スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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クライマックスフェイズ①

 

フェイト

 

 

 

なのはが無事に目覚めてくれた。身体は綺麗に治って、アヴァロンとかいうのをレティシアさんが回収していった。その後、なのはは家族にいっぱい怒られていた。私はそれを少し羨ましく思った。すると急に後ろから抱きしめられた。

 

「寂しそうにしてるね。でも、大丈夫だよ。フェイトには私とお母さんが居るからね。それにお父さんも」

「う、うん……」

「さて、なのはさんも回復した事ですし、そろそろお話をさせて頂いてもいいかしら?」

「……そうだな。なのはがこんな事になった詳しい事情を聞きたい」

「お父さん……」

「それは当然かと。そうですね。一度高町家に戻ってそこで高町家で待っている皆さんも交えて話し合うというのはどうでしょう?」

「それの方がこちらはありがたい。なのはは本当に大丈夫なんだな?」

「うん、心配かけてごめんなさい。でも、なのははもう大丈夫。新しいお友達も出来たし」

 

私の事かな?

そうだとしたら少し嬉しい。なのはがベッドから起き上がると布団に隠れていた大きな本が落ちてきた。でも、その本はなのはの手にある鎖が繋がった腕輪によってなのはから離れられなくされていた。

 

「あれ? なのは、その本はどうしたの?」

「え? 本……何これ……」

「おい、ちょっと待て」

「これって……」

「いえ、少し待ってください。本体ではありませんが……これは写本ですね。アルと繋がっているのでしょう」

「知っているみたいだけど、これはなんなのかしら?」

「「「ネクロノミコンの写本(ですね)」」」

 

その言葉に皆が沈黙した。ネクロノミコン。その名はナコト写本と共に禁忌とされている極悪非道の魔導書。世界を滅ぼし尽くす力を持つロストロギア。アルハザードを消滅させた原因とも言われている禁断の魔導書。その力は他の同じ神の魔導書とは格が違うと言われているってリニスが言っていた。それの写本。あの人達の話だと本体とも繋がっているみたい。

 

「大丈夫なのか?」

「にゃははは、大丈夫だよ。アルちゃんも、メイオルティスさんもいい人(?)だったよ」

「ああ、あの方はなのはには優しいだろうな」

「同族だしね。いや、同胞?」

「説明してくれるかしら?」

「構いませんよ。今のネクロノミコンの所持者は冥界と呼ばれる世界に住んでいる冥刻王メイオルティス。そうですね、言ってしまえば神様です」

「古代神でもあってるけどね」

「まあ、あれだ。簡単に言えば単体で世界を滅ぼせる超存在だ」

 

神様……凄い人なんだね。

 

「その人はどうなのかしら?」

「あのニートは放っておいたらいいんです。私達を見て楽しんでいるか、ゲームしたり漫画を読んだりして遊んでいるだけですから」

「というか、もしかしてアルちゃんが愛想尽きてなのはちゃんに乗り換えたんじゃないかな?」

「あり得るな。まあ、安心しろ。所詮は写本だ。対した力は無いよ」

 

難しい話をしている横で私はなのはの横に行って、一緒に読んでみる。

 

「バルザイの偃月刀……うわっ、出て来た!」

「これはなんだろ……クトゥグア、イタクァ」

「今度は鉄砲だね」

「うん」

「何やってるの2人共!!」

 

怒られたので急いで本に直す。すると、本も腕輪の中に消えちゃった。

 

「と、とりあえず安全ならそれでいいわ。一旦戻るわよ」

「あ、さくらちゃんは?」

「さくらなら少ししたら戻りますよ」

「わかったの」

 

それから、高町家に移動して話してこれからの事を決めました。でも、さくらって子は戻って来なくてなのは心配そうでした。それでも、私はお母さんの為に止まれません。

 

 

 

 

 

海鳴市臨海公園から沖へと出て私はサンダーフォールで魔力流を海へと撃ち込んでジュエルシードの発動を狙います。でも、何も起きません。おかしい、ここにあるはずなのに。

 

