ベルがアークスなのは間違っているだろうか   作:さすらいの旅人

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ロキ・ファミリアの遠征⑬

 エイナさんと何故か説教染みたお話をされた翌日の朝。

 

 並びに『遠征』前日。そしてアイズさんとの鍛錬最終日。

 

 昨日は【ロキ・ファミリア】に遠征の参加表明をしようと早朝の鍛錬は休みにした。その反動なのかどうか分からないけど、いつもの場所へ来るとアイズさんが物凄くやる気満々な感じで待ち構えていた。

 

 いざ始めようと武器を構えた途端、アイズさんは全力で戦って欲しいとお願いしてきた。一応理由を尋ねてみると、フィンさんから僕が遠征に参加するのを聞いて、遠征前にどうしても僕の全力を知りたいそうだ。

 

 僕としてもアイズさんと全力で相手をするのは吝かではない。けれど、遠征前日にそれをやってしまったら、確実に支障が出てしまう程の負傷をしてしまう。なので僕は全力を出さない理由を述べながら丁重に断った。

 

 とは言え、惚れた女性からのお願いを無下にするのは僕の信条に反するので、ちょっとした妥協案を出す事にした。闇討ちの時に戦った猫人(キャットピープル)の男性に使った抜剣(カタナ)――呪斬ガエンのみで手合わせをする、と言う妥協案を。

 

 僕が全力で戦う時に使っていた武器の一つだと思い出したのか、アイズさんは不満気な様子でありながらも何とか折れてくれた。手合わせをする前に少し疲れたのは内緒だ。

 

 手合わせを開始して早々、僕とアイズさんが繰り出す剣戟の音が鳴り響く。

 

 真正面から攻めるアイズさんに対し、僕は主に側面や背後から攻める。

 

「はあっ!」

 

「っ!」

 

 僕の斬撃を、アイズさんが自身の剣で防ぐ。ほんの僅かだけど、彼女の表情が少し歪んでいた。多分だけど、斬撃の威力が前より重くなってる事でああなっていると思う。

 

 呪斬ガエンの打撃力は、前までの手合わせで使っていたフォルニスレングと違って結構高い。武器の打撃力が高ければ高いほど、斬撃を受け止める衝撃も強くなる。

 

 けれど、僕が今使っている抜剣(カタナ)は打撃力が高いだけじゃない。他にも面白い潜在能力――『呪斬怨魂・改』が備わっている。

 

 『呪斬怨魂・改』は威力が上がる他に、通常攻撃性能も強化される。その強化とは、通常攻撃をした時に黒い玉の追撃が発生するというものだ。分かりやすく言えば、自分の斬撃+黒い球の追撃での二回同時攻撃が出来る。

 

 しかし、この潜在能力は本来であればブレイバークラスに相応しい。ファントムクラスの僕が使っても、追撃の威力が少し落ちているので。とは言え、多少の威力が落ちても充分に使える武器だ。僕としても結構気に入ってるし、キョクヤ義兄さんから勧められた武器でもあるので。

 

 まぁ、それは置いておいて。もしこれがモンスターとの実戦だったら、僕はもうとっくに『呪斬怨魂・改』を発動させている。生憎とこれは手合わせなので、敢えて発動させないようオフにしている。もしやれば、アイズさんは今まで以上に警戒するどころか、恐ろしい魔剣だと思われてしまうので。

 

 後々になってアイズさんに色々と文句を言われるかもしれないけど、そこはどうにか納得してもらうしかない。いくらアイズさんでも、おいそれと手の内を明かす事は出来ないから。

 

「これで、終わりだね」

 

 そして一時間以上の手合わせが終わると、アイズさんは凄く名残惜しそうに言った。

 

「ありがとうございます、アイズさん。遠征前で忙しいのに、こうして手合わせしてくれて」

 

「……ううん。寧ろこっちこそありがとう。私のわがままに付き合ってくれて」

 

 僕がお礼を言うと、アイズさんも同様に言い返した。

 

