蛇王龍、海賊になる。   作:初音MkIII

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大変長らくお待たせしました。
今頃になってようやくスタンピードを見たので、あの男を出せます(:3_ヽ)_

まだスタンピード編には入りませんが……。


幕間 スタンピードなあの人

 

 偉大なる航路にひっそりと佇む、デルタ島。

 人口も少なく、特に目立った名物も無いこの地は、単なる通過点としてしか見られていない。

 

 しかし、実は。

 大海賊時代が始まる前から生きる、とある大物海賊が根城にしており、更にはあの“海賊王”ゴールド・ロジャーが残した宝が存在する、秘境であった。

 

 

 

 ──デルタ島、地下アジトにて──

 

 

 

「ああ? おれに手紙だァ?」

「はい。間違いなく、ここに書かれています」

「……“親愛なるブエナ・フェスタ殿”へ……。ああ、確かに。間違いなくおれ宛だなァ。とうの昔に死んだはずの人間に手紙を出すなんて、どこの物好き……!?」

 

 

 

 ブエナ・フェスタ。

 人々に“熱狂”を届ける「祭り屋」であり、一部の人間からは侮蔑を込めてこう呼ばれていた。

 

 

 最悪の戦争仕掛け人、と。

 

 

 何故ならば、彼が最終的に結論付けた“熱狂”とは、即ち“戦争”であったからだ。

 相手を殺し、相手に殺され、憎悪の渦に飛び込んだ時にこそ、人は最も熱く狂う。

 

 故にフェスタは戦争を起こす。

 全ては、「大海賊時代の幕開け」という熱狂に人々を巻き込んだ、かの海賊王ゴールド・ロジャー……否。

 ゴール・D・ロジャーを、超えるために。

 

 

 しかし、どれだけ足掻こうと海賊王を超える事はできず、フェスタはいつしか「事故死」したものとして人々からも忘れられてしまい、どんどん無気力になってしまっていた。

 

 

 そんな彼が、手紙の差出人を見て、震えている。

 

 

 

「……? あの、どうなされたので?」

「…………!」

 

 

 顔を俯かせてぷるぷると震えるフェスタを心配し、思わず声をかける部下。

 

 

 そんな部下を後目に、弾かれたように天井を仰ぎ……叫ぶ。

 

 

 

 

 

「最高だ……最高じゃねェか!! えェ、おい!! なんてこった、おれの“祭り”は!! まだ始まってすらいなかった!!」

「へ?」

 

 

 

 目の前のテーブルをドタドタと走り、そしてバタンと倒れ、息を荒げるフェスタ。

 突然奇行に走る船長の姿に首を傾げる部下たち。

 

 

 しかし、部下たちもすぐに理解する。

 他でもないフェスタから、例の手紙の差出人が誰なのか、教わる事によって。

 

 

 

「見ろ、テメェら!! コイツはあの蛇王海賊団のクルー……その中でも船長たる蛇王龍と常に行動を共にするという、ガルルガの野郎からの手紙だ!! 分かるか!? コイツは……とんでもねェ大仕事の、依頼書なんだよォ!!」

「「!!?」」

 

 

 蛇王海賊団。

 まだ歴史の浅い一団でありながら、世界最強とまで言われる圧倒的な戦力と自由さで世界中を荒し回る、今最も“熱い”奴らである。

 

 フェスタに届いた手紙はなんと、その蛇王海賊団の重鎮であるクック先生こと、ガルルガからのものだというのだ。

 

 

 そして、その内容は──。

 

 

 

「蛇王海賊団がインペルダウンを襲撃し、封印されし極悪人ども……レベル6の囚人たちを解放する!! 更に、そいつらに加えて、今ノってる超新星とかいうガキどもや、“新世界”に引きこもってやがる大物海賊たちすらも巻き込んで!! この島でドデカい花火をぶち上げようってんだ!! しかも、その為のエサは既におれの手中にある……! これを断っちゃ“祭り屋”の名が廃るってもんだろ!?」

「「おお……!!」」

 

 

 マデュラの気まぐれにより決まった“インペルダウン襲撃計画”。

 これに乗じてクックがフェスタを利用し、マデュラが喜びそうなお祭りを開催しようと企んでいる、というわけである。

 

 

 無論、フェスタ自身も自分が利用されているだけだという事は分かっているが、彼にとってそんな事はどうでもいいのだ。

 要は、ロジャーが作った大海賊時代をぶち壊し、それ以上の熱狂で人々を包んでしまえば、それでいいのだから。

 フェスタ本人がその時にどうなっていようが、些細な事だ。

 

 

 

「しかし、いまいちインパクトが足りねえな……!! そうだ、世界政府と革命軍も巻き込んじまえばいい! 蛇王海賊団vs全勢力!! どうだ、最高に熱いと思わねえか!?」

「「最高です!!」」

「そうだろう、そうだろう!! よっしゃ、そうと決まれば早速準備しねえとな……! 裏社会の連中にもそれとなく伝えて、いろんな勢力にこの話を流す!! 忙しくなるぜェ……!? 時期は……たっぷりと余裕を持って、二年後ってところかァ!」

 

 

 狂気の戦争仕掛け人、ブエナ・フェスタ。

 彼がこれまでに培ってきた経験や情報網を基に、史上最大の、“大騒動(スタンピード)”を。

 

 

 

 

 ──問題は、それでも普通に蛇王海賊団が勝つ未来しか見えない、という事だろうか。

 結果が見え透いているゲームほど、つまらないものはない。

 

 

 

 故にフェスタは、依頼主であるクックにすら内緒で、あの“四皇”をもこのお祭りに引き込まんと画策する。

 幸いというべきか、彼が密かに所持している“お宝”は、正体を知れば四皇ですらも釣り上げる事が可能な程の物なのだ。

 

 

 

 いつもとは逆に、クックがマデュラに説教される未来が、見えるような……見えないような……。




というわけで、劇場版スタンピード編決定。
まだまだ先の話ですけどね。

フェスタが予定している“スタンピード”
 ・海賊を可能な限り呼び込む
 ・海軍、及び世界政府軍を呼び込む
 ・革命軍も呼び込む
 ・四皇も呼び込む
 ・インペルダウンの囚人たちもクックが連れてくる
 ・呼び込んだ全てを蛇王海賊団と戦わせる
 (+ダグラス・バレットも出ます)
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