イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

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準決勝は年内でキリよく終わるとはなんだったのか。もうすぐ就職です。あまりにも早いのであと十年は休みたい。でも休めないので、今年からはゆるく完結目指していく頑張ってのでよろしくお願いします

加えて全国大会とフリー枠に関してはまだまだ募集しておりますので、よろしければご参加ください



vs準決勝 双輝中学 中盤

まずは先制点を奪い、優位に経った城翔中学。できることならばこのまま逃げきりたいところだが、そうはさせてくれない。

 

試合が再開するやいなや、一点を取り返そうと激しく攻めてくる双輝中学の選手達。城翔中学も守りを固めて応戦する。

 

「いけー!鏡原ー!!」

 

「ミラートンネル!!」

 

ボールを託された鏡原が鏡の中に飛び込み、姿を消す。だがこの技はすでに経験している。おおよその出てくる場所がわかれば対策は用意だ。

 

「んー・・・!?前より伸びてる!」

 

華咲はおおよその見当をつけて守りに入ったが、鏡は自分の背後に現れる。目測を誤ったわけではない。以前戦った時より距離が伸びていたのだ。

 

「・・・問題ない!」

 

それでもカバーが間に合わないわけではない。近くにいた黒鉄が駆け出す。が、鏡の中には二人の姿が映っていた。

 

「ラプターズステップ!!」

 

鏡原が鏡に入る瞬間、すかさず同じタイミングで乱入した飛野が先に鏡から出てくる。そしてすぐに並外れたボディバランスとボールコントロールで相手を翻弄し、抜き去る。

 

「ここだ。イーグルグライド!!」

 

相手のディフェンスを突破した飛野はそのままゴールを狙う。最初のロングシュートとは違い、充分近づけている。威力は充分だった。

 

「クロスブレーダー!!」

 

それでも東条は止める。もうあの頃の弱いキーパーはそこにはいない。城翔中学の守護神となった男が双輝中学のシュートをことごとく止める。

 

「ふぅー、あぶねぇ。早くもう一点取って楽させてくれよー!」

 

とはいえ相手が相手だけに油断できない状況が続く。最初は見せ場が欲しいとも言えたが、さすがにそんな余裕もなくなってきた。東条は笑みこそ見せているが、内心はいつ失点してもおかしくないと思っていた。

 

「ふふん、任せな━━━━」

 

「スパイラルドロー!!」

 

キーパーに楽させるべくなるべく多く追加点を入れたいところだが、それも難しい。先制点を取ったことで相手もギアが入ったのか、シュートを打つことすらできなくなっていた。

 

「ラプターズステップ!からの━━━」

 

「━━━そよかぜステップ!!」

 

荒々しくも繊細なコントロールからそよ風のように軽やかなステップで相手を翻弄。ドリブルでも緩急をつけ、城翔中学の守りを寄せ付けない。

 

しかしMFが本職の天城は自分の技では東条を突破することはできないことと理解していた。

 

「じゃあこれでどうだ!!」

 

「おっと、技なしかよ!」

 

技の威力でダメならと技術で勝負だと言わんばかりに際どいコースに普通のシュートを打ち込むが、東条は飛び付いて止める。

 

「あっぶねー・・・でもこれでチャンスができたな!」

 

ピンチはチャンス、シュートを止めたことでボールがこちらのものとなった。東条は少しでも相手のゴールに近づけるようボールを遠くへ蹴りあげる。

 

「まあ私一人じゃ無理だろうね。とはいえ・・・か」

 

「考え事する余裕あんのか?マウンテンスライダー!!」

 

星見はドリブルしながら相手から点を取る方法を考える。ほぼ同時に山の上から近藤が滑り落ち、超スピードのスライディングでボールを奪おうと仕掛ける。

 

「余裕があるから考えてるんだよ。早いだけのスライディングならかわすのなんてわけないし」

 

「んなことわかってんだよ!」

 

近藤の技で顕現した山からもう一人滑り落ちてきた。不意打ちに加え着地後の隙、これでは避けられない。

 

「っ!しまっ━━━」

 

「さぁー、楽しんでいってねっ!ブロックサーカス!!」

 

超速スライディングでまのんがボールを打ち上げ、リオンが確保。重力を感じさせない身軽な動きはまさにサーカスの名に相応しい。

 

「随分と余裕そうだったけど、気分はどうかな?あっさりとボールを取られた気分は」

 

「言ってくれるね・・・さすがに効いたよ」

 

他者の技を利用し、相手の隙を突いたり自らの技をより強力なものにする。双輝中学お得意の連携プレーで本領を発揮してきたということろだろう。加えて挑発も欠かせない。

 

「だったら俺が止めてやる!!」

 

「ワイも行くで!!」

 

