機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 別再   作:グランクラン

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ドルト編三話目です。今回もオリジナル要素多めです。もう……リメイクですらない様な気がする。ではでは!


すれ違いゆく者

「フミタン!どこ!?」

 

『嫌いだった……何も知らない、ただまっすぐな彼女の瞳が』

 

 フミタンはギュッと握りしめるペンダント、フミタンはクーデリアに見つからないように物陰で息を潜む。

 

 時を同じくして、ビスケットとアトラが誘拐された現場に到着したオルガ達だが、誘拐をした者は既に現場から移動してビスケット達を見つけ出す事は出来なかった。

 そのまま走り出しクーデリアが泊っているはずのホテルへと足を向けたが、ホテルには誰もいないという事が発覚した。

 

「チェックアウトしてねぇらしいぜ。ビスケットやアトラも居ねぇし!クソ!あいつらどこに一旦だ?」

 

 シノの焦りにも似た声にユージンやヤマギも似たような表情を浮かべる。

 

「だったら二人はどうしたんだ?」

「それがよぉ………それぞれ別に出ていったらしいんだ。ビスケットとアトラは事件現場から何者かと一緒に移動したらしいぜ」

「あ……!それと見知らぬ男性がその事件現場から移動していたのも見たらしいけど……」

 

 それぞれの情報を見てもまるで見当がつかない、闇雲に探し出すしかない現状の中オルガ達は街中へと駆け出していった。

 ホテルから外へと駆け出していくオルガ達の目の前でドルトカンパニーに不満を抱く人たちの抗議デモ活動が目に入った。

 

「我々の子供から未来を奪うな!」

「ギャラルホルンが出てくる前に実力行使に移るべきじゃないかって……」

「それは絶対駄目です。こちらからはけっして仕掛ける事のないよう指示を徹底させてください。武力ではギャラルホルンにかなわない。過激に走ろうとする人達を抑える為にも交渉で事を進める姿を見せることが重要なんです」

 

 昭弘と名瀬とアミダの三人はドルトに泊まっているフォートレスの船の中へと入っていた。

 そんな三人の目の前に生まれ変わったグシオンとバルバトスが現れる。

 

「本当にグシオンもくれるのかい?」

 

 アミダの疑問に対しソニアは白い髪を右手で弾きながら答える。

 

「ええ、こちらに置いても持て余すだけなのでね。勿論いらないというのなら別にいいけれど?こちらとしてはその辺に置いておくより使ってくれる人の側に置いておいた方が良いでしょ?幸いな事にそちらにはパイロットが居るのでしょう?」

 

 そう言って立ち去っていくソニア、昭弘の目の前に鎮座する生まれ変わったグシオンがあった。

 

 宇宙港へと向かっていたフミタンの目の前に黒服の男が現れるとフミタンは諦めたようにドルト3の街中へと帰っていった。

 クーデリアを追い詰めるための策を前にしてフミタンは未だに迷いの中にいた。

 

(私は何をしている……一体何を……)

 

 迷いの中で行く当てもなく歩き続けるフミタン、遠くから手を振って近づいてくるクーデリアは組合員に捕まってしまった。

 クーデリアは組合員に捕まってしまい、黒服の男性は建物の中からクーデリアを見つけ出した。

 

 時を同じくしてサブレ達は事件現場から少し離れたドルトカンパニービルの近くまで来ていた。

 

「さて………クーデリアを殺す事、これがノブリス・ゴルドンの目的でもある。そして、ドルトの反乱を切っ掛けにギャラルホルンは各地の反乱分子を排除するつもりだ」

「でもサブレ………どうやってクーデリアさんを殺すの?」

「デモ隊を排除すると同時にクーデリアも巻き込まれて死ぬのを望んでいるんだろうな」

「じゃあ!今からクーデリアさんを連れ戻さないと」

「落ち着いてアトラ!今から行っても巻き込まれるだけだよ」

「その通り。でも、俺はこれだけの数のデモ隊だ。クーデリアが死ぬ可能性は低いだろう。それはノブリスも予想していると把握しておいた方が良い。だから俺達はノブリスの手先をこちらで排除することで安全を確保する。既に明楽とジョシュアがノブリスの手先前まで向かっている。俺達はここで作戦終了を待つしかない。大通りにはいくなよ、巻き込まれるから」

