蛇王龍、海賊になる。   作:初音MkIII

3 / 46
古龍軍団登場。
当然ですがオリキャラばかりです。


アラバスタ王国①

 

 

 偉大なる航路の後半、新世界のとある島にて。

 

 

「おい、見つかったか!?」

「いや、いねえ!!」

「おまけに“モンスターズ”の奴らもいねえ!!」

「……あの人はまた、何も告げずに……はぁ」

 

 

 今や四皇に匹敵する大海賊として知られる、蛇王海賊団。

 四皇と比較すると規模が小さいため、海賊団としては一歩格が下がるが、こと船長の戦闘力だけを見るならば充分世界最強クラスではある。

 

 そんな彼らだが、肝心の船長……“蛇王龍”マデュラが突然姿を消した事から、縄張りの島同士で連絡を取り合い、必死に船長の姿を探していた。

 しかし、見つからない。

 

 それもそのはず、マデュラは直属の精鋭集団“モンスターズ”の面々を連れて縄張りを出ており、既に部下たちの手が届かない所へと行ってしまっているのだ。

 

 

 あらぬ方向を指すマデュラのビブルカードが、その事を物語っている。

 

 

「どうする?」

「どうするたってなあ。お頭の事だから、また凪の帯を突っ切って偉大なる航路を逆走してんだろ。俺らじゃ追っても海王類の餌になっちまうよ」

「だよなあ。仕方ねえ、帰ってくるまで適当に縄張りでも広げとくか」

「だな。おもしれえ奴がいたら勧誘しておこうぜ」

「おう」

 

 

 必死にマデュラの姿を探す部下たちだが、船長が仕出かす無茶には最早慣れたもの。

 早々に捜索を諦め、独自の判断で動く事に決め、四皇の縄張りに手を出さないように注意しつつ、自分たちの領域を広げて帰りを待つ事に。

 

 

 さて、ではマデュラは何をしているかというと──。

 

 

 

 

 偉大なる航路の前半、“楽園”の海にて。

 

 

「へえ、白ひげんとこの隊長が?」

「はい。偉大なる航路を逆走し、何かを探しているようです。どうやら、白ひげの船から脱走者が出たとかで……」

「隊長がわざわざ逆走までしてるとなると、鉄の掟でも破ったのかな。隊長さんが今どこにいるか分かる?」

「砂の王国、アラバスタの近辺ではないかと」

「よっし、行こう。面白そうだし。もしかしたら白ひげと遊べるかもしれない」

「了解です。お前たち、船長命令だ! 我々はアラバスタ王国に向かい、白ひげ海賊団の二番隊隊長、ポートガス・D・エースを捜索する!」

「「イエッサー!!」」

 

 

 モンスターズ。

 蛇王海賊団の中でも動物系能力者……それも、希少な幻獣種の者ばかりを集めた精鋭部隊であり、中でもマデュラと会話していた総隊長のガロアは、ダラ・アマデュラ程の規格外ではないがかなりの巨体となる能力者である。

 彼らが一斉に変身すると世紀末な怪物大戦争と化すあたり、もはや笑うしかない。

 

 何はともあれ、かつて敵対していた海賊団から奪ったガレオン船に乗って、彼らは海を行く。

 目指すは砂の国、アラバスタ。

 現在、大規模な反乱が起きていると噂のかの王国ではあるが、そんな事など蛇王海賊団にとっては些事に過ぎない。

 

 

 マデュラが行きたいと言っているのだから行く。

 それでいいのだ。

 

 

 特に、その特異な能力からアウトローに堕ちざるを得なかったモンスターズの面々は、自分たちを救ってくれたマデュラに対し盲信とも言えるほどの忠誠心を持っている。

 つまり、蛇王海賊団の中でも生粋の問題児集団というわけである。

 

 

 そして──。

 

 

「船長。アラバスタ王国が見えてきました。港に船を着けますか?」

「ん。入り切る? 結構大きいよ、この船」

「ご安心を。地形を変えてでも着けてみせます」

「そう、ならいいか」

 

 

