新年明けましておめでとうございます。(遅)
まあ正月休みとか存在しないお仕事なので、むしろ普段より忙しくなるクソ喰らえな時期なんですわ。だから更新が遅れても仕方ないんです、ええ。
連休って、都市伝説ですよね。
今回短いですが、モンハンワールドのあの人……っぽい人が登場します。
蛇王海賊団がエニエス・ロビーでかっぱらった……もとい手に入れた戦利品、象剣ファンクフリード。
悪魔の実の力で得たものとはいえ、剣であると同時に象でもある彼は、周囲を化け物たちに囲まれ、最初はガタガタと震えていた。
ほんの遊びで
まあ、元々剣だった物が能力で象の姿を得ただけなので、ファンクフリードが死ねば当然ただの剣に戻ってしまうため、少なくとも食べられる事は無いのだが。
しかし、待てども待てども乱暴に扱われる気配はなく。
むしろ、キレイなお姉さんになでなでされたり、楽しそうに
そして、ファンクフリードは察する。
あれ? むしろ前の小汚いご主人様(スパンダムの事である)の所にいるよりも、今の生活の方が百倍良くね? と。
真理に至ったファンクフリードは、船のどこに居ても全く緊張しなくなり、マイペースにエサを貪り、新しいご主人様(マデュラの事である)が早く遊びに来てくれないかな、と待つようになった。
この象剣、ノリノリである。
そんなファンクフリードの元に、待ち望んだ人物が現れた。
「パオちゃんパオちゃん、今日は遂にお前を与える相手に会いに行くよー」
「パオン?(えっ? 与える……?)」
新しいご主人様は、実はファンクフリードの正しい名前を一度も呼んでくれた事がない。
代わりに、パオちゃんと呼ぶ。
曰く、パオパオ鳴くからパオちゃん、とのこと。
ファンクフリードは絶望した。
自分を与える相手に会いに行くという事は、新しいご主人様の手から離れるという事だろう。
「パオッ!! パオン!!」
「んー? どうしたの? 柱にしがみついたりして。ほら、さっさと行くよー」
「パオパオ、パオン!!」
やだやだ、捨てないで。
絶対役に立つから、ずっと一緒にいて!!
部屋にあった柱にしがみつき、必死に首を振るファンクフリード。
彼は今の生活が大好きなのだ。
しかし──。
「さっさとしろ、折るぞ」
「パオン(アッハイ)」
現実は非情である。
新しいご主人様ことマデュラは、とてもキレイでカワイイが、それ以上に、コワイ。
折るぞ、という言葉ははったりでも何でもなく、逆らえば本当に実行するぞ、という宣言でしかないのだ。
ファンクフリードはまだ死にたくなかった。
あっさりと柱から離れ、萎れた表情を浮かべて、さながら処刑台に向かう死刑囚のように歩いていった。
そして──。
蛇王海賊艦隊に属する船のうちの一つ。
マッチョな男たちが主に利用する“鍛錬場”である船にて、ファンクフリードは出会う。
「おぅい、マスター!!」
「パオン?」
「ん? ああ、マスターっていうのはもちろんあだ名だよ。ソードマスターって呼ばれてるから、マスター!」
「パオ……」
ソードマスター。
化け物だらけなこの海賊団にあって、何とも強気な二つ名である。
象である前に剣であるファンクフリードは、ソードマスターと呼ばれているらしい次のご主人様(予定)に、興味を持った。
「ぬぅ? どうされた、姫。某に用事でも?」
すぐに現れたその男は、何やらトゲトゲした鎧に身を包み、顔すらも兜で覆い隠していた。
何かと巨漢ばかりなこの海賊団のクルーとしては珍しく、身長は例のマリモヘッドの新入り……ロロノア・ゾロとそう変わらない程度だろう。
“ソードマスター”ヤマト、懸賞金8億ベリー。
能力者だらけな蛇王海賊団にあって、非能力者の身でありながら賞金首にまで成り上がった偉大な男である。
「……象?」
「うん、ファンクフリードって言うの!」
「パオ!?(今なんて!?)」
「ほう」
「この子ね、実は悪魔の実の能力者でさ。剣になれる……じゃないや、象になれる剣なんだ!」
「ほほう、それはまた面妖な。もしや……?」
ご主人様に初めて正しい名前を呼ばれた事に驚き、思わず二度見するファンクフリード。
そんな彼をスルーし、話は進んでいく。
「マスター、カゲカゲの実は食べたくないんでしょ? だから代わりにこいつあげる! 上手く使ってね!」
「おお……! かたじけない、大切に使わせて頂く」
「うん! さて、残っちゃったカゲカゲの実はどうしようかなぁ? 誰か食べたい人とかいないかなぁ」
「パオ!! パオーン!!(まって!! ご主人様の方がいい!!)」
「おお、本当に悪魔の実とは奇怪なものよ。丸っきりただの象にしか見えん」
得体の知れない鎧姿のオッサンに贈られると知り、イヤイヤと首を振って断固拒否するファンクフリード。
しかし、ご主人様ことマデュラはそんな事知らんとばかりにファンクフリードの首を掴み──。
「マスターがお前の主だ、オーケー?」
「パオン(アッハイ)」
「うん、いい子! じゃあよろしくねー」
「承知。次の戦ではこやつと共に暴れてみせよう!」
まあそんな感じで。
蛇の眼で睨まれ、承諾させられたファンクフリード。普通に殺気まで出されては逆らえるわけがなかった。
「さて、ファンクフリード……と言ったか。突然某のような男に預けられたとあっては、貴公もそうそう納得できぬだろう。故に、気の済むまで語り合うとしようではないか。生憎、某は口下手ではあるが」
「……パオ」
「あからさまに元気が無くなったな……分かりやすい奴だ。なぁに、某と共に戦っておれば、姫がまた貴公を求める事もあるであろうさ」
「パオン?」
不服ではあるが、ファンクフリードが今更駄々をこねたところで時間の無駄でしかない。
それどころか、騒音に気を悪くした
故に。
とりあえず、ソードマスターとやらのお言葉に甘えて、たっぷりと愚痴を聞いてもらうとしよう。
──翌日。
すっかりソードマスターに懐き、彼の横でエサを貪るファンクフリードの姿があったとか。
“ソードマスター”ヤマト
モンスターハンターワールドにて登場するNPC、ソードマスターが元ネタ。
名前はギャグ漫画日和のアレから。
ちょいちょい触れられていた、“蛇王海賊団に所属する非能力者の賞金首”が彼です。
次話からシャボンディ諸島編に入ります。サックリ終わると思いますが。
そしてインペルダウン+頂上戦争へ……。