七海「今回で、台本形式の話を投稿するのは一旦終了。次回からまた普通の話に戻るよ」
七海「私のゲームに付き合ってくれてありがとうね。機会があったらまたやりたいなあ」
七海「それじゃ、本編どうぞー」
~美術館?~
百田「……ふーむ、最初にいた美術館と似たような場所に来たな。電気がついてない美術館……不気味だぜ」
最原「似たようなっていうか、ほぼ同じ場所だよね。飾ってある絵も同じだし……あ、ギャリーがいるから読めなかった作品のタイトルが分かるよ」
百田「……あーそう言えばこんな絵あったなー……っておい終一、この絵……!」
最原「うん……僕たちが元の美術館で、変な場所に迷い混むきっかけになった絵だ……」
百田「この絵がこっちの世界にあるってことは……もう終わりが近ぇんじゃねーのか?」
最原「僕もそう思うよ……うん、調べたらイベントが始まったね。この絵に飛び込めば元の美術館に帰ることができるみたいだよ」
百田「おうっ、ギャリーは一足先に飛び込んだみてーだな。次は俺たちの番……ん?」
??『イヴ!!』
百田「なんだ? 別のとこから声が……」
最原「これは……イヴのお母さん?」
七海「……さあ、これが最後の選択肢だね。ギャリーを選ぶか、お母さんを選ぶか。これによってもエンディングは分岐するよ」
百田「ほー、最後の選択肢ね……」
最原「……百田くん。一応訊くけど、どっちを選ぶ」
百田「そんなの決まってんだろ。俺たちが選ぶべき選択肢は……」
~赤の間~
ギャリー『……ん? 難しくて読めない字? あぁこれのタイトルのこと? 「抽象的な絵画」ですって』
百田「お、ギャリーがいるから作品の漢字が読めるんだな。細かいぜ」
最原「ほんとだね。よしじゃあせっかくだし、来た道を戻って今までのタイトルを確認していい?」
百田「マジか……まあいいけどよ。変なところで終一はこだわるな……」
七海「私はいいと思うよ。そういう好奇心に従って行動するのもゲームじゃ大事だよね」
百田「そんなもんか……」
最原「……うん、アリのところまで戻ってきたよ。せっかくだからアリにも話しかけてみよう。会話が変わってるかもしれないし」
百田「……アリに話しかけるって、
七海「百田くん、しーっ」
ギャリー『……なにかしらこの黒いの……ゴミ?』
アリ『なんだ おまえ。 でかいくせに なまいき』
ギャリー『んな……!』
最原「あ……新しい会話が増えてるね」
七海「へえ……こんな会話パターンがあったんだ。知らなかったよ」
百田「ほー、超高校級のゲーマーでも知らないこととかあんだな。やるじゃねーか終一!」
七海「うん、すごいよ最原くん! 最原くんにはゲーマーの才能があるよ!」
最原「そ、そう? 大げさだと思うけど……二人にそう言われると嬉しいな……」
百田「うんうん。終一がアリに話しかける性格でよかったな」
七海「そうだね!」
最原「百田くん言い方! 七海さんも同意しないで!?」
~灰の間~
最原「……あ、目薬が手に入ったよ。これはさっきのところにいた、充血した目玉に使えばよさそうだね」
百田「ああ、あの大量の目玉が床にたくさんあった場所か……気持ち悪いったらねーな」
七海「そう? 私はかわいいと思ったけど……」
百田「は? アレがか? いつも思うが、女子のセンスは分かんねーもんだ。ギャリーだって開幕言ってただろ、『ぎゃー! 気持ち悪い!』って」
七海「むう……かわいいもん」
最原「まあまあ……とりあえず目薬使うよ?」カチカチ
百田「おう」
目玉『……』カラカラ
目玉『……』ポタッ
目玉『……!』キラキラーン
百田・最原「「……」」
百田・最原「「(ちょっとかわいいな……)」」
七海「ほら、やっぱりかわいい」ウンウン
~休憩室~
ギャリー『おはよ、イヴ。気分はどう?』
百田「……ああなんだ。今のヤバい状況は、気絶してたイヴの嬢ちゃんが見てた夢か……。まあそりゃ、あんな大量の無個性や額縁女に追い回されたら怖ぇわな」
七海「イヴちゃん可哀そう……百田くんが『ここにある絵とかが全部動き出したりしねーよな?』とかフラグ立てるから……」
百田「オレか? オレのせいなのか?」
最原「まあそれはともかく……ギャリーさんがいてよかったよね、見守ってくれる大人は頼もしいよ」
百田「確かにな。見たところ、着てたコートを布団代わりにかけてやってたみたいだぜ」
最原「優しい人だね、ギャリーさん」
七海「(……そういえば私が居間で寝ちゃったとき、誠くんがパーカーをかけてくれたときがあったなあ……)」
ギャリー『イヴ、そのコートの左側のポケット、探ってごらん?』