「ふははははは、そこに有ったジュエルシードならとっくに我らが回収したぞ黒ひよこ」

「黒ひよこ!?」

 

すごい呼び方をされちゃった。確かに私のバリアジャケットは黒いし、髪の毛は金色だけど……あんまりだよ。

 

「といっても、シュテルンが回収してたんだけどね!」

「君は私に似ている……」

「初めまして、格好良いボクの名前はレヴィ・ラッセル! えっと、お前はオリジナルのふぇ、ふぇ、へいとだな!」

「フェ・イ・トだよ!」

「へいと!」

「だからフェイトだって……」

「何をやっているんだ君達は……さっさとその子を確保させて貰う」

 

私をバインドしようとクロノが魔法を放って来る。でも、それは私の前に現れたリリスが防いでくれる。

 

「さて管理局の諸君、私達が持つジュエルシードと君達の持つジュエルシードを掛けて勝負しないかね?」

「ほう……」

「面白そう!」

「そんな必要はないだろう。そもそも持っている数はこちらが圧倒しているのだから」

「負けるのが怖いのかね」

「なんだと……!? って、挑発には乗らない。艦長」

『ええ、援軍を送ります』

 

私達は3対3で対峙する。でも、こちらが有利。だけど、相手が援軍の魔導師を送り込んでくる。戦闘を始めるとどうなるかわからないけど、周りが暗くなって来る。

 

『次元跳躍攻撃来ます!! アースラとそっちに行くよ!!』

 

お母さんの激しい雷が無数に落ちていく。

 

「ちぃぃぃぃっ!!」

「王様、これって……」

「ああ」

 

あちらは混乱しているみたい。そうだよね。自分達まで撃たれるとは思っていないはず。

 

「リリス、ゼロ、今のうちだよ」

「ええ」

「うむ」

 

私達は瞬時に接近して、私はクロノを叩き切る。でも、流石に簡単に避けられた。だけど、それが狙い。

 

「いいよ、クロノ」

「ブレイクインパルス」

 

クロノの後ろから現れたクロノが固有振動数を割り出した上で、それに合わせた振動エネルギーを送り込んで粉砕する。

 

「自分を破壊するのはなんとも言えないな」

「そうだね」

「く、クロノが2人だと?」

「くろくろだ!」

「何をしているのですか、クロノ」

 

そこに現れたリンディさんが、ディアーチェを攻撃しようとしていたリリスを止める。

 

「それはこちらのセリフですね」

 

その直後にもう1人のリンディさんが現れた。

 

『艦長、もう駄目です。敵艦の砲撃と次元跳躍攻撃は防げませんよ』

「どうやら詰みのようですね、偽物さん。大人しく投降してくれるかしら? ブラックロッジの方々」

「どうするの! バレてるよ王様!」

「この馬鹿者が……まだどうとでもなったというのに」

「あっ……ごめんない」

「まあ、構わんよ。予想外に管理局が優秀だったという事だ」

 

もう1人のリンディさんが掴んでいたリリスの足を掴んで放り投げた。リリスは大丈夫みたいだけど、武器が折られたみたい。そして、折ったリンディさんはなんだか、邪悪な顔をしている。

 

「しかし、驚いたわ。まさか、最初に襲撃された時、同じ時空管理局の次元航行艦に攻撃されるとは思わなかったからね」

「最初に落としてから復帰までの計算はそちらがこちらの計算を上回った結果がこれか。しかし、何故だ? せっかく管理局としてジュエルシードをかっさらってやろうと思ったのに」

「こちらには協力者が居てくれたからね。プレシア・テスタロッサが教えてくれたわ。自分のクローンが貴女達ブラックロッジに悪用されているってね。フェイトさんはプレシアのクローンが作りだしたってね」

「ふむ。彼女が脱出して私達の計画をリークしたのか。成程、それならばこの速度は納得だ」

「もう逃げられないわよ。こちらにも援軍が居るからね」

 

遠くからなのはやレティシアさん達がやって来た。そう、達だ。何人か知らないけれど強力な力を持っている人達だ。高町家の人も居る。

 

