ついでに少し指摘頂いた部分を修正。最後のとこです
ディアーチェ
高町なのは、芳乃さくらの収容を完了した。さて、ここはどう動くべきか……いや、管理局としては二人の精密検査だな。フェレットもどきから詳しい情報を聞かねばならん。先ずは事情聴取か。ふむ。我も同行するか。
「では、姿を元に戻してくれ」
「わ、分かりました……その、なのは達は?」
「彼女達なら精密検査だ。精神誘導がされている可能性があるのだろう?」
「はい……確証はありませんが、二人はあんな事をする性格じゃないです……」
フェレットもどきから人間へと変化した奴が情報を吐いてくれる。しかし、そのような事は既に大導師であるレオンから聞いておるし、我には必要無い。
「そちらは検査次第であろう。それよりも、我としてはジュエルシードだ。今は誰が持っている?」
「なのはです」
「ふむ……」
「とりあえず、艦長室に行こう」
「そうだな」
我らはリンディの元へと向かう。レヴィ? レヴィならさっさと食堂に直行しよったわ。いらぬ事を話してしまいそうなのでむしろ助かる。
「艦長、連れてきました」
「はい。どうぞ」
「「失礼します」」
「入るぞ」
中には和室になっている。これがリンディの趣味だと聞いたが、明らかに間違っておろう。
「いらっしゃい。先ずはそちらに座ってくださいな」
「はい……」
リンディがお茶を作法に則り入れて出してくれる。我も口をつける。うむ、美味いな。
「では、事情を教えて貰いましょうか……」
「はい」
フェレットもどきの話を聞き、実際にその時の映像を出して貰いながら説明してもらう。成程。映像による催眠誘導と経口摂取による精神誘導。魔法と科学、両方の技術を利用したか。
「成程……これは……」
「艦長、何かわかりますか?」
「ええ。ディアーチェさんもわかるわよね?」
ふむ。これは言えという事か。まあ、よかろう。既に使い終わった手札を晒したところで問題はあるまい。
「映像による催眠誘導と経口摂取による精神誘導の可能性があるな。リンディもそれは気づいただろう」
「二人にそれが施されていたとしたら、ですけどね」
「しかし、それが事実ならこれは明らかな犯罪行為です。これを行ったのは誰でしょうか?」
「それはこれからの検査ね」
『艦長。なのはちゃんとさくらちゃんのメディカルチェックが終了しました』
エイミィの声が聞こえて来る。
「それで、どうなのかしら?」
『結果は黒ですね。どちらにも精神誘導の痕跡が見られました。口や食道、胃の中に術式が見られます。そこから更に身体全体に広がっているようです』
「そんな!?」
「治療はできるかしら?」
『可能です。なので、今は洗浄を行っている所ですね。後、5分で終了します』
「じゃあ、終わったらこっちに二人を連れてきてくれるかしら?」
『了解しました』
さて、我はどうするべきか……現状、隠すべきは二つ。大元の計画には存在しなかったこちらだが……やはり、大元を隠すべきであるな。よし、ならば我が誘導してやろう。
「良かった……」
「さて、犯人探しはなのはさん達が来てからでもいいわね」
「であるな。その間に我らはあのレティシアという小娘と敵対勢力の情報を解析しよう」
「ディアーチェ、お願いできるかしら?」
「既にある程度は出来ている。これだ」
我は人形に付いている陣営の映像を出して説明していく。
「シュテルから受け取った情報によると、この金髪の名前はフェイト・テスタロッサ。そして、そのサーヴァントのメルトリリス。謎の仮面ゼロだな。フェイト・テスタロッサに関してはSランクといった所だな。装備さえ揃えばSSに行ける技術は持ち合わせている」
「凄いわね」
「確かにそうだ。だが、それよりも真に恐ろしいのはそのサーヴァントのメルトリリスだ。やつの実力はSSS+を超えている。ゼロに関しても精神系支配の能力が存在しているようだ」
「どの人も凄い実力ね。管理外世界に居ていいような人じゃないわよ。いえ、それよりもこの世界はどうなっているのかしら? あの少女二人もSSSクラスの実力は出していたわよね?」
「うむ。そこは我にはわからんな」
「どちらにしろ、現状ではこの3人が敵になるという事かな。そして、このレティシアと名乗った少女は不明と……」
「敵対しない事を頼みたいわね」
「SSSクラス二人を瞬殺だからね……」
あれは化け物だな。こちらのサーチャーを破壊せずに軽く振り切りおったし。ただ、態度をみるに敵対する気はないという事か?
