ベルがアークスなのは間違っているだろうか 作:さすらいの旅人
ヴェルフが
最初は勿論丁重に断るつもりだった。聞けば『Lv.2』にランクアップして、念願の【鍛冶】の発展アビリティも習得。これで晴れて
だけど、僕達が断ってもヴェルフは全然身を引く様子を見せなかった。
何故そこまでして
やはり僕達が見せた武器の所為なのは間違いない。特にリリの
緊急事態だったとは言え、一緒に聞いていたリリも何も言えず仕舞いになっていた。自分の武器で
結局のところ、僕達はヴェルフの
此方が承諾したのを耳にした事で、ヴェルフは「よし! じゃあすぐにヘファイストス様に報告してくる!」と言った直後に、慌ただしく
本当なら歓迎の準備をしなければならないけど、僕とリリはこれから【ロキ・ファミリア】の
☆
「済まないね。急に呼び出してしまって」
僕達は【ロキ・ファミリア】の
ティオナさんが突撃してくると思って警戒してたけど、今回は珍しく来ていない。何故か分からないけど、
「いえ、お気になさらず。でもフィンさん、まだ休んだ方が良いんじゃ」
「大丈夫。君のお陰で完治してるから」
フィンさんは二日前、
僕達が今回此処へ来たのは、その二日前にあった探索の件についてなのは言うまでもない。ダンジョンで未開拓領域を発見、そして『
まさか【ロキ・ファミリア】と遭遇するなんて、流石に予想外過ぎた。尤も、それは向こうに言える。何しろ地下水路を通じた疑似ダンジョンを調査している時に、ダンジョン探索していた僕達と遭遇するなんて夢にも思っていなかったらしい。
今回の件については本来ギルドに報告すべき案件なんだけど、ロキ様から伏せて欲しいと言われた。今回は余りにも
後々考えてみれば、ヴェルフが【ヘスティア・ファミリア】に
「僕も含めた重傷の団員達を救ってくれた事に感謝の念に堪えない」
「お前達がいなければ、我々は危うくフィン達を失うところだった」
「偶然とは言え、ワシ等を助力してくれて本当に助かった」
フィンさんたち三首領が一斉に僕とリリに感謝の言葉を述べながら頭を下げていた。都市最大派閥の一角である筈の【ロキ・ファミリア】が、新興して半年も経っていない【ヘスティア・ファミリア】に頭を下げるなど普通に考えて有り得ないだろう。もしこれが他の【ファミリア】に知れ渡ったら、スキャンダル扱いされてもおかしくない。
「良いんですか? ベル様ならともかく、リリにまでそのような事をしても」
「リリルカ・アーデ、君についてもガレスから聞いているよ。ベルと一緒に『
「……【
その直後――
「あと他に、何でも戦闘中に文字通りの意味で眼の色が紅色に変化していたとか」
「ッ!」
フィンさんが意味深な台詞を口にした瞬間、リリが少々目を見開いていた。
僕もあの時の事を思い出す。『
それと途端に別の出来事も思い出した。【ロキ・ファミリア】との遠征で、ダンジョン59階層で【
僕が言いたいのは、リリのスキルとフィンさんの魔法が共通している部分があると言う事だ。発動条件は異なるが、二人は紅眼になった事で全能力が急上昇している。ここまで共通しているなんて凄い偶然、と言う台詞だけで簡単に片付けられない。
もしかして実はこの二人、前世の頃に血の繋がった身内だったりして。兄妹、もしくは親子とか。まぁそれは流石に僕の考え過ぎかもしれないが。
フィンさんが何を考えてるかは知らないけど、少なくともリリを見る目が僕とは明らかに違う。この前あった二人だけの飲み会で『結婚する相手は同族の女性と決めている』と言ってたけど、まさか……いやいや、そんな事を考えたらダメだ。考えた瞬間にティオネさんが乱入してきそうな気がする。
「あの、フィンさん。僕達はこの後用事がありますから、出来れば手短に済ませて頂けると非常に助かるんですが」
「そうだったのか。なら仕方ないね」
僕が余計な詮索をさせないよう話題を戻すと、フィンさんはそれに気付いていながらも簡単に引き下がった。多分この人の事だから、今後リリと会う機会があれば、積極的に話し掛けようとするかもしれない。そしてその後に起こるであろう最悪の事態も含めて。
因みにリヴェリアさんとガレスさんは我関せず状態だった。面倒事に巻き込まれたくないと言うのがよく分かる。出来れば僕もそうしたいんだけど、立場上【ヘスティア・ファミリア】の団長だから無理なのが辛い。
無駄だと分かってても面倒事に遭遇しませんようにと内心祈っていると、フィンさんは本題に入ろうとしていた。
本当は今回の話で対談を終わらせるつもりでしたが、内容の都合上として前編で区切りました。
ティオネがいなくてがっかりされてるかもしれませんが、重要な対談なので敢えて参加させていません。
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