モブになりたいが、周りがならせてくれません…。   作:カフェ・オーレ

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オーバースペックとウサギメカ

 剣道場で部員と、試合(という名の無双)を終えた俺は、箒と一緒に帰路へ着いていた。

 

「いや〜、危ねえ危ねえ。財布の中が寂しかったから、タイムセールで弁当が半額だったのは幸運だったわ。だが、あの抗争は何だったんだ?」

「別に気にしない方がいいと思うぞ、兄さん。それに兄さんが金がないのは、私が部活でいないのをいいことに、兄さんが毎日ファミレスで高い物ばかり食べてるからだ」

 

 うぐっ、既にバレていらっしゃる。はい、箒が部活で遅くなる時にファミレスに寄って食べてました…。

 

「それに比べて、箒はよくそれだけで足りるな。腹空かないのか?」

 

 チラッと箒が持っている袋の中を覗いた。入っていたのは、お握り二個、サラダチキン、ミックスサラダに野菜ジュース。ローカロリーなのは良いのだが…、俺としては足りなそうだ。

 

「大丈夫だ。栄養は細かく摂取することが出来るからな。そういう兄さんだって、同じ体質だろう」

「いや、確かにそうだけど…」

 

 俺たちは普通の人と違って、食べ物を栄養をこまなく摂取することが出来る。理由は、自称天災の姉こと『篠ノ之束』お手製のナノマシンを体内に打ち込んだから。食べた物をナノマシンが栄養を最大限に取り込むため、そこまで食べなくても、カロリー摂取することが出来た。

 いやはや、お姉様様だな。

 

「まあ、それは置いておいて、だ。知っている兄さん?なんかここ最近、物騒な噂を耳にしたのだが…」

「ああ、この町で行方不明者が出てるってな。俺も最近知った」

 

 箒の言葉に、俺もコクリと頷いた。ちょい前から、この町で行方不明者が出ているという噂。中には見つけたが、遺体は人間とは思えないほど残酷に引き裂かれ、または肉片で見つかったというものもある。ほんと、世間ってのは、政治も自分の身の周りも物騒だな。

 

「しかも、その犯人は見つかっていない。ニュースでは夜中に出回っているとのことだ」

「そうだな…、ま、俺たちには関係な――」

 

 続きを言おうとした途端に、俺と箒の周りの空気が変わった。どうやら、バリアみたいなのが張られる。恐らく人避けの力でも働いているのだろう。そして、バリアの中に…血の混じった臭いも含まれていた。

 

「……ハァ、言った矢先にこれか。全く、俺の巻き込まれ体質にも困ったもんだ」

「それは毎度のことだろう?それよりも犯人様の御登場らしい」

 

 箒の視線を辿ると、確かに『ソレ』は存在していた。

 

 ギリギリと不気味に血で濡れた大顎を擦り、縦に割れた瞳孔が開いた目、その姿はまるで昆虫のクワガタのような面影のような異型が俺たちを見ていた。

 

《キヒヒ、今日モ人間狩りダ!狩マクルゾォ〜!》

「…中々に気持ち悪いな。兄さん、頼んだ」

「おい!いくら虫が嫌いだからって、俺に押し付けるなよ」

 

 言いたいことは言っておいて、箒はちゃっかりと俺の背中に隠れやがった。それにしても、この気配は…。

 

「なるほど、最近の噂の犯人はお前か。噂の犯行時刻は夜中、中には『切り裂かれたもの』と『肉片』で見つかった」

 

 肉片で見つかったのは、恐らくコイツが喰ったりでもしたのだろう。もうコイツが『人間』じゃないことは確定だしな。

 

《キハハ!アア、ソウダ!楽シカッタ!美味シカッタ!ヤッパリ人間ハ最高ノ餌ダ!ダカラ『悪魔』ハヤメラレナイ!…トイウ訳デ、オマエタチも喰ワレロヨォォォォ!!!》

 

 キチチチッと大顎を開いて、こちらへとクワガタの異型が駆けてくる。悪魔?怪人じゃなくて?

 ツッコミどころがある単語が出てきたけど、今はコイツの相手をするのが優先のようだ。俺は持っていたレジ袋を箒に預ける。

 

 

《キヒャアァァァアァァァァ!!》

 

 そして目の前まで来たコイツを、俺は――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドゴォ!

 

 

『グベッ!』

 

 ――取り敢えず、右ストレートで腹をぶん殴った。

 

「そらそら、まだ行くぞ!腹一杯喰らってけよ!」

 

 バキッ! ドスッ! スッ!ドカッ!

 顔に右アッパー、腹に追加の右ストレート、足払いを掛けて、コイツの身体が地面に付く前に回し蹴りを食らわせる。因みに、こんな事ができるのも、姉ちゃんの仕業である。幼い頃に、束姉ちゃんにゼリー(という名の超人薬)を食べさせられてこうなった。

 

《カハッ!?…クソゥ!テ、テメェ、普通ノ人間ジャネェナ!ナニモノダ!》

 

 まあ、確かに普通の人間ならこんな超人紛いのことは出来ないよな。取り敢えず言っておこう。

 

「そうだな。どうせ、お前を倒すんだ。教えておこうか。……変、身ッ」 

 

 制服のズボンに『巻かれていたベルト』に『兎の形をしたメカ』をスライド差し込む。

 

『HENSHIN』

 

 ベルトから機械音が鳴り、俺の身体中にゴツイ形をした桃色の鎧が装着していく。

 

《ナ、ナンダソノ姿ハ!?フザケテルノカ!》

 

 …あ?巫山戯てるって?んなもん…!

 

 

『「ニチアサでやってた特撮見てたら、造っちゃった♪」ってノリノリだった変人な天災に言えっ!』

 

 ドドスゥッ!!

 

《ゲフゥッ!?》

 

 お構い無しにクワガタ型の悪魔の顔面に両足のドロップキックを叩き込む。さらに殴って蹴っての追加攻撃。我ながら鬼畜だと思うが、アチラは悪魔。俺は人間?だから容赦無く続ける。え、思うじゃなくて本気で鬼畜だって?だってオレ、ニンゲン。コイツ、アクマ。問題ナイ。

 

《ガハッ!…ナラバ…ッ》

 

 悪魔は箒へ視線を変えて、駆け出す。あ、オイ!そっちに行ったら…!

 

「ええい!私に触れるな!」

 

 スパァン!スパァン!

 

《ブベェ!》

 

 箒がいつの間にか出した竹刀で怪人の顔に容赦無い面を叩き込んだ。わあ…痛そうだな…。そうこうしている内に、俺もメカのリミッターを外す。

 

『キャストオフ』

 

 ウサギメカの耳を垂れ耳を捻って、開き耳に変える。装着されていた重りが悪魔?怪人にぶつかっていく。

 

 ※箒は怪人で、全体が隠れているため、無傷

 

『CASTOFF――Change Rabbit』

 

 さあ、クライマックスだ!(俺ノリノリ)

 

 

 

 




 ネタは、仮面ライダーガ○ックより


だって、作者はライダーなら、カブトが一番だからね!
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