スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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フェイトちゃんの受難

 

 

 シュテル

 

 

 

 午後3時、ジュエルシードの発動が検知されました。ですが、高町なのはと芳乃さくらは家から出られれないようです。少し、予定が狂いましたか。

 

『ごめんない。お兄ちゃん達が一緒に居てお外に出られないの!』

『そっちで対応お願いできますか?』

『ごめん、そっちでよろしく』

 

 このような連絡が来たので現場である月村邸の森にやって来たのですが、そこには既に先客がいました。そう、焔琉空と対峙する存在。1人は巨大化して異相体となった猫を足の剣で串刺しにしている少女と金色の髪の毛をした少女。金色の髪の毛の方はフェイト・テスタロッサでしょう。ただ、もう1人の方はイクスから連絡があったメルトリリスという者ですね。

 

「おいおい、なのはは来ないのか?」

「残念ながら出禁をくらって出てこられませんね。変わりに私が来ました」

「そうか」

 

 三人は直ぐに私に気付き、お互いに距離を取りました。私は空を飛びながらメルトリリスとフェイトの2人と対峙します。

 

「貴女も私達の邪魔をするんですか?」

「そうですね。ジュエルシードが目当てなのはこちらも同じです。ですが、少し待ってもらいましょう。焔琉空といいましたね。貴方はなのは達の味方ですか?」

「ああ、そうだ。お前はどうなんだ?」

「味方ですよ。少なくとも今は」

「今は、ね……じゃあ、共闘と行こうぜ。俺はそっちの女を相手するから、そっちの空を飛んでいるのを頼む」

「分かりました。いいでしょう」

 

 私がフェイトを見ると、彼女はバルディッシュをサイズフォームで構えました。接近戦狙いですか。確かに普通の魔導師なら対応しきれない可能性がありますね。あいにくですが、私は普通ではありません。

 

「お待たせしました。それでは……ジュエルシードを賭けた武闘を始めましょう。貴女が勝てば手持ちのジュエルシードを1つ差し上げましょう」

 

 スカートを持ってお辞儀した後、私はルシフェリオンを構えます。

 

「行く」

「ルシフェリオン」

『委細承知。ロード、カードリッジ』

 

 6発の弾丸を連続使用して、空に82個の魔法陣を展開し、即座にその魔法陣からブラストアイシクルと呼ばれる物を作り出して無数に放ちます。連続使用は身体に負担がかかりますが構いません。

 

「くっ!?」

 

 こちらに切り掛ろうとしていたフェイトは即座に方向転換して、避けていきます。私はその間に下がりながらマガジンを交換しておきます。それと同時に次の魔法を準備していきます。

 

 

 

 

 

 

 メルトリリス

 

 

 

 

 なのはも芳乃さくらも現れないし、簡単だと思ったんだけどな。でも、別の化け物がやって来たようだ。実際、シュテルが来るまでは焔琉空を2人で相手しながら異相体を追い詰めていた。だけど、あとちょっとの所で来た。こいつもこいつで結構面倒なんだよね。ルークってこんなに強かったっけ?

 

「貴女も私達の邪魔をするんですか?」

「そうですね。ジュエルシードが目当てなのはこちらも同じです。ですが、少し待ってもらいましょう。焔琉空といいましたね。貴方はなのは達の味方ですか?」

「ああ、そうだ。お前はどうなんだ?」

「味方ですよ。少なくとも今は」

「今は、ね……じゃあ、共闘と行こうぜ。俺はそっちの女を相手するから、そっちの空を飛んでいるのを頼む」

「分かりました。いいでしょう」

 

 そんな事を考えて居ると、あちらの話は纏まったようだ。だけど、ムカつく。

 

「へえ、たかがルーク風情がこのメルトリリスちゃんを相手に1人で勝てる気でいるなんて生意気だね」

「はっ、過小評価はしてねえよ。あっちのシュテルはどうか知らねえが、俺はお前に勝てるぜ」

「さっきまでダメージを与えられなかったのに?」

 