 昨日を除いたこの一週間、僕としては結構有意義なものだった。

 

 『Lv.6』の【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインさんと言う格上の相手と手合わせし続けた事で、少し鈍り気味だった戦いの勘が完全に戻っている。と言っても、またある程度の日数が経てば前みたいに戻ってしまうかもしれないが。

 

 遠征前に勘を取り戻す事が出来て本当に良かった。もし下層や深層の強いモンスターと戦う事になったとしても、即座に対応して迎撃する事が出来る。後方支援の治療師(ヒーラー)として活動する僕に、それらのモンスターと戦う機会があればの話だけど。

 

 まぁそれでも、警戒をしておくに越した事はない。いくら【ロキ・ファミリア】がいるからと言っても、ダンジョンでは常に異常事態(イレギュラー)が付き物となってる。だから僕も、常に戦える状態にしなければならない。

 

「ねぇベル、遠征が終わった後なんだけど……。時々でいいから、手合わせしてもらって良いかな?」

 

「え? そ、それは僕にとっては願ってもない事ですけど……本当に良いんですか? 僕は他所の【ファミリア】で、貴女より格下の冒険者なんですが」

 

「ベルは格下なんかじゃないよ。私から見ても充分に強い。それに……君と手合わせする方が、私はもっと強くなれる気がするから」

 

 僕相手にそこまで思ってくれてるなんて……。嬉しい事は嬉しい。でも、何となくだけど、アイズさんの考えが何となく読めた。

 

 恐らくだけど、アイズさんは全力の僕と手合わせしてみたいと今も思ってるかもしれない。今回は諦めて貰ってるけど、アイズさんの性格と戦闘狂(バトルジャンキー)なところを考えれば、何が何でも全力の僕と戦ってみたいと容易に察する事が出来る。

 

 フィンさんみたいに計算高い事を考えてる人だったら丁重にお断りするけど、純粋に全力の自分と戦いたいと思ってるアイズさんだと無下に出来ないんだよなぁ。別に相手が一目惚れした女性だからと言う訳じゃない。

 

 一先ず『機会があれば、またお願いします』と了承の返事はしておいた。それを聞いたアイズさんはありがとうと凄く可愛い笑みをしながら言った事に、僕が思わず見惚れてしまったのは内緒だ。

 

「それじゃあ、明日の遠征で」

 

「うん」

 

 最後の早朝手合わせを終えた僕はアイズさんと別れ、明日の遠征に備えて準備をしようとする。

 

 

 

 

 

 

 凄い勢いですっ飛ばしたように思える翌日。

 

「では神様、行ってきます!」

 

「気を付けるんだよ、ベル君」

 

「ベルよ、決して無理をするでないぞ」

 

「……無事に帰って来てね」

 

 準備を終えた僕に神様とミアハ様、そしてナァーザさんがそう言いながら見送ってくれた。

 

 『青の薬舗』を後にした僕は集合場所へ行く途中、『豊穣の女主人』を通るとシルさんとリューさんがいて――

 

「ベルさん、今日はいつもと違って腕によりをかけたお弁当です。それと……無事に戻って来て下さいね?」

 

「クラネルさん、シルにこう言われた以上はちゃんと帰って来て下さい。では、御武運を」

 

 (シルさんの)手作りお弁当を受け取りながら帰って来るようにと言われた。

 

 僕は元より帰ってくるつもりでいる。だからシルさんとリューさんを決して悲しませたりはしない。

 

 お弁当を収納してすぐ、集合場所である中央広場(セントラルパーク)に辿り着く。

 

 そこには道化師(トリックスター)が刻まれた団旗の周囲に多くの冒険者達がいる。あの団旗は【ロキ・ファミリア】のエンブレムであり、周囲にいるのは当然【ロキ・ファミリア】の団員達だ。

 

「やあ、ベル。待っていたよ」

 

「あ、フィンさん」

 

