

「あっ、そうだ。うちからも一ついい?」

 

「ああ、構わない」

 

質問に答えてくれたのに、こちらは答えないというわけにはいかない。そもそもダメな理由がないためもちろん断らなかった。

 

そして麻宮の許可を得た三日月は、先程と違い少し神妙な面持ちで口を開いた。

 

「麻宮ちゃん、自分がパワー不足なこと気にしてるでしょ?」

 

「!それは・・・」

 

不意に図星を突かれる質問をされ、返すことが出来ない。三日月はさらに続ける。

 

「だからシュート力を鍛える練習ばっかりしてるんでしょ?」

 

麻宮は修練所で特訓する際、いつもパワーを鍛える練習をしていた。実際今日もシュート力を上げる練習をする予定だった。

 

「きっとお節介だとは思うんだけど・・・いつも必死で苦しそうだったから今日は誘ったんヨ」

 

「・・・そう、だったのか」

 

なるべく悩みなどは見せないように気を付けていたつもりだったのだが、もう周りが見えていないほど今の自分は必死だった、ということだろうか。

 

「努力することは素敵だし、大事なことだけど・・・あのままだといつか潰れちゃうんヨ」

 

「潰れる、か・・・それでも私は・・・」

 

「それはダメだって、皆に言われたでしょ?」

 

「・・・・・・」

 

サッカーはチームスポーツ。得意なところを伸ばして苦手なところはお互いにカバーすればいい。無論そんなことはわかっている。彼女は決して個人プレーに走ったりはせず、自分で無理だと判断すればパスを出す。

 

それでも・・・一年前のあの時、自分に力がないから負けた。自分だけが責められるなら耐えられた。だが、悪くないはずの仲間・監督までもが責められた。

 

今でも夢に出てくる。あの時の自分に力があれば、結果は違っていたはず。同じ後悔はしたくない。

 

だから自分一人で打開できる必死で力を求めた。仲間が信じられないからではない。仲間を傷つけないための力が欲しかった。

 

「私は・・・もう、どうしたらいいかわからない」

 

だが、その力は手にできない。上を目指したいのに、過去にすら追いつけない今の現状を惨めに感じる。

 

足りない力を求め、そのせいで怪我をし、チームに迷惑をかけ、離れた。そしてもう一度新たな場所でスタートを切ったにも関わらず、またチームに迷惑をかけてしまった。

 

「・・・私は、弱い」

 

もう過去の自分になれないことはわかっていた。努力しても届かないことは覚悟していたはずなのに、改めて己の無力さにうちひしがれる。

 

自分はもう、何もできないのだと。

 

「・・・弱くなんかないんヨ」

 

そんな麻宮の言葉を三日月はゆっくりを首を振って否定した。

 

「だって、辛い思いを背負いながらでも、逃げずに今日まで頑張ってきたんヨ」

 

過去にどのようなことがあったのか、三日月はぼんやりとしか知らない。それでも辛い道を進んできたことは知っている。

 

逃げ出したくなるような時もあっただろう。一度は怪我をして離れたが、こうして戻ってきて、自分の弱さと向き合いながらここまでやってこれた。

 

そんな彼女が弱いわけがないのだ。

 

「でも、一人で背負うのはよくないんヨ。キャプテンにも言われたんだよね?無理しないで、みんなと協力しようって」

 

「それは・・・」

 

「大丈夫。焦らなくていいんヨ。これからはみんなで考えて、力を合わせて、少しずつ強くなるんヨ」

 

「・・・・・・」

 

自分ではずっと協力しているつもりだった。たしかにチームプレーはしているし、メンバーとも話しあえている。していないとは言いがたい。

 

だが、内面ではずっと過去の因果を一人で背負い、無意識に焦り、一人で戦況を変えられる力を求めたばっかりに周りが見えていなかった。

 

「少し、外に出てきてもいいか?」

 

すぐには考えがまとまらない。一度頭を冷やすためにも外に出たいと話す。

 

「うん、大丈夫なんヨ。ゆっくりして来てね」

 