 私はメルトウイルスによるデータドレインによって色々と殺し回ってレベルMAXのチートになっている。幻獣とかも殺し回ったしね。

 

「そうだな。それはさっきまでの話だろ? お前がメルトウイルスを持つように俺もあるんだよ」

「へえ? 物理が効かないならレベルを上げて攻撃すればいいって奴? でも残念。私はレベルMAXなんだよ」

「なら、こう言ってやる!」

 

 琉空はこちらに高速で走りながら瞬時に接近してくる。その手にはさっきまで持っていた物とは違う剣が握られていた。

 

「レベルを上げても無駄ならアイテムでドーピングしちまえってなっ!!」

「っ!?」

 

 奴が持っていたのは禍々しい力を持つ剣。

 

「まさか、魔剣ネビリムっ!!」

「そうよ! ついでにこれも喰らえ、アワーグラス!」

 

 世界が止まる。次に気づいた時には私は横一文字に斬られて吹き飛ばされていた。空を見ると、フェイトも無数の氷柱から必死に逃げ回っている。それを見た私は瞬時に身体を回転させて、地面を手と足で擦りながら止めて真正面を見る。

 

「やっぱ堅てえな。でも、ダメージは通ってるよな?」

「ちっ、舐めていたのはこちらだったようね。腐っても転生者か」

 

 攻撃力がおかしい。おそらく、あの魔剣ネビリムは限界突破している。9999じゃないもっと攻撃力が高い。

 

「何故それを初めに使わなかったの?」

「馬鹿かお前は。こいつを使ってフェイトと戦ったら、フェイトが即死するだろうが」

「ごもっとも」

 

 防御力マックスの私でもダメージを受けた。フェイトだと即死するわ。確かに攻略対象であるフェイトは殺せないわね。

 

「これは私も本気で行かないと駄目そうね」

「本気じゃなくても真面目に行った方がいいぞ?」

 

 瞬時に掻き消えた琉空を追って、私も消える。お互いに音速へと突入して剣技と蹴り技を競う。周りの森が衝撃波で壊れるけど気にしない。

 

「ブリゼ、エトワール!」

「見えてるぜ! 飛燕瞬連斬!」

 

 俊敏に舞い、足で空気を切り裂いて衝撃波を飛ばすが、こちらの攻撃を弾いて後ろを取られる。

 

「レイディアント・ハウル!」

 

 波動で周囲攻撃後、前方へ波動攻撃が来る。だから、私がやる事は一つ。

 

「あら、怖い怖い」

 

 さよならアルブレヒトを使い、無敵状態に入って攻撃を無効化してやる。その状態でレイディアント・ハウルを突っ切り、こちらの攻撃を決める。

 

「気持ちいいでしょう?」

 

 具足の膝部分についた刺を膝蹴りで叩きこんでやる。クソ硬いじゃない。ダメージもろくに吸収できない。

 

「どこがだ!! 金的じゃねえか! というか、スカートとスパッツをどけろよ!」

「嫌! なんで、あんな恥ずかしすぎる格好をしないといけないのよ!」

「メルトリリスだからだろうが!!」

「それでもお断り!」

 

 残念ながら金的は避けられた。しかし、有り得ないくらい堅い。まさか……コイツ、相当やばい?

 

「有り得ない。何その防御力……本当にルーク?」

「はっ、こっちは文字通りの草食男子だぜ? 甘く見るんじゃねえよ」

 

 数枚の色とりどりの葉っぱを取り出して食べる琉空を見て、私は理解した。こいつまじでチートだって事を。本当に容赦してない。

 

「ドーピングしまくりじゃない!」

「てめえも人の事言えねえだろうが! データドレインも充分反則だろうが!」

 

 飛び蹴りを叩き込み、即座に剣に対応する。しかも、琉空の奴、もう一本剣を持ち出してきた。聖剣ロストセレスティだ。

 

「ガイの武器じゃない!」

「はっ、俺は両方使えるんだよ! ここはゲームじゃねえ! 制限なんてねえんだよ! オラァッ!!!」

「ちぃっ!?」

 

 側転で回避したら、地面が琉空の剣によって振った軌道に裂けた。限界値すら存在しないのかも知れない。本当にやばい。なにこいつ、神霊相手に……って、まさか!!