「二人がかり上等!ワックスロード!」

 

柳生と淀屋の二人が相手だったが、まずは冷静にモップを取りだし、それを滑らせるように投げる。当然前にいた二人はモップを避けるが、避けたことでできた道をリオンは高速で滑り通りすぎていった。

 

「どう?こっちもよく滑るでしょ」

 

「ドリブルでも使えんのは聞いてへんぞ!?」

 

「おいヤベーぞ!これめっちゃ滑る!!」

 

追いかけようとする二人だったが、やはりこちらも地面が滑るようになっており追うことはできずボールは菠羽の元に渡った。

 

「フリップウィンド!!」

 

一度横に蹴って高速回転させ、回し蹴りで強く撃ち出すと強風と羽根を纏い、超スピードでゴールに向かう。

 

「これじゃ足りねぇだろうからもう一発オマケだ!!ウルバンキャノン!!」

 

左足でボールが円を描くように蹴り、自分に向かってきたボールを右足でもう一度蹴りシュートを決めるとボールは白い光線となり、飛んでいく。

 

「クロスブレーダーッ!!」

 

シュートブロックは間に合わず、東条が一人で踏ん張る。ここまでなんとか耐えてきたが、さすがに二人相手では分が悪い。

 

「・・・クソッ!!」

 

ブレードは二本とも砕け散る。ここまでよく止めてきたが、遂に決められ同点となる。双輝中学に追いつかれてしまった。

 

「よーし!同点だ!こっから巻き返そうぜ!」

 

「「「おぉー!」」」

 

先制こそ許したものの、一点返しまだまだ余裕のありそうな双輝中学。簡単に勝てる相手ではないことを再認識する。

 

「わりぃ!決められちまった!」

 

「いや、一点だけで勝てるようなチームじゃない。むしろよくここまで持ちこたえた」

 

「それもそうだな!もっと褒めてくれる人はいないのか?」

 

「調子に乗るな。決められたのも事実だ」

 

調子に乗るなとは言いつつも、実際ここまで頑張っている。まだ試合中のため少し厳しく言うが、終わればしっかりと褒めるべきだろう。

 

とりあえず今考えるべきは今後の作戦である。今回先制した一点も意表を突いて取ることができた一点。さらに別の方法を考えなけばならない。

 

「レオ・ロアーなら突破できるかな?」

 

「可能性はあるね。ただ警戒されてる。打つのは難しいよ」

 

星見と獅子神、最低でもどちらかにはマークがついている。さらに二人が近い位置にいる時はシュートブロックの準備も入念にされている。ノーガードで打つのは厳しいだろう。

 

「ならばハイバウンドフレイムを打ちに行くのはどうだろう?」

 

「あれからだいぶ経っているからな。対策をしていないとは考えにくい。試す価値はないとも言えないが」

 

しかし方法がない。追加点を取ることができるのか。そもそもシュートを打つことができるのか。チャンスが多いなら色々試してもいいが、チャンスは少ない。無駄にできないため慎重に考える。

 

「・・・私に任せてくれ」

 

あまり長く話すことはできないが、なかなか作戦が決まらない。そんな中で名乗りを上げたのは麻宮だった。

 

「おっ?交代か?いやー、さっき全力疾走したから疲れてんだよな!助かる!」

 

最近加入したばかりで内情を知らない柳生は交代することにノリ気だ。たしかに仕事は果たした。まだスタミナも足りないため彼を交代することに異論はない。

 

だが、麻宮のことは少し気がかりだった。鉢美中学戦のこと、まさかまた無茶をして得点をする気ではないかと心配だった。

 

「その、無理にいくことはないからな?他に安全な作戦があるならそっちでやるべきだと思う」

 

「大丈夫だ。信じてくれ」

 

赤城の考えを見透かしたかのように真剣な眼差しで伝える。自分のことも含めて少しナーバスになっている赤城だが、信頼できる仲間の言葉とあれば信じざるを得ない。

 

「わかった・・・でも、前みたいに自分を傷つけるのだけは━━━━」

 

「ああ、もうそんなことはしない」

 

 

 

 

 

 

DFの柳生が抜け、代わりにFWの麻宮へ交代する。いわゆるスリートップ。

 

守りが薄くなるのは不安だが、このまま守りだけ固めてもじり貧になるだけ。先に一点を取り、流れを掴むことを優先した。

 

それに決してノープランというわけではない。これまでのことから相手は明確に東条を突破できる技を持っていない。チェインこそ怖いものの、シュートブロックも視野にいれれば簡単には点を奪えない、と判断した。

 

「交代してきたか・・・」

 

「結構へばってたし妥当かな~?」

 

「何かしてくるかもしれない。警戒はしときなよ」

 

