機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 別再   作:グランクラン

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最新話です。
ゆっくりとですが完結まで進んでいきます。


真っ赤な悪魔よ

 真っ赤なガンダムフレームが大剣をアガレス目掛けて振り下ろすのを俺はなんとかレンチメイス改で受け止めて至近距離で睨み付けた。

 こいつが乱入してくると厄介なことになるとハッキリとわかりきっており、真っ赤なガンダムフレームは俺の乗るアガレスを思いっきり蹴っ飛ばすと、俺はその攻撃をスラスターを最大まで高めて態勢を整え直し、後ろに乗っている兄さんは真っ赤なガンダムに向かってランチャーを放ち牽制する。

 しかし、そんな牽制を大剣で受け止めながら容赦無く突き進んでくるのだが、俺はそんな奴の動きに合わせるように蹴りをぶつけてくるのだが、相手はそれを片手に受け止める。

 

「久しぶりに悠久を過ごそうとは思わないのか?」

「久しぶり!? お前二年前にエドモントンに居ただろ!? ふざけるなよ!」

「ほう……それに気がついたというのは流石と言うしか無い」

 

 いつもいつものらりくらりとやり過ごそうとするこの化け物は俺にとって苛つく相手でもある。

 すると兄さんが後ろから話しかけてきた。

 

「誰なの? 滅茶苦茶強いんだけど」

「イラクという名のガンダムフレーム使い。ここ数十年ウチの情報部が最重要警戒対象として上がっていた人物だ。特に父さんや俺に対して執着があるらしくてな」

「まあ…君たちは面白いからな。長年ガンダム使いを見てきたつもりだが、それでも君は…いいや君たちは特に彷彿とさせるよ。初代アガレス使いに…あの双子に」

 

 一体何を言いたいのかまるで分からなかったが、だからといって俺自身は理解しようとしているわけじゃ無い。

 この男を退けて三日月へと応援に行かないと大変なことになる。

 情報部からアリアンロッド艦隊がここに近づきつつあるし、出来ることならジュリエッタと接触する前にこいつを退けたい。

 

「長年…お前いつからガンダム使いなんだ? 少なくとも俺が聞いた話だと父さんがまだ若かった頃にはその機体に乗っていたよな?」

 

 兄さんが驚きの表情を作っているが、その気持ちが俺にも分からないわけじゃ無い。

 この男には寿命という存在がまるで無いかのように何時だって現れる。

 最も姿を見たわけじゃ無いが、それでも話を聞いているとやはり記憶だけは継承しているように思える。

 

 何度も何度も斬り合っていると何かを確認するように立ち去っていく。

 

「一体何なんだ? あいつ…」

 

 

 鉄華団はナノミラーチャフを放つと視界にスモッグと一緒に艦隊が消えていく。

 

「ナノミラーチャフだ!」

「艦隊見失いました!」

 

 焦りと一緒に敵の中に動揺が広がっていく。

 そんな中イサリビがそのままチャフの中を突っ走ってくる。

 

「当てなくていい。近づけさせんな!」

「それくらいなら俺だって!」

「かまわねぇから撃ちまくれ!」

 

 敵味方共々スモッグの中で砲撃戦へと移行していく。

 艦隊の攻撃をイサリビとホタルビが回避しながら突き進む。

 

「チャフの効果範囲より離脱!」

「敵艦急速旋回!左翼艦隊の後方に付かれます!」

「撃ちまくれ!」

 

 鉄華団の攻撃がすれ違いざまに横から襲いかかってくる。

 鉄華団の艦隊からの攻撃をまともに受けてしまう夜明けの地平線団と離脱していく鉄華団。

 

「七番艦モビルスーツデッキ損傷。八番九番推力低下。戦線を維持できません!」

「どこまでも忌々しい……回り込んでケツを取れ」

「よくやったユージン!モビルスーツデッキに補給の準備をさせろ。ここからは持久戦だ!」

 

 

