苗木くんと七海さんと赤松さんと   作:佐藤秋

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七海「今回も台本形式。あとちょっとで終わりだからもう少し待ってね」

七海「読まなくても問題ないけど、本編の話と少しつながるところがあるから、読んだほうが楽しめる……と思うよ?」

七海「では、どうぞー」




26 七海さんとカービィ

 

 ~前回の翌日~

 

 

七海「オッスオッス。今日は舞園さんとゲームをやっていくよ」

 

七海(裏声)「えっ、舞園さんって、あの超高校級のアイドルの? どうしてそんなすごい人がこの家に?」

 

七海「ね、びっくりだよねウサ木くん。なんでいるかは分からないけど、起きたら一階に舞園さんがいたんだよ」

 

七海(裏声)「そうなんだ……きっと千秋ちゃんがいい子にしてたから、サンタさんがプレゼントしてくれたんだよ」

 

七海「わあ、それは嬉しいね。いい子にしてるだけで舞園さんが来るなんて」

 

七海(裏声)「冷静に考えたらすごいことだよね」

 

七海「……と、いうことでよろしくね舞園さん」

 

舞園「は、はい、よろしくお願いします」

 

舞園「(七海さん……相変わらず独特の空気を持つ人ですね……)」

 

七海「今回舞園さんにやってもらうのは、初代星のカービィ。一人用のアクションゲームだよ」

 

舞園「へえ、カービィ! ゲームにあまり詳しくない私でも知ってますよ。あのピンクの丸いキャラクターですよね?」

 

七海「うん、そうだよ。今でも新作が出てるし有名だよね。今回は初代だからハードはゲームボーイなんだけど、さすがにこれじゃ見にくいから、スーパーゲームボーイを使ってテレビ画面でやっていくよ」

 

舞園「わ……見たことないゲーム機です。これが昔のゲームなんですね」

 

七海「そうだよ。はい、舞園さん、コントローラー」

 

舞園「はい、ありがとうございます」

 

七海「パッと見ボタンが多いかも知れないけど、実際に使うボタンは少ないから操作にはすぐ慣れると思うよ」

 

舞園「大丈夫ですよ! 私だって、友達とゲームしたことくらいあるんですから」

 

七海「おおっ、頼もしいね。それじゃあ前置きはこれくらいにして、ゲームを始めようか。スイッチ、オン!」カチッ

 

 

テレビ『星のカービィ』

 

 

舞園「あ、つきましたね。確かに昔のゲームっぽい雰囲気ですけど……そんなに違和感は無いですね。見やすいです」

 

七海「これがドット絵の魅力だよ……! まあポリゴンもCGもそれぞれ魅力はあるんだけど、私はドット絵が一番好きかな」

 

舞園「えーと……スタートボタンは……これですかね?」ポチッ

 

 

 ~ステージ1 グリーングリーンズ~

 

 

舞園「あっ、いきなり始まっちゃいました。いいんですか? これ」

 

七海「いいよ。昔のゲームだから、セーブデータとかも無いんだ」

 

舞園「そうなんですね。……あ、この音楽、もしかして有名なのじゃないですか? 聴いたことあるような……」

 

七海「お、分かる? この『グリーングリーンズ』は、アレンジもたくさんされてる名曲だよ。カービィのBGMと言えばコレ、と言っても過言じゃないね」

 

舞園「へえ……昔の曲なのにすごいんですね」

 

七海「そうなんだよ。……さ、音楽もいいけど、ゲームはプレイしなきゃだよ。動かして動かして」

 

舞園「あ、そうでした。えーと、これが移動で、これがジャンプ。このボタンを押したら吸い込みですね」パクッ

 

七海「だね。その状態で下ボタンで飲み込み、同じボタンを押せば吐き出せるよ」

 

舞園「ふむふむ……。あれ、ふわふわ浮くのはどうすればいいんですか?」カチカチ

 

七海「上ボタンだね。このときはジャンプボタンを連打しても浮かないんだよ」

 

舞園「ほんとだ、できました! ふふ、かわいいです、カービィ」

 

七海「(喜んでる舞園さんもかわいいなあ)」

 

舞園「ワープスターで先に進んで……と。あれ? もしかしてもう中ボスですか?」

 

七海「そうだよ。下に敵の体力が表示されてるね」

 

舞園「早いですね、まだコピー能力もゲットしてないのに……。でもこれを倒したらボムをゲットできそうです」

 