百田「……? あ、キャンディーが入ってるみてーだな」
ギャリー『それあげるわ。食べてもいいわよ』
百田「ギャリー……お前……!」
七海「優しいしかっこいいよねギャリー。二人も見習ったらいいと思うよ。口調以外」
最原「そりゃまあ口調はね……」
百田「だが確かに、女こどもに優しくするのは大事だよな」
七海「ね。じゃあ今度から、登下校中の女児にキャンディーを配るといいと思う」
最原・百田「「いやそれはちょっと……」」
~紫の間~
百田「わっ!? なんだ、停電か!?」
ギャリー『わっなに!? 停電!?』
七海「おー、百田くんギャリーと同じリアクションだね」
百田「急に画面が暗くなったら驚くだろうが……」
ギャリー『イ、イヴ! いる!?』
最原「選択肢が出てきたよ。『いる』『いない』……あと一つは『沈黙』かな」
百田「ほーう。じゃあここは『いない』にしようぜ」ニヒヒ
最原「そうだね」カチカチ
ギャリー『なに言ってんのよいるじゃないのっ!』
百田「ははは。当然のツッコミだ」
最原「ふふ……ギャリーさんには悪いけど、いないよーって言ってるイヴちゃんを想像すると和むよね」
七海「うん、かわいい」ホッコリ
百田「ホラーゲームの中でもなんかこう……微笑ましい場面があるってのはなんかいいよな」
最原「うん、分かるよ」
百田「だろ?」ヘヘッ
七海「(……まあ停電が終わって明るくなったら驚かしポイントがあるんだけどね)」
百田「ギャリー、頼りねえ大人だと最初は思ったが、結構好きになってきたぜ」
最原「口調もそんなに気にならないよね」カチカチ
ギャリー『あ、そうだわ、ライターがあったの忘れてた。……え?』
最原・百田「「!!?」」ビクッ
七海「……二人とも、ナイスリアクション」b
~スケッチブック~
百田「……ふうっ。ギャリーと別行動になったときは焦ったが……無事合流できたな。よかったよかった」
七海「ほんとにね。行動を間違えてたら悪いほうに話が分岐してたよ」
百田「え、マジで?」
七海「うん、マジで」
最原「そうだったんだ……やっぱりあそこかな。百田くんが一番怖がってた、気味の悪い人形だらけの部屋に閉じ込められるところ」
百田「な……終一だって焦ってたじゃねーか! つーかあそこは誰だってビビるだろ!」
最原「怖い演出が神がかってたよねあそこ。制限時間内に鍵が見つからなかったらギャリーは多分……」
百田「ああ、我ながらよく見つけたもんだぜ……操作してたのは終一だが」
七海「……まあ、そこが最大のポイントなのは間違いないけど、分岐を決めるポイントは他にもあったよ。見たところそこらへんもしっかり回避できてたから、あそこで鍵を発見できずに脱出できなくてもギャリーは大丈夫のはず」
百田「そうなのか? いやあそこで脱出できなかったら絶対大丈夫じゃないだろ……」
七海「確かに脱出に失敗したらそこでギャリーは正気を失ってしまうけど、イヴちゃんが来てそれを正気に戻すんだよ。ギャリーの顔をグーで殴って」
最原「グーで殴って……」
百田「マジかよ……なんだその少年漫画みたいな解決方法は」
最原「……それはまあいいとして……分岐が他にもあったって、どこにあったか訊いてもいい?」
七海「いいよ。いろいろあるけど、例えば停電したときだね。あそこでギャリーの問いかけに三つの選択肢が出たと思うけど……」
最原「あったね。いるいないって返事するか、もしくは黙ってるの三つだったかな」
七海「そうそう。それで沈黙を選ぶとギャリーは死ぬよ」
百田「は!?」
最原「ギャリー死ぬの!?」
七海「あ……死ぬは言い過ぎたね。ちょっとだけ悪い展開になったりするよ」
最原「そ、そうなんだ……」
百田「だ、だよな。さすがにそんな、何気ない選択肢をミスったら即死っていう不親切なゲームはねーよな」
七海「いやまあそれはあるけど」
百田「あんのか!?」
七海「あるよ。それはともかく……ここまで来たならクリアまではあと少しだよ。二人にはぜひ、一番いいエンディングを見てほしいな」
百田「一番いいエンディングねえ……やっぱりさっきみたいな選択肢が重要になってくんだろうな」
最原「分かりやすい選択肢だったらいいんだけど……」
百田「……当然、『ギャリーの手をつかむ』を選択するぜ! オレはこいつを信じると決めた!」
最原「申し訳ないけど、このタイミングで出てくるお母さんはいかにも偽物っぽいよね……じゃ、決定するよ?」
百田「おうっ!」
最原「了解っ」ポチッ
ギャリー『よし!』グッ
百田「うおっ、画面が真っ白に……!」
~美術館~
