ウルトラギャラクシー〜異世界の救世主〜   作:ふと郎

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マジ間に合わなくてスミマセンでした!



第三章
episode 14 鉄人の心 ー前編ー


 緑豊かな大地の上で、巨人と巨獣が真っ向から激突する。巨人の名はウルトラマンダイナ。ネオフロンティアスペースと呼ばれる宇宙を救い、その後数多の宇宙を旅している伝説の英雄だ。ダイナは相対する怪獣、キングシルバゴンの尻尾を受け止めると、逆に持ち上げて振り回し放り投げてしまった。すぐによろめきながらも立ち上がったキングシルバゴンは3つのツノ(・・・・・)から青紫の電撃を発射、しかしそんな単調な攻撃は無駄とばかりに瞬時に放たれたフラッシュサイクラーで相殺される。

 

『今楽にしてやるぜ…デヤッ!』

 

 青い超能力戦士、ミラクルタイプにチェンジしたダイナを見たキングシルバゴンは、脅威を感じ取り再び電撃を放つ。が、これを待っていたダイナはその電撃を掌で受け止め、なんと増幅して撃ち返したのだ。正確なコントロールで突き進むレボリウムウェーブ リバースバージョン(青い電撃)は、キングシルバゴンの額を突き破るように生えるイーヴィルクリスタル(黒い結晶)のみを見事に撃ち抜いた。途端に正気に戻ったかのように辺りを見回すシルバゴンの様子を見て、ダイナは構えを解く。

 

『さあ、仲間が待ってるぜ』

 

 その言葉に頷きを返し、キングシルバゴンはお礼を言うように吠えると森の中へ帰っていく。それを見届けたダイナは腕をクロスさせフラッシュタイプに戻ると、再び宇宙へと旅立つ。

 

『一体どうなってんだ?』

 

 光の巨人は、この宇宙で確かに起こっている異変を感じ取っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

『燃料が少なくなってきたな』

 

「えー、この前積み込んだばかりじゃない。ちょっと燃費悪いんじゃないの?」

 

 ジャンナインの呟きに家計簿をつけていたナナが耳聡く反応する。憐の旅が始まって早3ヶ月、いつもの光景になりつつあった。

 

『前回の分は質が悪かったんだ。僕のせいじゃない』

 

「そうは言ってもねぇ。お金だって無限じゃないのよ?」

 

「あー、やっぱりシャワー浴びるとスッキリするなー」

 

「ちょ、憐!う、上!上着てから出てきなさいっていつも言ってるじゃない!」

 

「いやいや、これは譲れないね。んで、なんか問題発生か?」

 

 そこへトレーニングを終えた憐がやってきた。鍛えた甲斐あって引き締まってきた身体から目を反らすナナから事情を聞いた憐は、タオルで頭を拭きながらガンパッドを起動させる。

 

「もしもしロテン?今大丈夫か?」

 

『Oh!一条寺の旦那、久しぶりだユー!本日は何の御用かロ?』

 

「ああ、ちょっと燃料が必要になっちまってな。なるべく安く用意してもらいたいんだけど……あ、ジャンナイン、現在地の座標送ってくれ」

 

『ふんふん……ロ!そこから一番近い惑星アダマンに知り合いの商人がいるんだユー!ミーが頼んでおくからお金の心配は無用だユー!』

 

「いやそれは悪いから……って切れちまった」

 

 今しがた憐と通話していたのはカネゴン・ロテン。銀河を股にかける大商人である彼の乗る輸送船が、ディノゾールの群れに巻き込まれていたところを、たまたま通りかかった憐が助けたことで憐を命の恩人と慕い、仕事の斡旋や情報提供などの旅のサポートを買って出てくれている。

 

「つーことで目的地は決まりだな。急ぐ旅ではあるけど、動けなきゃ元も子もないから」

 

『すまない』

 

「気にしないで。アタシもああは言ったけどジャンナインには感謝してるんだから」

 

