スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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素材調達②

 

 

 計画通りなのはの血液も手に入れた。全ては問題無いだろう。水族館のロゴが入った帽子を深く被り、髪の毛を止めていたリボンを取って雰囲気を変えて翠屋の前を通り過ぎる。

 

「エセルドレーダ、状況を終了。これより帰還するわ」

『イエス、マスター。トレースシステム解除。通常状態に戻りました』

「ふん、データによるトレースシステムを作って試したが、女言葉など吐き気がするな。救いは姿が完全に変わっている事か」

『仕方ありません。それより、何故あそこまで優しくしてあげたのですか? 水族館など行かずとも路地裏にでも連れ込んでしまうか、拉致すれば良かったじゃないですか?』

「簡単な事だ。なのはは俺達が知る物語の主人公だ。ここでも同じ役割であるだろう。俺達転生者の介入により変わるだろうがな。では、その転生者を見つける方法はなんだ?」

『成程。高町なのはは介入しようとする転生者に対する餌ですか』

 

 現状で排除するより、高町なのはを囮として転生者を集めた方が得なのだ。その為、常時なのはにはカラス達を10匹以上貼り付けてある。

 

「それに彼女のDNAを貰ったのだ。それなりの対価は与えるべきだろう。朝田詩乃には認識阻害による他者からの感情を代えさせ、普通の友達として付き合えるようにした。それに母親を治す薬だ。プレシアに関してはアリシアの事で問題無い。はやてに関しては後ほど支払ってやるよ。リインフォースとの再開という方法でな」

 

 悪には悪の美学と言うものがあるのだ。ただ、私は捕まるつもりもないがな。

 

『それが敵対者としてだろうが、私達には関係無い事ですね。しかし、これで3人が揃いました。ユーリ・エーベルヴァインについてはどうしますか?』

「彼女に関しては闇の書の闇を確保するしかない。その為、まだ色々と細工せねばならない。だが、時間はある。そして、準備が完了すれば転生者も管理局も物語の主人公、ヒロイン、全て俺の手で踊ってもらう」

『楽しみですね。では、その楽しい事の為に準備をしましょう。次はどうしますか?』

「そうだな。シノン用の銃が欲しい。そのサンプルを手に入れる」

『ウルティマラティオ・へカートIIですか。確かフランスでしたね』

「そうだ」

 

 ヘカートIIはフランス軍の正式採用銃で、ウルティマラティオシリーズで最大口径なのもその銃の特徴だ。使用弾は12.7mmNATO弾で大型の銃弾の発砲に伴いマズルブレーキが搭載されていて、反動を抑える機能がある。シノンといえばこれだろう。

 

『では、フランスに飛びます』

「ついでにいいリンカーコアを持ってる奴らも回収していくか」

『イエス、マスター』

 

 ウルティマラティオ・へカートIIを代金を置いて持って行き、ヨーロッパに存在している高魔力のリンカーコアを持つ存在からエセルドレーダに力を制御させ、リンカーコアを文字通り奪い取る。意識を失った奴には大金を入れて自宅に放置しておく。リンカーコアは無くなるが、死んではいない。俺の転生特典は強制的に誰とでもユニゾン可能という事だ。これを利用してリンカーコアを引き抜く。ただ、転生者や高位のデバイスを持つ存在には拒否されるだろうがな。

 

「土産を買って帰るか」

『そうですね』

「いや、その前に資金集めだな。現地のマフィアでも叩き潰すか」

『面白そうですね』

 

 マリアージュは使わず、魔法で殺して回る。もちろん、しっかりと魔力残滓も隠蔽してだ。他には不正情報を手に入れて政治家や悪徳企業を脅して金を奪う。それで世界中を回って金とリンカーコアを回収し、お土産を購入してスカリエッティ達の所へと戻る。

 

