ルフィとウソップの決闘も見届けました。
水の都ウォーターセブンに到着し、大切な“仲間”とも言える愛船、ゴーイングメリー号を修理してもらうためガレーラカンパニーの造船所へ向かったルフィたち。
しかしそこで「もうメリー号は直せない」と船大工たちから言われてしまい、おまけに2億ベリーという大金を運んでいたクルー、ウソップが攫われてしまった。
まあそんな感じで色々あり、ウソップを散々に痛めつけたフランキー一家を強襲したルフィたちは、そこでなんとあの蛇王海賊団の海賊旗を発見してしまう。
待て、その海賊旗にだけは絶対に手を出すな!! と必死になって止めにかかるフランキー一家。
それを見たルフィたちは、とんでもない勘違いをしてしまう……。
「……蛇王海賊団の奴ら、まだ帰ってこねェのか」
「フランキーって野郎だけを連れていったって事は、そいつも海賊団の幹部なのか?」
「おれが知るかよクソマリモ。おいチョッパー、お前いつまでへこんでんだ」
「だって、ウソップは酷い怪我してるんだぞ!? 一味を抜けたって言っても、やっぱりおれは医者として……」
「……ウソップの事に関しては諦めろ。一味を抜けるって言っちまった以上、お前の施しは絶対に受けねえよ、あいつは。おれたちゃ遊びで海賊やってるわけじゃねェんだ。こういう事も、ある……」
「サンジ……」
海賊旗を堂々とアジトに飾っていたフランキー一家が、蛇王海賊団の下部組織だと誤解しているのだ。現在進行形で。
つまり、彼らは「蛇王海賊団が自分たちに喧嘩を売ってきた」と認識しているのである。
尚、今まで乗ってきた船であるメリー号が航行不可能だと判断された事から、悩みに悩み抜いた末、船を乗り換える事をルフィが決定したのだが、それに異を唱えるウソップと喧嘩になり、最終的にウソップは一味を抜けてしまい、沈みかけのメリー号もまた、彼に譲られた。
故に、帰るべき船を持たない今のルフィたちは、街のとある宿を拠点としている。
船がない海賊団とか、マヌケだな。とマデュラに笑われそうである。というか絶対笑う。
そんなこんなでどこか沈んだ雰囲気の彼らだが、街に出かけていたナミとロビンが持ち帰ってきた情報を聞き、気を取り直す。
「ルフィ!! 見て、この新聞!」
「どうしたナミ。ん、これは……」
「蛇王海賊団がエニエス・ロビーへ向かったらしい、というのは皆も知っての通りだけど、続報が入ったみたい。どうやら、蛇王龍が正義の門諸共エニエス・ロビーを破壊したらしいわね」
「その正義の門ってのは何だい、ロビンちゃん」
「とてつもなく巨大な門よ。世界政府の三大機関……海軍本部、大監獄インペルダウン。そして、司法の島エニエス・ロビー……それらの奥に一つずつあって、これを開閉する事で“世界政府専用の海流”をコントロールしているの」
「ははァ……つまりそいつが壊されたって事は……」
「ええ。世界政府にとって決して無視出来ない程のダメージとなる。そもそも、正義の門は人間が壊せるような大きさではないのだけど……さすが蛇王龍、といったところかしら」
「へェ、そんなにデケェのか?」
「見た方が早いけれど……巨人族が豆粒に見えるほど、と言えば分かりやすいかしら?」
「「デカっ!?」」
記事にデカデカと書かれたビッグニュース。
それを見て、蛇王海賊団と自分たちのスケールの違いを思い知るルフィたち。
しかし、ウソップをボコボコにされた借りがある……と、彼らは思っている。
実際はフランキー一家がただのファンだと知れば、どんな反応をするのだろうか。
「世界政府がどうとか、そんなもんはどうでもいいよ。とにかく、帰ってくるんだな?」
「……うん、そうだと思う」
「どうするんだ、ルフィ」
「決まってんだろ。売られた喧嘩は買う。仲間をボロボロにされて、黙っていられるか!」
「……正直に言えば、勝ち目は無いわよ。ルフィ」
「ロビンちゃん……」
かつてアラバスタ王国で起きたガロアとのバトルが、ルフィの脳裏を過ぎる。
あの時は、船長どころか幹部にすら手も足も出ず、まるで子供のようにあしらわれてしまった。
しかし、だからこそルフィは必死になって考えてきた。
仲間を誰も失わないように、誰も遠くへ行ってしまわないように、自分が強くなる……その方法を。
そして、このウォーターセブンで“海列車”の存在を知り、アレの蒸気機関をヒントにして、遂に“ギア”という新たな技が完成したのだ。
「海岸に行くぞ。試してェ技もあんだ」
「「了解、船長」」
