スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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おお、愛しのジャンヌよ……

 

 

 

 メルトリリス

 

 

 

 

 あのニートにお願いするとなのははどうなるかわからない。なら、私が取れる選択肢は一つしか無い。ハイ・サーヴァントとして同じ領域に居るルーラー・ジャンヌ・ダルクとの決闘。かなり危険だけど、味方に引き込めるのは多い。いや、何もジャンヌじゃなくてもいい。芳乃さくらでもどっちでもいい。でも、出来ればジャンヌのオリジナルが欲しい。だから、奴が居る高町家へと私はやって来た。管理局のサーチャーは私の能力で侵食して誤魔化す。だから、私は堂々と道場の扉を破壊して突撃した。

 

「なんだ!?」

「下がっていてください。どうやら私とさくらに用があるようです」

「高町家にも用がある。マスターの命令でね」

 

 高町士郎に恭弥、美由希、芳乃さくら。そして、ジャンヌ。この5人が居る。

 

「ジャンヌ、芳乃さくら。そして、高町家の者達、よく聞いて。なのはが死にかけている。もう長くないはずだ」

「「「「なん(で)だとっ!?」」」」

「フェイトと出会って狙撃された。理由はわからない。でも、かろうじて生きてる状態だ。確かに伝えた」

「もっと詳しく話してくれ!」

「な、なのは……」

「断る。時間が無い。ジャンヌ、アンタの持ってる物を貸して欲しい。それと出来れば芳乃さくらも来て欲しい」

「ど、どういう事!? ボクがやる事でなのはが助かるならなんだってするよ!」

「それは助かる。でも、足りない。高町なのは回復魔法を受け付けないそうだ。どうにか輸血と体組織を凍結させて持たせている」

「成程、理解しました。さっさと案内しなさい。最悪死んでも私が蘇らせてあげます。人間では無くなるでしょうが」

「アンタ、あたしの知らない力も持ってるのね。まあ、いいわ。じゃあ、転移しましょう」

「待ってくれ。俺も連れて行ってくれ」

「役に立たない」

「なのはと血液型は同じだ。血液が居るだろう。それに臓器だって渡せる」

「……問題ありません。士郎くらいなら連れていってあげなさい」

 

 あたしが悩んでいると、ジャンヌがそう言ってきた。確かにジャンヌの協力があるなら転移も問題無いだろう。ましてや、三人なら平気だ。

 

「お、お父さん……」

「お前達は家で待っていろ」

「だが、俺達にも何か……出来る事が……」

「ない」

「ないですね」

「ぐっ……」

「そんな……」

「あ、あるよ! 桜! 桜の木! 私の、芳乃家にあるあの桜の木は研究用の初音島の桜の木なの! だから、力は弱くても願望機としての力はちゃんとあるよ!」

「願望機?」

「う、うん。登録者の純粋な願いを叶える効果があるの。私とお父さん達はみんな登録してあるから大丈夫だよ!」

「なら、貴女達はなのはの無事を桜に祈っていてください。それで充分効果があります」

「2人共、頼む」

「わかった」

「うん、なのはをよろしくね……」

 

 あたしは士郎を含めた4人でフェイトから送られた座標へと飛ぶ。直ぐに医務室に移動して死にかけている高町なのはを見る。フェイトが一生懸命に魔力を送っている。ゼロもなのはにギアスをかけて生きる事を命じている。

 

「なのは!!」

「なのは!! 必ず助けるからね……夢幻召喚(インストール)、セイバー・アルトリア!」

「アヴァロン、お願いします」

 

 2人のエクスカリバーの鞘、アヴァロンがなのはの中に投入される。士郎もスタッフに従ってなのはに輸血をしながら手を握って声をかけている。

 

「これは……嘘、こんなの打ち込まれたの!! そんな……」

「何を撃ち込まれたんだ!!」

「え、エクリプス、ウイルス……魔導殺しの禁断の兵器……」

「「「っ!?」」」

「な、なんなんだそれは!!」

「感染者に全てを壊したくなる程の強烈な破壊と殺戮の衝動を齎し、その身体を強制的に作り変えて兵器と化すウイルスです。でも、改造されているみたいで対象を作り替えて居る間に確実に殺すようにされているみたいなの……」