 良くねえよ! と、常識的な船員が聞けば叫びそうなやり取りをしつつ、本当に無理やり港に侵入するガレオン船。

 当然、町の人々は大パニックである。

 

 

 

「か、か、海賊だぁーー!!」

「あ、あの海賊旗……蛇王海賊団!? なんで、あんな大海賊がこんなところに……」

「じゅ、10億越えの大海賊……あんなのが相手じゃ、いくらクロコダイルさんでも……」

「に、逃げろぉー!!」

 

 

 ご覧のように、蜘蛛の子を散らすように逃げていく町の人々。

 これを見てひたすら困惑する一団がいた。

 

「あり?? なんか誰もいなくなったぞ」

「ほ、本当だ。な、なんだ? 何がどうなってんだよぉ!? お、おいルフィ! 俺達も逃げた方がいいんじゃねえか!? 今“大海賊”って聞こえたしよぉ!」

「大海賊?? 誰か来たんか?」

 

 とある目的のため、アラバスタ王国の港町ナノハナに上陸した大型ルーキー、麦わらの一味と……。

 

 

「スモーカーさん、あの海賊旗って……!!」

「……蛇王……海賊団……だと!? なんだってこんなところに来てやがる!! この国にいったい何が起きてんだ!?」

「ど、どうしましょう!?」

「……チィ、さっさと麦わらをとっ捕まえて本部に報告するぞ!」

「りょ、了解です! スモーカーさん!!」

 

 

 麦わらの一味を追って本来の担当地域である東の海を離れ、アラバスタ王国にやってきていた本部の海兵、スモーカー大佐とその部下、たしぎ曹長である。

 

 

 その様子を“見聞色の覇気”で「聴いて」いたマデュラたちは……。

 

 

 

「蛇王海賊団……!? オヤジから気ぃつけろって言われた奴らか……!! やべえ、ルフィを狙ったりしねえだろうな!?」

 

 

「見っけ」

「ええ、確認しました。どうされますか? 海軍の問題児、スモーカーもいるようですが。おまけに雑魚海賊も、ですね」

「目当ては白ひげんとこの隊長くんだけだよ。とりあえず会ってみたいな」

「了解、二番隊隊長の捕獲に移ります」

 

 

 とある目的のためにこの町にやってきていた、白ひげ海賊団の二番隊隊長、ポートガス・D・エースの姿を確認し、彼を捕獲するために動き出す。

 

 

 ここで、モンスターズの総隊長、ガロアの手配書をチェックしてみよう。ついでにマデュラも。

 

 

 

 “骸龍”ガロア、懸賞金7億ベリー。

 

 

 “蛇王龍”マデュラ、懸賞金32億5000万ベリー。

 

 

 

 ちなみに、四皇の一人“白ひげ”の幹部であるエースの懸賞金は、5億5000万である。

 そして、麦わらのルフィの懸賞金はわずか3000万。

 

 

 額がイコール強さ、というわけではないのだが、それでも絶望的な差がある。

 

 

「……クソッタレ!! たしぎィ!! 蛇王海賊団の奴らが上陸してきやがったぞ! 戦闘準備!!」

「は、はいっ!!」

 

 

「お? ケムリンがどっか行くぞ」

「い、いまのうちに逃げようぜ!! な! な!?」

「んー。どんな奴が来たのか気になるな。見に行っちゃダメか?」

「ダメに決まってんだろボケェ!! とにかく早く皆と合流しようぜ!」

 

「やばい、これはマジでやばい!! ルフィ、頼むから蛇王海賊団に喧嘩なんて売ってくれるなよ……!!」

 

 

 変身をしていない人型のまま、モンスターズがナノハナの町に侵入し、迎撃のため立ちはだかるスモーカーたちと激突する。

 しかし、本部所属とはいえ所詮大佐が率いる部隊。

 四皇クラスの戦力である蛇王海賊団に太刀打ちできるはずもなく、次々に倒されていく。

 

 

 そして。

 

 

