スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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新たに始まるなのはの日常

 

 

 

 高町なのは

 

 

 

 

 朝、目覚めたなのはは近くに眠っているユーノ君と置いてあるレイジングハートを見て、昨日の事が事実だったと改めて思ったの。昨日はあれから帰宅して、お兄ちゃんやお姉ちゃんにユーノ君の事を見つかって、お父さんとお母さんを説得してどうにかユーノ君をお家で飼う事ができるようになったの。そんな風に思い出していると、部屋の窓がコンコンとノックされました。そちらを見ると、お隣さんの庭に植えてある大きな桜の木を通ってやって来た女の子が居ました。

 

「にゃはは、さくらちゃん。何時も思うけど、落ちたら大変だよ?」

 

 なのはは窓を開けて、お隣に住んでいる芳乃さくらちゃんを迎え入れます。さくらちゃんは毎朝私の所にやってきます。これには理由があるの。

 

「にゃはは、大丈夫だよ。だって、空だって飛べるんだしね」

「そうだね。確かに……私達は魔法少女だし」

「ボクは違うよ。ボクは魔法使いだから」

「それってどう違うの?」

「うにゃー」

「あっ、誤魔化す気だ!」

「あはは、だって恥ずかしいもん……」

「ちょ、ちょっと待って! つまりなのはも恥ずかしい事になるよ!」

「ふふふ、なのはちゃんは恥ずかしい人なんだよ」

「そんな!」

 

 唇に指を当てて目を逸らすさくらちゃん。本当に非道いよ。

 

「ところでさくらちゃん」

「何かな、なのはちゃん」

「どうしてなのはのお洋服を脱がすの?」

「それはね……朝練の時間が迫ってるからさ」

「そ、それじゃあ仕方無いね」

「うん。だからさっさと着替えるんだよ!」

「は~い」

 

 昨日、シュテルちゃんから渡された訓練メニューを今日からさくらちゃんと一緒にやるの。対戦相手としてさくらちゃんはいい教師になるそうです。変身したさくらちゃんの動きは凄く速いので、その速度を捕らえられるようになるといいという事でした。つまり、なのはが撃って、さくらちゃんが避けるという訓練法です。もちろん、反撃はありで。でも、それは放課後の訓練。

 

「朝から元気だね……」

『そうですね』

「あっ、おはよう、ユーノ君、レイジングハート」

「おはよー」

 

 起きてきた2人(?)に挨拶した後、私は家を抜け出して道場に移動する。さくらちゃんとなのは、数年前から御神流を習っているの。さくらちゃんがお隣に引っ越して来てからよく遊ぶようになり、さくらちゃんは道場でお兄ちゃん達と訓練をするようになったの。私も誘われて一緒に訓練しだしたんだ。それとさくらちゃんはおばあちゃんと一緒に住んでいたんだけど、おばあちゃんが亡くなったあと、親戚も居ないという事でお父さん達が保護責任者っていうのになって、さくらちゃんを見守ってるの。さくらちゃんをお父さん達は引き取ろうとしたんだけど、芳乃の姓と家を残したいからって事でさくらちゃんが嫌がったので、そのままになってるの。もちろん、さくらちゃんはなのはのお家でご飯を食べてるし、お母さん達がさくらちゃんのお家のお掃除を手伝ったりもしているし。それにあった塀も取り払ってお互いの家をくっつけてあるのであっちもなのはのお家みたいな感じになっている。なのはの家族のみんなもさくらちゃんをなのはの兄弟として扱っている。声もなのはに似ているから、特に見たい。

 

「おはよう、なのは、さくらちゃん」

「おっ、来たか」

「おはようー」

「おはよう!」

 

 私達はお兄ちゃんとお姉ちゃんに挨拶をする。お父さんはまだみたいだからお兄ちゃんに相談する。

 

