イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

9 / 41
少しばかり遅くなりましたが、安心してください。書いてますよ!(古すぎるネタ)

遅くなった原因に関しては、今回の話が微妙に長くなったので区切りの良いところでわけたら今度は微妙に少なくなってしまい、慌てて足してたら思ったより時間が経っていたというのが理由。以上で言い訳を終わります


個性溢れる自己紹介(前編)

「よーし、それじゃあ今日も張り切っていくぞー!」

 

部員はもう充分揃った。だが、監督はまだ見つからないので公式戦に出場することはできない。

 

とはいえ、最悪見つからなかったとしても、監督は手の空いている教師に任せればいい。そもそもそう簡単に見つかるとも思えないので、今は練習の方に重点的に力を入れる。

 

「・・・そういやまだまだ知らんこと多ないか?」

 

少しでも上手くなって全国大会で優勝するため、今日も練習に向かおうと準備していると、ふと淀屋が口を開いた。

 

「安心しろ!そういうのはやってるうちに覚えるから心配すんなって!」

 

たしかに基本的なルールや最低限必要な知識は覚えたものの、戦略や状況に合わせた動きなど細かいことはまだまだわかっていない。

 

とはいえこれは時間と慣れの問題だ。もう少し時間が経ち、実際に試合をやるようになれば自然と身体が動くようになる━━━

 

「キャプテン。たぶん淀屋はそういうことを言ってるんじゃないと思うぜ?」

 

━━━━と思っていると、東条が口を挟んだ。

 

「せや、ワイが言うてるんはそっちやなくてチーム同士のことや」

 

「チーム同士のこと・・・?」

 

一瞬疑問に思ったが、よくよく考えてみればたしかに淀屋の言うとおりだ。

 

今までは簡潔な自己紹介しかしていなかった。それに途中から加入したり、いつの間にか部室にいたり・・・チームだというのにまだまだ知らないことの方が多い。

 

「なるほど。たしかにそうだよな・・・よし、それじゃあ今日の練習が終わったらちゃんとした自己紹介をやるか!」

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、部員全員の時間の都合が合うかを確認し、練習後に自己紹介の時間を設けた。

 

「よーし、それじゃあ早速やるぞー!」

 

「・・・別にやるのは構いませんけど、誰からするんですか?」

 

自己紹介を始めるに辺り、まず一番手は誰からいくかの話し合いが始まる。

 

「あっ、俺は最後だからな?キャプテンは最後に決めるものと相場が決まってるからな!」

 

「ふむ、ここは無難に名簿順などはどうだろうか?」

 

「一年生から順番にやるのもいいんじゃない?」

 

「誰からでもいい。さっさと終わらせるぞ」

 

「・・・なあ、誰か一人ぐらいは反応してくれてもいいんじゃないか?」

 

赤城はいつものようにスルーされ、誰からやるかの話し合いは続く。

 

こういうものは最初が肝心。後続に勢いをつけるために、ぜひとも自信がある人にやってもらいたい。

 

「しゃーない。誰もいかんねやったらうちに任せとき」

 

しばらくすると、含みのある笑みを浮かべた支倉が手を上げる。三年生でお調子者、それに話上手。たしかに一番手としては確かにありかもしれない。

 

ただ、手を上げる時に若干芝居がかっていた気がするのは気のせいだろうか?

 

「いやいや、それなら俺がやりますよ!」

 

続けてその様子を見ていた東条が手を上げる。たしかに盛り上がりそうなことをしてくれそうな気がするし、東条も一番手としてはアリかもしれない。

 

・・・しかし、これは自己紹介がしたくてあげたわけではないだろう。意図は他にある。というより、おそらくあれをやりたいだけだろう。

 

「ちょっと待たんかーい!」

 

すると、そんな二人の動きを見ていた淀屋が何かを察したらしく、勢いよく立ち上がった。

 

「それやったらワイがやったるわ!」

 

「「どうぞどうぞ」」

 

「よっしゃ、完璧や!!」

 

・・・正直東条の様子がおかしかったこともあり、こうなることはわかってはいたが・・・一応言っておこう。

 

「それをやりたかっただけだろ!?」

 

「「「当然ッ!!」」」

 

それやらんと自己紹介できんのか、と言いたくなったが、指摘していたらいつまで経っても終わりそうもなかったので、淀屋に前に出るよう促す。

 

「よっしゃ、やることやったしいっちょ派手にぶちかましたるわ!!」

 

派手にぶちかます必要は一切ない。充分ボケたから、あとは穏便に済ませよう。

 

「ワイの名は淀屋マサキ!ホンマは野球の方が好きなんやけど、縁あってこのサッカー部で頑張ることになったんや!でぃふぇんだーっちゅうとこを担当することになったけど、まだまだ初心者やからお手柔らかにたのんますわ!」

 

さっきのノリからまた何かボケをかましてくるかもしれないと思ったが、意外にもちゃんとやってくれた。

 

「・・・なんや、なんかボケた方がええんか?」

 

「やらなくていいからな!?」

 