「……私はここで待ってる。1億ベリーを置きっぱなしにしておくわけにもいかないし」
「チョッパー、お前もここにいろ。船医が前線に出ちゃ助けられる命も助けらんねえだろ」
「ゾロ……でも、おれだって戦えるぞ!!」
「珍しくマリモの言う通りだ。ここで待っててくれよ、ドクター」
「サンジ……でも、でも……!! んんーー……!! わがっだ!!」
「ふふ……」
「あんたたち……絶対、絶対に生きて帰ってきなさいよ!! 死んだら許さないから!」
思わず涙をこぼすナミとチョッパーを見て、ニッと笑顔を見せるルフィたち。
どう考えても死亡フラグなのだが、彼らも薄々分かっているのかもしれない。
蛇王海賊団と戦って、生きて帰れるわけがない、と。
そして──。
「お前ら、行くぞォ!!」
「「おう!!」」
右腕を空に突き上げ、彼らは歩き出す。
落とし前を、つけるために。
尚、重ね重ね言うが……勘違いである。
フランキーがエニエス・ロビーに参戦した事で、無駄に下部組織っぽさが上がってしまっているが。
奇しくも、ちょうどルフィたちが海岸に着いた頃に、蛇王海賊団の艦隊が水平線の彼方から姿を見せた。
その数──
──21隻。地味に1隻増えてる。
スパンダムを含めたCP9の面々と世界政府の役人たちを運ぶため、エニエス・ロビーとウォーターセブンの間を航行していた不運な海賊船を襲い、奪ったのである。
思わぬところで旅が終わった顔も知れない海賊団は泣いていい。
「蛇王海賊団の海賊旗……」
「来たか」
「さすが“世界最悪の海賊団”ってか。ザコの数も相当なもんだろうな」
「怖気付いたのか、アホコック」
「バーカ。そんなんじゃねェよ」
麦わらの一味は、人並み程度には蛇王海賊団に詳しいロビンから話を聞いており、何も知らなかったアラバスタの頃とは違うのだ。
なのに喧嘩をしようと言うのだから、彼らの無鉄砲さは底無しと言えるかもしれない。
こちらから見えているという事は当然あちらからも見えているわけで、ルフィたちは船上で慌ただしく動く無数の人影を遠目に確認した。
やがて艦隊が海岸に到着し、ゆっくりと止まる。
そして、数人が船から降りてきた。
「お前たち、ウォーターセブンの者ではないな? こんなところで待ち構えているとは、何のつもりだ。小僧ども」
蛇王海賊団精鋭部隊“モンスターズ”隊員。
“斬竜”バルド、懸賞金1億6500万ベリー。
「キレーなねーちゃんまで居っけど、歓迎しようっていう雰囲気じゃねえよな」
同じく、“モンスターズ”隊員。
“電竜”ゼクス、懸賞金1億6000万ベリー。
「こっちは腹減ってるだァ。邪魔しようってんなら踏みつぶすぞォ」
同じく、“モンスターズ”隊員。
“巨獣”ムート、懸賞金1億5800万ベリー。
「なんでボクまで……。まーた敵の治療をさせられるのかなぁ……」
蛇王海賊団船医。
“泡狐竜”ミツネ、懸賞金1億5000万ベリー。
四人揃って自称“四天王”。
尚、ミツネは勝手に数に加えられているだけである。
最後に──。
「……貴様は、麦わらだったか? そうか。航海はなんとか続けられているようだな」
──モンスターズ総隊長、ガロア。
「お前……ガロアッ!!」
「あん時ルフィをボコボコにした奴まで一緒か」
「蛇王龍は……出てこないのね」
かつて大敗を喫した強敵、ガロアの登場に、思わず叫ぶルフィ。
アラバスタで鮮明なインパクトを残していった事もあり、しっかりとガロアの事を覚えていたサンジ。
出てきた面々を確認し、蛇王龍がいない事に内心ホッとしているロビン。
(……あの野郎、できる)
そして、腰に刀剣を佩いている“斬竜”バルドと視線をぶつけ、彼の強さをその身で感じる、ゾロ。
「生憎だが、マデュラ様は今お食事中でね。用件があるなら我々が聞こう」
「用件……? そんなもんじゃねェ。おれたちは、大事な仲間を痛めつけたお前らを、蛇王龍を! ぶっ飛ばしに来たんだ!!」
「「……なんだと?」」
ルフィ、勘違いしたまま逆鱗に触れる。
明らかにガロアたちの雰囲気が変わり、今にも戦闘が始まってしまいそうである。
麦わらの一味のお墓を建てるウラ……。
なんて事にならなければいいですね。(鼻ホジ)
ミツネはガンナー用のミツネシリーズ(タマミツネ素材の防具一式)を着た美人(♂)。
ご丁寧に胸に詰め物をしていますが、男の子です。
ついでに、ルフィは六式を見ていないので“剃”を使えず、原作よりも弱いです。一応ギアセカンドとギアサードは使えますが、ギアセカンドはホントに身体能力を上げるだけ。