「来んな!来んな!来んな!弾切れ!?しまった!うおぉ!」

 

 ライドは焦りながら銃の引き金を引いていく。

 ライドの獅電が弾切れしてしまいライドはそのまま体当たりを決める。その時アジーとラフタが援護に現れた。

 

「いい根性だ。よくやったねライド」

「体張れって昭弘さんが……」

「あいつの言葉はあんま真に受けない方がいいけどね」

 

 昭弘も弾切れを起こすと、敵のモビルスーツが隙ができたとそのまま突っ込んでくる。

 

「ちっ!弾切れか」

「ははっ!今なら奴は丸腰!」

「誰が……丸腰だって!?」

 

 グシオンはシザース可変型リアアーマーを取り出すと、モビルスーツをはさみつぶそうとすると、コックピットから降伏信号が出る。

 

「降伏信号?ちっ……またかよ……」

「武装解除だけしてその辺に転がしておきな。あと昭弘は補給に戻る!」

「俺はまだ平気だ!」

「ライドがもう限界。あんたは隊長!ここは私らが持たせるから!」

「了解……」

 

 昭弘は補給の為に後ろに下がっていく。

 三日月とサブレも次々とモビルスーツを倒していく。

 すると明楽とジョシュアも次々と敵を撃墜していくのだが、特に苦戦すること無く補給の必要性を感じさせないまま戦っている。

 

「ボスの船はさすがに守りが堅いな。まあちまちまやるか」

 

 敵のモビルスーツはすでに戦えないとわかっていながらもバルバトスにくらいついてくる。

 

「まだだー!」

 

 しかし、バルバトスは容赦のない一撃を加える。

 

「ヒューマン・デブリの方がいい仕事をするな」

「奴らに降伏は許されません」

「負けて帰る場所もありませんしね」

「だからこそ獣のように戦える。使い勝手はいいんだが……これじゃあ埒が明かねぇな。奴らに本物の海賊ってもんを教えてやれ」

「「了解」」

 

 三日月の側にサブレが近づいてくる。

 

「三日月。補給に戻って。ここはアガレスが何とかするから」

 

 ダンテの腕にワイヤーが絡みつく、シノは敵のモビルスーツを蹴り飛ばす。

 

「逃がすか!」

「ダンテ!腕を外せ!」

「シノはいったん引いてくれ!」

「あれはサンドバルの副官だ!俺が直接戦う!」

「すまねぇ。ここは任せる」

 

 二機のモビルスーツに向かってアガレスが向かって行く。

 

 

「推進剤と弾薬の補給!破損した装甲は丸ごと交換だ!いいな!」

 

 バルバトスがイサリビに戻るとすぐに補給に入った。アトラはコックピットに入ってくる。

 三日月の真上から現れたアトラは食べ物を三日月に渡す。

 

「三日月」

「腹減った」

「そういうと思って……」

 

 アトラからもらった食べ物を素早く食べていくと今度は飲み物を取り出して手渡す。

 

「はい。ほらこれも飲んで」

「まだある?」

「うん!いっぱいあるよ。どんどん食べて」

 

 三日月が食べている間に整備班はどんどん補給を進めていく。

 整備班はバルバトスの推進剤や銃弾の補給を素早く進めて行く中、ハッシュは舌打ちを打つような顔をしながらジッとバルバトスを見上げる。

 

「この人達が一番動いているはずなのに、推進剤の減りが一番少ない。これが……くそっ」

 

 こんな状況でもアトラに「もっと食べたい」みたいな顔を作る三日月。

 

「今度はあったかいの食べたいな」

「じゃあいっぱい作って待ってるね!だからビスケットをよろしくね」

「ビスケットなら大丈夫だよ。サブレが付いてるし」

 

 アトラを安心させようと発した三日月の言葉にニッコリ微笑むアトラ、時を同じくしてグシオンの整備を進めていく整備班は苦戦を強いられていた。

 