まだ分からぬな。
「お茶が冷めてしまったわね。入れ直すわ」
「艦長~連れてきましたよー」
「はい、どうぞ」
外から声が聞こえ、リンディが返事をした後に扉が開いてエイミィが顔色の悪い二人を連れて来た。どうやら、記憶はあるようだな。
「さて、お二人共、私はリンディ。この船の艦長よ。それでこちらが執務官のクロノ、管制官のエイミィよ」
「我は紹介したから覚えておるだろう」
「「はい……」」
「それで、お二人共自分が何をしてたか覚えているかしら?」
「はい……シュテルちゃんの敵を討とうと……あの人達を殺す気でした……」
「それも周りを巻き込んででも敵を討たなきゃって……」
「そう……それでお二人は何時から自分がそうなったかわかるかしら?」
「わ、わからない……」
「んと……確か、シュテルが殺される映像を見た時からだんだんと……」
「あっ、そうだね」
「なら、その映像は何処にある? それと君達がその時に食べた物が原因だと判明している」
「「え?」」
「我はこの女が怪しいと見ている」
我はユーノが写していたデータから、黒髪の女を指差す。
「お、お姉ちゃんがそんな事するはずないよ!」
「それに美由希さんは魔力なんてないよ?」
「そうね……でも、この人は魔力はあるわ」
「うむ。貴様らの目は節穴か? こやつは魔力を隠蔽しておるぞ」
「「「ええっ!?」」」
「エイミィ、頼む」
「わかった。任せて」
直ぐにクロノがエイミィに依頼して、魔力を計測する。映像には微かに魔力を出している事を表す表示がされていた。
「う、嘘っ、お姉ちゃんがそんな事するはずないよ!」
「そ、そうだよ……なんで美由希さんが……」
「ううん、そう考えると納得だよ。あのビデオだって美由希さんが持ってきた。それに彼女が美由希さんだとは限らない」
「ええ、そうね」
「変身魔法。かなり高度だが、おそらくそれだろう。それを得意にしている犯罪者も居る」
「ど、どうしてこんな事をしたっていうの!」
「おそらく、両陣営の殺し合いをさせたかったのでしょうね」
「両方の戦力を排除に掛かったという事だな。しかし、そうなると早く証拠を確保した方が良いな」
「先ずはその美由希とかいうのを探すのと同時に証拠となるビデオとかいうのを回収してくるといい。高町なのは、芳乃さくら、お前達が行ってこい。我も同行するゆえ、構わぬかリンディ」
「ええ、お願いするわね。お二人も今日は遅いから帰りなさい。ビデオはディアーチェに渡してくれたらいいわ。ああ、なのはさんはジュエルシードをこちらに渡してくれるかしら? それはこちらで保管しておくわ」
「わ、分かりました……」
リンディがジュエルシードを確保したので、我は打ち合わせをしてから二人を連れて地球へと向かう。家の前で二人の家族が待ち構えていた。
「遅いぞ二人共」
「「ご、ごめんなさい……」」
「まあまあ、お客さんが居るみたいだからね」
「そうだな。それで、その子は?」
「我はディアーチェ・K・クローディア」
「と、遠くから来た友達で……遅くなっちゃったから今日は一緒に泊まって貰おうと思って……」
「確かにこの時間から遠くに帰るのはあぶないよ。こんな小さな女の子なんだから……」
「親御さんに許可は貰ったのか?」
「ああ、貰っている。これだ」
我は携帯を恭弥に渡す。相手はリンディだ。それで話していき、我は泊まる事となった。明日迎えに行く時にお礼を持って伺うとの事で今日は問題なくなった。
「さて、どこにある?」
「こっち」
「うん……あのお姉ちゃんは……」
「魔力がないから……本物だ」
台所で母親と共に料理をしている美由希を見て、なのはなんとも言えない雰囲気だ。そんななのはを連れて我らは芳乃さくらの家へと移動する。だが、庭に誰かの靴があった。
「ま、まさか!!」
「ま、待って」
「なのは!」
なのはは靴を見た瞬間に走り出した。そして、途中で立ち止まった。そこには確かに高町美由希が居た。帽子を深く被って、ビデオを持っている。
「なのは、どうしたの?」
「お、お姉ちゃん、そ、それをどうするの……?」