 僕が来た事に気付いたのか、フィンさんが真っ先に声を掛けてきた。それに反応したのか、【ロキ・ファミリア】の団員達が一斉にこっちへ視線を向けてくる。

 

「まさか集合時間の三十分前に来るなんてね」

 

「すいません。初めての遠征ですから、遅れないようにと用心しすぎてしまって……ひょっとして、早く来たのは不味かったですか?」

 

 不安そうに尋ねる僕に、フィンさんは笑顔で答える。

 

「いいや、そんな事はないから安心してくれ。一昨日言ったように、時間になったら君を紹介するから、その時に一言頼むよ」

 

「は、はい!」

 

 フィンさんが確認を込めたように言ってきたので、僕はすぐに返事をした。

 

 取り敢えず僕の一言は『若輩者ですが、皆さんの遠征の足を引っ張らないよう頑張ります』と、無難な事を言うつもりだ。

 

 すると、僕とフィンさんが話している際に、女性エルフと男性ドワーフの二人が此方へ来る。

 

「待っていたぞ、ベル」

 

「ベルよ、一昨日ぶりじゃのう」

 

「あ、はい。一昨日はどうも」

 

 一昨日にフィンさんから紹介されたハイエルフのリヴェリアさんと、ドワーフのガレスさんが僕に声を掛けてきた。因みに二人からはフィンさんと同様に、名前で呼んでいいと許可を貰っている。それは当然、向こうも僕の事を名前で呼ぶ事となった。

 

 僕が返しの挨拶をした後、リヴェリアさんが妙に迫ってくるような感じで言ってくる。

 

「遠征の間だが、困った事があればいつでも言ってくれ。ところでベル、もしもお前が魔法を使わざるを得ない事態になった場合、その時は近くで見ても構わないか?」

 

「え? ま、まぁ別に見るくらいでしたら……」

 

「そうか。ではその魔法についての質問もして――」

 

 不穏な空気を察したのか、フィンさんとガレスさんがすぐに止めに入ろうとする。

 

「はいはいリヴェリア、ちょっと落ち着こうね」

 

「遠征前に何をやっとるんじゃ、お主は」

 

 二人に止められると、リヴェリアさんはハッとしたような表情となった。途端に誤魔化すような咳払いをしている。

 

「す、すまなかった。私とした事が、ついお前の魔法が気になってしまって……」

 

「はぁ……」

 

 前にフィンさんが言ってたけど、リヴェリアさんって本当に魔法に対する探究心が人一倍強いようだ。何かこの先、隙あらば僕のテクニックについて根掘り葉掘り聞き出してくる予感がする。

 

 これ以上僕といるのは不味いと思ったのか、フィンさんは『では後で』と言ってガレスさんと一緒にリヴェリアさんを連れて離れた。

 

 いきなりの事に僕が呆然としてる中、【ロキ・ファミリア】の団員達が何やらヒソヒソと小声で話していた。何やらエルフらしき人達が少しばかり僕に対して睨んでいるような……気のせいと言う事にしておこう。

 

 もしかして早まったかもしれないと少しばかり後悔してると、見知らぬ黒髪の女性が僕に声を掛けてきた。

 

「お主、もしやベル・クラネルか?」

 

「え? ああ、はい。そうですが、貴女は?」

 

 その人は僕よりちょっと背が高く、片眼用の眼帯を付けた美人な女性だった。アマゾネスなのかは分からないけど、健康的な褐色肌をしている。

 

「ふむ、やはり手前の事は知らぬようだな。ならば自己紹介をしよう。手前の名は椿・コルブランド。【ヘファイストス・ファミリア】の団長を務める鍛冶師だ」

 

「えっ!?」

 

 女性の自己紹介に、僕は思わず驚愕の声を出した。

 

 確か【ヘファイストス・ファミリア】はオラリオの中でも有名な鍛冶師系ファミリアで、一級品の武具を製作しているって神様が言ってた。そして目の前にいるのが、まさか有名【ファミリア】の団長なんて完全に予想外だ。

