高町なのは
私は気がついたら知らない場所に居た。周りは暗くて黒い形の無い化け物達が沢山居る。そして、ヒルみたいな気持ち悪い生物を食べている場所。そんな所から近くにあったお城に入っていく。化け物達は私が近づくと逃げていくのでレイジングハートがなくても大丈夫だった。お城の大きな門につくと、勝手に開いて私を迎え入れてくれる。不安になりながらも城内へと入っていく。すると人の話声が聞こえて来た。
「いけーそこだー」
私以外の人が居ると思って急いで走って扉の前に行き、その部屋に入る。そこには銀髪の女性が高そうなソファーに寝転びながらポテトチップスを食べながら大画面の映画を見ていた。それも片手で携帯ゲームをしながら。
「ふえ?」
テレビの大画面に写っているのは私とフェイトちゃんだった。その中でも私とフェイトちゃんは戦っている。でも、あんな所で戦った覚えはない。
「ああ、入ってきなよ」
私と同じ声を発する銀色の髪の毛の女性がこちらを見た。その瞬間、私はこの人がもの凄く危険な人だと理解した。圧倒的な強者。神様とか言われても理解出来る人。
「あ、あの……」
「ようこそ高町なのは。冥界の王として君を歓迎してあげる」
「な、名前を……え? め、冥界?」
「そう、ここは冥界。地獄よりも下の厳しい世界さ。ここにいるのは邪神だったり邪悪な者達だ」
「あ、あなたも……」
「そう、アタシも。アタシは冥刻王メイオルティス。もう1人の高町なのは」
「ええっ!?」
「冗談だよ。まあ、なのはの中に居るという意味では間違って居ない。アタシが現世に出る方法はなのはの身体を通してだしね」
「何それ怖いよ!」
「まあまあ。それに世界には似たような人が三人居るって言うじゃん。まあ、なのはの場合はアタシを含めて4人だけどね」
「っ!?」
この人、シュテル、さくらちゃん?
声的にそうだよね。って、私大怪我しちゃってるんだ。
「あ、あの、私は……」
「生きてるよ。現在も治療して貰ってる。ウイルスも駆逐されて行っているけど、後はなのは次第って所かな」
「私次第?」
「そう。ここから脱出するのは大変だよ? なんたってデモンベインでも脱出できないからね!」
「待てい。貴様の許可が有れば出られるであろう!」
「力尽くでは無理かな……門を開いたら平気だけど」
声に振り向けば大量のスナック菓子スーパーの袋に入れた女の子が居た。買ってきたのかな?
「アル、お疲れ~じゃあ、次は芋けんぴがいいな~」
「この野郎! 貴様はさっさと飯を作れ飯を!」
「仕方無いな~冥刻王様の料理を食べさせてあげる。ああ、なのはも食べていけばいいよ。ささ、ここに座ってこれでも見るんだよ」
「は、はい……」
「おい、待て、何を見せる気だ……」
「劇場版、魔法少女リリカルなのは!」
「わ、私?」
「そう、貴女のお話。じゃあ、ゆっくり見ててね」
私はその声に逆らえずにテレビを見続ける。それは私とフェイトちゃんの出会いの物語だった。
全てを見終わった私は混乱した。これがなんなのかわからない。特に最初の方なんて殆ど一緒だ。さくらちゃんや琉空君達がいないくらいだ。
「何これ……」
「それが貴様が辿った本来の歴史だ。ここは平行世界だがな」
「混乱してるね」
「ひゃぁっ!?」
なのはの頬っぺたに張り付く熱い物体。
「冥刻王様特性の肉まんだよ」
私の頬っぺたに肉まんを貼り付けてきた。でも、それはいい。それよりも突っ込む必要があるのは違うこと。
「何故袋に入っているんですか……?」
「様式美として入れてみた。ほら、食べて食べて。ノルマは1人ひと袋ね」
「結構多いよ!」
「食べないと帰せません」
「うぅ……あ、美味しい」
一口食べると結構美味しかった。
「気を付けろよ、激辛の奴もあるからな」
「そ、そうなの?」
「ロシアンルーレットだと思え」
「ふええぇえええぇぇっ」
「ふふ、どれも美味しいよ?」
「美味しいのは美味しいがな。それより塵芥の掃除はどうしたのだ?」
「なのはに侵入しようとしていた塵芥なら全部外に放り出して置いた。なのはは私の加護を与えてあるから冥界では安全だしね」
「わ、私に侵入!?」
「そう、大変なんだよ? 」
