ウルトラギャラクシー〜異世界の救世主〜   作:ふと郎

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怪獣の鳴き声は作者の力不足により表現できていませんので、皆様脳内補完よろしくです。


episode3 汚い奴ら

「ちょっとー、まだつかないのー?」

 

「あとちょっとだと思うぞー」

 

「それほんとでしょうねー?もうかれこれ一週間は飛びっぱなしよー?」

 

「そんなに行きたいなら一人で行けばー?お前宇宙船あるんだし」

 

「なんでアンタはこの美少女に向かってそういうことがホイホイ言えるのよ!そもそもアタシ行き先わかんないし!」

 

「はいはいカワイイカワイイ。それがわかってんなら黙って乗ってろ」

 

「アンタねぇ…」

 

「やべっ、調子乗りすぎた⁉︎ナナ様、すいませんで」

 

 最初こそ美少女(ナナ)と一つ屋根の下という状況にドキドキとしていた憐だったが、流石に一週間も一緒にいればナナの扱いも慣れたものである(必ず殴られるが)。

 

『相変わらず仲がいいな、二人は』

 

「ふん、誰がこんなやつと…」

 

「そんなことよりジャンナイン。なんか感覚的に目的地に近い気がするんだ。ギンガスパークの反応も強くなってきたし」

 

「そんなこと⁉︎」

 

『ここから一番近いのは水の惑星・ワッカだな』

 

「おう、流石相棒。言わずともわかってくれたか!」

 

「…じゃあ憐。アタシが何を言わんとしてるかも当然わかってるわよねぇ」

 

「え…?あ、ああ、もちろんさ!でもさ、ほらさっきナナが早くつかないかなーとか言ってたじゃん⁉︎だから一刻も早く目的地をはっきりさせようと…」

 

「だからって、仲がいいかどうかをそんなこと呼ばわりはないんじゃないかしら…?」

 

「え?なんでそこでそんなに怒ってんの⁉︎」

 

『やはり仲がいいな』

 

「だれがこんな暴力女と…はっ!違う!今のは口が勝手に…」

 

「問答無用!」

 

 次からはよく考えてから口を開こう。そう心に決めながら、憐は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 水の惑星・ワッカ。

 星の表面の約八割が水が占めている、青い輝きを放つ惑星である。

 ワッカは海底が見えるほど水が綺麗で自然も豊かなため、リゾートとしても有名だ。

 そのため、様々な宇宙人がこの星に滞在している。

 

『というのがこの星のデータだ』

 

「なるほど、リゾートか。そりゃこんなに水が綺麗なら当然だろうな」

 

「わぁー!ほんとに綺麗ね!ジャンナイン、水着つんでない?アタシ海入りたいんだけど」

 

「お得意の変身能力でナマコにでもなってりゃいいだろ」

 

「ナ、ナマコ⁉︎もっと他にあるでしょうが!イルカとか!」

 

「ナナがイルカ?無理無理。強いて言うならサメだろ。それにな、今回ビーチに来たのは聞き込み調査のためだろうが」

 

「アンタも学ばないわねぇ…」

 

「ぐはぁ!…くっ、ジャンナインからもなんか言ってやってくれ!」

 

『ビキニタイプならあるぞ』

 

「あんのかよ!てかお前が早く言ってれば俺殴られなくてよかったじゃん!」

 

「ほら、憐も早く着替えてきなさい」

 

「…なんかもういいや」

 

 憐は何かを悟ったような表情でそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後、大人しく水着に着替えた憐のところに、同じく水着に着替えたナナがやってきた。

 

「ゴメン、選ぶのに時間がかかっちゃって。似合ってるかしら」

 

 普段の憐ならここで、ジャンナインなんで選ぶほど女性物の水着をつんでんだ⁉︎みたいなツッコミをいれていただろう。しかし、今の彼にはそんな余裕は全くなかった。

 確かに、一週間という時間は憐が美少女耐性をつけるには十分な時間だったかもしれない。ただ、それはあくまで普段着で、である。彼は美少女(ナナ)のスペックを見くびっていたのだ!