「ただいま」

「お帰り。彼女は流石に難しいが、なんとかなりそうだよ」

「素材が元々魔力がほぼないのが救いね。微かな魔力はどうするのかしら?」

「起動できる程度で構わんからな。それより、これが魔導師として優秀な奴の血だ」

「わかった。早速クローンとして作ろう。プレシア、手伝ってくれ」

「ええ、任せて。こっちは容姿に要望があるのかしら?」

「そうだな」

 

 俺はマテリアルの子達の容姿を伝えておく。

 

「エセルドレーダ、お土産を出せ」

「イエス、マスター。感謝して食べるのですよ」

 

 大量のお土産をエセルドレーダが出して冷蔵庫などにしまっていく。こいつら、放っておいたら録な食事をしないからな。

 

「追加機材の発注だ。こんな感じだが、問題ないかね?」

「ふむ……新型魔導炉か。デバイスはこちらで作るし、というか色々と足りない物があるな」

「ああ。出来れば急いでくれ。それと、彼女の事なんだがな」

 

 ジェイルが目線でプレシアを示した後、自分の胸を叩く。

 

「病気のようだ。それと、ご老人達が何か細工をしているようだ。彼女は優秀だからな、助けたいのだが……どうするかね? 流石に私だけで行うのは不味いからね」

「そうだな。バレたら計画がパーだ。エセルドレーダ、ジェイルからデータを受け取って解析を行え」

「イエス、マスター。ドクター、情報を送ってください」

「ああ、構わんよ。これだ」

「これですか……成程、思考誘導……いえ、操作に病の発生源と色々とあるようですね。首輪なら当然ですか。マスター達にも仕掛けられていましたし」

 

 ご老人達も流石に俺達をそのまま解き放つ事はしていない。だが、そんなもの、簡単に排除できる。実際に排除して、健在という事をデータを偽造して送っている。技術力で俺達が老人に劣る事なんて無いんだ。そんな事は有り得ない。あり得るのなら、そもそも俺達は作られない。

 

「しかし、面倒だな……こちらの計画では……いや、そうか。悪役を用意しなければいけないのだ。なら、用意してやろうじゃないか。プレシア・テスタロッサという悪役をな」

「ふむ、完成した技術でも使うのかね?」

「ああ、その通り。彼女を失うのは痛いからな」

「では、説得をするか。盗聴はないのだろう?」

「いや、ないが面倒な可能性がある。こっそりとやってやろう」

「そうか、わかった」

 

 その後、ジェイルとプレシアはプロジェクトフェイトを完成させる為、研究に打ち込む。俺は俺で管理局の戦艦データを元に戦艦を作り上げ、同時に多数のデバイスを作成する。作成するデバイスはウルティマラティオ・へカートIIことへカテーとルシフェリオン、バルフィニカス、紫天の書、バルディッシュを作成する。バルディッシュに関しては映画版を参考に作り上げた。ルシフェリオン、バルフィニカス、柴天の書、バルディッシュは外観こそ同じだが別物だ。当然、残念ながら本物を再現など出来ない。

 

「再現ができないからといって諦めるなどありえない」

「そうです。それにマスターには私がいるのですから」

「そうだ。俺には最高の魔導書ナコト写本があるのだ! ならば、ナコト写本を元にして紫天の書を作成する!」

「マスターに最高の魔導書って褒められました……これは頑張らないといけません!」

 

 紫天の書はン・カイの闇と黄金の剣を扱えるようにデバイスとして作成する。ルシフェリオンは天狼星の弓を元に生成し、魔力を収束できるように開発し、ハイパーボリア・ゼロドライブの劣化版を設置。つまり、炎熱系ではなく凍結系になってしまうが、ここは仕方無い。闇の書の闇、マテリアル達を確保するまで我慢だ。バルフィニカスに関してはアブラハダブラと重力操作系を投入しておいた。バルディッシュに関してはバルフィニカスと同じで、色違いなだけだ。ただ、こちらには出力リミッターを密かに設定してある。もちろん、色々と細工はしておく。ヘカテーに関してはシノンのサポート用にリンカーコアを与えたサポートデバイスっぽい何かとしてシャナのヘカテーたんを作成しておいた。こちらには特殊な機構と重力制御術式、アブラハタブラを搭載。動力は搭載なし。本物の銃と同じようにする。むしろ、弾丸の方に細工する。発射と同時に高速で発射されて対象に命中すると同時に効果を発する。そう、デバイスというよりは機械だ。ただ、高エネルギーなど常時発生させない。発生させるのは着弾する瞬間のみ。完全な狙撃仕様だ。なので、むしろ、ヘカテーたんがバリアジャケットなどを展開し、銃を呼び出したりする。弾丸や銃は基本的には仕舞っておく。そう、コンセプトは魔導師殺しなのだ。