 

 不安そうにしてるアトラとそれを落ち着かせようとするビスケット、その前でタブレットで作戦内容を確認している。

 同時刻ドルト本社から大きな爆発が起きるが、それをサブレとビスケットはアトラを庇うように動く。

 組合員の制止も聞かず、ギャラルホルンは虐殺を開始したが、サブレは近くの監視カメラの映像を解析していた。

 

「何しているの?サブレ?これって監視カメラの映像?」

「爆発は内部からだ。吹き飛んだ瓦礫も外に散らばっているだろ?これも証拠になるから回収しておけって上からの命令でな。いずれは俺達フォートレスはこれらを証拠として扱う」

「止められないの!?サブレ達なら救う事が出来るんじゃない?」

「アリアンロッド艦隊だけなら戦えるさ、でもギャラルホルン全体を相手にしようと思ったらまだ力不足だ。勝てる気がしない」

 

 時を同じくして体を起こし周囲を見回したクーデリアは目の前で広がる惨劇を前にして怒りを滲ませる。

 一人の女性を抱きしめ、その最後を看取るクーデリアの姿はテレビ局のカメラにばっちり映っていた。

 

「どうして……どうしてこんな事になるんですか!?なんで……」

 

(何をやっているの!早く逃げなさい!あなたはまた……!)

 

 歯を食いしばるフミタン。

 そこにスナイパーライフルでクーデリアの命を狙う黒い服装の男達。

 

「しぶといな。まだ生きている」

「ボスにとっては好都合だろ。注目を集めてる今こそ革命の乙女が散るのに絶好の舞台だろ」

 

 スナイパーライフルの照準をまっすぐクーデリアの頭に向けるが、そのスコープが真っ黒に染まった。

 スナイパーの男は急いで顔を上げるが、男の前の前には見慣れぬ黒髪の少年である明楽が笑顔で立っていた。

 

「貴様!どうやってここに入った?おい!何をしていたんだ?」

 

 男が急いで振り返り相方の男性の方に視線を向けると、そこには喉を切り裂かれて血を流して倒れている男性と、嬉しそうにナイフを握っているジョシュア。

 

「ギャラルホルンはここにこないよ。通信もできないようにしてあるし、俺達のシナリオはデモ隊の攻撃に巻き込まれて亡くなった間抜けな工作員二名ってシナリオってどうかな?」

「き、貴様!どこの手の者だ!?我々はノブリス様が裏に居るのだぞ!」

「あっそ………俺達は裏社会の支配者だよっていえば分かるでしょ?」

「!?………マーズ・マセ……」

 

 睨まれている相手が違い過ぎる。

 

 「それに………」と明楽が言う、「これも知っているでしょ?」とジョシュアも言う。

 

「「……死神に睨まれた者は必ず死を迎える。あなた達は死神の怒りに触れた。それがあなた達が死ぬ理由」」

 

 ジョシュアはナイフで喉を掻っ捌き、血で周囲が真っ赤に染まる。

 ドアがゆっくりと開けて室内に入ってくるギャラルホルンの士官の服を着た男性。

 

「おい。そろそろ撤退しろ。後処理はこちらで済ませておくから」

「はーい!ジョシュア!撤退しろ!」

「えー……私殺したりない」

「撤退しないとサブレ先輩から怒られるよ」

 

 ジョシュアは怒られたくないという気持ちで撤退することにした。

 

 フミタンは苛立ちを強めていたが、咄嗟にクーデリアの元へと歩き出しクーデリアの右手を掴んで引っ張った。

 

「嫌いだった……何も知らないまっすぐなだけのあなたの眼差しが、現実が見えたらすぐ曇ってしまうものと。でもあなたは輝きを失わずここまで」

「何を言っているのフミタン」

「変わってしまったのは私の方でした」

 

 物陰に隠れられる場所まで移動すると振り返りフミタンはペンダントをクーデリアに返そうとする。

 

「これは私にはふさわしくない。出来る事ならこのまま私の事を忘れてください」

 

 そう言ってフミタンはクーデリアとすれ違って大通りまで戻ろうとする、クーデリアは急いで振り返り手を伸ばす。

 ここで逃がせばフミタンは永遠に帰ってこない。

 そんな気がした。

 