「ふむ。成程、確かにそのようだ。では、どうするディアーチェ」

「決まっておろう、我らは暴れるのみよ」

「そうだよ!」

「では、クライマックスフェイズに以降しよう。諸君、ここからが本番だ!」

 

リンディさんの姿をした人は指をパチンと鳴らすと、空間が歪んで映像が映し出される。そこには時の庭園が写っている。

 

「さて、私は諸君らの知っての通り悪役だ。悪役がする事は数あれど、戦力を持つ者が行う共通しているのは大量虐殺だ」

「何をする気だ?」

「時の庭園を使って何を……?」

「ちょっと待ってください。まさか……」

「地球滅亡の時が来た! 今こそコロニーの代わりに次元航行要塞、時の庭園を地球へと落とそうではないか!! 時の庭園の質量、そして搭載している魔導炉の数! 全てを合わせれば地球は粉々に消し飛ぶであろう!」

「「「なっ!?」」」

「「「待てよ貴様っ!!」」」

 

時の庭園が映しだされた場所が代わり、宇宙空間に出現していた。その姿はかなり巨大だ。

 

「なに、簡単に転生者諸君に伝えてあげよう。あれはマクロスフロンティアとおなじ質量はあると」

「「「滅びるわっ!!」」」

「リンディさん、アルカンシェルは!!」

「搭載してないわよ!! いくらなんでもこんな事をしでかすなんて思ってなかったわ!!」

「くっくくく、悪役らしくていいではないか」

「やっぱ、クライマックスは世界の危機だもんね。基本だよ! 王道! 悪役格好良いぞ! 楽しいゾ!!」

 

悪い顔の3人。

 

「そうだな。高町なのはにフェイトが居るんだ。どうせならクローン対決でもさせてみるか。シュテルよ、ユニゾン解除だ」

「え? シュテルちゃん……」

『了解しました……』

 

なのはそっくりの女の子が現れてリンディさんの姿が崩れていきました。そして、直ぐに煙が発生します。

 

『転移反応来ます!』

「皆さん、お久しぶりですね」

 

女の子、シュテルがこちらに挨拶してきました。

 

「そ、そんな……シュテルちゃん……」

「さくらは居ないようですが、構いませんか。全てはご主人様の為ですから。さて、高町なのは。殺し合いましょう。クローンがオリジナルに勝るという事を証明して差し上げましょう」

「い、嫌だよ……なんで私がシュテルちゃんと殺し合いなんてしないといけないの!!」

「貴女達は甘すぎます。わざわざそこの3人を貴女達に殺させて人を殺す事を教えてあげようとしたのに計画が台無しです。言っておきますが、甘さを捨てない限り私には勝てません」

「ふふふふ、ボクの相手はへいとだね!」

「だからフェイトだって!」

「五月蝿い、お前はへいとだ! それよりボクと勝負だ!」

 

どうしよう、なんだかとんでもない事になってるけど。

 

「4人共、ディアーチェさんと私もどきで他の人達を相手にするつもりですか? それはあまりに私達を舐めすぎていますよ」

「まさか、そんな事はありませんよ」

 

その声は今まで聞いた事の無い声でした。煙が急激に晴れて現れたのはマントを身に纏ったオレンジ色の髪の毛の女性。綺麗に整った顔と成長している身体。年は18歳くらいだと思う。

 

「おい、あれって……成長しているけど……」

「いやな感じしかしないぞ、おい」

「初めまして皆様。私はブラックロッジを率いる六神将が1人、冥府の炎王イクスヴェリアと申します」

「おい、本当にレヴィが言ったのを採用したのか!」

「ヒャッホー、イクス大好き!」

「ええ、どうせですからそっちの方が悪役らしいので。っと、皆様の今回のクリアー条件は落下する時の庭園を防止する事。そして……」

 

冥府の炎王イクスヴェリアと名乗った女性が手を振るうと背後の空間や周りから無数の甲冑騎士達が出現する。

 

「彼らの街への侵入を防止する事です。街に入った彼らは無差別に殺戮を繰り返し、マリアージュを生成します。例え地球を救えたとしても蔓延するマリアージュの対処は大変ですよ?」