「団長!グシオンの整備もう少し時間をください。こいつ装備が複雑で……」

 

 グシオンの整備は少し遅れており、それを受けたブリッジのオルガは最前線で敵を引きつけているアガレス、そして明楽とジョシュアも同じように大軍の相手をしている。

 

「ライドも出せる状態じゃないよ!」

「頼む。なるべく急いでくれ。アガレスが正面でかなりの数のモビルスーツを押さえてくれてる。あの状態がそうそう持つとは思えねぇ」

 

 その時、夜明けの地平線団の船に攻撃が当たり船が大きく揺れており、そちらの方へと視線を向けるとギャラルホルンの艦隊が姿を現した。

 

「何が起きた!?」

「砲撃です!左舷後方艦隊5隻を補足。ギャラルホルンです!」

「石動の本隊か!」

「いや………あれはアリアンロッド艦隊だ」

 

 アリアンロッドのモビルスーツが攻撃を仕掛けてくる

「なんだ?こいつら味方じゃないのかよ!?」

「あの連中はなんだ!?」

「ラスタル・エリオンを総司令とする月外縁軌道統合艦隊」

「つまりあなたの上官とは指揮系統が別の部隊だと?」

「ちっ。作戦を急いだ理由はこれか……」

「サンドバルの身柄は我々で押さえたい」

「当然だ!ビスケットに伝えろ!あとから出てきたギャラルホルンとはできるだけ交戦を避けろ。敵大将だけを狙え!」

 

 サブレはアリアンロッド艦隊に舌打ちをしながらモビルスーツを叩き潰し、もう一度そちらを睨み付ける。

 同じ時間夜明けの地平船団の中では第三勢力の登場に焦りが広がっていく。

 夜明けの地平線団の船は撤退の合図を始めていた。

 

「撤退だ!艦隊はデブリ帯に針路をとれ!」

「どちらへ!?」

「連中の目を引き付ける!同胞に伝えろよ!サンドバルが出るとな!」

「ジュリエッタ・ジュリス。ラスタル様の為出撃する!」

「サンドバル・ロイター、ユーゴーが出る!ギャラルホルンめ忌々しい。勝ちはやらんぞ鉄華団!」

 

 サンドバルがグレイズを一瞬で倒してしまう。

 

「敵の大将をやれっつったってよぉ。そいつは船にいんだろ?」

「いや違う。モビルスーツに乗ってんぞ。鹵獲した敵のモビルスーツから抜き取ったデータを送る」

「聞け!夜明けの地平線団に刃向かう愚かなる者たちよ!これが貴様たちの末路である!」

 

 サンドバルへと襲いかかっていくグレイズを捕まえてしまうと、グレイズをバラバラにしてしまう。

 

「命を捨てる覚悟のある者だけかかってこい!このサンドバルが相手をしてやろう!」

 

 そういうとアガレスが真っ先に食って掛かる。バルバトスもその戦いに入ろうと機体を走らせる。

 

「死神か!貴様といえど邪魔はさせん!」

「あんたの時代もここまでさ!」

 

 バルバトスが近づこうとすると、ジュリエッタが邪魔しにはいる。

 

「これは……私の得物です」

「邪魔だな……あんた」

 

 互いににらみ合う中、戦いは終盤に差し掛かろうとしていた。

 

 後ろまでやってこようとするジュリエッタを発見して舌打ちをしたサブレは三日月にサンドバルの相手を任せてジュリエッタへと襲いかかってくる。

 

「勝ち星を取られても泣かないでくださいね」

「傍受されていないだろうな」

「安心してください。それより譲るという選択肢は?」

「あり得ないな。父さんからも言われているだろ? あれは俺達の獲物だ! それと負けても泣くなよ!」

 




アリアンロッド艦隊が襲いかかってくる中、戦いは三つ巴の戦いが始まろうとする。戦局は膠着する中戦いは佳境へと進んでいく。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 別再第二部第五話『出世の引き金』
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