「まーたツンデレいやいや何でもないからそんな顔で睨むなよ……あ、そういやムッチは?」

 

 憐の言葉にナナは溜息をつきながら答える。

 

「まだ寝てるわ。アレの世話で昨日の夜も遅かったみたい」

 

「またかよ……よくやるなあ。しっかし先週アレが生まれた時は吃驚したぜ」

 

 アレというのは、ムッチが持ち帰ってきた白いボールから生まれたゼットンの幼体のことである。ジャンナインの解析でイーヴィルクリスタルの汚染を免れていたことが分かった芋虫のような生物(サッカーボール大)を、ムッチがバトルナイザーに入れて面倒を見ると言い出したのがちょうど1週間前のことであった。それからと言うもの、ムッチは自室にほぼ篭りっきりで世話をしていた。

 

「ま、その甲斐あってかなり懐いてるみたいだけどね」

 

「あれからもう1週間か。思えば旅を始めたのがずいぶん昔のように感じるなぁ」

 

「ふふ、どうしたの憐?なんだかジジ臭いわよ?」

 

「そんな言い方ないだろ?いや、まあ……アレだよ」

 

 憐は頭をかきながらナナの向かいに座る。が、視線はなぜか斜め上だ。もはや天井を見ていると言っても過言ではない。

 

「ここまで旅を続けてこられたのは、ナナが一緒にいてくれたことも大きいな、とふと思ったんだよ。り、料理とか!色んな意味で、な?うん。だから、あー……これからもよろしく頼む!」

 

 最後は自分でもわからないうちに頭を下げていた憐は、気恥ずかしさも相まってなかなか顔を上げられず、しかしいつまでたってもナナの反応が無いことに気づき恐る恐る顔を上げると。

 

「ぇ……ぃ、ぅあ……」

 

「……ぉお」

 

 顔を真っ赤にさせ口をパクパクさせているナナの顔が間近にあった。ここで少しおさらいしてみよう。割と長く一緒に過ごしているから慣れてはいたが、ナナは美少女も認める美少女である。そんな女の子の恥ずかしがっている顔を至近距離で見た憐の受けるダメージは計り知れない。ナナは思ってもみない言葉に驚くやら嬉しいやらで軽くパニックになり、憐は憐でナナの反応から自分が恥ずかしいことを言ったのだと自覚するは改めてナナの可愛さを思い知らされるはで真っ直ぐ見ることができない。要するに、お互いもじもじしながら俯いているお見合いスタイル、よくある(よくあるとは言っていない)青春の一コマが出来上がっていた。

 

「なーにやってんスか」

 

『ああ、今回ばかりは憐も照れてるという点で珍しいんだが、まあ後で話そう。そんなことよりムッチ、まもなく着陸だ』

 

「あーい了解っス」

 

 

 軽い振動とともに、ジャンスターは比較的茶色の多い惑星の大気圏へと突入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 惑星アダマン最大にして唯一異星人の受け入れを行っているミスリー共和国に降り立った一行は、早速ロテンの知り合いにコンタクトをとった。

 

「話は聞いてるしお代も受け取ってる。そのエメラル鉱石?っつーモンは聞いたことがねェが、似たような鉱物は用意できたんで、ソイツを積み込む。いいな?」

 

「あ、ああ。よろしくお願いします」

 

 一応この星の人々は人間型(ヒューマンタイプ)らしいのだが、どう見ても目の前の2メートルはあるであろうサングラスの男はそんじょそこらの異星人より恐ろしい外見である。ナナやムッチはともかく憐でさえ若干警戒していたがしかし、そこは流石ロテンの紹介だけあってどこからともなく現れた男達を引き連れ非常にスムーズに準備が整っていく。

 

「作業は1日もありゃァ十分だ。それまでこの国でのんびりしてってくれや」

 

『出発準備が出来次第ガンパッドに連絡を入れる。たまには羽を伸ばしてきたらどうだ、みんな』

 