 ナナの水着は、普段の快活なイメージとは違い意外にもシンプルな無地の水色ビキニだった。しかし、この際ビキニであろうとなんであろうと関係ない。

 綺麗なくびれ、脚線美、大きいわけではないが決して小さくもないちょうどいいサイズの胸。まさにPERFECT BODYである。

 つまり、高校二年生という思春期まっさかりな憐には少々刺激の強いものであった。

 しかし、だからと言って目を背けてしまうかと言われればそうでもない。

 むしろガン見である。

 

「ちょっと、どうしたの?おーい、戻って来なさーい」

 

「はっ!お、おう。うん、正直ヤバイわ。めっちゃきr…似合ってる」

 

「うっ、そんなにはっきり言われると照れるわね…。あ、あの、憐もその…か、かっこいいわよ!」

 

 互いに顔を真っ赤にさせてうつむく二人。

 なんだかいい雰囲気だが、頭の中では軽いパニック状態に陥っていた。

 

(うわぁぁぁぁぁぁ!何口走っちゃってんの俺⁉︎気持ち悪!てか気まずいぃぃぃ!)

 

(きゃぁぁぁぁぁぁ!何してんのアタシ!かっこいいとか思っても口に出しちゃダメでしょ!い、いや別にかっこいいって思ってるわけじゃないけど!)

 

 

「と、とりあえず泳ごうぜ!」

 

「そ、そうね!せっかくのビーチだしね!」

 

 しばらく無言で泳ぎ続ける二人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 しばらくして普段の調子に戻った二人はしっかり海を堪能した後、聞き込み調査に入ったのだが、これがかなり難航していた。

 

 

 

「あの〜、少しお聞きしたいことがあるんですけど…」

 

「あら坊や、イイ体ね。地球人かしら?ワタシと一緒に遊ばない?」

 

「あ、ちょっ、あんま体触んないでくれます⁉︎」

 

 無駄にスキンシップを求めてくるダダや、

 

 

 

「ここら辺でなにかおかしなことが起こってるって話、聞いたことないかしら」

 

「ウホッウホッ」

 

「え?」

 

「ウホウホ」

 

 何を言ってるかわからないゴローン星人。

 

 

 

「あの、少しお話を…」

 

「俺のリラックスタイムを邪魔するとはいい度胸だな!磔にしてやろうか!」

 

「ええ⁉︎」

 

 なぜかキレてるガッツ星人などなど、まともに話を聞ける人がいないのだ。

 

 

「ねぇ憐。ほんとにこの星であってるの?」

 

「確かにここだと思うんだけど、俺も自信なくなってきたわ…ん?」

 

「どうかした?」

 

「なんかおかしくないか、ここ」

 

「あー、確かに。この辺り、誰もいないわね。さっきのところはあんなに混んでたのに」

 

「それだけじゃねえ。ここの海は異常に濁ってる。それになんだか変な匂いも…」

 

「オッケー、とりあえずここを離れましょう。こういう時、絶対なにかいるわよ」

 

「じゃあ見逃すわけには」

 

「あんた今ガンパッドしかもってないでしょ?アタシもバトルナイザー置いてきたし、この状態じゃなんか出てきても戦えないじゃない」

 

「そうだな、じゃあ一旦ジャンスターに…!」

 

 

 いつの間にか変な場所に迷い込んでいたことに気づいた二人はとりあえずここから出ようとするが、憐が歩き出す前に突然海面が泡立ち、中から激しい水しぶきをあげながら怪獣が現れた。

 

 

「なんでこのタイミングで出てくるのよ!狙ってたの⁉︎」

 

「ゲスラ⁉︎とりあえず走れ、ナナ!」

 

 憐はガンパッドを素早くガンモードに変形すると、怪獣__ゲスラに向かって攻撃を始める。

 お世辞にも高いとは言えない憐の射撃能力だが、的が大きいため前足、顔、背ビレと当たることには当たる。するとあまり防御力が高くないのか、ゲスラはビームを5、6発食らっただけで呻き声を上げると、何かを吐き出してから忽然と姿を消した。