「なるほど、それはフリやな!!」

 

「断じて違う!!」

 

宣言撤回。やっぱりボケようとはしていたらしい。やってはいけないというわけではないが、無理してまでやる必要はないし、他の人が待っているので次に進む。

 

「なら次はうちがやるで!」

 

続けて自己紹介をするのは、先程も名乗りを上げた三年生の支倉だ。

 

「支倉静穂!ポジションはDFやで!後ろはこのあねさんがしっかりと守ったるからみんなは安心して攻めてきや!!」

 

一つ上の先輩、加えて経験者ということもあり、非常に頼もしく見える。

 

「それとユニフォームがキツなったらいつでも言いや?この手で直接サイズを測ったる━━━」

 

「そんなことだからあんたはセクハラ先輩とか言われるんだよ」

 

・・・やっぱり不安になってきた。三年生がこれで、このチームは大丈夫なのだろうか?

 

「じゃあ次は俺の番だな?」

 

東条には悪いが、正直なところ何かやらかす気しかしない。本人の性格を考慮してもその考えに至るのは必然。それに、こういうのは一度流れに乗ってしまうと止められないのだ。

 

「東条斬だ!趣味は映画観賞!ポジションはキーパーだからガンガン打ってきてくれ!でも俺も初心者だから、多少は加減はしてくれよ?」

 

簡潔でやる気も感じる。お手本のような自己紹介だな。だが無意味だ(予言)

 

「それはそうとさ、誰か数学の課題見せてくんない?明日提出だからさ・・・お願い誰か見せてくれぇぇぇ!!!」

 

「えっ?・・・それワイもやってなかったぁぁぁぁぁ!誰か見せてくれぇぇぇ!!!」

 

「お前ら何言ってんだ・・・って言いたいけどそれに関しては俺もやってないぃぃぃ!!!誰か助けてぇぇぇぇぇ!!!」

 

「キャプテン・・・やってなかったんだね・・・」

 

大ボケ担当はあの二人だけかと思っていたら、まさかのキャプテンもだった。こんなのが自分達チームのキャプテンだとは、前途多難である。残りの部員はそう思ったとか。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、続きをやるか!さて次は誰に・・・」

 

結局数学の課題に関しては、後で三人で協力しようということで合致した。正直この三人が協力したところで焼け石に水のような気もするが、とにもかくにも自己紹介の続きを始める。

 

「あの・・・さっきから手を上げてます」

 

「うおぉ!?ビックリした!!」

 

誰がいくのかと待っていると、いきなり声が聞こえてきた。その声がした方を向くと、千景が手を上げてこちらを見ていた。

 

「ご、ごめんな!!それじゃあ早急にやろう!」

 

断っておくが、決してわざと無視をしていたとかではない。本当に手を上げていたのに気づかなかっただけなのだ。

 

「千景消一です。見たとおり存在感がないですが、それを利用すればお役に立てると思っています

 

あとさっきのことに関しては本当に気にしていないので、気を落とさなくても大丈夫です」

 

綺麗な土下座を決めている赤城にフォローしつつ、自己紹介を終える。許された赤城は土下座を解除し、席に戻ったところで次の人が自己紹介を始める。

 

「華咲結衣です。広い視野を活かしたプレーをしてチームに貢献したいと思っています。これからよろしくね」

 

非常にシンプルで手短な自己紹介。個性派が多いチームだが、ようやく常識人が現れたように見える。

 

「あのさ・・・なんでパンを持ってるんだ?」

 

ただし、それは手に大量の惣菜パンを持っていなかったらとする。

 

「練習が終わったら食べようと思っていたので・・・いせませんか?」

 

「あっ、いや、そういうわけじゃないんだけどさ・・・どうぞお食べください」

 

席に戻ると袋を開封してパンを食べ始める。別に文句はないのだが・・・そこまでして食べたいのだろうか?

 

「じゃあ次は私が行くわ!」

 

とりあえず本題に戻る。自己紹介は滞ることなく、スムーズに進む。

 

「私は獅子神結衣!!サッカー経験者だから、何かわからないことがあったら頼ってね!別にサッカー以外のことでも何か悩みがあったら協力するからいつでも私のところに来なさいよ!」

 

経験者でもあり、いつでも頼ってくれていいという。こういう人がチームに一人はいると、とても心強い。

 

「あっ、結衣ってことは私と同じ名前なんだ」

 

「あら、本当ね!同じ結衣同士仲良くしましょう!」

 

たしかに獅子神も華咲も名前は結衣だ。名前は同じでも、性格は違うものだなぁとどうでもいいことに感心する。

 

個性派が多いサッカー部の自己紹介。イロモノと言われても仕方ないぐらい濃い面子が揃っている。期待半分不安半分の心持ちで、残りのメンバーの自己紹介が始まる・・・




今回は遅くなりましたが、前書きにもあるとおり今回は微妙な長さだったのでわけました

なので、後編はある程度はできあがっているので、次回はそんなに時間はかからないはずです。来月の10日までには出します。出せなかったらなんでもします(断言)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。