「貴様が働けば一瞬だろうが、このニートめ!」
「はっ、ニートが働くのは世界が終わる時だけだよ。後、気分しだい」
「この……」
「にゃはははは……」
この女の子、アルちゃんもかなりメイオルティスさんには苦労しているみたいだ。凄く辛いけど美味しいカレーまんやピザまんなどを食べて、なのはピコピコとゲームをしているメイオルティスさんに聞いてみる。
「あ、あの……さっきのって……」
「あれが正史。今と違うのがあるよね?」
「は、はい。さくらちゃん達が居なかったよ。それにあの優しそうな人があんな事をするなんて……」
「本来ならこのように転生者が介入してもなのはは管理局に協力するはずだった」
「で、でも、管理局は犯罪者の人達とグルなんだよね」
「そうだね」
「あと、転生者っていうのは……」
「ああ、芳乃さくらやジャンヌ・ダルク、焔琉空達がそうだね。色々と教えてあげよう。先ずなのはの近くに居る芳乃さくら。彼女は神様から優遇されている。彼女に関して基本的に二人分くらいの力が入っている。まあ、双子神のせいだから仕方無いけどね」
それから私、高町なのはは信じられない話を聞いていきました。でも、それが事実だとわかります。何故ならそうじゃないとおかしな事が何度もあった。さくらちゃんもそうだけど、たまに事前に知っていたような動きをしていた。男の子達がなのはを取り合って喧嘩していたのもそうだ。街中でぶつかった人がなのはの名前を知ってる事だってあった。気づけば色々とおかしな事がある。
「さくらの事を嫌いになった?」
「ううん。大体こんな事知ったとしてもどうでもいいよ? 私は私。高町なのはでさくらちゃんのお姉さん!」
「本人は自分が姉だって言うだろうけどね」
「にゃははは、それで何度か喧嘩してるよ。でも、それが私の現実。平行世界の私とか正史の私とか知った事じゃないよ。それに私、こんなに弱くないもん」
「まあ、そうだよね……」
「おい、我はなのはと契約したいぞ。メイオルティス、契約を破棄しないか?」
「ええ~?」
「そもそも汝は我が消すべき邪悪であろう! なのはが我を使うならば納得できるのだ!」
「あっはっは、アルに裏切られた!」
「裏切られないと思っているのか? 汝が我を使うのは買い出しとかではないか!!」
アルちゃんがメイオルティスさんの襟首を持ってガクガク揺らしている。メイオルティスさんは笑ってるだけだ。
「じゃあ、ちょっくら使ってみる? でも、適正あるかな?」
「え? え? 本当にしちゃうんですか?」
「いやー1人で引きこもるのも別にいいんだよね。でもなーなのはが狂うからなー。ああ、そうか。よし、ちょっと任せてよ色々と考えるから。丁度いいの材料もあるし、メイオー様が頑張ってあげよう」
「まあ、貴様もエセルドレーダが相手の時は我を呼べ。力になってやる」
「あ、ありがとう……」
メイオルティスさんが機械をガチャガチャ弄っている。
「次元連結システムの予備って何処に置いたっけ?」
「小型の奴か?」
「そうそれ」
「そのゲーム機の中だ。埋もれてる」
「そっか。あったあった。これを使って、外のを回収してっと。あとはこれを入れて……よし、完成」
「なんだか嫌な予感が……なのは、君も今日から冥王だ!」
「ふえええええええっ!!」
箱みたいなのがなのはの中に入れられてしまった。それが何か分からないけど、多分とっても危険。
「後は時間まで暇だから適当にゲームして遊ぼっか。ああ、こっちの方がいいか」
「魔法少女リリカルなのはA'S……って、これもまた!」
「第二作だよ。ほらほら、見るよ」
「あ、あの……」
メイオルティスさんに抱えられて膝の上に乗せられる。その後、一緒に見ました。闇の書……ううん、夜天の書。色々と大変な事になるみたい。でも、炎の中歩いてくるなのはは怖いと思うの。それに吹き飛ばされてビルの中に叩き込まれたり怖い事一杯だよ。そして、時間の来た私は2人に見送られて冥界を後にしました。目を開けると知らない天井でお父さんやさくらちゃん、フェイトちゃんも居て大変な事になっていました。でも、大変な事はこれからでした。そう、管理局が動いたのです。