 

 

「消えた…?ってやばい!なんかあの最後に吐き出したやつこっちに向かってくるぞ!」

 

「うわっ、なによあの塊!憐、どうにかしなさい!」

 

「いや無理だろ!範囲広すぎて避けられねぇ!…くそっ!」

 

「きゃっ!ちょっと、れ…ん…?」

 

 

 ゲスラが吐き出したモノは見事砂浜に着弾。

 砂煙が晴れると、そこには突き飛ばされて尻餅をついているナナと、汚水まみれで倒れている憐がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

「ぐおぉ…ん?ここは…?」

 

 憐が目を覚ますと、そこは先ほどまでの砂浜ではなく、海を見下ろせる位置にある、涼しげな洞窟のような場所だった。

 

「お目覚めかな?」

 

「誰だ!」

 

 いまいち状況を把握できない憐に突然声がかけられる。

 憐が声のした方向に振り返ると、ラゴンがこちらに向かって歩いてきていた。

 

「まあまあ少し落ち着いて」

 

「(ラゴン?…そういや俺はゲスラの攻撃を受けて、それから…!)あ、あの!俺と一緒に女の子が…」

 

「今向こうで仲間が面倒をみておる」

 

「はー、よかった。じゃなくて!あんたは誰だ?てか、俺はどうなってたんだ⁉︎」

 

「まあまあ落ち着きなさい。ワシはここに昔から住んでいる一族の長、ゴン蔵じゃ。ちなみに、倒れていたお主を連れてきたのもワシじゃ」

 

「あ、俺の名前は一条寺 憐です。って倒れてた?…そうか、ゲスラの攻撃で」

 

「続きは後にしようかの。そろそろお主の連れが…お?」

 

 そうラゴンが言った瞬間、ドタバタと騒がしい音が聞こえ、勢い良くナナが駆け込んできた。

 

「憐!大丈夫⁉︎ケガはない⁉︎」

 

「おう、ナナ!よかった、無事だったか!俺はピンピンしてるぜ。そう言うお前は___げふぉっ!」

 

 ナナが思いっきり飛び込んできたため、無防備だった憐は盛大に咳き込む。

 自分の上に覆いかぶさっているナナに文句を言おうとした憐だったが、ナナの体が震えていることに気づいた。

 

「もしかして泣いてる、のか?」

 

「ッ!だ、だって!ほんとにし、死んじゃったかと思ったんだもん!あの時アタシがなんとかして、って言った、せいで…」

 

「お前…」

 

 ナナが自分を責めていることに、憐はなぜかとても嫌な気持ちになった。

 

 

「あのなぁ、俺は別にナナの言葉を聞いてお前を庇ったわけじゃねえよ。俺は、俺の意思でああしたんだ。つーわけで、俺はお前が無事に笑顔でいてくれるならそれでいい。だから泣くな。俺は笑顔のナナが好きだぞ」

 

「憐…」

 

 憐としては自分の気持ちを素直に言っただけだが、捉え方によっては告白ともとれるセリフである。

 そんな言葉を憐に抱きついたまま聞いていたナナは顔を真っ赤にしながらも嬉しそうな顔をしており、心なしか声も熱っぽい。

 そして周りのラゴン達の視線も生暖かい。

 しかし、当の本人は周囲の視線には気づかない。

 なぜなら。

 

(やべぇー。これはやべえー。俺とナナは水着なわけで。もはや裸同然なわけで?そんな状態で抱き合っててもう肌とか触れ合っててまじおっぱいやばい)

 

 自分の煩悩を抑えるのに必死だったのである。

 元の世界でもこれほどまでに女子と密着したことのなかった一条寺 憐くん(非リア)はこの世界に送られた時よりもテンパっていた。

 

 人間そうそう変われるものではない。

 結局、憐はごく普通の高校二年生なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここは?」

 

「気がついた?」

 

「おう、ナナか。俺は何してたんだ?お前が飛び込んできてからの記憶がないんだが…」

 

「ああ、それなら大丈夫よ。何もなかったわ。ええ、何も」

 

