モブになりたいが、周りがならせてくれません…。   作:カフェ・オーレ

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お姉ちゃん、参上!

 

 俺は今、猛烈に恥ずかしさで床を転げ回りたいと思っている。寧ろ、自分から行動に移さないのが奇跡だ。いや、動けないんだよなぁ…。

 まぁ、恥ずかしさの元凶というのが…(フニョンフニョン♪)

 

「おい、姉ちゃん!いつまで俺の頭の上に胸乗っけてんだ!それに抱きつくな!重いし鬱陶しい!」

「ええっ〜!嬉しくないの?お姉ちゃんの柔らかくてたわわな、おっぱいさんだよ!?なんで欲情に身を任せないのさ!」

「誰が自分の姉に欲情するかぁ!?」

 

 天災で、我が姉である『篠ノ之束』だ。科学者をしており、なんでも世界中で知らぬ者はいないとか。第一印象は、この姉はとてつもないブラコンだ。いつでも何処でも、俺を見つけたら人目を気にせずに抱きついてくる。幼い時は―

 

『お姉ちゃんとぎゅ〜しよ♪!ぎゅ〜♪』

『ぎゅ〜♪』

 

 ―なんてしてたけど、流石に高三で、さらには人前で抱きつかれたら、見ての通りSAN値がゴリゴリ削られる一方だ…。

 で、俺の目前では…。

 

「ハァ…、やっぱりこうなるのね…」

「あらあら、うふふ♪(羨ましい羨ましい羨ましい!)」

「アハハ…」

「…モグモグ(プイッ)」

「あ、あの…?」

 

 グレモリーは顔を覆って呆れ、朱乃はなんか…笑っているけど、オーラ?が発せられて、木場は苦笑。塔城はソッポ向いて、菓子を食い、…この部では見かけない男子がこの状況についていけてない様子。……ああ、もうっ!

 

 ガシッ!

 

「取り敢えず離れろ!この愚姉ッ!」

「ミ、ミギァァアァァァ!?ス、ストップ!ストップだよ、たっくん!?ア、アイアンクローは!アイアンクローはやめっ―」

 

 いい加減、離れる気がない様子なので、お仕置きとしてこの愚姉の頭をアイアンクローで掴む。勿論、普通の人間では出せない握力で♪

 ちなみに、このアイアンクローは姉ちゃんの親友から教わったものである。「お前もアイツに苦労しているのだな…」と同情の目を向けられたよ…。親友の弟からもな。

 

 だが、この愚姉ときたら…!

 

「それでっ?本音はどうなん、だっ!」

「ご褒美ですぅ!そして束さんがたっくん専用のドMウサギさんに躾けられる気分―(ギリギリギリッ!)だッ!?ノワァァアァァァ!!?」

 

 

 もう、別の意味で効果抜群だった。

 

「ええい!この天災!変態!発情ウサギ!いい加減、自分の亭主でも探したらど・う・な・ん・だっ!」

 

 アイアンクローをしたまま、開いている窓に向かってプロ野球選手の如く、投げる。外から『たっくんのいけずぅぅぅ!ギャフン!』と聞こえた。ここは二階なので顔面から地面に落ちたのだろう。これも、既に慣れているので、さっさと窓を閉めた。勿論、鍵をかけて。

 

「ふぅ〜、すまないなグレモリー。うちのバカ姉が迷惑かけた」

「い、いえ。相変わらず変―じゃなくて個性的なお姉さんね」

「変人って言っても構わない。あれが個性的という枠に嵌まると思うか?まあ、大方、『俺(たっくん)と妹(箒ちゃん)に会いたいから来ちゃった!テヘッ☆』とか言ってたりして、ハハハ」

「…一字一句間違い無く、正解よタツミ。理由は家に貴方と篠ノ之さんが居なかったからって」

 

 ……、もうヤダ、あの姉(バカ)

 

「朱乃が険しい顔をしてたのは、姉ちゃんが来てたからか。昔からお前は姉ちゃんと箒、仲悪いよな」

「ええ。なんでも容姿被りしているのが、嫌らしいですわ」

 

 ああ、確かにロングヘアの髪に巨乳。いや、朱乃に至っては爆乳かも?…確かに被ってるな。違うのは口調だけか。で、それはともかく、さっきからチラチラと気になってるんだけど。

 

「グレモリー、後ろの見慣れない男子は誰だ?新入部員か?」

「ええ、ちょっとした事情があってね。今日から入ったのよ。イッセー、挨拶なさい」

「は、はい!」

 

 返事をした男子が、自己紹介を始めた。

 

「え、えっと。兵藤一誠です。今日から入部しました。よろしくお願いします。ええっと…」

「ああ、御丁寧にどうも。俺は篠ノ之龍実。ここの部員じゃないが、まあ、顔見知りってヤツだ。よろしくな、兵藤」

「は、はい。こちらこそ」

 

 お互いに手を差し出して握手する。すると、兵藤が質問してきた。

 

「えっと、もしかして篠ノ之さんって、妹さんいません?黒髪の長髪で、おっぱ―胸の大きい人が」

「ああ、いるぞ。妹の箒だ。もしかして、竹刀でしばかれた経験が?」

「ええ…。剣道場の部室を盗み見していたら、直ぐに気づかれまして、天誅ゥゥゥって叫びながらブッ叩かれました」

 

 うわぁ…、堂々と盗み見って言ったよ。流石はエロ三人組の一人だな。そして流石は箒、容赦無い。

 

「ま、まあそれは兵藤が悪いな」

「はい…」

 

 俺と兵藤は苦笑しあった。さてと、早いけど帰らせて…。あ、そうだ。

 

「グレモリー。昨日、悪魔に会ったんだけど…」

「ッ!もしかして、はぐれ悪魔に!?それで、その悪魔は?」

「いや、襲いかかってきたのを返り討ちにした」

「…え?」

 

 俺の言葉に、グレモリーが絶句する。いや、理由は解る筈だ。

 

「理由は簡単。俺の姉はあの愚姉。十分な理由だろ」

「…ええ、そうね。あの人の弟だものね。貴方」

『…?』

 

 どうやら伝わったようだ。他の部員は首を傾けていたが、うちの神社に来たことがあり、姉ちゃんの『人外さ』を知っているグレモリーなら解るだろう。

 

「じゃ、早いが帰るわ」

「あらもう?折角来たんじゃない、お茶でも飲んでいかない?」

「嬉しい誘いだけど、断っておく。箒も部活が終わる頃だし、姉ちゃんを連れて帰らなきゃいけないし」

「そう、じゃあまた明日ね」

「ああ、また明日」

 

 グレモリーに挨拶し、旧校舎を出て、庭に埋まっていた姉ちゃんを背負って箒(姉ちゃんを睨んでいた)と合流し、家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(たっくんの背中、広くて暖かい♪)

(ぐぬぬ、姉さん。後で覚えていろ…!)

 

 

 

 

 

 





 なお、束の性格はインフィニット・ストラトスよりも丸くなっています。
 あ、ちなみに篠ノ之姉弟妹は悪魔のことを知っています。理由は、朱乃の家族。特に、父親から。あとはわかりますね?
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