最原「終わ……った……? ここは……元の美術館……?」
七海「うん、そうだね。おめでとう、見事あの世界から脱出だよ」
百田「クリアか! やったな終一! ようやくクリアしたぜ!」
最原「まだ操作ができるみたいだけど……あ、今まで何をしていたのか思い出せない、だって」
七海「そうなんだよね。あの世界から脱出すると、そのときの記憶は失ってしまうんだ」
百田「そうなのか……ってことはギャリーも俺たちのことは覚えてねーのか」
七海「そうなるね」
最原「それはなんというか……結構残念だね。他のエンディングは無いのかな?」
七海「えーと……言っていいのかな」
最原「いいよ。一回クリアしたんだから、もうネタバレとかあんまり気にしないよ」
百田「だな。後半結構のめり込んじまったし、教えてくれるんなら知りてーぞ」
七海「じゃあ言うけど……これは2番目にいいエンディングだね。ギャリーと二人で脱出できたけど、失った記憶は思い出せないエンディング。もう少しギャリーと仲良くしてたら、記憶も取り戻す1番いいエンディングに行くよ」
最原「そうなんだ! できればそのエンディングも見たいけど……最初からやり直すのはさすがに時間がかかるね。セーブデータを分けておけばよかったなあ」
百田「つーか、ギャリーとは結構仲良くしてたと思うんだが……これ以上仲良くするってどうすんだ?」
七海「もう少し色んなところの探索と、ギャリーと何度も会話をする必要があったね。でも一回目のプレイでそのエンディングに行けるのは難しいし……2番目のエンディングに行けただけでも十分すごいよ。ギャリーと脱出できないエンディングもあるからさ」
百田「そんなオチもあんのか……そいつは見たくねえな」
最原「そう? 僕は結構気になるけどなあ……あ、悲しい話が見たいんじゃなくて、せっかく用意されてるなら見たいなって程度だよ」
七海「うんうん、エンディングコンプは基本だよね。私は悪いエンディングから見る派だよ。初回はもちろん最高のエンディングを目指してプレイするけど」
百田「よくわかんねーが……まあそんなもんか」
七海「そんなもんだよ。……ときに、百田くん」
百田「どうした七海」
七海「クリアしたらハグする約束だったけど……」
最原「(そういえばそんなこと言ってたっけ……本当にするのかな)」
百田「おうっ、するか!?」
七海「こたつから出たくないから
百田「いいぜ!」スッ
最原「(いいんだ)」
七海「では……フリーホラーゲーム、Ibのクリアおめでとー!」ギュッ
百田「おっしゃあ!! やったな!」ギュッ
最原「わー」パチパチ
七海「はい、最原くんも。おめでとー」ギュッ
最原「え」
百田「終一もやったな! さすがはオレの弟子だぜ!」ガシッ
最原「いたっ!? 力が強いよ百田くん……」
百田「おお、わりーわりー」
最原「(……百田くんはともかく、七海さんもこういうことをするのに躊躇はないんだな……。そういうところ、少しだけ赤松さんに似てるかも)」チラッ
七海「?」
百田「ん、どうした終一?」
最原「なんでもないよ。それより、エンディングの回収はどうしようか?」
百田「そうだなー……この際ハルマキや赤松にプレイさせて、違うエンディングにならないか見るってのもいいな。へへ、あいつらどんな反応するだろーな?」
最原「百田くん……最初は怖がってたのに慣れたから強気だね」
百田「怖がってねーって。あのときはちょっと腹が痛くてな……大体ゲームってわかってんだから怖がったりしねーだろ」
七海「えっ。それ本当? 百田くん」
百田「たりめーだ! なんたってオレは、宇宙に轟く百田解斗だからな!」
七海「そうなんだ……じゃあそんな百田くんにお願いがあるんだけど」
百田「おう。なんだ? お願いって」
七海「実は……Ibには英語版があるんだけど、それには日本語版では見られないエンディングがあるらしいんだ。それを百田くんには探してもらいたいなあって思って」
百田「そんなのがあんのか。まあそんくらいならやってやっても……待て、それってまさか、オレ一人でか?」
七海「そうだね。私は英語のテキストがすらすら読めるレベルじゃないから……最原くんは?」
最原「僕もそこまで英語は……あ、でも百田くんは数か国語はマスターしてるんだよね。すごいなあ」
百田「確かにそうなんだが……え、一人? オレが? このゲームを?」
七海「うん」
百田「一人で?」
七海「一人で」
百田「え、えーと……」
七海「うんうん」
百田「……さ」
七海「さ?」
百田「さすがにそれは勘弁してくれ……」
~おわり~