「なんだ?」

 

 覚えてなくてよかったーと胸を撫で下ろしながら言うナナ。

 実はあの後少し冷静になったナナが、自分が抱きついていることに恥ずかしくなり憐を思いっきりぶっ飛ばして気絶させたのだが、そんなことは憐が知る由もない。

 

「そろそろ話してもいいかの?」

 

「あ、お願いします」

 

「まず、お主が倒れていたのは立ち入り禁止区域だったんじゃ。普段ならワシらも近づかないんじゃが、たまたま近くを通った時にそのお嬢ちゃんの助けを呼ぶ声が聞こえての、行ってみたらお主か汚水まみれで倒れておったんじゃよ」

 

「お、汚水まみれ…」

 

「ほんとに汚かったわよー、あの時の憐」

 

「笑いながら言うな!」

 

「まぁお嬢ちゃんはそんなお主を抱き締めながら助けを」

 

「あああああああ!そんなことしてない!絶対してない!」

 

「そんなに必死に助けを呼んでくれたのか…。ありがとな、ナナ」

 

「ううっ…」

 

 どうやら素直な気持ちに弱いらしい、あうあう言ってるナナを放っておいて、憐は話を進める。

 

 

「助けてもらった経緯はわかった。それで、あの怪獣はなんなんすか?」

 

 憐の問いに、ゴン蔵は遠い目で答える。

 

「…あれはもともと、ただの魚じゃった。いや、ただの、ではないな。この星でもっとも重要な魚じゃった」

 

「重要?」

 

「そうじゃ。彼らは汚い水を取り込み綺麗な水に変える働きをもっておった。このワッカの水がここまで綺麗なのは彼らのおかげじゃった」

 

「そうだったのか…って、ん?彼ら?」

 

「もちろん。一匹だけなわけなかろう」

 

「じゃあまさか…」

 

「全て怪獣化しておる」

 

「なんですって⁉︎あんなのが何匹も⁉︎」

 

「まぁあの海域では、じゃが。それでもいづれはこの星全体に広がるじゃろう」

 

「なんでそんなことになったんだ?」

 

「大体三週間ほど前じゃったかの。あの辺りの海に、黒い塊が落ちてきたんじゃ。そしたらいきなり水が濁り出しての。取り込んでも取り込んでも水が綺麗にならない。やがて処理限界をこえたものから怪獣になってしまったんじゃ…」

 

 そこまで聞いて、ナナが憐に話しかけてきた。

 

「ねぇ、黒い塊ってイーヴィルクリスタルのことよね」

 

「ああ、たぶんな」

 

「じゃあ…」

 

「ま、もしイーヴィルクリスタルじゃなくても助けてもらった恩があるし。お前も彼らを助けたそうだし。なにより俺が放っておけねぇしな」

 

 

 そうナナに言うと憐はゴン蔵に向き直った。

 

「この件、俺たちに任せてくれないか」

 

「お主、話を聞いておったのか⁉︎」

 

「大丈夫だって。話を聞いた感じ、どこに毒素を溜め込んでるかは見当がついたから。ま、元に戻るかは正直わかんねえけど」

 

「しかし、あの量をたった二人でなど…」

 

 その言葉に、憐はガンパッドを取り出しながら答えた。

 

「まさか、なんの策もないなんてことあるわけねーだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 ジャンスターを呼んで装備を取り出した二人は、先ほどの海岸の少し高台になっているところに来た。

 

「さて、やるか!」

 

「オッケー!」

 

『ウルトライブ!ハンザギラン!』

 

『バトルナイザー・モンスロード!』

 

 眩い光がやむと、二体の怪獣が少し広めの砂浜に降り立った。

 その光景を見て、戦いを見に来たラゴン達が驚きの声をあげる。

 

「なんと。二人はレイオニクスじゃったか…」

 

《ま、俺は違うんだけどな。じゃあエレキング、よろしく!》

 

 憐の言葉を聞いて、エレキングは雄叫び(?)を上げる。

 

《おお、頼もしいぜ》

 