「まあ……そうだな。じゃあそうさせてもらおうかな」

 

 辺りを見渡すが、手伝うどころかかえって邪魔になりそうな雰囲気だ。諸手を挙げて喜びながら走っていくナナとムッチを見て、ちょっと無理させてたのかなあと若干反省しつつ、憐はジャンナインに別れを告げ2人を追って繁華街へと足を踏み入れる。

 

「ねえアレ何かしら?食べられるかな?」

 

「な、なんかビュンビュン飛んでるっスよ!すっげえ!」

 

「あー、でもまずはお金を換金しないと……」

 

「わかった!わかったから落ち着けって!」

 

 惑星アダマンは科学技術の発達した種族の住む星である。市街地と森林地帯、少しの海以外は全て鉱山地帯であり、資源に困ることもなく科学を発展させてきたのだ。そんな情報をガンパッドで調べつつ、この国の通貨を手に入れた3人は、カフェで一息つきつつ今後の予定を立てていた。

 

「ハイ!自分、工場見学したいっス!」

 

「却下。ハイ!俺は資料館でウルトラ戦士との交流について調べたい!」

 

「却下。まずはショッピング、服を買いたいのよねー。どれもだいぶ着古してきちゃったし」

 

「じゃあそのあと工場」

 

「あとお昼は美味しいもの食べたいわね。ね、憐?いいでしょ?」

 

「うんいい、いいからそのあと資料館」

 

「あとは」

 

 2人のウンザリした視線を受けながら、しかしナナは至極真面目に答えた。

 

「お姉ちゃんの情報を探したい、かな」

 

 その言葉に憐とムッチは顔を見合わせ、ため息を吐いた。

 

「そんなん言われるまでもないだろ?忘れてないさ、もちろん協力するに決まってる」

 

「でもそれ最初じゃないんスか普通!」

 

 ナナはさらりと答える。

 

「もちろん一番大事だけど、最初に行ったら他が押し通せないじゃない」

 

((この女……))

 

「んだよそりゃあ!工場見学行ってもいいじゃないっスか!」

 

「じゃあアンタだけ先に行ってなさいよ!アタシは憐と服買いに行くから!」

 

「いやナナさん?俺博物館とかそっち系に」

 

 一瞬冷たい目を向けて憐を黙らせたナナは、1度目を瞑ると、若干頬を上気させての上目遣いでこう言った。

 

「アタシと一緒じゃ、いや?」

 

「っ!?え、あ、いや?そんなことはない、ないかな、うん」

 

「おぉい兄貴!朝のアレで完全に弱点見抜かれてるじゃないっスか!そしてナナちゃんあざといな!」

 

 女ってこういう生き物よ?とは後にナナが語った言葉である。実際朝の一件で若干ナナを意識していた憐には効果てき面であるので男ってチョロい。ただナナが更に頬を染めているのは僅かな羞恥とかなりの喜びからである辺りまだ可愛げがある、はずだ。

 そんな時、突然爆発音が辺りに響き渡る。かなり遠くの方から聞こえてきたことが音からわかるが、しかし地響きを伴って、というのだから何かが起こっているのは間違っていない。すぐさま2人に目配せをしギンガスパークを取り出した憐は、しかし何の反応も無いことに首を傾げる。

 

「にいちゃん達!この国は初めてかい?」

 

「え?あ、ああ」

 

 突然話しかけてきた隣のテーブルの男に驚きつつも返事をする。そうして冷静になってみると、周りの人間は何事もなかったかのように会話を再開していた。

 

「あの音はな、向こうの山が発生源なんだ」

 

「山、っスか」

 

 男の指差す方向を見れば、確かに切り立った岩山がある。

 

「あそこにゃロボット狂いの天才博士が住んでるっつーのはこの国じゃみんな知ってる話さ。ま、天才と変態は紙一重っつーし、俺は変態だと思ってるよ」

 