「魔術ではどうにもなりませんか……」

「アヴァロン頼みって事?」

「そうですね。後はそれこそ……方法はまだあります」

「あるの!? って、そうか……」

「こんな方法は貴女ならできますが……問題があるのですか?」

「問題はあるよ。こないだ使っちゃったから出力が足りない。出力をあげると今度はボクの未熟な技能を超えて桜が暴走する」

 

 さくらの持つ大聖杯なら確かになんとかなりそうだけど、これは問題あるよね。

 

「では、さくら。一時的で構いませんから私に制御権を一部渡してください。私はルーラーです。聖杯の扱いは可能です。内部に入り、直接操作します」

「なら、ボクもやる」

「平行世界の貴女のようになるかも知れませんよ。その覚悟はあるんですか?」

「ある。ボクはなのはの為なら過去に飛んだって構わない!」

「そうですか。では、やってしまいましょう。そうですね、固有結界を張りましょう」

「そっちがいいね」

「アタシも手伝う。これでもハイ・サーヴァントだからね。他のサーヴァントよりどうにかなる。管理者から顕現を与えられるならだけど」

「……今回は嫌だけど信じてあげる」

「……そうだね。保険はしてあげる。フェイト」

「何?」

「アタシに令呪で命じて。あたしがなのはを救う事だけにしか聖杯を使わないって。それと2人の指示……ううん、芳乃さくらの指示に従うって」

「いいの?」

「いいからやって」

「わかった」

 

 令呪が発動した。これで私は逆らえない。

 

「これでいいかな?」

「わかった。信じてあげる。やるよ……夢幻召喚(インストール)、アーチャー」

 

 瞬時に赤いコートに身を包む芳乃さくら。そして、詠唱を開始する。

 

「I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている)

 Steel is my body, and fire is my blood.(血潮は鉄で、心は硝子)

 I have created over a thousand blades.(幾たびの戦場を越えて不敗)

 Unknown to Death.(ただの一度も敗走はなく)

 Nor known to Life.(ただの一度も理解されない)

 Have withstood pain to create many weapons.(彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う)

 Yet, those hands will never hold anything.(故に、その生涯に意味はなく)

 So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.(その体は、きっと剣で出来ていた)」

 

 無限の剣製(アンリミテッド・ブレイクワークス)が発動して医務室ごと世界が変わる。

 

「願いを叶える力を秘めし桜よ。

 真の姿を我の前に示せ。

 契約のもとさくらが命じる。

 レリーズ!」

「ぶっ!? 何故それ!」

「仕方無いんだよ! そう設定してあるんだから!」

 

 巨大な桜の木が召喚される。そして、それは世界に侵食して巨大な桜の木がある島にしてしまう。三日月型だけど。だけど、無数の剣があるのは変わらない。

 

「行くよ!」

「そうですね。遊んでいる場合ではありません」

「そうだね。管理者権限発動。内部空間に転送……」

「待って! これも使って!」

「これは……いいの?」

 

 フェイトが持っていたジュエルシードをさくらに渡した。ちょっと信じられない光景でもある。

 

「うん。お願い。これならなのはを助ける手助けになるよね?」

「確かにこれならもっと簡単にできるよ。足りないのはコントロール化で生み出せる出力だけだから。ありがとう。後は任せて」

「お願い……なのはは友達だから助けたい」

「わかった。なのはの友達ならボクの友達でもあるから、待ってて。なのはをよろしく」

「うん……任せて」

「行ってくるよ」

「行ってらっしゃい」

 

 あたし達は桜の木の中に入り、ジュエルシードと大聖杯の制御を開始した。流石というか、芳乃さくら用にチューニングされているだけあって、さくらは無茶苦茶な速度で処理していく。ルーラーであるジャンヌを超えた処理能力だ。

 

「メルトリリスは戦闘をお願い。これからなのはの中にあるエクリプスウイルスをこっちに転移させる。増殖させる前に倒してね」

「私も手伝いましょう。これくらいならどうとでもなります。2人で蹴散らしますよ」

「そうね。たった数千億程度のウイルスにあたし達が負けるはずないわ」

「よろしく。ボクがサポートするからね。管理者権限において命ずる。魔力の無限供給を開始。防衛プログラムを展開。さあ、ボクのサーヴァント達、友達を守る為に力を貸してね!! 英霊の座、開放!」

 

 さくらの持つ膨大な数のカードが出現し、そこから馬鹿みたいな数のサーヴァントが出て来る。

 

