スカリエッティの兄弟   作:ヴィヴィオ

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花の名の少女

 

 

 

 

 

 管理局に正規の手段で到着した俺はエセルドレーダとのユニゾン状態で髪の毛をツインテールにして身長をエセルドレーダとほぼ似たような感じである148cmに変え、体重を39kgに変更する。女の子の方が警戒を解きやすいというのはどこの世界でも変わらないのだ。美由紀に変わったのだって、女性の方が転生者に警戒されないからだ。候補としては恭弥もありだったが、連中なら反抗しそうだったからな。

 

『トレースを開始しますか?』

「サポートは所々で頼む。それと魔力をAAAクラスにしておいてくれ」

『イエス、マスター』

 

 魔力光は紫色だ。俺の本来の魔力光は金だがな。偽装はお手の物だといえる。こちらは本気で組んであるからな。もちろん、変身魔法もだが。

 

「身分証の偽造は?」

『そちらも問題有りません。年齢は13歳、性別女性、管理外世界の出身である次元漂流者という扱いです。デバイス名はクロソフィです』

「わかった。行こうか」

 

 管理局本局の玄関口から入って、受付へと移動する。そこに居る受付の女性の前に並んで順番を待つ。時間が経つに連れて次第に前の人が居なくなり、俺の順番になった。

 

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

 子供すら働いているだけあって、対応は変わらないようだ。流石は管理局か。

 

「士官学校に入学しに来た。これが書類」

「はい。名前はソフィ・ラント様ですね。紹介状をお持ちですね。少々お待ち下さい……」

「うん」

 

 用意した紹介状を見て驚いていたようだ。それはそうだろう。用意させたのは評議会経由だ。つまり、俺はソフィ・ラントという人造魔導師として管理局に実力を示すという建前で来ているのだ。何も間違っていないし、嘘もついていない。俺も人造魔導師と広い意味でいえるのだから。それともうお気づきだろう。だが、あえて簡単に言ってしまおう。俺の今の姿は完全にグレイセスFにある未来への系譜編に出て来るツインテールソフィだ。バリアジャケットがそれなのだ。そして、デバイスがクロソフィという名のハイパーボリア・ゼロドライブという負の無限絶対零度機能を搭載したデバイスだ。こちらも偽装を施してある。

 

「お待たせしました。こちらのIDカードを持って72番ポートへとお進みください」

「わかった」

 

 言われた通りに移動する。

 

『簡単ですね』

(ここは所詮、玄関口だ。破壊しても意味はない。警備に力を入れて対外的にはこの場所に管理局本局があるように見せているが、本質は宇宙空間にある資源衛星を改造した場所だよ)

『そちらの座標も特定しておきましょうか?』

(まだいい。先ずはクロノなど原作キャラと接触する事だ。その為に大人しく今は従うさ。何、楽しいフェスティバルの為だ、我慢しよう)

『イエス、マスター』

 

 72番ポートで貰ったIDカードを係員に差し出して転送してもらう。転送された先は原作にもあった士官学校の一つだ。あれは陸戦魔導師のところだがな。こちらは航空魔導師用の所だ。いや、それ以前にここは両方か?

 どちらにしろ、室内に転送されたので、目の前の人に聞くしかない。

 

「待っていた。君がソフィ・ラントだな」

「うん」

「言葉使いがなってないが……まあ、構わん。こっちだ。付いてこい」

 

 それだけ言って歩いていく男。それに対してエセルドレーダがブチ切れかけている。

 

『マスターにこのような無礼な態度を取るとは万死に値します。今すぐ塵一つなく消し飛ばして……いえ、その前に苦しめて生まれてきた事を後悔させるべきですね……』

(やるなよ。それに今は構わん。管理局の戦闘技術を貰おうではないか……というか、今はまだ大人しくしていろ)

『……イエス、マスター』

 

 渋々エセルドレーダも納得してくれたようだ。まあ、しばらくは我慢してもらうしかない。

 