「ちょっと、なんでアンタが命令してんのよ!てか、エレキングと会話してる⁉︎」

 

《うん。なんかできた》

 

「なんかできたって…はあ…。エレキング、やっちゃって!」

 

 エレキングはナナの指示に応えるように一声鳴くと、海に向かって電撃を発射する。

 

《おいナナ、今のため息はなんだ》

 

「アンタに呆れたのよ」

 

《俺のどこに呆れる要素が⁉︎》

 

「なんで驚愕してんのよ…っ!くるわ!」

 

 そのナナの言葉通り、エレキングの電撃に怒ったゲスラ達が次々と海面に姿を表す。

 

《おーおーこりゃ大漁だな。若干引くぐらいいるぞ》

 

「おぞましいわね…ん?なにしてんの?早くアンタも行きなさいよ」

 

 その問いに、ハンザギランは困ったような表情(たぶん)をして答えた。

 

《いや、おれサンショウウオだから海水ムリっす》

 

「ハァァァァ⁉︎アンタなに言ってんの⁉︎」

 

《うん。ゴメンね。俺は陸に上がってきたやつを重点的に》

 

「エレキング、コイツにフルバースト」

 

《え、ちょっとそれはマジでシャレに…うがぁぁぁあああ!》

 

 幾千もの雷撃が憐を襲う!効果は抜群だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、そうこうしてるうちにゲスラがもう目の前にきちゃってる!」

 

《ぐふ、すいませんでした。ちゃんとやりますからぁぁぁぁ!このでぇぇぇぇぇぇ!んげき止めてください!》

 

 煙を出しながら涙目で許しを乞うハンザギランを見て、流石にやり過ぎたかと内心思ったナナ。

 

「ふぅ、よろしい。で、どうすんの」

 

《げふ…ああ、たぶん毒素を溜め込んでるのは背ビレだ。俺がビームを打った時、五、六発当たったらいきなり消えたたろ?たぶんあれは消えたんじゃなく、毒素が抜けて小さくなったんだ》

 

「なるほど、あの時飛んできた汚水の塊はゲスラから抜け出た毒素だったのね!」

 

《ああ、だからあそこを引きちぎるか蒸発させるか、とにかくなくせば奴らから毒素が抜ける、と思う》

 

「…うん、信じるわよ?エレキング、背ビレに攻撃!」

 

《さて、俺も始めるか》

 

 エレキングが攻撃を始めたのを見ながら、憐は慣れない四足歩行で海を見渡せる別の高台へと登る。

 

 

 

《いやホントに難しいな四足歩行。もし海入れてもコレじゃ戦えなかったわ。おっと、ここら辺でいいか》

 

 海の方に目を向けると、一面を覆い尽くすほどのおびただしい数のゲスラがいる。エレキングも必死に戦っているが、倒す度押し寄せてくるため苦戦を強いられている。

 

《エレキング!危ねえから下がれ!》

 

 憐の声に頷いたエレキングは近くのゲスラ達の背ビレを紫電を纏った尻尾でなぎ払い後退する。

 

《ナイスだ!…いくぜ!》

 

 そう言うとハンザギランは口から海目掛けて思いっきり溶解液を発射した。

 その溶解液は扇状に広がり、ゲスラ達にまんべんなく降りかかる。結果背ビレは溶かされ、ゲスラは元の魚に戻ったのだった。

 

《うおっしゃぁ!ビンゴだ…うお⁉︎》

 

 喜びも束の間、海から今までとは比べものにならない程の大きさのゲスラが現れ、憐を砂浜に撃ち落とす。

 

「ちょっ、大丈夫⁉︎てかなんなのよこの大きさ…」

 

《いてぇ…いや、でも背ビレが弱点ってのは変わらないはずだ》

 

「そうね。エレキング、ライトニングカッター!」

 

 エレキングの口から三日月状のカッター光線が発射され巨大なゲスラの足に当たるが、ゲスラは怯むだけでその足を止めることはできない。

 ハンザギランも体当たりや火炎放射で戦うが、ゲスラの体長は軽く100mはあるため、態勢を崩して背ビレを攻撃することはできないでいた。

 

