暖かな気も良い気分で目覚める。胸の上には柔らかく気持ちのいい抱き枕みたいなものがある。目を開けて確認すると、一糸まとわぬ裸のシュテルだった。しかも、俺の上で気持ち良さそうに丸くなって寝ている。昨日は交代でシャワーを浴びた後、シュテルとやってしまった。確かにシュテルの言うとおり、年齢的には合算すれば18を超えている。外見年齢といわれれば18歳どころか8歳くらいだろうが。生まれてからの肉体年齢だと1歳いってるかという感じだ。まあ、存分にシュテルの身体を楽しませて貰ったから今更だがな。それに幸せそうにしているから問題無い。あの無表情のシュテルがだ。なので、尚更ギャップが凄まじい。
「ん……」
「起きたか?」
「ふぁい……おはよう、ございます……」
目をこすりながら起きたシュテルは俺を見て、顔を一瞬で真っ赤にした後、恐る恐る俺の首に手を回してきて、そのままキスしてくる。その後はスリスリと頬ずりしてくるので、頭を撫でてやる。しばらくそのままにしていると、次第に動きが小さくなってくる。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
「醜態を晒しまし」
「いや、可愛かったから良かったぞ」
どうやら、頭が覚醒して何時ものシュテルになったようだ。俺が身体を起こして座り、膝の上にシュテルを乗せる。お互い裸なのであれだがな。
「しますか?」
「いや、別にいいけど」
「でも、おっきいです」
「それは朝の生理現象だ」
「そうですか……じゃあ、します」
シュテルにスッキリとさせられてしっかりと目覚めた。いや、正確には搾り取られたといった方が正しい。だが、幸せそうなので良しとする。
「さて、お仕事の時間とまいりましょうか」
俺に背中を預けたまま、シュテルはそう言いながらスクリーンを展開させる。その全てはこないだの戦闘だ。
「じゃあ、高町なのはに送るのを編集しようか」
「はい」
色々とシュテルと共に作成して、危険な内容の物を仕上げた。
「さて、これをメッセージと共に録音して完了っと。しかし、ご主人様も悪ですね」
「何、シュテルほどではないさ」
「ふふふふふ」
「あはははは」
録音した物を保存して、わざわざ別の録画装置に移した後、俺とシュテルはユニゾンする。シュテルの演算能力はエセルドレーダにも引けを取らない。なので、これで変身魔法を使える。変身した後、着替えて地球へと転移する。
なのは
今日はシュテルちゃんからの連絡がまだ無い。昨日の結果もわからない。一体どうなってるんだろう……不安だよ。
「んーどうする?」
「何時も通り訓練しよっか。訓練メニューは貰ってるしね」
「うん。ユーノ君」
「わかった」
イメージトレーニングを開始して少しした時、お姉ちゃんが訪ねて来た。
「なのは、さくらちゃん元気?」
「うん、なのはは元気だよ」
「ボクも元気だけど?」
「そっか。お届け物が届いてたから持ってきたんだ。ビデオレターみたいだけど……宛先はシュテルって子からみたい」
「見る!」
「貸して!」
「じゃあ、お姉ちゃんはお茶とか用意してくるね」
お姉ちゃんが台所に行った後、私達はビデオを早速見る。すると、直ぐに画面にシュテルちゃんが映り出した。
『この映像をなのはとさくらが見ている時、私の身体は消滅しているでしょう。私が殺された場合の事を考えて、このビデオレターが届くように調整しました』
「「嘘っ!?」」
「馬鹿なっ!? シュテルはSランク魔導師だよ! それに非殺傷設定が……」
『私を殺した相手の映像を送ります。どうか、なのは達は気を付けてください』
映像が切り替わり、シュテルちゃんとの戦闘が繰り広げられる映像があった。そして、それは金髪ツインテールの少女と、青い髪の毛の少女、そして仮面の人が写っていた。それに琉空君が死ぬ所もだ。
「ゆ、ユーノ君……」
「か、加工は無い。これは本物だ。さっきからシュテルに連絡しているけれど、反応がないし、魔力反応も消えてる……その、シュテルは……」
「そ、そんな、嘘だよね、シュテルちゃんが死んだなんて……」
「なのは……でも、これが本当なら……この人達がシュテルを……」
わ、私のお友達を、師匠を、大切な人を殺した……この人達が。
「皆、お待たせ。って、どうしたの?」
「えっと、その……」
「これは……」
信じられなくてテープは最初に巻き戻して、もう一度再生さしていた。直ぐに消したけれど、そこをお姉ちゃんが見ちゃった。
「なのは、さくら……」
「お姉ちゃん」
「美由希、さん……」
お姉ちゃんは優しく私を抱きしめてくれる。
「なのは。なのはこの人の命を奪った人を許せる?」
「ゆ、許せない」
「さくらは?」
「ぼ、ボクも!」
「なら、なのは達がその子の敵を打たないとね。同じところに送ってあげないと。御神流には裏があるのをなのは達も知ってるよね?」
「「うん」」
「なら、仇討ちの為に使うといいわ」
「でも、それは……」
「それを彼女もきっと望んでいるわ。2人で協力して打倒し、殺して敵をとってあげなさい」
お姉ちゃんの声は私の中に入り込んでくる。
「うん……私、シュテルちゃんの敵を取るよ。やろう、さくらちゃん」
「う、うん……そうだね。やっつけないと!」
「違うよ、殺すんだよ」
「そ、それはやり過ぎじゃないかな?」
「何言ってるの? 先にシュテルちゃんを殺したのは向こうだよ。こっちが遠慮する事なんてないんだ……」
「まあ、甘い物を食べながら話したらいいよ」
それから、お姉ちゃんが用意してくれたお菓子を食べながら、なのはが説得するとさくらちゃんも納得してくれた。
「そ、そうだね……わかった」
「理解してくれてよかったの」
「それじゃあ、私は帰るね。頑張って」
「うん、お姉ちゃん、ありがとうなの」
「ありがとう、美由希さん」
お姉ちゃんが帰った後、私達は激しい訓練を行う訓練メニューの前倒しだ。出会う事となった時、命日にしてあげるの。
(何かがおかしい。なんだ、この違和感は……くっ、どうなっているんだ!! このままじゃ大変な事になる気がする! 僕が、シュテルの変わりにみんなを守らないと! それが巻き込んでしまった僕の責任だ!)