 

「神霊クラスから作られたアルター・エゴの相手が出来るって事は……あんた、最終形態か!」

「おうよ! 俺の身体はエンディングで帰還したルークの身体よ! つまりローレライの力も持つ完全体!」

「本当に舐めてた訳だね……同格相手じゃ、そりゃ決着付きにくいわ。でも……」

「どうした?」

「楽しいわ。貴方の苦痛に呻く姿を私に早く見せなさい!」

「はっ、お前こそ跪かせてやる! あはははははっ!!」

「ふはははは!」

 

 両足と二つの剣が交差し、何度も火花を散らす。攻撃力はどちらも遥か現界を超えている。打ち合う毎にクレーターができ、破壊を巻き散らかす。だが、当然の如くお互いある程度の手加減はしている。全力を出せば結界か壊れるのを理解しているから。

 

「「固有結界とか持ってない?」」

「ちっ、役たたずめ」

「あんたも持ってないでしょう!」

 

 楽しい血肉脇踊る戦いを続けていく。だが、それも長くは続かない。だって、そうでしょ?

 こっちは“一般人”が居るんだから。それにしても、光速に入りたいなぁ……

 

 

 

 

 

 

 フェイト

 

 

 

 

 私の相手はお母さんと同じだ。オーバーSランク魔導師に間違い無い。私のフォトンランサー・ファランクスシフトをさらに大量に維持しながら砲撃魔法も撃ってくるんだから間違い無い。私もメルトリリスに鍛えられてかなり強いつもりなんだけど、この人は本当に強い。

 

『マスター』

「っ!?」

 

 砲撃魔法が飛んでくる。それを急降下してなんとか避ける。私の回避先を読んでいたかのように無数の氷柱が私を待ち構えていて、一斉に襲いかかって来る。

 

「フォトンランサー!」

『フォトンランサー』

 

 ある程度打ち破って、寒いのを我慢しながら突っ切る。身体に切り傷が無数に出来るけど我慢する。止まったら瞬殺される。動き続けないと駄目だ。

 

「なかなかやりますね。では、これはどうですか?」

「っ!? しまったっ!!」

 

 通り過ぎようとした時、一瞬で私の手足がバインドによって拘束された。それに、かなり用意周到なのか、上空に巨大な氷が存在した。全てここに追い込まれるように誘導されていたのだ。

 

「数多の水よ、我元へ集いて蒼天に座せ。水神の槍、彼方より来たれ銀雪の吐息、逆巻き連なり地を貫く一擲となりて槍陣を成せ。汝は絶対零度の白銀の破槍! ヘイムダル・ファランクスシフト。オリジナルとは大きさは違いますが、威力は理論上は同じです。耐え切ってみせなさい」

「くっ、これは……無理。死ぬよ……」

「なら、死になさい。完全物理攻撃です」

 

 死刑宣告の声と共に落とされる私を殺す絶望の一撃。凄く凄く怖い。手足が寒さだけじゃなくて震える。でも、私は1人じゃない。死の恐怖は何度も何度も何度も何度も経験している。それだけメルトリリスとの模擬戦は怖いんだ!

 

「頼りなくてごめんなさい。でも、こんな所で死ぬ訳にはいかないから……来て、私のメルトリリス!!」

『仕方ないわね、私のマスターは……まあ、頑張った方ね』

 

 右手の甲が熱くなると、私は優しく抱きしめられて、私に迫っていた氷の槍が真っ二つに斬り裂かれた。それだけじゃない。斬り裂いた一撃は術者にも届いた。

 

「これは普通の状態では防げませんね。ルシフェリオン」

『委細承知。ドライバーモード』

「はっ!!」

 

 大きな大剣へと変化したデバイスでリリスの飛んでいく斬撃を弾き返した。本当にこの子は魔導師なの?