「ぐは……クソ……!! 覇気使いか……!」

「当然だ。我々をそこらの雑魚海賊と一緒にしてくれるなよ。我ら蛇王海賊団こそが世界最強なのだ」

「スモーカーさんッ!! きゃっ……」

「うるさい小娘ね。総隊長、こいつら燃やしても構わないかしら?」

「待て待てナナ。こんな奴らに時間を使ってる場合じゃないだろ」

 

 

 “炎妃龍”ナナ、懸賞金4億3000万ベリー。

 “炎王龍”テオ、懸賞金4億ベリー。

 

 

 ガロアに連れられ、モンスターズの賞金首夫婦のうち、嫁の方……ナナがたしぎを取り押さえ、海兵たちを燃やそうとするナナを夫のテオが宥める。

 

「テオの言う通りだろ。船長命令を忘れたか? つーか俺が飛んで探した方が早いんじゃない?」

「ふむ、よかろう。ダオラ、行け」

「あいあい、了解」

 

 

 “鋼龍”ダオラ、懸賞金3億8000万ベリー。

 

 

 テオの後ろから現れた男、ダオラが龍に変身し、空高く飛び上がっていく。

 そして見聞色の覇気を使ってエースの位置を探りつつ、空から見渡し……。

 

 

「お、いた。つーかナズチの奴の近くじゃん」

 

 

「ぐっ!? なんだ、壁!?」

「おー……悪いけどこっから先は一方通行なんだなぁ」

「……カメレオン? いや、龍なのか……?」

「これでも一応龍らしいぞぅ」

 

 

 逃走する麦わらの一味と合流するべく、走っていたエースだったが、透明な“何か”にぶつかり、思わず尻もちをつく。

 見上げた先にいたのは、奇怪な姿をした生物。

 

 

 “霞龍”ナズチ、懸賞金3億5000万ベリー。

 

 

 目の前の相手を蛇王海賊団の一員と認識したエースは、すぐに体勢を立て直して戦闘態勢に入る。

 しかし──。

 

 

「うわっ!?」

「おぉっとぉ!! スピードが足りねえぜ!!」

「おぉー、ファル君~」

「くそっ、離しやがれ!」

 

 

 “天彗龍”ファルク、懸賞金4億5000万ベリー。

 

 

 凄まじいスピードで飛来した銀色の龍に捕まり、身動きが取れなくなってしまったエース。

 自然系能力者のエースは、普通ならばこうして拘束される事などなくすり抜ける。

 しかし、ファルクを含めたモンスターズの面々はいずれも覇気の使い手なのである。

 

 

 焦りを露わにするエースだが、落ち着いた声の持ち主が歩いてきた事で冷静さを取り戻していく。

 

 

「手荒な真似をして済まない、エース君。しかし、船長命令でね。マデュラ様が君と話がしたいそうだ」

「なんだと……? あの“蛇王龍”がこんな所に来てるってのか!?」

「あっ、副隊長~」

「わかったか!? さあ火拳! はいかイエスで答えな! ハリー! ハリィー!!」

 

 

 “老山龍”シャンロン、懸賞金6億ベリー。

 

 

 シャンロン。

 彼こそがモンスターズの副隊長であり、マデュラから任命された総隊長の座をガロアに譲った穏やかな老人だ。

 

「……ちょっと待ってくれ。弟が近くにいてな。挨拶だけでもしていきてえ」

「ほう、君に弟が。そういう事ならば構わんよ。ただ、逃げてしまわないように後を追わせてはもらうがね」

「へっ、逃げやしねえよ。オヤジの名に傷が付く」

 

 

 こうして、エースはひとまず解放され、既に海に出ていた麦わらの一味を追って行った。

 シャンロンたちモンスターズの面々もまた、一旦マデュラの元に戻って事情を説明し、スモーカーたちを放置して麦わら一味の船を追う。

 

 

 残されたスモーカーとたしぎは、自分たちの無力さに歯軋りするしかできなかった──。

 

 




古龍だけでもかなりの数いるからなぁ……。
副船長はどのモンスターにしようか。
ミラボレアス系はさすがにアウトとして。

とりあえずルフィ逃げて。

あ、評価ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。