 

「し、失礼しました! 僕はまだ、オラリオに来たばかりでしたので……!」

 

「よいよい! そのような事で怒ったりなどしないから、安心するがいい」

 

 無知な僕にコルブランドさんは気にしないどころか、豪快に笑い飛ばした。

 

「そ、そうですか。それで、コルブランドさん――」

 

「おっと、手前の事は遠慮せず『椿』と呼んでくれ。家名より、名前で呼ばれる方が良いのでな」

 

「は、はぁ。では椿さん、で良いですか?」

 

「うむ」

 

 コルブランドさん、じゃなくて椿さんは頷いた。

 

 まさかいきなり有名な人と会って早々に名前で呼ぶ事になるとは……。

 

「まぁ、それはもう良いとしてだ……。ベル・クラネル、この前の戦争遊戯(ウォーゲーム)を見せてもらったが、素晴らしい活躍であったな」

 

「ど、どうも……」

 

 どうやら椿さんが僕に声を掛けたのは、以前の戦争遊戯(ウォーゲーム)関連のようだ。

 

 知っての通り、僕は【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)で凄く目立つ事となった。神様が咄嗟に機転を利かせて、メレンに一週間滞在した事で今は一通り落ち着いている。

 

 しかし、今でもそれ関連で僕に声を掛けてくる人はいた。今のところ【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッドさんに、【ゴブニュ・ファミリア】の主神ゴブニュ様だ。そのお二人は揃って僕の事を称賛していた。

 

「お主が使っていた武器を見て、年甲斐もなく魅入ってしまった。もし良ければ、あの時に使っていた剣を見せてくれぬか?」

 

「え? 剣を……ですか?」

 

 この人が言う剣とは、僕が戦争遊戯(ウォーゲーム)で使った抜剣(カタナ)――『フォルニスレング』の事だろう。

 

「うむ。あの燃え盛る炎を刃にしたような形状は全く見た事がなくてな。機会があればお主に会って見せてもらおうと思っていたのだが……どうやら今は持っていないようだな」

 

「あ、いや……」

 

 先程まで笑顔で言っていた椿さんだが、僕が抜剣(カタナ)を持ってきてないと思ったのか、少し残念そうな表情になった。

 

 因みにフォルニスレングを含めた全ての武器は、全て電子アイテムボックスに収納してて、すぐに展開して取り出す事は出来る。

 

 けれど、今それを出してしまったら、椿さんは間違いなく食いついてくるので止めておくことにした。

 

「昨日にフィンから聞いたのだが、お主は今回の遠征で後方支援の治療師(ヒーラー)として活動するそうだな」

 

「ええ、まぁ……」

 

「手前としては、お主が前線で戦うところを近くで見たかったが……まぁ、致し方あるまい。またの機会にするか」

 

 どうしよう。何かこの人、もう勝手に僕の武器を見る事を決定してる感じだ。と言うより、僕はまだ『見せてもいい』と言った憶えはないんですけどね。

 

 椿さんと話してる最中、僕の後ろから誰かが近づいてくる気配を感じた。振り向くと、以前に戦った狼人(ウェアウルフ)――ベート・ローガさんがいた。

 

「えっと……お久しぶりですね、ベート・ローガさん」

 

「…………………」

 

 僕が挨拶をしても、ベートさんは黙って僕を見ている。しかも凄く不機嫌そうに。

 

 この人がそうなる気持ちは分かる。僕が運良く勝った件の事があって、今も凄く気に食わないんだろう。

 

「どうしたのだ、ベート・ローガ。何やら不機嫌そうな面をしておるが」

 

 椿さんはベートさんを知ってるのか、気兼ねなく声を掛けている。しかし、当のベートさんは彼女を無視していた。

 

 その直後、漸く口を開いて僕に話しかけようとする。

 

「おい、兎野郎」

 

「は、はい!」

 