七海「あ、初代カービィにはコピー能力は無いよ。吸い込んで吐き出すだけ」

 

舞園「そうなんですか!?」

 

七海「うん。だから飲み込みボタンは基本使わないよ」

 

舞園「……ほんとだ、倒したらそのまま爆発しちゃいましたね」

 

七海「流れるようにボスを倒したね。ひょっとして舞園さん、ゲーム上手い?」

 

舞園「どうでしょう? 自分では分からないですけど……。ふむ、先に進んでもコピーできそうな敵は出てきませんね」

 

七海「そうだね。……ところで舞園さんは、コピーしてない状態のカービィのことをなんていうか知ってる?」

 

舞園「え? えーと……ノーマル、とか、スカ、とかでしょうか」

 

七海「それも間違いじゃないけど……正解はね、『すっぴん』」

 

舞園「すっぴん」

 

七海「そう。センスがあると思わない?」

 

舞園「確かに……ノーメイクを指す言葉を使うって発想は驚きですね。……ということはカービィって、女の子なんですか?」

 

七海「それは明言されてないはずだけど……説明書とかで『彼』って呼ばれてたり、一人称が『ぼく』だったりするから、男の子なんじゃないかな。女の子にちゅーされて照れる描写もあるし」

 

舞園「(ちゅー……言い方かわいい)」

 

七海「あ、そこマキシムトマトあるよ。体力減ってるし取っとこう」

 

舞園「これですね。たしか全回復するんでしたっけ」

 

七海「うん、トマトはカービィの大好物だからね。ちなみに苦手なのは毛虫だよ」

 

舞園「女の子みたいですね」

 

 

 ~ステージ2 キャッスル ロロロ~

 

 

七海「ウィスピーウッズも簡単に撃破して2面まで来たね」

 

舞園「まあ……リンゴを吸って吐き出すだけですからね」

 

七海「そうなんだけどね。次回以降のカービィはコピー能力があるから、吸って吐くだけの攻撃が苦手な人はいるみたい。特に子どもはね」

 

舞園「そうなんですか……あ、マイク!」

 

七海「マイクは初代からあるんだよね。吐き出したら攻撃できるよ」

 

舞園「はいっ!」プゥピィィィィッ!!

 

七海「……そう言えばカービィって、ボス倒したら踊るんだよね」

 

舞園「はい。さっきもそうでしたよね」

 

七海「そして今はマイクも使ってる……。歌って踊れるって、舞園さんみたいだね」

 

舞園「えへへ……私もカービィの知名度に追いつけたらいいんですけど」

 

七海「でも、カービィは音痴らしいからやっぱり舞園さんとは違ったよ」

 

舞園「あ、敵を倒せるのって音痴だからなんですね……っと、ボムもありますよ。これもある意味コピー能力ですね」

 

七海「だね。ところで舞園さんは、なんのコピー能力が好き?」

 

舞園「ええと、そこまで知ってるわけではないんですけど……強いて言うならエスパーですかね」

 

七海「わ、比較的新しい作品の能力だ。やりますなあ」

 

舞園「七海さんは……スリープが好きそうですよね」

 

七海「えっ、なんで分かったの」

 

舞園「エスパーですから。……なーんて」

 

七海「……面白い! 舞園さんって天才だね」

 

舞園「これだけでそこまで言われると……恥ずかしいです」ポッ

 

七海「(かわいい)」

 

舞園「……なんて話してたら、中ボスも倒しちゃいましたね」

 

七海「サクサクだね」

 

舞園「……あ、また別のアイテムがありますよ。カレーです。これは回復アイテム……」

 

七海「じゃなくて、激辛状態になるアイテムだね。一定時間炎が吐けるよ。これも初代のコピー能力と言えばそうなのかも」

 

舞園「炎が吐けるって……どれだけ辛いカレーなんでしょうね。私、辛いの結構好きですけど」

 

七海「そうなんだ。じゃあ舞園さんの好きな食べ物って何?」

 

舞園「ラー油です」

 

七海「……まさかの調味料」

 

舞園「ふふふ……あ痛っ!? ……これって無敵状態じゃないんですね」

 

七海「分かる。音楽も変わるし、紛らわしいよねそれ」

 

 

 ~ステージ3 フロートアイランズ~

 

 

七海「ロロロとラララを倒して3面まで来たよ」

 

舞園「……さっきも思いましたけど、ボスの名前とかしっかり憶えてるんですね」

 