《くそっ!デカすぎるだろ!》

 

「どうすれば…」

 

『僕に任せろ』

 

 二人が攻めあぐねていたその時、どこからか聞き慣れた声が聞こえたかと思うと、上空から颯爽と一機の戦闘機が現れる。

 そして、ジャンキャノンからレーザーを発射。巨大ゲスラの背ビレを破壊した。

 

『フッ、どうだ相棒。僕の力は』

 

「そんなにアッサリと…」

 

《お前、じゃあ最初からやれよ…》

 

 自慢気に言うジャンナインに二人は脱力してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、なんでコイツは小さくなんないのよ」

 

 残りのゲスラを元に戻し終わった憐たちは、いつまでたっても戻らない巨大ゲスラの前に集まった。

 すると突然、ゲスラの背ビレだった部分が黒く輝き、中からイーヴィルクリスタルが出現した。

 

『なるほど。この一体が異常に巨大化したのはイーヴィルクリスタルを飲み込んだからだったのか』

 

《ま、なんにせよコレで一件落着だな》

 

 そう言いながら火炎放射でイーヴィルクリスタルを破壊する憐。

 

《いやー、この脱力感やだなー。だから火吹きたくないんだよなー》

 

「あ、やっぱそういうのあるんだ…。ん?どうしたのエレキング」

 

《やべ!》

 

 頭のレーダーで何かを感じ取ったエレキングが忙しなく首を動かす。それと同時にハンザギランの嗅覚で危険を察知した憐がナナを守るために前に出る。

 直後、飛来した爆弾が憐に直撃した。

 

「れ、憐!」

 

 ナナはハンザギランに駆け寄ろうとするが、それをエレキングが遮る。

 

「エレキング、どきなさい!憐が…」

 

「フッフッフッ、もうそいつぁ助からないぜぇ!」

 

「誰!」

 

 自分を庇うように立つエレキングをどかそうとしていたナナだったが、突如現れた二人組の男がさらに邪魔をしてきた。

 

「俺たちゃマグマ星の双子のレイオニクス!」

 

「ヤツにぶちこんだのは毒ガス弾だ!コレを食らえばどんな怪獣だってイチコロだ。こい、サタンビートル!」

 

 その言葉に従って現れたのは、赤い目、胸にはロケット弾の発射口を持つ、カブトムシのような怪獣・サタンビートル。

 

「そんな…憐…」

 

「フハハハハ、心配せずとも次はお前ごと打ち込んでやるぜぇ!」

 

《俺今回攻撃当たりすぎじゃね?ま、それは置いといてだ。そいつをやらせるわけにはいかねえな!》

 

『ウルトライブ!ベムスター!』

 

 サタンビートルが発射体勢に入ろうとした瞬間、今までハンザギランを覆っていた毒ガスが晴れ、中からベムスターにライブした憐が現れた。

 

「な、なにぃー!生きてるだとぉ⁉︎」

 

「しかも怪獣が変わっているだとぉ⁉︎」

 

《ハンザギランに助けられたぜ。それに、やられちまったらまたナナにタックル食らっちまうからな!》

 

「タックルってなによ!アタシは抱きついただけ…って何言わせてんの!…でも、ホントよかった」

 

 ハンザギランの驚異的な生命力の高さにより毒ガスの中でも無事だった憐は、ベムスターにチェンジ。腹部の口で毒ガスを全て吸い込んだのだった。

 

《不意打ちなんて卑怯なことをする汚い奴らに遠慮なんていらねぇな!覚悟しろ、マグマ星人!》

 

 エレキングの勇ましい声と共に、第二ラウンドの幕が今あがる。




中途半端ですが続きは次に持ち越しです。
次回の更新は明日の予定です。
では!



〜次回予告〜
レイオニクス大会(フェスティバル)が開かれるという開拓惑星・ナオ。
降り立った憐達を待ち受ける様々な出来事。
そして、大会に関する奇妙な噂とは?
次回「仕掛けられた罠」お楽しみに!
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