彼女は魔法を知っているのか、と聞いてきたが……?
森本空名、転生前は11歳。
転生した自分は――?
それも、ただの二つ結びではない。金髪だった。外国人みたいだった。
長い金髪をツインテールにしたかわいらしい女の子。
彼女はここを地球と呼んだ。
つまりここは……、“日本っぽい外国”なのだろう。多分。
あれ、そういえばこの子魔法がどうとかって言ってたよね?
ウソ、それ大問題だよ!? 私妄想激しく思われちゃうよ!?
「わたし魔法しってますから、『変だ』なんて思わないので安心してください」
その少女はそう言った。
「あ、あははぁ……、そうなんだ? うん、それはありがと。それから地名も教えてくれてありがとね。それじゃ」
本当は、この子が知ってる“魔法”が私のそれと一致しているのか知りたかったけど、もしも違ったらを考えると切り出せなかった。
なんでこんな思いしなきゃいけないのか。神様を恨みます。
「あ、待って……!」
「フェイトちゃんー!」
あ、あの子フェイトっていうんんだ。とか、少し場違いな感想を抱く。
「な、なのは!」
あの子のこと、『フェイトちゃん』って呼んだ女の子はなのはというらしい。
「よかった、まだここにいて」
なのは と呼ばれていたこちらもツインテール、ただし外見は日本っぽい女の子はなぜかそんなことを言った。
「まだここにいて、ってそれってどういう……」
「伺いたいお話があるんです。『いきなり知らない人にそんなこと言われても』って思われちゃうとは思うんですが」
「わ、私に?」
「はい」
これもしかして原作介入コースなのかな?じゃないとさ、いきなりよくわからない人間に聞く話なんてない、よね?
「あ、あの……。立ち話もあれですから一端――」
そういうことがあって現在私がいるのはフェイトさん(自己紹介は既にし終わり、そう呼ぶことにした)の家。
家についてからも、また人がいてまた自己紹介。
次はフェイトさんのお兄さんのクロノさんにお母さんのリンディさんだそうだ。
どうやら私が海鳴に転送(ホントは転生)されたときに魔力反応があがったみたいでそれの調査だったようだ。
私はそれから向こうから“魔法”について説明され、自分の知識と一致してホッとしていた。
「それで」
リンディさんがそう切り出した。
「あなたには魔導師の適正はありそうだから、それがどういったものか検査してみましょう」
と。
Q.これもしかして原作介入コースなのかな?
A.その通り。
まだ時間としては一期~二期の間ですが、
お兄さんのクロノとお母さんの――
リンディです。
という風にフェイトが紹介したってことで。