高町なのは
魔法の事を改めて考えて、私は皆を助ける事にした。選ばされた感もあるけれど、別に間違っているとは思わない。
「さて、先ずはレティシアさんからですね」
「そうですね」
「貴女は彼らと知り合いのようね」
リンディさんがスクリーンを出す。そこには前の戦いのデータが有った。そこでは敵の人達とレティシアさんの会話がされていて、知り合いのように感じる。ううん、もっといえば仲間みたい。
「そうですね。昔の知り合いですね。たまに会っては敵だったり味方だったり、それとも無関係だったりします。今回は街中で味方にならないかとお誘いを頂きました」
「そうなの? それでどう答えたのかしら?」
「簡単です。気が向いたらと答えました。あちらがどうとろうが私には関係無い事です。敵対するなら滅ぼしますし、それ以外なら興味はありません」
「そう……でも、先の戦いでは介入して来たわよね?」
「あれは当然です。他の者達もこちらに向かっていましたよ。あれほどの戦いを起こされてはこちらとしても黙っている訳にはいきませんから。はっきり言って迷惑です」
「「あうっ!?」」
そ、そうだよね……もうちょっとで地球崩壊とかするところまでいっちゃってたらしいし……いくらお姉ちゃん……ううん、レオンって人に思考を誘導されていても、私達がやったことに変わりないし。
「そうね。気づいていたらこの事態は見過ごせないわよね……」
「ええ、ですから介入させて頂きました」
「それで、貴女はこれからどうする気なのかしら?」
「普通にテストを受けて、友達と遊ぶくらいですね」
「そ、そう……普通の女子高生生活を送るのね」
「……はい、そうです」
「では、貴女はいいわ。それじゃあ、次になのはさん達ね」
「「「はい!」」」
「今回の事は本来なら魔力封印の後に犯罪者として投獄する所です」
「「ふえ!?」」
「ま、待ってください! 2人は操られていたんですよ!」
「それでも危険な事をしたのに変わりはないわ。それに芳乃さくらは特に危険よ。デバイスの殺傷設定を解除したとかそういうレベルじゃないわ。願望機……第一級捜索指定遺失物聖杯に関係される物と認められた以上、時間凍結による永久封印を行います」
「い、嫌だ!」
「そ、そうだよ!」
「ですが、それが妥当でしょう。貴女の持つ力は危なすぎる」
「無茶苦茶だ! いくらなんでも……」
「ですが!! ここは管理世界ではありません。ちゃんとコントロールは出来ているようですから、厳重注意としておきます。もちろん、定期的に監視をさせて貰いますが」
「よ、よかった……」
「うん、よかったよ……」
なのははさくらちゃんとお互いに抱き合ってしまいます。
「という訳で、2人はもうお家に帰って大丈夫です。ジュエルシードの事は責任を持ってこちらで対処させて貰いますから」
「「え?」」
それってつまりジュエルシードを集めちゃ駄目って事?
「あ、あの……」
「ユーノさんもこちらで預かります。彼は管理世界の出身ですからこちらで保護する義務がありますから。それと、ユーノさんはこの世界の渡航許可を持っていますか?」
「持っていません……」
「ま、待って! ボク達もジュエルシードを集めるの、手伝うよ! ボク達の力はそっちにとっても有益でしょ!」
「いえ、そういう訳にはいかないの。危険すぎるのよ。実際に人死が出ているの。貴方達が知っているだけで被害者は稲川竜希、焔琉空、シュテル・スタークス。これ以外にも魔法が関与している殺人があります。つまり、既に貴女達の手におえる事件じゃないわ。こんな危険な事に親御さんの許可もなく、正規の訓練も受けていない子を戦場に出すわけには行きません」
「そ、それは……」
「ボクは……」
「でも、さくらのクラスカードを使えばなのはとさくらは超一流の魔導師になれますよ!」
「じゃあ、こういいましょう。少なくとも親御さんの許可がない限りは認められません。親が子を、家族を心配するのは当然ですよ」
お父さん達が許してくれる……多分、それはないと思うの。ううん、頑張れば説得はできるかな?