「お兄ちゃん」

「どうした?」

「私、棒術を使いたい」

「棒術か……確か御神流にもあったな。だが、刀の方が強いぞ? どちらかというと非常時に棒を武器にする為にしか研鑽していないからな」

「大丈夫! それでいいから教えて!」

「いいぞ。といっても、俺も軽くしか知らないから古文書から読み解くしかないな……」

「な、なのはは読めないよ!」

「さくらに頼め。さくらなら読み解けるはずだ。父さんと一緒に書庫の古文書を解読して再現していたからな」

「あの天才少女め……」

「全くだな。まあ、なのはの成績が上がってくれるから父さん達は大助かりだがな」

「うぅ……」

 

 なのはのお勉強はさくらちゃんが見てくれている。たまにお姉ちゃん達にも教えているし、さくらちゃんのお部屋には難しい英語で書かれた本や古文書などが沢山ある。お父さんもたまにさくらちゃんの部屋から本を持ち出して縁側で読書していたりする辺り、楽しそうだ。隣にお母さんも笑っていたりもするし。お父さん達にとってはいいことなのかな。もちろん、なのは達もお花見とか出来ていいよ。さくらちゃんの家には大きな枯れない桜の木があるからね。さくらちゃん曰く、品種改良したそうだけど、今はまだ研究中みたいで経過実験ってのをしてるんだって。

 

「じゃあ、とりあえず基礎だけ教えてやるよ」

「うん! お願いします!」

「ああ」

 

 それからお兄ちゃんに棒術の基礎を習っていくの。もちろん、杖の大きさはレイジングハートと同じくらい。朝練を2時間程すると、すっかり基礎は覚えられました。何か、道場やさくらちゃんの家で勉強とか習い事をすると直ぐに覚えられるんだよね。不思議だよ。これも魔法なのかな?

 

「ヤァァァァッ!!」

「ウニャァァァァッ!!」

 

 お姉ちゃんとさくらちゃんが神速の領域を使って斬り合っている。神速の正式な技名は御神流奥義之歩法神速。これは通常とは桁違いの速度で動くことが出来るんだよね。神速使用時は周囲の動きが止まっているように見え、色彩がモノクロになっちゃう。自分の動きもスローモーションのように感じられるし、便利かな。

 原理は詳しく知らないけど、こんな風に言われた。人間は五感で周囲の状況を判断する。だから、視覚に凄まじい集中力を発揮させたら脳が他の感覚を遮断し、視覚にのみ全ての能力を注ぎ込む状態が起こるんだって。その時、通常では考えられないような視覚の能力が発揮され、本来見えるはずのないスピードでも認識できるようになるらしいよ。この技術を速度にも使えるようにしたのが神速の領域って言われているの。身体への負担が凄いから乱用は出来ないんだけどね。

 

「くっ、負けないよ!」

「私だって年長者として負けられない!」

 

 どんどん激しさをましていく戦いは横で見ていても凄いと思う。でも、やっぱりお姉ちゃんの方が強いみたい。さくらちゃんの突きを首を傾げて回避し、自分の剣をさくらちゃんの首元へと突きつけた。もう片方の手はお互いの剣を弾いていた。

 

「にゃああああああぁぁぁ、負けたぁぁぁぁ」

「ふふふ、まだまだね」

 

 さくらちゃんが床に倒れて足をジタバタさせる。相変わらず負けず嫌いだよね。まあ、なのはもだけど。

 

「ほら、二人共。朝ご飯の時間だからシャワーを浴びてこい」

「「「は~い」」」

 

 私達は3人でシャワーを浴びて、洗いっ子をして朝ご飯を食べに行ったの。

 

 

 

 

 

 

 ????

 

 

 

 

 

「修理はどうなっていますか?」

「まだまだ時間がかかりますね」

「そう……これは不味いわね」

「あ、通信?」

「どこからかしら?」

「こちらに近づいてくる船ですね」

「繋いでくれるかしら?」

「了解です」

 

 通信を開くと紫の髪の毛を持つ女性だ。その後ろにオレンジの髪の毛の女性と小さな女の子が居る。

 

『こんにちは。皆さん。どうやらお困りみたい。お手伝いしましょうか? 一つ私達のお願いを聞いて頂ければですけど』

「……いいでしょう。先ずはそれから教えてください」

 

 それから、私達は色々と聞いた後、協力する事を約束した。彼女の御蔭で修理はかなり早くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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