 それとも、これくらいないとオーバーSにはなれないって事なのかな?

 

「うわぁ、本当に何者?」

「ああ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私は時空管理局嘱託魔導師、シュテル・スタークスです。魔導師ランクは一応、Sランクですね。ご投降してくれるなら貴女方を悪いようにはしませんが……」

「嘘っ、管理局って早すぎる!! まだ何も、今が初めてなのに……」

「簡単です。私は別件でこちらに滞在していました。すると、ジュエルシードの事が報告されたのです。別の任務を行わなくてはいけないのですが、見過ごす事も出来ません。なので、私の変わりに民間協力者を用意したのですが、先の事件で今日は出禁されましてね。御蔭で別件を放りだして来ました」

「あははは、アンタが居るって事は他の2人も居るのかしら?」

「レヴィとディアーチェは現在こちらに向かっております。つまり、既に援軍は要請してあります。今のうちに投降をオススメします」

「……それはできない」

「そうですか。では、やりあいましょう。ですが、その前に名前だけでも聞いておきましょうか」

「いいわよ。私はメルトリリス。こっちはマスターのフェイトよ」

「リリス?」

「いいのよ。どうせバレる事だしね」

「そう……なんだ」

 

 でも、別に名前だけならいいか。それより、リリスが相手していたもう1人はどうなったのかな?

 

「おい、こら、シュテル!」

「何ですか?」

「てめえ、何味方まで巻き込もうとしてやがんだ!!」

 

 下を見ると、割れた氷の片方を弾き飛ばした男の子が出て来た。この人も凄い。あんなの、普通は潰れるよ。

 

「それは敵に言ってください。切られて軌道が変わったのは私の責任ではありません」

「ふざけんじゃねえ! お前だったら計算できるだろうが!」

「いえ、確かに計算は出来ましたがどちらにしろ良かったので」

「この野郎っ!!」

「どちらにしろ、メルトリリスと貴方の戦闘を観測していましたが、アレくらいでは貴方達は問題無いと判断しました。相手が居るならまだしも、こちらの救援に駆けつけていたのです、問題はありません」

「ちっ。おい、続きをするぞ。降りてこい」

「ああ言ってるけど……?」

 

 私はリリスのコートの裾をギュッと握る。凄く怖い。このシュテルって人、怖いよ。

 

「そうだね。御免、また今度にしよう。どうやら私はシュテルの相手をしないといけないみたいだしね。マスターを殺そうとしたのはちょっとサーヴァントとしても、友達としても許せない。だから、フェイトはあの下に居る人と遊んでていいよ。大丈夫。空から降りなければ平気だから。高高度から魔法を撃ってたらいいからね」

「うん……でも、やっぱり私も挑んでみる。もしかしたらまた呼ぶかも」

「OK~フェイトが頑張るって言うんだったら好きにしていいよ。私がフォローしてあげる」

「ありがとう、リリス」

 

 私だって、下の人を押さえるくらいは出来ると思う。多分。私とリリスの2人で戦っていた時はこっちを気にして本気を出していなかったみたいだし、私だったら大丈夫だと思う。

 

「俺の相手はフェイトか。まあ、いいか。遊ぼうぜ」

「はい」

 

 この人はリリスと同じ、戦闘が好きなんだ。だったら、まだ平気。私が相手だとわかったら剣も変えて一つだけにしてくれた。舐められているからって私は怒らない。私にそこまでの実力は無い。戦いになるようにわざわざ相手が調整してくれているんだから。

 

「行くよ、バルディッシュ。相手は格上だけど、絶対に一撃は入れる」

『イエッサー』

 

 お母さんやリリスの為にも頑張る。フェイト・テスタロッサ。行きます!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どいつもこいつも化け物です。このクラスの転生者達にとってフェイトは一般人扱い。
少し説明。
琉空の持っていた葉っぱはレッドベルベーヌとかのステータス永続強化アイテムです。こちらはテイルズのアイテムになります。
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