スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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美少女スナイパー・シノンちゃん

 

 

 

 シノン

 

 

 

 予定通り、狙撃ポイントに到着した私はしばらくそこでサンドイッチを食べながら休憩する。時間が近づいて来たら、ヴァイオリンケースからヘカテーの本体であるへカートⅡを取り出して組み立てる。

 

『準備は問題ありませんね』

「うん。今日の獲物初めての転生者。弾丸は魔導師殺し」

『これですね』

「うん、ありがとう」

 

 一生懸命持ち上げてくるヘカテーから弾丸の入った弾倉を受け取って、へカートにセットする。組立が終わったら軽く背伸びをした後、イヤホンマイクを付けてから寝転んで射撃体勢を取る。隣にはアイパッドを置いて起動させる。その上に無数のスクリーンが展開される。これは周りのカラス達とジャックした監視カメラ映像を全て映し出している。

 

『接続完了。サポートを開始します』

「お願い。さて、狩りの時間をはじめよう」

『了解です。目標は現在、予定通りのルートを通っています』

「予定通りか」

 

 構えたへカートのスコープから目的地を探し出す。そこは事前に確認し、色々と仕掛けもしてある。ここにも何度も訪れて角度、風速、重力加速度などデータを取った上でシュミレートしてしっかりと計算してある。

 

『来ました』

「見つけた。イクス、やってちょうだい」

『了解しました』

 

 イヤホンマイクを通してイクスに作戦開始を告げる。直ぐに少年が止まった。今、撃てば確実に殺せる。でも、まだだ。今回のミッションを完璧にこなすにはまだ撃っちゃダメ。何故なら目的は相手の持っているロストロギア、ゲイ・ボルクだから。

 

「出した」

 

 でも、まだ待つ。すると、相手はマリアージュに向かって槍を構え、全力で走っていく。その攻撃しようとする瞬間を狙って引き金を引く。激しい衝撃が身体を伝わってくる。体重移動を行い、衝撃を少し緩和する。消音装置によって音こそでないが、発射された弾丸は音速を超える。そもそも、私の撃っているこのへカートは既に化け物銃の領域にある。普通の人間では撃っただけで肩の骨が砕けて身体がへカート諸共吹き飛ぶ。今の私の身体は遥かに人間を超越しているからなんとかまともに撃てるレベルだ。

 

「命中。心臓を吹き飛ばした」

『おめでとうございます4708メートルの狙撃ですね』

「ん。この子とヘカテーの御蔭」

『ありがとうございます。でも、生きてるみたいですね……』

「転生者は化け物か……いや、化け物だったよね」

『ですね』

 

 あちらを見ると、倒れた状態でどうにかしようと蠢いている。でも、イクスが無事にゲイ・ボルクを回収した。もう、こいつに用はない。でも、一撃で殺すつもりだったのに殺せなかった。頭部を破壊しないとダメなのかも。

 

『魔法は使えませんから、問題なさそうですね』

「だね。そもそも魔導師を殺すのに実弾兵器がベスト。特に私のは特別製。魔法障壁を無効化するから普通なら心臓を撃ち抜かれるどころか、消し飛ばされたら死んでるんだけどね……」

『今度はこっちを使いますか?』

 

 ヘカテーの持って来た弾倉には黒い弾丸が入っている。それと、危険物取り扱いという注意書きもある。これは本当に危険な弾丸。

 

「それは切り札でもあるけど……残しておこう」

『わかりました。では、他の転生者でも狩りますか?』

「そうだね。一服してから」

『はい』

 

 薬莢を抜いて新しい弾丸を装填する。それが終わったら、ジャケットのポケットに入れたは葉巻を取り出して吸う。これは美味しい。まずいのもあるけど。そもそも、これを吸わないと私は死ぬのだから贅沢は言ってられないけどね。

 

「さて、もう1人行ってみようか」

『この辺に向かってきている転生者らしき者は7名です』

「多いね。でも、出来る限り殺そう」

『はい』

 

 5人狙撃する。その内で殺せなかったのは2人だけだ。1人は有り得ない回避をやってのけた。こちらが5000メートル離れた場所から撃った弾丸を察知して、振り向きざまに抜刀して斬り落としたのだ。装備は刀のようで和服を着た男性だった。もう1人は金髪の女性で、女性を狙った弾丸が命中する直前にこちらに振り向いた。そのまま弾丸は命中したのだけど、驚いた事に弾丸が跳ね返ってきた。なんとか身体捻って肩に命中して腕が吹き飛んだくらいで済んだけどこれはやばい。

 

「さっきのは反則でしょ」

『ですよね……』

「こっちに気づいた?」

『いえ、分かっていないようです。しきりに周りを見ていますが、流石に5キロ先までは分からないようです。こちらを警戒して撤退していったようです』

「そう。化け物が多すぎる。本当、楽しめる」

 

 注射器を取り出して、吹き飛んだ腕の付け根辺りに差し込んで中の液体を注入する。これで問題は無い。後は放っておいたら勝手に治る。正確には生えてくるか。まあ、どちらでも同じ事だけどね。

 

「最後に1人くらい行ってみようか」

『了解しました。っと、なのはと共闘している転生者が居ますね』

「あれか……最後はあの人でいいや。片手がまだ治ってないし、こっちを使うか」

 

 私は黒い弾丸の入った弾倉に入れ替えて、狙撃準備に入る。狙うは金色の髪の毛をして青い外套を着て、見覚えのある槍を持って戦っている少女。

 

「イクス、ゲイ・ボルク……取られた?」

 

 私がイヤホンマイクに話しかけると直ぐに返事が来た。

 

『取られていません。今も私の手の中にあります』

「そう、ならあれは2本目なのかな?」

『もう一本あるのですか?』

「みたい。どうせなら奪おう……」

 

 狙撃体勢を維持して、よく狙いを付ける。なんだかシュテルも見えるけど、射線が通らないようにする。そして、いい位置に来た時、なんだかシュテルがこっちを見て慌てている。でも、大丈夫なので引き金を引く。その瞬間、緊急通信がイヤホンマイクから大音量で響いた。

 

『『『シノンストップ!!』』』

「っ!? 五月蝿い、何?」

『撃つな』

「もう遅い」

 

 重い弾丸なのでそこまで早くないけど、それでもそれは距離のせいだ。というか、シュテルやイクス、レオンまで何故止めるの?

 分からないけど、今日はここまでにしよう。ノルマは終わっている。あんまり狩りすぎてもレヴィに怒られるしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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