「ああ・・・それと、ありがとう・・・」

 

感謝の言葉を口にした麻宮に、三日月は笑みを浮かべて返す。麻宮も少しだけ笑みを見せ、一度修練所から出ていった。

 

これ以上できることはない。後は本人次第だが、三日月は心配していない。それに他人の心配をしている場合でもない。まずは自分がやるべきことに意識を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・これ絶対難易度間違ってるんヨ!!!」

 

しばらく目の前の壁に挑戦したが、半分程度までは安定するようなったものの、そこから先はどうしようもなかった。半分より先になるともう足場がほとんどない。そんなところでボールをキープしながら進むのはどう考えても無理。

 

そもそもボルダリング初心者がいきなりボールキープしながら足だけで攻略しなければならず、オマケに時間制限まで用意されているというのはおかしな話だ。

 

さっきまでの母親のような慈悲的姿はなく、ぷんすかといった擬音が似合いそうな怒り方をしていた。

 

「うぅ・・・何か良い方法・・・あっ」

 

三日月は一度壁から距離を取り、バウンドフレイムを使うときの要領でボールに回転をかける。するとボールが上手く跳ね、ボタンを二つ押すことに成功する。

 

「・・・思いついちゃったんヨ~」

 

それを見た彼女は先程見せた笑みとは違う、ちょっぴり悪い顔を浮かべ、落ちてきたボールを拾い上げると練習を再開した。

 

 

 

 

 

眼前にはかなり傾斜のきつい坂道、その先には人の身長を優に超える巨大な玉が見える。それがゆっくりと押し出され、坂で勢いを増して転がってくる。

 

「ぬぉぉぉぉぉ!!!」

 

全身を使って受け止める淀屋。しばし耐久し、持ちこたえるものの耐えきれずに弾き飛ばされた。

 

「シンプルだが、単純な力の強化にはいいかもしれない」

 

「・・・俺もそう思います」

 

「ちょ待てぇ!!話す前にこれ止めてくれへんか!?また来とる・・・なんか横回転してんねんけど!?」

 

「横回転、これはパワーだけでなく技術も駆使しないと厳しいだろうな」

 

「・・・力が横に逃げる。それも頭に入れて守らなければならない・・・」

 

「解析しとる場合かぁーーッ!!今度はジャイロ回転かかっとるぅ!?」

 

冷静に分析する裁野と黒鉄、そしてその間も対応する淀屋。先の話だが、淀屋は翌日筋肉痛になったとのこと。逆に筋肉痛だけで済むのはさすがだと言える。

 

「うわっ!滑る!ここすごい滑るわね!?」

 

「なんじゃ!?地震か!?避難せんといかん!」

 

「いや、地面が揺れているのだろう。お陰で思うように動けないね」

 

「こっちは綱渡りだよー。しかも風が吹いてるからやりにくいねー」

 

滑る床に揺れる床、さらに強風が吹く最中で綱渡りと常軌を逸した練習が行われる。もちろんボールをキープしながらである。

 

「・・・これ、本当に意味あるんですか・・・?」

 

「・・・あったとしても認めたくないよ」

 

以前の練習は効果があったため今回も効果があるのだろう。そうだったとしても認めたくはない。なんならそんなトンチキ練習法など今すぐやめたい。サッカー部に入ったことをほんの少しだけ後悔する星見だった。

 

 

 

 

 

 

仲間が新しい練習に色んな意味で苦戦している頃、赤城は既存の練習で新たに入部したメンバーの動きを見ていた。

 

「なるほど、これはなかなか過酷・・・ですね!」

 

まずは伊喜厘羽。経験者というだけあって動きは充分。ブランクがあるためまだ完全というわけではないものの、それでも申し分ない。すでに一週間を切っているため時間は多くないが、今の調子なら試合までには問題なく調整できそうだ。

 

「スゲーっす!これならバリバリ強くなれそうっす!」

 

次に一年生の寺國古康。転校前からサッカー部だったためブランクはなく、動きもいい。ナニワ修練所の練習に完璧ではないものの、ついていけているため次の試合からでもまだ戦えそうだ。

