それいけ、蚊蜻蛉飛行隊!   作:イブ_ib

4 / 4
その4

「大変な事になったな」

 

「いやだな、空賊かよ。」

 

「さぁ、エンジンを回せ回せ!」

 

「弾を持って来い!」

 

飛行船ヤハタもてんてこまいで飛行機の整備を行っていた。

 

「新品の弾?それ」

 

「いや、拾った奴を詰め直した奴。」

 

「今回金入ったら新品の弾欲しいな」

 

「お前の葬式代にならない様に気をつけるんだな」

 

◆◇◆◇◆

 

「おやっさん、私も雷電で出ます!」

 

「お前は下で避難誘導をしてろ!」

 

「何で!」

 

「お前が雷電なんてまともに扱える訳ないだろ!」

 

「・・・ッ!」

 

ミサキは街へ走っていってしまう。

その様子を見てカイネスは呟く。

 

「あれだけは奴等に渡してはならんのだ」

 

◆◇◆◇

2式戦闘機が3機、1式戦闘機が6機。

機体にはマンドリンをイメージしたマークにそれぞれのパーソナルマークが付いている。

 

「シューテルの自警団は97式が12機、

数は多いが機体性能差はこちらが有利だ。」

 

「部隊長、シューテルにユーハングの忘形見があるってモトマツ隊長が言ってましたけど何でしょうね?」

 

「さぁな、それと飛行船があった様だからほかに飛行隊がいるかもしれない、抜かるなよ」

 

「「「「「「「「「応ッ!!」」」」」」」」

 

 

◆◇◆◇◆

シューテルに向かう途中の監視員の双眼鏡にマンドリン空団の機体を捕らえた。

 

「見えました!北西よりにぃしぃろぉ・・・10機!10機の戦闘機です!」

 

『双発機はいるか?!』

 

「いません!」

 

『じゃあそいつらは囮が二波が来るって事か!』

 

「自警団が3機、蚊蜻蛉が全機、そちらに向かわせろ。残りは爆撃機に備える。」

 

自警団団長が受話器を下げると飛行帽を手に取り機体には駆け込む。

 

◆◇

 

『蚊蜻蛉飛行隊全機発艦!シューテル上空で自警団3機と合流せよ!』

 

「なんで3機なんだよ!12機いるんだろ?!」

 

ナエジマが文句をぶつくさ言いながら95艦戦に乗り込み発艦する。

 

◆◇◆

 

「敵機確認・・・えぇと、95式艦上戦闘機5機と97式が3機か・・・囮には囮か」

 

マンドリン空団の部隊長が確認すると、交戦の合図を各機に出すと、一気に降下し攻撃に移る。

 

それを確認したガレドは無線に叫ぶ。

 

『上空に敵機だ!』

 

97式六機が上空から襲い掛かる。

機銃の雨の中蚊蜻蛉と自警団は散開し、格闘戦に移る。

 

『1機につき2機で相手をしろ!』

 

『自警団の意地見せたれ!』

 

『マンドリン空団舐めんなよ!』

 

空戦で戦闘機が入り乱れ、まるでユスリカの様だ。

 

◆◇◆◇◆

 

『コロタが落とされたぞ!』

 

「また落とされてやがんの!」

 

ナエジマは尾翼がズタスダになって落ちていく95式を見ながら前を見る。

 

 

「複葉機のくせにちょこまか・・グベッ!」

 

『ナエジマ機!97式一機撃墜!』

 

コックピットが鮮血に染まり落ちていく。

 

◆◇◆◇

シューテル飛行場

レーダーサイト

 

『団長!奴らをまだ抑えこめているぞ。いいぞ!』

 

レーダー員が喜んでいると、また別のレーダー員が報告する。

 

「!!、やはりか!『南東より9機の機影確認!』」

 

『第6観測所!何か見えるか?!』

 

『来た!双発機1機!単発機5機』

 

『あのモトマツとか言うやつが乗ってるやつか!自警団全力出撃!!』

 

