イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

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よーし、やっと書けましたー。・・・本当は昨日に投稿したかったんですがね。意外と手こずりまして・・・まあ言い訳しても仕方ないので、どうぞご覧ください


始まりの戦士達

チームを引っ張るキャプテンが、仲間に遅れをとるわけにはいかない。それがたとえ、勧誘であったとしてもだ。

 

「・・・さあ、さすがに威厳を取り戻さないとな!」

 

一度は粉々に粉砕された威厳たが、壊れたのならまた直せばいい。というよりそろそろ戻しておかないとメンタルが持たなさそうだった。

 

赤城はそんな思いを抱きながら、昼休みに二年一組の教室へ足を踏み入れる。

 

「失礼しまーす!」

 

自分の威厳を取り戻すには、自身も早いところ勧誘を成功させるしかない・・・と、少なくとも彼は思っている。

 

そこで、この前スカウト候補に入れていた黒鉄という人のスカウト作戦を、急遽決行することにしたのだ。

 

「黒鉄綱基って人いますか!話したいことがあるんです!」

 

気合いを入れているからなのか、無駄に声がデカい。そのせいなのか、一組の生徒は他クラスのヤンキーが殴り込みにでも来たのかとざわめいた。

 

「・・・ってお前かよ。ビックリさせんなよなぁ・・・」

 

「黒鉄に何か用事があるんやな?そんな大声出さなくてもちゃんと呼んだるわ」

 

やがて状況を理解したのか、生徒達は再び雑談を続け、一人が黒鉄を呼びに行ってくれた。

 

「・・・俺に何の用事だ?」

 

そしてしばらく待つと、やたら大柄な男がこちらに声をかけてきた。間違いなく、あの時の少年だ。彼が少年が黒鉄綱基だ。

 

こうして目の前に立ってみると、やはり大きい。その身体から溢れ出す威圧感に少し怯む。

 

だが、サッカーをするならこれからこのような場面に何度も出くわすのだろう。ならばこんなことでヒビってはいられない。

 

きっと大丈夫。なんだかんだ上手くいくはずだと、心を落ち着かせ、深呼吸をして用件を伝える。

 

「サッカー部に入ってくれないかな?それだけガッチリとした体なら、絶対に活躍できると思う!」

 

「・・・・・・」

 

黒鉄は何も言わない。本当に何も言わないため、しばらくの間、気まずい沈黙が流れる。

 

「・・・・・・」

 

向こうが何も言わないため、どうすることもできない。やっぱり突然すぎたかと落胆し、出直そうとしたその時、黒鉄が口を開いた。

 

「・・・ああ、構わない。俺で役に立てるというなら、喜んで参加させてもらおう」

 

彼は今、間違いなく構わないと言った。つまり、サッカー部に加入してくれると言ってくれたのだ。

 

「・・・えっ?いいの?てっきりダメだと思ったんだけど・・・」

 

ずっと怖い顔をして黙っていたので、正直ダメかと思っていた。だが、あっさり入部してくれるという拍子抜けな結果となる。

 

「ただその前に・・・一つ聞いていいか?」

 

「う、うん。なにかな?」

 

最後に彼からの質問に答えることになった。その巨体には似合わぬ神妙な面持ちで、ゆっくりと口を開いた。

 

「俺はそんなに怖く見えるのか・・・?」

 

「・・・ごめん、ノーコメントで」

 

それは自分が答えるべきではないと、目線をそらして誤魔化した。黒鉄はそんな赤城の様子を見て、また黙り込んで、考え込むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「どうだぁぁぁ!!俺だってちゃんと勧誘できるぞぉぉぉ!!」

 

「うるさい。眠れないじゃないか」

そもそも部室で寝るなという話だが、部室で大声を出すのも褒められた話ではない。

 

結論、どっちも悪い。

 

「だいたいマイナスがゼロになっただけで調子に乗ったら呆れられるだけだよ」

 

「うぐう!!」

 

そして今回も赤城は性懲りもせず無様に負ける。口論をすれば負けるとわかっているのに、なぜ彼は戦いを挑むのか?

 

少なくとも、現代の科学では解き明かすことのできない永遠の謎である。

 

「俺は黒鉄綱基だ。サッカーに関しては素人だが、やるからには全力を尽くす」

 

赤城が勝手にダメージを受けている間に、黒鉄が自己紹介を済ませる。その巨体と威圧感もあって、部室に入ってきた時は警戒していたが、自己紹介が終わる頃には拍手をするぐらいには打ち解けた。

 

「・・・ん?ということは・・・十一人揃ったんやないか!?」

 

周りの人数を数え、確認する。たしかにこの部室には、十一人ピッタリ揃っている。

 

赤城がサッカー部を立ち上げてから約一年。ついにサッカー部としての第一歩を歩める状態を作ることができた。

 

「ふむ、たしかに最低限必要な人数は揃っているようだ」

 

「・・・それなら一度練習してみてはどうでしょうか?」

 

「うちも賛成だヨ!そろそろサッカーしたいしね!」

 

みんなもそのことに気づき、折角揃ったのだから練習しようという声があがる。サッカー部なのに、何一つとしてサッカー部らしいことをしてこなかったので、やりたいと思うのは当然の反応だ。

 

「キャプテン!そんなところで燃え尽きてないで、必要な人数集まったったんだしそろそろ練習もしようぜ!」

 

「そうか・・・練習か・・・えっ、揃ったの?」

 

「気づいてなかったのかよ?これで試合もできるぜ!」

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!みんないくぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「ちょっ!?いきなり走り出すなって!?」

 

まだ傷は癒えていなかったが、メンバーが揃ったというのなら燃え尽きている場合ではない。一瞬で準備を済ませ、誰よりも早く部室を飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