七海「そうなんだよね。カービィ七不思議の一つなんだけど、名前を見る機会ってそんなに無いのに、敵キャラの名前って何故か憶えてるんだ」

 

舞園「そ、それは七海さんだけでは……じゃあこの敵の名前とか分かります? なんか結構カービィで見かける敵ですけど」

 

七海「それはカブーだね。ただの敵なのに、アニメではワープスターを吐きだす重要キャラだよ」

 

舞園「アニメ! そう言えばありましたね。私、子どものころはテレビっ子でしたから見たことありますよ!」

 

七海「ゲームじゃ普通だけど、アニメで主人公が喋れないってなかなかすごいよね」

 

舞園「ポヨォ? だけで感情を表してましたね。ポケモンのピカチュウもそうですけど」

 

七海「あ、似てる。舞園さんの声ってカービィに似てるね」

 

舞園「そうですか? 自分では分かりませんけど」

 

七海「あと、リックの二代目と、帽子をかぶったキャピィの男の子にも声が似てる」

 

舞園「ピンポイントすぎません? さすがに憶えてないですよ」

 

七海「スマブラのネスにも似てるよね」

 

舞園「ゲームが変わってるんですけど……あ、またカレーがありますよ。取りましょう」

 

 デデデレデレッデ デデデレデレッデ

 

舞園「この曲もなんかいいですよね。慌てちゃってる感じがします」

 

七海「『やきいもシューティング』だね。私も好き」

 

舞園「カレーなのにやきいもなんですか?」

 

七海「理由は後でわかるよ……あ」

 

舞園「あ……水に入ったら元に戻っちゃいました」

 

七海「1UPに釣られたね。あるあるだよ」

 

舞園「むう……スタッフも結構やらしいことしてきますね」

 

七海「あはは。まあもうすぐボスだからあんまり関係ないよ」

 

 

 ~ステージ4 バブリークラウズ~

 

 

七海「3面のボス、カブーラーには少し苦戦したけど4面まで来たね」

 

舞園「難しかったです……急に今までと違うタイプなんですもん」

 

七海「カービィ名物、急に入るシューティング、だよ。初代からあったんだね」

 

舞園「……やきいもシューティング、の意味が分かりました。そのまんまですね」

 

七海「ね。やきいもを食べてもBGMが同じなんだ」

 

舞園「制限時間があると思って焦っちゃいましたけど、アレは無制限だったんですね」

 

七海「そうだよ。……ちなみにカブーラーだけ、スーパーデラックスではカットされてるんだよね。その代わりウルトラスーパーデラックスでは再登場を果たすよ」

 

舞園「相変わらず詳しい……」カチカチ

 

七海「……あ、舞園さん、今の敵キャラ、知ってたりしない?」

 

舞園「え、今のお化けみたいなキャラですか? んー……分からないです。他の作品でも見たことないと思いますし」

 

七海「そっかあ……今のはチービィだよ。漫画のカービィで初期にだけ登場したカービィの友達」

 

舞園「あー……漫画は読んでないですね」

 

七海「残念。もし知ってたら、おーってなるところだったんだけど」

 

舞園「残念です……でも、他の敵なら見たことあるのがいくつかいますよ。このビームとカッターの敵とか」

 

七海「ワドルドゥとサーキブルだね。ヘルパーとして出てくるから知名度も高いよ」

 

舞園「あとこのかわいい顔の……」

 

七海「スカーフィ。舞園さん、吸い込んだことある?」

 

舞園「どうでしょう? もしかしたら無いかもしれないです。どうなるんですか?」

 

七海「やったことないならやってみたらどうかな」

 

舞園「そうします……って、怖い!」

 

七海「おお……ナイスリアクション」b

 

舞園「カービィにこんな怖いモンスターがいるなんて……」

 

七海「カービィは意外とトラウマになる敵が多いよ。3のラスボスとか見た目かなり怖い」

 

舞園「あまり知りたくない情報ですね……」

 

 

 ~ステージ5 マウント デデデ~

 

 

七海「クラッコを倒して、ついに最終ステージだよ」

 

舞園「もう最後なんですか? 結構短いんですね」

 

七海「初代だし、ゲームボーイだからね。と言ってもクラッコで少しは苦戦すると思ったんだけど……」

 

舞園「動きも決まってるみたいですし、体当たり以外は特によけるのも難しくありませんでしたよ?」

 

