ベルがアークスなのは間違っているだろうか 作:さすらいの旅人
都市の治安維持を務めている【ガネーシャ・ファミリア】が出動した事により、【ソーマ・ファミリア】の
その際、リリは部外者であるベルに、『後の事は此方でやります』と言って密かに退散するよう促した。自分が端末機を使って来るようにしたとは言え、今回の騒動に他派閥のベルを巻き込む訳にはいかなかったのだ。下手に関わってしまえば【ヘスティア・ファミリア】にも余計な疑いを掛けられてしまう為に。
本当は自分だけ逃げる事に抵抗を感じてるベルだったが、無断侵入してる事を自覚していた為、やむを得ないとファントムスキルで姿を消して退散。それを見たリリは彼が後継クラスのファントムだと判明したことを補足しておく。
その間に【ガネーシャ・ファミリア】が
ザニスは全身に針が刺さって針鼠のようになって全身骨折、カヌゥ達は股間にあるモノが使い物にならないかと思うほどに血だらけ状態。前者は当然酷いのだが、後者の方に関しては【ガネーシャ・ファミリア】の男性眷族達が顔を青褪めたのは言うまでもなかった。
最後に主神ソーマの部屋へ訪れるも、そこで犯人が【ソーマ・ファミリア】所属のリリルカ・アーデだと判明。彼女は何だか呆れた表情をしていたが、一切抵抗せずに捕縛となった。武器を持ってない筈なのに、一体どうやって連中を倒したのかと疑問を残したまま。
☆
リリルカ・アーデを捕縛した後日、ギルドも動く事となった。本来は派閥内のゴタゴタであるのだが、ほんの数日前に【ソーマ・ファミリア】の団員数名が街で問題を起こした前科があるにも拘わらず、再発してしまった為に動かざるを得なかったのだ。『またアイツ等か!』と多くのギルド職員が憤慨しながら。
どんな手段を使ったのかは分からないが、リリのやらかした事は、とても見て見ぬ振りが出来ない案件となっていた。団員や団長だけでなく、挙句の果てには主神であるソーマにすら手に掛けようとしていた。未遂とはいえ神殺しは禁忌である為、【ガネーシャ・ファミリア】の主神ガネーシャ、そしてギルド職員のエイナ・チュール、その両名が自ら取り調べをする事となった。
派閥の主神とギルド職員がそうするのには相応の理由がある。
ガネーシャは
エイナには別の理由があった。今まで行方不明であったのに、何故密かにサポーターを行っていたのかを。
神とギルド職員の取り調べによってリリは――
「この際だから言わせてもらいますけど、今回リリが起こした騒動の元凶は其方なんですからね」
あたかも自分達は無関係みたいな振る舞いをする事に憤ったから、此処で一気にぶちまける事にした。
数日前に捕らえた【ソーマ・ファミリア】の団員達を捕縛しておきながら、保釈金を支払って解決させたのが間違いであったと糾弾する。
ソイツ等は釈放された翌日、
因みに自分が行方不明になった事に関しては、数年前に捕縛した連中が自分が役立たずと言う理由でモンスターの餌にさせられたが、運良く生き延びて密かに隠れ潜んでいたと暈している。
一通りの話を聞いたガネーシャとエイナは寝耳に水であった。それと同時に後悔している。向こうの団長に責任を負わせる為に下した措置が、またしても一般市民に被害を被る結果になってしまったのだと。特に人間の嘘を見抜く事が出来るガネーシャは、それが真実だと瞬時に理解していた。
今回の騒動で、襲撃を指示したザニスとカヌゥ達数名が相当な重傷となっていたのは、誘拐された店主を助ける際、リリが報復したのだと察した。それは後ほど、『ノームの万屋』店主――ボム・コーンウォールからもちゃんと証言を得ている。
ガネーシャが突然立ち上がった直後、リリに「すまなかった!」と言いながら即座に頭を深く下げた。しかも、
だが、その二人も彼と全く同じ気持ちであった為に一切何も言わなかった。それどころか非常に申し訳ない気持ちになっている。リリとしては内心『何を今更』と言いたいが、これ以上蒸し返すと面倒なので、敢えて何も言わず神の謝罪を素直に受け止めていた。
本当はリリに相応の重い
微罪になった一番の決定打は、『ノームの万屋』襲撃の詳細をリリが教えた事によって、首謀者達を捕縛する事が出来たからだ。指揮をした【ソーマ・ファミリア】団長ザニス・ルストラは勿論の事、実行したカヌゥ・ヴェルウェイを含めた数名の団員達も再捕縛。一般市民に手を出し、剰え金品を強奪したのは冒険者以前に大問題である為、治療後には長い牢屋生活が待っていると同時に、最大級の厳罰として
取り調べが終わった後、ガネーシャとシャクティはリリが世話になっているボム爺さんに償いをする為、建物修理の費用は全て此方で負担すると願い出たが――
「ああ、それは結構です。お金に関しては簡単かつ確実にガッポリ稼ぐ方法がありますから。その際ギルド側にも協力してもらいますけど、勿論良いですよね?」
その台詞にエイナは首を傾げるも、彼女もガネーシャ達と同様に申し訳ないと思っている為、協力することに一切反対しなかった。
一体どんな方法で稼ぐのかと訊いた瞬間、全く想像しなかった為にガネーシャ達すらも目を見開いていた。完成品である『ソーマの神酒』をオークションで売ると言い出したから。
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