「ボクの本来のフィールドは桜の木の中! 古今東西、ありとあらゆる英霊、神霊達を召喚する事が出来る!」

「「無茶苦茶だ(です)!」」

「ふふふ、こちらのあたしは貧弱なのかしら?」

「この程度なら問題ないはずです」

「ジャンヌゥうううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!! お会いしとうございましたぞぉおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

「ジル・ド・レェ、久しぶりですね」

「嘘っ、普通に対応した!?」

「はっ、お久しぶりでございます。ジャンヌの復活を幾星霜待ちわびた事か!」

「復活はなりました。聖杯に願ってくれるつもりだったのですね、ありがとうございます」

「もったいなきお言葉! このジル・ド・レェ、感激でございます!」

「貴方は本当に私の忠臣ですね。そんな貴方にお願いがあります。此度の戦も力を貸して欲しいのですが、構いませんか?」

「ははっ、ジャンヌの頼みとあればこのジル・ド・レェ、ありとあらゆる障害を取り除いてみせましょうぞ!」

「よろしい。では、まりましょう」

「はっ」

 

 うわっ、信じられない。まじもんだって事? 良くやるよね。でも、やる気満々みたい。

 

「見捨てられた者は集うがいい。

 貶められたる者も集うがいい。

 私が率いる! 私が統べる!

 我らが虐げられたる者たちの怨嗟は、必ずや聖女にも届く!

 おぉ天上の主よ! 地の聖女よ! 我は忠誠をもって御身の願いを叶えましょうッ!」

 

 生贄も必要もなく大量の海の魔獣を召喚していく。そして、何よりとんでもないのを召喚しやがった。

 

「ふはははは、ジャンヌの加護よ。我に力を与えよ! いでよダゴン! 我らが聖処女の敵を粉砕せよ!」

「クォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンンンン!!!!!!!!」

「こ、これは何ごとですか……」

「ん、切りがいがある?」

「いえ、ジャック。あれを斬るんじゃありません。あちらを切るんです」

「そう、ありがとうメデューサ」

 

 ぶっちゃけ、引いてる英霊も居る。でも、その大概が負けず嫌いだったりする。

 

「ふむ。ここまでやられては王たる我が何もせんわけには行かぬな」

「そうだろうよ。俺達の出番がなくなっちまうぜ」

「ふっ、そもそも貴様の出番など与えぬ」

「はっ、言ってくれるぜ。野郎ども、出撃の時だ!!」

 

 暑苦しいおじ様達が大量の兵を召喚し、有り得ないくらい世紀末な展開になっている。

 

「その前にSANチェックしないと! クトゥルフだよクトゥルフ!」

「さくら?」

「はうっ、失敗しちゃった!」

「ちょっ!? というか、私の前にもダイスが……」

「皆、あるみたいですね」

 

 適当に降ったあと、SANチェックをしていく。失敗する人も居るが、大概乗ってるだけだ。英霊はこの程度問題無い。だが、さくらは違った。

 

「おい、どうする……我らのマスターが狂ったぞ」

「はいはい、ちょっとSANチェックの術式を反転させるわ」

「ナイスです」

「ふむ。まずかったですかな?」

「耐性のないのが悪いんです。では、これより敵を出現させます。各々存分に戦われよ。さくらと大聖杯たる桜の木が汚染されれば我らの負けです。故に防御はこの私、ジャンヌ・ダルクが受け持ちましょう。気にぜずこの戦争をお楽しみください」

 

 ジャンヌが聖旗を突き立てながら宣言し、さくら達の前に堂々と立つ。その横にジル・ド・レェが立つ。

 

「今再び救世の旗が掲げられましたぞ! 皆の者、戦の始まりですぞ!!!」

 

 そして、大量に転送されてくるエクリプスウイルスという魔物を蹂躙する戦いが始まった。過剰戦力にも程がある。それはそうだろう。数千を超える神霊と英霊による合同作戦だ。もはや、誰も止まらない。しかも、魔力無限のチート状態。この中なら魔力飽和も問題無い。そもそも聖杯の中なのだから。高町なのはを救う戦いは桁違いの規模になりだした。

 

 

 

 

 

 

 

 




つ、ついにやっちまった……ジル・ド・レェェエエエエエエエエエエェェェ!!
まさかのダゴン召喚。ルルイエ異本って鬼械神出てないんですね。ちょっと残念です。何かでっちあげるしかないのかな?
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