 

「おっしゃ!!一発かましてやる!!」

 

「ただ蹴るだけじゃダメだぞー。もっとボールを見て、頭を使って━━━」

 

「なるほど、こうかぁぁぁぁ!!」

 

「いや頭使うってそういうことじゃないぞ!?」

 

最後に柳生牛尾。初心者ということもありまだ戦力になりそうな感じではない。ボールにスピードがなく、回転をかけたり、ボールを曲げるといった技術も当然ない。なんなら頭を使うと聞いてヘディングするという古典的なことをやっている。

 

とはいえ最初から技術を持っているという選手は希有、最初は誰だってできない。それよりも注目すべきはナニワ修練所の特訓に耐えるスタミナ、そしてパワーに関しては目を見張るものがある。元の力、これから伸び代という点に置いては一番あるかもしれない。

 

「んだよ、テレビだとこういうことやってんぞ!!」

 

「いやたしかにダメではないけど・・・うーん、まあいっか」

 

「はははっ!サンキューな!」

 

難ありではあるが、ひとまず本人のやりたいようにやらせてみる。実際ヘディングはいい感じに決まっているので、無理に止める必要もないだろう。

 

とりあえず現状の能力はおおよそ把握できた。ただこれから連携の練習もしなければならない。期間は短いが、ポジションの適正なども考えつつできることをやらなければならない。

 

「それはそれとして必殺技はいつ覚えんだ!!早く使いてぇぇぇ!!」

 

「必殺技はまた今度にしような?」

 

結局この日は赤城が付きっきりで練習をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆このチラシ見てー。あそこのラーメン屋、新しいメニューに醤油ラーメンinうどん付属お蕎麦、そうめんを添えてってメニューを追加したんだって。今度皆で食べに行こうよ~」

 

「う、ウチはパスするわ・・・」

 

「それ本当に美味しいんすか!?なんだかヤバイ気配がビンビンただよってますよ!?」

 

「ふっふっふっ。皆が行かないというなら、この東条斬がエスコートしてみせましょう」

 

「何言うとんねん。ここは大阪を知り尽くした男、淀屋マサキと共に行こうやないか」

 

「バカ野郎が!!こういうのは新入りに譲るもんだろ!そんなわけで慣れないサッカー部に苦戦する柳生牛尾にどうか恵みをお与えください!」

 

「・・・あの、それ去年のチラシでは?」

 

「あー、ホントだ。これ去年のやつだねー。やっぱりさっきのなしで」

 

「「「チクショウ!!」」」

 

色々あったが無事に練習を終え、各自世間話をしながら解散して帰る準備をしている。

 

そんな中、麻宮は今までのことを振り返っていた。

 

「・・・・・・」

 

頼りになる仲間を信じ、協力して苦難を乗り越える。やっていたつもりで、できていなかった。

 

「・・・獅子神、佐原先輩」

 

できていなかったのなら、これからやればいい。麻宮はさらに一歩進むため、二人を呼び止める。

 

「試したいことがあるのですが・・・付き合ってくれませんか?」

 

連携を鍛える時以外は一人で集中し、黙々と練習している麻宮から誘われた。しかも誘われたのは頼られたいと思っている二人。

 

「しょーがないわねぇー!!私に任せなさい!!大船に乗った気分でいいわよ!!」

 

「後輩の頼みとあっては断れないね。もちろん協力させてもらうよ。それで何をすればいいのかな?」

 

そのままの勢いでぐいぐい詰め寄る二人。さすがにこれは想定外だった。

 

「あ、ああ。話すから落ち着いてください・・・」

 

珍しくたじたじになる麻宮だったが、それでも心地よく協力してくれる仲間に感謝した。




次回は決起集会、メンバーも増えましたし、次は準決勝で因縁の相手との試合なので少し試合まで時間を開けております

いつもと違って試合まで長いですが、のんびりと他の小説を読むなり別のことするなりしてお待ちください
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