 しかし、フミタンの動きは完全に止まり、クーデリアはフミタンの右腕を掴んでいた。

 フミタンの視線の先にはサブレがまっすぐ見ていた。

 

「……何を言っているのか分からないの。でも……私が貴方を傷つけてしまったのなら……謝るからまた一緒にいてほしいの!私の事が嫌いでもいいから………」

「……責任ですか…あの少年の言う通りですね」

「フミタン?」

「私はあなたが嫌いだった………でも、いつの間にかあなたの事が好きになっていた。まっすぐで決して曲がらない強さを持っているあなたが………」

 

 フミタンは振り返りまっすぐな瞳をクーデリアに向ける。

 

「だったらもっと私に色々な事を教えて………私もフミタンが好きだから……!これからも変わらない愛をあなたに捧げるわ」

「……………かしこまりました。お嬢様」

 

 クーデリアとフミタンが抱きしめ合い、後ろからオルガ達が現れて回収しようとする中、大通りを挟んで反対側にアトラとビスケットを見つけ出した。

 

「アトラさん。ビスケットさん。大丈夫ですか?」

「お嬢様!ダメです!」

 

 フミタンは強くクーデリアの両肩を抱きしめ大通りから引き離し、ビスケットもクーデリアへと駆け出そうとするアトラの両肩を抱きしめて引き寄せる。

 ほぼ同時に両サイドの建物が崩れ落ちて、大通りのど真ん中が瓦礫と炎で遮った。

 

「大丈夫か!?ビスケット!」

「こっちは大丈夫!それより俺達はこのままフォートレスさんに合流するよ。地球圏で活動するのに手伝ってもらえないか相談してみる!」

 

 オルガは心配そうな表情を浮かべ「大丈夫なのか?」と大きな声を上げる。

 

「大丈夫だよ!オルガ達こそ気を付けて!近くにテレビ局の車が居たはずだよ!」

「分かった!お前こそ気を付けてな!」

 

 二人は別れて進む。

 ビスケットはアトラと一緒に路地の向こう側に戻る。

 

「先輩!仕事終わりましたよ。そういえば……さっきお兄さんが今にも死にそうな表情で倉庫の方へと歩いていきそうでしたよ。何かこう……今にも自殺しそうな表情で!」

 

 話を聞いたビスケットは素早く走り出していった。それを追いかけるようにサブレとアトラも急いで追いかける。

 明楽とジョシュアも追いかける中、五人の前の前に古ぼけた倉庫が姿を現し、倉庫の中へと足を踏み込むと今まさに首を吊って自殺しようとしていたサヴァランが視界に移った。

 

「駄目!」

 

 ビスケットは急いでタックルを決めてサヴァランを自殺から救うが、サヴァランは勢いよく立ち上がり怒りを含めた涙目でビスケットを睨みつける。

 

「お前達の所為だ!お前達の所為でみんな死んだんだぞ」

 

 サブレは後ろからすっ飛んでいきサヴァランの首を絞める。

 

「だったら見ず知らずの少女を差し出すのか!?その為なら実の弟を巻き込むのか!?それが間違っているやり方だと知っていただろ!?似合わないくせに間に立とうとするな!そんなに俺達の事で責任を感じるぐらいなら………どうして俺達を見捨てたんだ!!」

「………あんなことに…………あんなことになるとは思わなかったんだ」

「生きて……生きて償え。俺達兄妹に償って生きろ!!アンタはグリフォン家の長男だろ!!俺達弟の前で死ぬことが責任なのか?責任を取るのなら、俺達兄妹に責任を取れ……!」

「一緒に謝るろうよ。クッキーとクラッカに一緒に謝って又……一緒に暮らそう。だから………帰ってきてよ」

 

 サヴァランは小さな声で「………すまない」とだけ謝った。

 




抗う事を決めたクーデリアと鉄華団。苦しめられるドルトの人々に耐えられない気持ちを抱える鉄華団はアリアンロッド艦隊と対峙する道を選ぶ。グシオンに乗り込む昭弘と、バルバトスに乗り込む三日月。多くの人達の想いを抱えて進む中、サブレ達はドルトから撤退する途中でジュリエッタとお再開した。
次回機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 別再第二十話『クーデリアの決意』
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