「これ? ダビングに使おうと思ってね。それより新しいお友達かな?」
「あ、あの、貴女は誰? ボク達の知ってる美由希さんじゃないよね? だって、美由希さんはさっき台所に居たよ!」
「ああ、確かに私はさくらちゃんの知らない美由希だね。でも、なのはちゃんは知ってるよね?」
「す、水族館の……時の、お姉ちゃん?」
「そう、正解。バレているようだし、改めて名乗ろうかな? ああ、でも私を知ってる子はまた別に居るか。それと私は自分で美由希だとは名乗ったつもりはないよ」
「その姿でいけしゃあしゃあといいおるわ」
「勝手に勘違いしてくれているからね。それよりも久しぶりだね、ディアーチェ」
「うむ。それと貴様らにも伝えておく。こいつはレオンハルト・スカリエッティ。広域次元犯罪組織ブラックロッジの総帥、大導師だ」
「は、犯罪者……?」
「す、スカリエッティ……?」
呆然としておるな。これは純然たる事実で、久しぶりというのは間違いだな。
「そして、シュテル、ディアーチェ、レヴィは私が作った。なのは、私は君に感謝しているよ。何故なら、シュテル・スタークスは水族館で君が眠ってしまった間に採取させて貰った血液から培養して作り上げた君のクローンだからね」
「ええっ!?」
そこまでばらすか。何を考えているのやら……
「この世界に来て強大な魔力を持つ者を探していた。その時、なのはを見つけたんだ。だから、私は君の姉に姿を変えて付き合ってあげた。楽しかっただろう?」
「う、うん……で、でも……シュテルちゃんが私……?」
「記憶転写クローンを作るプロジェクトFATEの完成型。それを更に戦闘用として開発したのがシュテルだ。君と敵対している金髪の少女はこのプロジェクトFATEから名前を取られている。ああ、混乱しているね。そうだね、シュテルはなのはの双子や妹だと思えばいいさ」
「ちょっと待って! それじゃあシュテルが死んだのって……」
「この女達は管理局に取られてしまってね。まあ、今回のは不幸な事故だよ。精神支配の攻撃を受けた場合、機密保持の為に暴走するように命令を組み込んであった。つまり、相手が悪かった」
「そうであろうな。我らにとってあれが一番厄介だ」
「そ、そんな……」
「あんまりだよ……」
「しかし、誤算だったよ。姉妹が妹の敵を討つ。そういうシナリオだったのだけどね」
よく言うわ。適当に組み直したくせに。
「それと高町なのはと芳乃さくら。頑張った君達に選択肢をあげよう」
「ふえ?」
「うにゃ?」
「君達の魔力、能力を犠牲にして君達の知っているシュテル・スタークスを蘇らせてあげよう。そして、魔法も何もかも忘れて三姉妹として友達のアリサとすずか、それに家族と一緒に幸せに暮らすといい。そもそも、君達が戦う理由などジュエルシードだけだろう? ジュエルシードなど、そこに居る管理局に任せればいい。違うかね、ユーノ君」
「それは……」
「その方が危険も少ない。家族にも迷惑をかけないよ。私はなのはの事を気に入っている。だから、チャンスをあげよう。だから、ここが最後の分岐点だ。このままこの世界で家族と友達と一緒に幸せ過ごす事だ。もう、非日常はいいだろう? たっぷり堪能したはずだ。夢は覚めるべきだよ。何時までも魔法少女なんてやってられないよ?」
なにげにディスってるな。だが、その方が幸せではあるだろう。
「ど、どうしよう……」
「……ボクは、どっちでもいいよ。ボクは家族が欲しくてこの力をお願いしただけだから……なのは達がいてくれるから、ボクは魔法を捨てても構わない」
「さくらちゃん……」
「もしそうなら、ちゃんと他の人達から守ってくれるんだよね」
「ふむ。それは任せておいていいよ。管理局も構わないだろう」
「ああ、構わん」
「じゃあ、ボクはなのはに合わせるよ」
「うん、じゃあ私は……」
さて、どちらを選ぶ、高町なのは。
高町なのはの前に選択肢が現れた!
『魔法を捨て、さくら、シュテルと家族となり、この世界で幸せに暮らす』
『魔法を諦めず、困って居る人を助ける』
なのはの選択肢により、エンディングが代わります。