七海「予想以上にゲーム慣れしてたね。……さて最終ステージだけど、いきなりデデデの城に突入だよ。そこに行く過程なんかは全部飛ばして、ワープスターでいきなり城に突っ込むっていうのは斬新だよね」

 

舞園「言われてみれば……。ところでカービィは、どういう理由でここまで来たんですか?」

 

七海「ストーリーの解説をしてなかったね。えっと単純に言えば、国中の食べ物がデデデ大王に奪われちゃったから、それを取り戻しに行こうってストーリーだよ」

 

舞園「ほんわかするようなストーリーですけど、国中の食べ物を奪うって相当ですよね」

 

七海「ドンキーコングでは島中のバナナが盗まれるし、よくあることなんじゃない?」

 

舞園「はた迷惑な話ですね。いったい何がしたいんでしょうか」

 

七海「さー? それより、最終ステージはボスラッシュだよ。ロックマンでもおなじみだね」

 

舞園「それは分からないですけど……このゲームのボスってあんまり難しくないから、むしろ簡単な気もしますね」

 

七海「体力の回復ができないからそこだけが少し難しいかな」

 

舞園「なるほど……じゃあまず体力があるうちにシューティングのボスから倒すことにします。順番は自由でいいんですよね?」

 

七海「うん。残機もあるし、一回くらい死んでもなんとかなるよ」

 

舞園「よーし……」

 

 

 

 

 プゥピィィィィッ!!

 

七海「勝った! 星のカービィ第一部、完!」

 

舞園「まさかの断末魔がカービィのマイクと同じ音っていう……」

 

七海「デデデ大王もあっさり倒したね」

 

舞園「体力は多かったですけど、やはり動きが単調でしたね」

 

七海「あとはエンディングだけど……」

 

舞園「……あ、七海さんが言ってたように、食べ物を取り返して空から配ってるみたいですね」

 

七海「うん。プププランドに平和が戻って、めでたしめでたしだね」

 

舞園「面白かったです! 気軽に遊べたのはよかったですね」

 

七海「そうだね。舞園さん忙しそうだから、やりこむタイプじゃないゲームにしてみたよ。時間があったら2とか3も一緒にやりたいんだけど」

 

舞園「ふふ、ではそのときはぜひ……おや?」

 

苗木「うう……起きたら喉がカラカラだ……お水お水……」

 

舞園「苗木くん! 体調は大丈夫なんですか!?」

 

苗木「あれ、どうして舞園さんが……」

 

七海「はい誠くん、お水だよ」つ廿

 

苗木「あ、千秋ちゃん、ありがとう……。どうして千秋ちゃんもここに……」

 

七海「ここに住んでるからだけど……ん、熱い。熱があるね」ピトッ

 

舞園「(七海さんのおでこが苗木くんのおでこに……)」

 

苗木「……そうだったね、一緒に住んでたん……待って、舞園さんがいるってことは……!」

 

七海「うん、シェアハウスのことはバレちゃったね」

 

舞園「あ、内緒ではあったんですね。苗木くんを訪ねたら赤松さんと七海さんがいて驚きましたけど……」

 

苗木「うーん……」ガクッ

 

七海「あ、気絶しちゃった。うお、重い。舞園さんそっち持って」

 

舞園「は、はい。……大丈夫でしょうか苗木くん。突然来たから驚かせちゃいましたかね」

 

七海「驚かせたかもしれないけど、嫌じゃないだろうし大丈夫だよ。ね」

 

舞園「そうならいいんですけど……」

 

七海「あ、楓さんに連絡しとかなきゃ。誠くん、やっぱり体調崩したよって。リンゴでも買ってきてもらおうかな」

 

苗木「……うー」ダラリ

 

舞園「苗木くんキツそう……」

 

七海「……よーし、じゃあ誠くんのためにおかゆを作ろう。舞園さんからデデデから食べ物を取り返してくれたからね」

 

舞園「わ、私も手伝います! 今日はそのために来たようなものですから」

 

七海「そうだったんだ。私としては舞園さんとゲームができてラッキーだったよ。楽しかった」

 

舞園「……まあ、私も途中からゲームを楽しんでましたけど」

 

七海「……また遊びに来てね?」

 

舞園「そ、それはもちろん……!」

 

苗木「……ふべっ!」ビターン!

 

七海「あ、やべ」

 

舞園「な、苗木くーん!」

 

 

 ~おわり~

 

 

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