「最悪なんかされても点取ってくればいいんだろ?」

 

柳生が本当に疲れていたこともあり、相手はこちらの作戦には気づいていない。疲労から交代しただけと判断していた。ただし警戒を怠っているわけではないため易々と突破することはできないだろう。

 

「・・・!」

 

「おっ、結構速いな」

 

試合再開。麻宮は自慢のスピードでフィールドを駆け回る。かつては全国大会でも通用した力。これには双輝中学も苦戦を強いられる。

 

「わぁ~、いいスピードだね!」

 

「だけど、これでも同じように走れる?ワックスフロア!」

 

しかしリオンの技が自慢のスピードを縛る。速さが自慢の選手にとってスピードを縛る技は天敵。麻宮はテクニックも充分あるものの、安定しない地面でキープし続けることは難しくボールを取られてしまった。

 

「気にすんな!後ろは俺達に任せろ!!」

 

「策があるんやろ?守りはウチらが担当するから攻めることだけ考えとき!」

 

とはいったものの、すぐ取り返して再攻撃とはいかない。相手の攻めも守りも一級品。ボールを取るのも一苦労、奪い返してもすぐに取り返されてしまう。

 

「バルバリアタックル!!」

 

「ザ・ウォール!!」

 

海賊船と岩壁が激突、前回はサイクロンとコールドカッターによる二つの障壁に阻まれ沈没してしまった。

 

「海賊ナメんじゃねぇぞ!!」

 

しかし前回のようにはいかない。しっかり周りを警戒し、他に誰か来ていないことを確認するとフルパワーで岩壁をぶち壊した。

 

「・・・いつから海賊になったんだよ」

 

「さながらキャプテンってとこか?まっ、俺はキャプテンよりエース狙いだけどな!!」

 

軽口を叩きつつガラ空きとなったゴールを狙う。もちろん東条はそれを阻む。

 

「ウルバンチェイン!!」

 

「クロスブレーダーッ!!!」

 

休む暇もなく連続で攻撃されては技を出すのも辛い。気合いだけではどうにもならず、入りこそしなかったもののゴールポストに弾かれて相手の方へ転がる。

 

「ザ・ウォール!!」

 

「それはナイスすぎる!!」

 

その前に体勢を立て直しゴール付近まで戻ってきた黒鉄が再度壁を作る。今度は動きを阻害する壁で相手が立ち往生している隙に東条がボールを確保する。

 

「っとは言ったもののなぁ。これどこに出しゃいいんだ?」

 

下手な場所にボールを出せばすぐに取られてまた攻撃される。じゃあどこに出すのが正解かと言われてもわからない。

 

「まっ、考えてもしゃーねぇよな。なるべく遠くに蹴っとくか」

 

遠くになら最悪取り返されても猶予ができるという安直な考えのもとなるべく遠くの方に蹴った。

 

「うーん、東条君・・・正解だね~」

 

蹴った先にいた華咲。東条があまり考えずに蹴ったとは露しらず、いい判断だと褒める。

 

「フェアリーギフト、いってらっしゃ~い」

 

妖精のような羽がはえ、対象へ送り届けられる。ただでさえ長距離のパスは少し時間がかかる。それも二回となると相手にも猶予を与えてしまう。

 

しかし麻宮は受け取ってすぐに持ち前のスピードで相手の守りを崩しにかかる。

 

「獅子神!佐原先輩!」

 

加えて今度は短いパスと交えて翻弄し、相手に守ることすらさせない。チームでも足の速さに自信のある三人だからこそ振りきれた。

 

ゴール前まで来た三人はそれぞれ位置につく。獅子神と佐原は前へ、そして麻宮は二人の動きを確認すると、後ろで指笛を吹いた。

 

「麻宮!?それは━━━」

 

「いや!あれは違う!!」

 

響く指笛、悪い記憶がよみがえり慌てて制止しようとする声が出る。だが制止する声は遮られた。

 

赤ではなく黒、見た目は愛くるしくもあるが実際には強力な技。あの技はこの世界のサッカー好きなら絶対に見たことがある。それほどに有名で強力な必殺技。

 

「皇帝ペンギン━━━━━」

 

「「二号ッ!!」」

 

地面から生えた五匹のペンギンが、麻宮のシュートを合図とし、隊列を形成して空を飛ぶ。さらに獅子神と佐原二人によるツインシュートでさらに威力を増し、ゴールにめがけて突撃する。

 

「ペンギン技とはまためんどくさいやつを・・・ブラックチェーン!!」

 

黒い鎖がシュートを遮断しようと迫る。しかし五匹の空を舞うペンギン達は鋭い嘴で鎖を砕き、ゴールへの道を作った。

 

「おっしゃぁ!!二点目入ったな!!」

 