 

「弾丸にマリアージュのコアを入れたら面白そうだな」

「確かにそうですね。転生者のマリアージュ……期待できそうです」

 

 他にも使えそうなデバイスを作成する。例えば俺の手につけるグローブで、制御をメインにしたハイパーボリア・ゼロドライブ特化型デバイスを用意する。足には重力制御が可能なブーツだ。これで一応、俺自身も戦闘が可能だ。もちろん、どれも隠蔽術式はちゃんと搭載している。

 そんな感じで3年が経った。

 

「完成だ!!」

「完成よ!!」

「おめでとう」

 

 プロジェクトフェイトは完成した。性能は原作より上である。だが、管理局に提出するのは原作と同レベルだ。どちらにしろ、俺達で乾杯を行う。

 

「お疲れ様」

「ああ、お疲れ様」

「ええ」

 

 お互いにグラスを鳴らした後、一気に酒を煽る。そして、プレシアが倒れた。

 

「なっ、なにを……入れた……」

「強力な睡眠薬だ。悪いね、ただこれは君の為でもある。何、少しの辛抱だ」

「安心しろ。俺達はプレシアの味方さ」

「くっ……後で、ちゃんと……説明……なさい……」

 

 倒れたプレシアを二人で裸にして培養槽に運ぶ。

 

「さて、やるか」

「ああ。エセルドレーダ、サポートを頼む」

「イエス、マスター」

 

 エセルドレーダのサポートを受けながら、俺達は計画を実行した。そして、数ヶ月後にはプレシア・テスタロッサはアリシアが入った生体ポットとフェイトを連れて、与えた時の庭園へと出て行った。

 

「お兄ちゃん、おじさん、あそぼー」

「こら、二人は忙しいからこっちで私と遊びましょ」

「はーい。今度また遊ぼうね」

「ああ、そうだね。今度玩具を作ってあげるよ」

「じゃあ、こっちは……遊び場をあげよう」

 

 可愛い小さな少女を母親に預け、俺は転移する。そこは管理外世界の一つで、イクスを送った場所だ。この三年間でイクスは研究所とここを行ったり来たりしている。

 

「拠点の構築はどうだ?」

「レオン、問題有りません」

 

 管理外世界にある地球に似た惑星の一つを改造して拠点にしたのだ。住民は誰も居ないし、現住生物はドラゴンなどの化け物だ。それらも今ではイクスに懐いているのか、イクスの足元で寝ている。

 

「冥府の作成は順調ですね。マスター、戦艦も無事に完成しそうです」

「生産ラインも問題無いか。了解した。では、そろそろ次の作業に入ろう」

「どうするのですか?」

「決まっている。管理局に行く。だが、その前にイクス」

「何ですか?」

「ここでクローンと女の子の相手をしてくれ」

「分かりました。戦う力を教えればいいのですね」

「ああ、頼む」

 

 ここでクローン達を量産し、教育を施す。管理局に教えてやるのだ。本当の恐怖という物と悪役という存在はここまでするのだと。魔法少女リリカルなのは、大いに結構。だが、ここから始まるのは少し変わった物語だ。役者は順調に揃いつつある。揃い、時間が経った時、本当の始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 




悪役ならではりりなの無印を書こうと思っています。
原作通りであって原作ではない。何かがおかしいリリカルなのはです。
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