「どこまでも悪役に徹するというの……」

「うわぁ、こんなイクスって初めてみた……」

「というか、動いているのがおかしいぞ」

「ああ、ただのマリアージュとは思わないでくださいよ」

「此奴のマリアージュは古の強者達だ。貴様らのような甘ちゃんではないぞ」

「そうですね。ついでなのイクス、檄を飛ばしてあげましょう」

「いいですね。鼓舞してあげましょう。古代ベルカの勇敢なる兵達よ。今一度この地を軍靴で踏み鳴らし、我らの戦争を再開せよ。古代ベルカの王、冥府の炎王の王命をおいて命ずる。蹂躙せよ。我らが敵を一切の慈悲無く殲滅し、私に勝利を齎せ」

「「「「「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

膨大な数の雄叫びが上がり、更にイクスヴェリアと名乗った少女の後ろからは戦艦が出て来る。

 

「おいおい、マリアージュって……」

「不味いぞ、あれは王の軍勢だ!! 正真正銘の炎王家、冥府の炎王の軍勢を呼び出してやがる!」

「ちょっと、それって彼女も転生者なの? でも、普通は中身ないよね?」

「貴女達と一緒にしないでください。私は王の軍勢を貴女達のような使いこなせていない方から貰っただけです。ですので、気を付けてください。ここに出現するのは古代ベルカの地を駆け抜けた歴戦の兵達と、新しく私の配下に入った者達です」

「ついでですので、ここらで派手にご登場してあげてください」

「それがいいな」

「おー、ボクね、あの子がいいよ。海だし!」

「そうですね。では、出てきてください。イカ娘よ」

「「「「イカ娘だと!」」」」

 

そして、巨大な魔法陣が複数出現して、大きな女の子。

 

「侵略でゲソォオオオオオオオオオオオオォォォォォッ!!」

「「「「ちょっとまてぇえぇえええええええぇぇぇぇぇっ!!」」」」

「クラーケン隊、イクでゲソ!」

 

数多くの巨大生物。どれも危険な量の魔力量を持っている。これってかなりまずいんじゃないかな。

 

「では、戦いましょう」

「ま、待ちなさい。交渉の余地は……」

「ありません。全軍、進軍を開始せよ」

「や、やるしかないか……」

「無双ゲームをすればいいのよ。ええ、そうよ」

「ど、どうしよう、お父さん!」

「なのは、なのはの思うようにしなさい。こっちはこっちでこの騎士達を倒すから」

「わ、わかったの」

「フェイト」

「うん。私はあの子と戦って来る」

 

私はレヴィと空中で対峙する。遠くではなのはがシュテルと対峙している。

 

「さて、では皆様頑張ってください。私とディアーチェは時の庭園にてお待ちしております」

「タイムリミットは24時間だ。精々頑張る事だな」

 

ディアーチェとイクスヴェリアは背後に出現した空間に入っていく。そこはお母さんが居た謁見の間みたいな場所だった。その場所にイクスヴェリアが座り、足を組んでこちらを見ている。

 

「では、諸君らの健闘を祈ります」

 

そして、空間が閉じられた。目の前には万を超す軍勢。全員が狂気に満ちた気配を漂わせて獣のように戦いを開始した。

 

 

 

 

管理局側

拠点:アースラ

総督:リンディ

戦力:武装隊員20人

武将:リンディ、クロノ、なのは、フェイト、メルトリリス、ゼロ、高町家3人、プレシア、アリシア、ジャンヌ、さくら、協力しに来た転生者2名

合計:35人+アースラ

 

ブラックロッジ側

拠点:時の庭園

総督:冥府の炎王イクスヴェリア(レオンハルト)

戦力:甲冑騎士マリアージュ5073体、クラーケン10+1体、古代ベルカ魔導戦艦10隻、炎王家近衛騎士642人、炎王家の軍団43197人、ベルカ時代のマリアージュ91730体、傀儡兵小型507体、中型63体、大型20体

武将:イクスヴェリア、ディアーチェ、シュテル、レヴィ

合計:141247+10隻

 

 

 

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