「おい、早くしろ!」

「うん」

「ったく、AAAだがなんだか知らないが甘やかさんから覚悟しろよ!」

「問題無い」

「生意気な奴め!」

 

 それから、簡単な試験を受ける。筆記は完璧に覚えているし、さっさと書いて満点を取る。次に行った魔力計測は余裕でAAAランクを出した。平均魔力発揮値は199万で679万だ。AAAの中で上位に入るだろう。何せなのはより魔力だけなら上なのだ。

 

「次は飛行魔法だ」

「わかった」

(エセルドレーダ、頼む)

『イエス、マスター。重力制御術式を起動。浮遊を開始します』

 

 俺の身体が浮かび上がる。それを見た男は嫌そうな感情を顕にする。

 

「レアスキルでの飛行か?」

「重力制御と魔力変換素質の冷気がある。でも、砲撃には適正がない。あるのは格闘と回復」

「体術系か……まあいい、今から攻撃するのを防げ。行くぞ」

「わかった」

 

 男から無数に放たれてくる魔法弾を全て回避し、それでも襲いかかって来るのは魔力を纏わせた拳で叩き潰した。この時、古代ベルカの円陣の中に三角形がある魔法陣を展開してだ。

 

「回避技術も問題無いな。ムカつくが優秀だ。だが、格闘技に不安があるのだな?」

「そう。魔力を込めた一撃で大概倒せる。でも、避けられたらそれまで。格闘技術と経験が不足している」

「なら陸士隊に送る方が良いか。よし、第三陸士訓練所に……いや、それじゃあ意味ないか。即戦力を遊ばせる理由はないな。ソフィ・ラント、とりあえず明日までこちらで用意した部屋で休んでおけ。デバイスに連絡するから明日のヒトマルマルマルには移動する準備をしてここに来い」

「わかった」

 

 送られてきた鍵と案内図を持って、案内図に従いながら移動して社員寮の客室に入る。ここは1人部屋だが、本当に寝る為の場所だ。5畳だけの部屋だしな。

 

「マスター、盗聴盗撮対策が完了しました。それでは、これからですが……」

 

 エセルドレーダが現れてベッドに座っている俺の膝の上に乗って身体を預けてきた。俺はエセルドレーダを抱きしめてやる。

 

「端的に言って遣り過ぎたか。どうなるかな……」

「わかりませんが、ある意味ではいいでしょう。いえ、こちらで手を回します。どこがいいですか?」

「格闘だからな……そういえばまだクイント・ナカジマが居るのか。それにスバルやギンガもまだだったか……」

「ですね。どうしますか? シューティングアーツは確かに使えると思いますが……」

「そうだな。そちらに行けるように計らってくれ」

「イエス、マスター。私に任せてください」

 

 目を瞑ったエセルドレーダは管理局のシステムに侵入して直ぐに細工をしだしていく。こちらが手を打つ必要はない。エセルドレーダに任せておけばいい。何故ならソフィ・ラントは俺とジェイルの共同開発になっているプロジェクトフェイトの技術を使った完成体なのだ。なので、評議会を経由して命令できるIDを持っている奴に連絡すればいいのだ。それに加えて管理局のシステムにも介入しているのでクイント・ナカジマの元に俺が……いや、ソフィが配属されるのは確実だ。

 

「完了しました。これで問題有りません」

「そうか。なら、古代ベルカの格闘技でも習うかな」

「では、似たような力を持つエレミアを参考にしましょう」

「そうだな。では、データを頼む」

「はい」

 

 それから、データを使ったイメージ訓練を行って休憩を取る。勝率は……もちろん、ゼロだ。イレイザーで記憶と技術を継承しているエレミアはマジやばかった。もちろん、格闘以外……エセルドレーダのフルスペックで戦ったら圧勝したけど、ベルカの大地も消滅判定を受けた。実戦じゃ使えないのは確実だ。それにしても、やる事が一つできたな。だが、今は別の事だ。しかし、楽しくなってきた。明日からも頑張らないとな。

 

 

 

 

 

 

 

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