「なるほど、ようするにワイは相手の邪魔をしたらええんやな!」

 

「せや、ここにいるのはDFや。せやからここにいるみんなは相手がゴールに向かうのを防がなアカンねん」

 

というわけで、校内のサッカーコートに移動し、城翔中学サッカー部初の練習が始まった。

 

「そんならボールを奪ったらええってことやろ!オーライ!オーライ!」

 

「いやそれは野球の捕り方やろ!?サッカーで手は使ったらアカンで!」

 

「何ぃ!?手ぇ使ったらアカンのやったらどないしたらええんや!?」

 

「黒鉄先輩は足は遅いですが、ガタイがいいです。それを利用して、身体でボールを受け止めてみてはどうでしょうか?」

 

「・・・そうか、ありがとう。参考にさせてもらおう」

 

DFのみんなは、経験者の支倉と千景が中心となり、基本的なことや技術を学んでいく。多少の不安要素もあるが、運動能力は高そうなので、基本さえ覚えれば戦力となってくれる・・・はずだ。

 

 

 

 

 

「俺はキーパーか!よっしゃ、止めてやるからガンガンシュートしてくれよー!」

 

「はーい!じゃあまずは私からやるんヨ!」

 

「おー、頑張るねぇ。私は応援に徹するとしようかね?」

 

「いや斧街先輩も打ってきてくださいよ!?」

 

「はいはい、心配しなくてもジョークだからそんなに慌てないでおくれよ」

 

斧街と三日月のFWコンビは、GKを担当する東条と練習することになった。

 

「いっくよー!・・・それっ!!」

 

三日月から蹴り出されたボールは、最初は右上に向かって進んでいった。東条も多少遅れながらも反応し、ボールに飛びつく。

 

しかし、ボールは途中からゆっくりと進行方向を変え、綺麗な弧を描いて左下へと進路を変えていった。

 

「うおっ!?マジか!!」

 

すでに別の方向へ飛んでしまった東条はどうすることもできず、そのままゴールを許してしまった。

 

「考えて行動してるうちはそんなもんだよ。身体が覚えて動くようになったら、上手く反応できるようになるさ」

 

FWの二人は自身のシュートの精度を高めつつ、GKの東条へアドバイスをする。経験者の二人からアドバイスをもらえるのこともあり、非常に有益な練習となっている。

 

 

 

しかし・・・

 

「よし、こんなもんかね?」

 

三十分程経ったところで、斧街がベンチの方へと歩き始めた。

 

「あ、あの?まだ三十分ぐらいしか練習してませんヨ・・・?」

 

「いやいや、三十分も練習したんだよ?自分で言うのもなんだけど、普段のあたいからしたら相当頑張ったさ」

 

そう言うと、ベンチに座って休憩を始めた。彼女がサボり魔だということは聞いていたが、これは想像以上の難敵だ。誰か止められる者がいればいいのだが・・・相手が先輩ということもあってか、注意するのは少し気が引けた。

 

「まあ気が変わるまで待とうぜ。先輩にも何か考えがあるのかもしれないし!」

 

「そうなのかなぁ・・・?でも、やるしかないんヨ!」

 

・・・とはいえないものをねだっても仕方ない。二人でもできないことはないので、気合いを入れ直してそのまま練習を再開した。

 

 

 

 

 

 

そして赤城達、MFを担当する選手達は、サッカーコートの端から端を、ドリブルしながらダッシュをしていた。

 

「みんなー、まだスピードあげても問題なさそうか?」

 

初めてサッカーをする人もいるので、最初は軽めにして様子を見ようかとも思っていた。だが、こちらの想像を裏切り、みんなしっかりとついてきている。これならもう少しハードにしても大丈夫だろう。

 

「ワタシは構わないよ。こうみえても足には自信があるのでね」

 

「私もまだまだいけるわ!無理そうだって感じたらいつでも言ってね!」

 

「いや、それはどっちかって言ったら俺のセリフ・・・まあいっか」

 

赤城と獅子神の二人は軽やかなドリブルをし、佐原も多少のぎこちなさはあるものの、事前に得た知識を活かして走る。

 

「・・・獅子神は何か悩みはないか?何かあるならワタシに話してくれても構わないよ」

 

「いえいえ、私は大丈夫ですよ!先輩こそ何かあれば手伝いますから、いつでも頼ってくださいね!」

 

「フッ・・・その時はぜひとも頼らせてもらうとするよ」

 

ドリブルをしながら雑談をする余裕もある。これは期待できるんじゃないかと、赤城は思わず笑みをこぼした。

 

「・・・しかし、結局サボるというなら斧街はなぜサッカー部に入ったのだろうか?」

その途中、佐原が口を開いた。

 

「たしかに・・・キャプテンは何か聞いてないの?」

 

結局サボるというなら、わざわざ残らなくても家に帰ってサボればいいはずだ。そもそも練習が嫌いなら、なぜサッカー部に入部したのだろうか?

 

「うーん、俺もわからないや。なぜか知らないけど入ってくれたんだよぁ。人数も少なかったし、断る理由もなかったから入ってもらったけど・・・そういえば何で入部したんだろう?」

 

ベンチでのんびりと休む斧街を見て、赤城は疑問を浮かべるのだった。




とりあえず十一人が揃いました〜。これで試合はできる。ですが、あと四人入るので、まだまだ先は長いです

さて、問題はその四人をどのようにして入れるかということ・・・まずは書かないことには始まらないので、思い付いたことを書いてみましょうかね?そこから一番書きやすそうなやり方でやってみるとしましょう

次の更新がいつになるかはわからないですが、頑張ります(早くするとは言ってない)

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