自警団の97式が飛んで行く様子をミサキは眺めていた。

 

「どうするどうするどうする。97式8機で双発機と1式を相手できるの?!あああ雷電は!」

 

「ミサキ!雷電に乗ろうだなんて思っていねぇだろうな!」

 

「だって!自警団の戦力でマンドリン空団に太刀打ちできると思う?!」

 

「ガキは余計な心配しなくていいんだ!」

 

「・・・ッ!もう我慢出来ない!」

 

「あっ!コラ!」

 

エナーシャハンドルを回してエンジンをかけと、すぐさまコックピットに乗り込みスロットル全開にする。

 

「ああああッーー!この野郎!ミサキ待てっー!」

 

カイネスは飛び立った雷電を見届ける事しか出来なかった。

 

◆◇◆◇◆

一方その頃・・・

マンドリン空団は1式2機を除き全部落としたが、蚊蜻蛉飛行隊はコロタに続き、ナエジマが落とされていた。

 

『ドラフさんすいません!』

 

自警団のトラックに回収されたナエジマとコロタは申し訳なさそうに謝罪している。

 

『ハハハハ、飯抜きな』

 

◆◇◆◇

99式軽爆撃機がいる本命の方は自警団が

苦戦していた。

 

「畜生、奴らは零戦使ってやがる!イケスカ土産か!」

 

苦戦している自警団を見てモトマツは嘲笑っている。

 

「はははは!!大人しく置き土産を渡せばよかったものを。はぁ、これでようやくあの人に土産を渡せる。」

 

 

何か安心した様でモトマツはシューテルの街を見る、自警団は現在零戦と交戦しており、此方には1機もついて来ていない。

 

(勝ったようなもんだ。)

 

勝ち誇った顔をしてスキットルに手を出す、すると街の方から何か飛んで来た。

 

「なんだ?まぁ1機出た所で・・・あれは雷電だ!」

 

「来るぞ!対空戦闘用意!」

 

◆◇◆◇

 

(この雷電には20ミリ機関砲が主翼に四つ、おまけに紫電のガンポットをくっつけているから計6つ!)

 

ミサキは雷電の得意とする速度で一撃離脱を仕掛ける。

 

600キロで99式軽爆に接近し照準に捕らえた瞬間6つの機関砲から火を噴く。

 

前方斜め上から侵入した雷電は機体前方を舐めるように命中する。

 

機首部に20ミリが命中しズタズタになった爆撃機はゆっくりと下降し始める。

 

雷電は再度上昇した後、捻って再度99式の主翼根本に狙いを定める。

 

ダダダダダダ!!

 

機関砲は根元に命中して炎上した後に

爆発、墜落した。

 

『おい!モトマツ隊長がやられた!!』

 

『退却だ!退却』

 

『逃げろ!作戦は失敗した!』

 

逃げるマンドリン空団を見て自警団は歓声を上げる。

 

「やったぞ!マンドリン空団を倒した!」

 

「あれ、ミサキの雷電か?」

 

「だとしたらカイネス怒るぞ。」

 

 

◆◇◆◇◆

 

全機着地後カイネスは雷電に駆け寄るなり、防風をこじ開けるとミサキを引き摺り出すと2、3発拳骨をおみまいした。

 

「なんでお前は・・・、お前って奴は!」

 

「おやっさんすみません・・」

 

「もう誰も失いたくないんだよ・・」

 

◆◇◆◇

蚊蜻蛉飛行隊は2機撃墜されたが、軽傷

で済んだ。

 

「結局俺たちいいとこ無しだね。」

 

「金は入ったから言うことなしだけどね」

 

「そんで結局ユーハングの忘形見とはなんのことだったのだろうか」

 

「カイネスとやらが言ってただろ?無いって」

 

「しかし、火のない所に煙は立たぬと言うだろ?」

 

「後で聞いてみようかな」

 

「おいやめとけって・・・」

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。