「そんな諺ないでしょ……」

 

「それにしたってあの音、かなりの爆発だと思うが、国が黙ってないんじゃ?」

 

「ああ、そこは天才博士。仕事はこなすし国の許可なんざとってるさ」

 

「にしてもそんな天才が山の中で何を」

 

 男は心底不思議そうな顔をしながら答えた。

 

「なんでも1万年くらい前のロボットを修理してるらしいんだが、そんなことして何になるんだか。国の調査でも特別なところは何もない、ただの頑丈なガラクタだって結果なのによ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隣のテーブルの男の一言。「1万年以上前のロボット」。それは男達を山へと駆り立てた。

 

「ロマンだよな」

 

「そう。ロマンっす」

 

「誰か止めてよ……」

 

 ナナの嘆きを聞く者はいない。役所に行って入山許可をもらいに行く2人にしがみついて止めようとした彼女だったが、職員の「入ってもいいけど自分の身は自分で守ってね(意訳)」で俄然やる気を出した男どもを止める手立てはなく、イヤイヤ付いてきているのであった。

 

「すまんナナ。お姉ちゃんは必ず探す。だけど午前中は許してくれ」

 

「古代のテクノロジー、太古の遺産……胸が踊るっス。ナナちゃん、それこそ1人でショッピングでもいいんスよ?」

 

「こんな可愛い娘を1人で行かせるつもり!?それに私は……あーもう!知らないわよ!」

 

 ナナが可愛いのは事実だが強いのもまた事実である。1人で行ったところでそこまで問題があるようには思えないが……ついて来て貰っているのでそこは黙っておく2人。

 

「しかしこの辺りは凄いな。見渡す限り山ばかりかと思えば峡谷もあるし」

 

「あーそうね。たしかに綺麗だわ、認めるのは癪だけど」

 

「ナナちゃん、まー拗ねないで。しっかしどこなどわぁあ!?」

 

 轟音とともに閃光が走る。なんとか倒れなかった3人は、三たびの爆発に備えながらも決してなだらかでない岩肌を爆心地へと走る。と、突然くり抜かれたかのような、洞窟の上半分が吹き飛んだような、そんな広場が目の前に飛び込んできた。そこで3人が目にしたのは。

 

「い、てて。おっかしーなー。どうも接続が……アレ?人かい?3人も?」

 

 ずり落ちた眼鏡を直しながら立ち上がる青年と。

 

「こ、まさか、ありえないだろ……これは」

 

「知ってるの、憐?」

 

「兄貴の顔色が悪い時って大抵碌でもない案件なんスよねぇ」

 

 鎮座するインペライザー(黒い鉄人)の姿だった。




史上最高に話が進まない回。
リクエスト怪獣その2キングシルバゴン。
地味に対ゼットン戦から一月程進んでますがロテン助けた以外はイーヴィルクリスタル3つほど砕いたくらいです。
話は変わりますがギャラクトロン編、ドラマ特撮共に素晴らしい出来ですね。何処となくダイナっぽい感じ(8割がた隊長のおかげ)もたまりません。ギャラクトロンの魔方陣演出も最高です。しかし重大な問題が1つ。
ダークサンダーエナジーね、ふーん(白目)
魔王獣の額についてるの完全にクリスタルだよ(震え声)
みたいな感じで今作の個性(よくある設定といえばそれまでですが)が失われるのを回避してきた作者でしたが、来週のオーブの展開次第でついにネタを先取りされる可能性があるのほんとにヤバい。
僕も絶賛闘病中なので、みなさん季節の変わり目の風邪にはお気をつけて。ではまた次回!

〜次回予告〜
ロボット博士、いくらなんでもインペライザーはないだろ!さては皇帝の差し金か?って、1万年前とか言ってたっけ。そういやレイオニクスバトルが流行ってるし……今って一体いつなんだ?
次回「鉄人の心(アイアン・ハート) 後編」、お楽しみに!
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