 低い声で言ってくるベートさんに思わず姿勢をビシッとする僕。

 

 兎野郎とは僕の事なんだろうけど、せめて名前で呼んで欲しかった。と言っても、今のベートさんにそう言っても聞いてはくれないだろうけど。

 

「足手纏いになったら承知しねぇからな」

 

「ど、努力します!」

 

「……チッ」

 

 不機嫌そうに言った後、今度は舌打ちをしながらどこかへ行ってしまった。

 

「? ベート・ローガの奴、何やら不機嫌であったが、いつもと様子が変だったな。お主、彼奴と何かあったのか?」

 

「まぁ、ちょっと色々とありまして……」

 

 ベートさんが以前に僕と戦って負けたから、なんて言えやしない。もし言ったら最後、絶対にキレて襲い掛かってくるだろう。

 

 どうやって誤魔化すかを考えてると――

 

「アルゴノゥトくぅぅぅぅんっっ!!」

 

「! この声はっ!?」

 

 聞き覚えのある声を聞いた瞬間、すぐ両足に力を入れた。その直後、何かが僕とぶつかった。

 

 幸いと言うべきか、僕が両足に力を入れて踏ん張った事で倒れていない。

 

 そして――

 

「久しぶりぃ、アルゴノゥト君!」

 

「お、お久しぶりです、ティオナさん……」

 

 ぶつかった……と言うより僕に思いっきり抱き着いてきたティオナさんが満面の笑みで挨拶をしてきたので、僕は苦笑いをしながら言い返した。

 

 予想外の光景だったのか、呆けた椿さんだけでなく、周囲にいる人達も目が点になっている。

 

 と言うかティオナさん、両剣(ダブルセイバー)らしき大きな武器を持ったまま抱き着くのは勘弁して下さい。

 

 しかし、僕の思いは通じなかったのか、ティオナさんは離れようとしなかった。それどころか、僕に抱き着く力を更に強めている。

 

「ちょっとティオナ! アンタ、こんな公衆の面前でいきなり何やってるのよ!?」

 

「良いじゃん別に! この後は暫くアルゴノゥト君と別行動になるんだから!」

 

 姉のティオネさんが来てくれたお陰で、僕は何とか開放される。だけどティオナさんが、時間になるまでは離れたくないと再び抱き着く。

 

 ティオナさんの言う通り、僕は彼女達と別行動になる予定だ。

 

 【ロキ・ファミリア】の遠征は大人数で行動するので、部隊を一班と二班の二つに分ける事となっている。そして18階層で合流した後、そこから一気に50階層へ移動するらしい。

 

 一班はフィンさんとリヴェリアさんで、二班はガレスさんが指揮を執る。治療師(ヒーラー)として活動する僕は、ガレスさん側の二班に組まれている。幹部勢のティオナさん達は一班なので、僕と別行動になる。

 

 如何でもいいんだけど、遠征前なのに何故か疲れた気がする。それに周囲の訝るように見てくる目も少し辛い。

 

 【ロキ・ファミリア】の幹部勢だけじゃなく、【ヘファイストス・ファミリア】の椿さんなどの大物冒険者達が、一介の新人冒険者である僕に声を掛けてくる。それは普通に考えてあり得ない光景だから、周囲が訝るのは当然だ。

 

 もうこのまま何事もなく集合時間になってくれと祈ってると――

 

「ベル、待っていた。今日はよろしくね」

 

「アイズさん……出来ればもう勘弁して下さい」

 

「?」

 

 無情な仕打ちと言わんばかりに、僕を見付けたアイズさんが親しみを込めた挨拶をした事で、一部を除く周囲からの視線が一気に厳しくなった。特に少し離れた所でずっと見ていたレフィーヤさんが、急に殺気立つように睨んでいる。

 

 あぁ、まだ遠征前の筈なのになぁ……。どうしてもう、こんなに疲れてるんだろう。




グダグダな内容ですが、遠征前でいきなり疲れてしまうベルでした。
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