「ふむ。ですが、そちらは戦力が足りるのですか? あちらはニアSランクのフェイト・テスタロッサとSSS級メルトリリス、そして最低でもオーバーSランクのゼロ。この三人が相手ですが」
「そうね。こちらの戦力はクロノ執務官とディアーチェさん、レヴィさん、そして私。最後にもう1人、ちょうど地球に渡航していたオーバーSランク魔導師を呼び寄せたわ。この艦のサポートも有ればどうにかなるわ」
「……」
「これで足りなければ、貴女に依頼しようかしら?」
「私にですか……?」
「ええ、レティシアさん。あら、そういえばジャンヌとも呼ばれていたけれどどっちが本名なのかしら?」
「どちらもですよ。この体はレティシア・ドラクレアでありジャンヌ・ダルクでもあります。記憶継承のレアスキルを持っていますから私は数多の英雄の記憶を継承しています」
「素晴らしいわね。そうね、なのはさん、さくらさん、レティシアさん。貴女達がよければ管理局の嘱託魔導士試験を受けるといいわ。そうすれば私達は断れないから」
「……でも、今回の事件には関われないんですよね?」
「ええ、そうね」
「……少し、考えさせて」
「構わないですよ。でも、こちらの条件は両親の許可と嘱託魔導士の資格。これが最低でも必要ですからね」
「「はい……」」
さくらちゃんとよく相談しよう。これからどうするのかを……
「では、送っていくわ。ジュエルシードをもし見つけたら教えて頂戴。連絡だけでいいからね」
「「「はい」」」
「心得ました」
それから、私とさくらちゃん、レティシアさんは臨海公園へと転送されました。
「では今日はお疲れ様でした。ここからお二人でちゃんと家まで帰れますか? 無理なら送っていきますが……」
「だ、大丈夫です」
「ありがとうございます」
「いえ、構いません…………ふむ。それよりもお二人共携帯電話を持っていますか?」
「持ってるよ?」
「なのはも持ってます」
「ならアドレスを交換しておきましょう。何かあれば知らせます。特に芳乃さくら、貴女は私にとって要注意人物ですから」
「あうっ!?」
「それと少し調べましたが御神流というのを高町なのはの家ではやっているのですよね?」
「は、はい」
調べても簡単にわかるはずないのに、やっぱり凄い人。
「では、少しすれば腕試しに試合をしたいのでそちらに訪れます。その時まで貴女達も心を決めていなさい」
そういいながら、アドレスを交換した後、私達のメールにレティシアさんのアドレスと電話番号が届いた。
「では、帰ります。貴女達も気を付けて帰るのですよ」
「「はい」」
レティシアさんが帰っていく。さくらちゃんは携帯電話を見つめた後、直ぐに閉じた。レティシアさんのメールに何か書いてあったのかな?
「なのはちゃん」
「何?」
「魔法の練習を続けよう」
「ふえ?」
「ボクの我侭になるけれど、もっと強くなりたい。なのはちゃんも付き合って」
「うん。別にいいよ。私も魔法をもっともっと使いたい」
「じゃあ、これを渡しておくね」
「キャスターのクラスカード……2枚だね。ありがとう」
「目指すはレティシアさん……ううん、ジャンヌ・ダルクを倒す事だよ!」
「そうだね! 二人係で負けちゃったもんね!」
「うん。今度こそ勝つ!」
他にも何か理由があると思うけど、さくらちゃんがなのはに隠すならよっぽどの事だと思う。だから、なのはとしてはさくらちゃんの好きにさせてあげようと思う。でも、ジュエルシードを集めたら駄目なのか……あの金髪の女の子に謝りたかったな。あの子はシュテルちゃんを殺した訳じゃないんだから。