『なっ、なんということでしょうッ!!前半残り僅かというこのタイミングで城翔中学が勝ち越しましたッッッ!!!』

 

「やべーぞ!今の見たか?」

 

「皇帝ペンギンって帝国学園が使ってるやつだろ!?」

 

「それは知らんけど・・・んなことより二点目や!!三強から二点目取りよったぞ!」

 

「ペンギンさんかわいい・・・」

 

実況や観客が様々な反応を見せ、チームメイトも麻宮に駆け寄る。しかし当の本人は今のシュートを冷静に分析していた。

 

「ふふん!!これが私達の努力の成果よ!!やったわね!!」

 

「・・・いや、まだ修正する箇所も多い」

 

「そうだね。改善するべきところはあまりにも多い。しかし、今ぐらいは喜んでもいいと思うんだがね」

 

まだまだ足りないことだらけ。以前の輝きに比べればあまりにも小さい。ほんの僅かに照らされた灯火でしかない。

 

それでも進む道は見えた。なら、進むだけだ。

 

「ありがとう」

 

もう一度進むきっかけをくれたこのチームに小さな声で感謝を述べた。

 

 

 

 

 

 

もうすぐ前半が終わる。城翔中学からすればこのまま勝ち越したまま終えたいところ。残り僅かな時間、相手の動きに集中する。

 

「天城、どうする」

 

双輝中学は全力で走り出す。前半の時間は少ない、無駄に走って終わるだけにもなりかねない。それならば相手の出方を見て、後半に備えるのも悪くはない。

 

「いやー、ここで様子見するようなチームが頂点に立てると思うか?」

 

「そうだな。前半が終わるまでに決めるぞ」

 

だが、ここで様子見をするようなチームが格上の荒央、ましてや全国で勝てるわけがない。自分達が格下である以上、半端なことをしていては勝てない。常に挑戦し、進化する。それが格上を倒すために必要なものだ。彼らは止まることをせず、突き進むことを選んだ。

 

「だいぶ荒くいくから覚悟しろよ!!スティングアロー!!」

 

開幕シュートという荒業。しかしこれは今日の試合の一番最初にやってきたこと。さすがに二回も同じ事をやるとは思えない。

 

「・・・なるほど、これはシュートではないねっ!」

 

案の定ゴールに向かうことはなかった。ボールは途中で威力が落ち、地面にぶつかる。そうなることがわかっていた双輝中学はぶつかって威力が失くなったボールをすぐに確保する。

 

「ミラートンネル!!」

 

「ラプターズステップ!!」

 

シュートが来ると思ってブロックしようと身構えていた城翔中学。僅かな隙から強引に突破され、都丸真と千刃の二人がゴール前まで来てしまった。

 

「ははっ!俺は将来エースになる男!エースたるもの状況判断は完璧にしなければならない!だから今は二人で決めてやろう!一年後には俺一人で決められるようになってるだろうけどな!」

 

エースになれなかった男、都丸真。一年だから仕方ない?そんなもの言い訳だ。それに諦めた訳じゃない。今はまだ二番手だが、いつかチームで一番の男になるという野心・闘争心を己の力に変え、足を振るう。

 

「去年の雪辱を晴らすためにここまで来た・・・その邪魔は誰にもさせない!!」

 

去年のフットボールフロンティア。決勝戦で負けてしまった。惜しかった?大差だろうが僅差だろうが負けは負け。ただ力が足りなかった。もうあんな思いはしたくない。最高のチームで、最高の舞台に立つと誓い、鋭く足を振るった。

 

「「アンビシャス・グレイブッッッ!!!」」

 

頂点に立ちたい・エースになりたい。二人の野心が合わさった強烈な一撃が前半終了間際にゴールを襲う。

 

「クロスブレーダーッ!!!」

 

決着はすぐについた。二人の強い思いを乗せた一撃は、東条の刃はいとも簡単に砕き、散らせた。

 

「勝つのは俺達だ」

 

勝ち越したのも束の間、一瞬にして振り出しに戻されてしまった。




後書きに書くことがないのでオリジナルの必殺技解説でも挟んでおきます。全部書くのは大変なので主要となる技オンリーです。多分定期的にやります

アンビシャス・グレイブ
元々千刃一人で開発していた技。一人の時点でもおおよそ完成はしていたのだが、より強力にするべく試行錯誤していた。

そこでエースストライカーを狙う都丸真との利害が一致。千刃は技をより強力にしたい、都丸真はエースになるべく現エースから技術を得たいという思いから連携技として運用することになった。

今回は二人で連携技としたが、決して付かず、かといって離れずの距離感でいずれは一人で打つことを目標に。さらにこの技も超えるシュートを編み出そうとお互いに切磋琢磨するライバル達によって連携技である。
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