第19話 都目指して三千里(そんなにない)
「………知ってる天井だ。」
呟く僕。ここはさとり(呼び捨てでいいらしい)とこいしの家だ。メタいことを言うと前話から150年位たった。本当、この間は大変だったよ。
毎日毎日、姫崎とか射命丸とか萃香とか勇儀に毎晩襲われてたからなぁ…椛(此方も呼び捨てでいいとか)とさとりとこいしと白狼天狗達といるときが唯一の心の癒しだよ。
で、昨日はなんとか逃げ切ってさとりに泊めてもらったんだっけ。
(…とりあえず、起きようか…)
そこまで思考したところで、僕の隣から寝息が聞こえることに気付く。
………えぇ?
嫌な予感。
ギギギギッと横を向く。其処には。
「そーにー…ムニャムニャ…」
「なんだこいしか…てえぇ!?」
いや、でも予想は外れていたな。よかった。姫崎がいたらどうしようかと思ったよ。さて、こいしを起こして起きますか………
「想也。今日は貴方が朝御飯を作る番でしょ………」
「あ」
凍り付く空間。嫌な空気か漂う。あ、僕終わったかも。
「い、いや!違うよ!決してやましいこととかは無かったよ!?それに連れこんでもいない!朝起きたらいたんだ!だから誤解なんだよ!」
必死に誤解を解こうと試みる僕。
まぁ多分無理だよねぇ…
「うーん…あれ?どうしたの、お姉ちゃん、想兄。」
ここでこいしが起きる。ナイスタイミンッ!
「ほ、ほらこいし!こいしも誤解を解いてよ!ね!?」
「んー?あー!何で私が此処で寝てるのかって話ー?私が勝手に入ったんだよー!想兄は悪くないよ!」
ありがとうっ!此処で変に答えることもなくしっかりとした答えを言ってくれてありがとう!
こいしの言葉を聞いたさとりは。
「…ではこいし。貴女を叱りましょう。何で勝手に想也の布団に入って一緒に寝たんですか?うらやま…もとい、けしからんです!」
と言った。……あれ?何か可笑しいような。
「あ、今羨ましいって言い掛けた!」
「へぇ!?い、いい言ってません!何を根拠に!」
「根拠ならあるよ!だってお姉ちゃん想也のことs…「わーわーわー!」ほら図星!」
?聞こえなかったんだけど。僕のこと何だろう。嫌われてるのかな?ちょっと聞いてみるか。
「さとり!僕のことが何だって?もしかして僕のこと嫌い?」
「ええ!?そ、そんなことは!まったく!」
「そう?よかった。とりあえず、僕ご飯作るよ。」
嫌われてないとわかり安心した僕はその場を後にした。
少年料理中……
「「「いただきます。」」」
三人で言う。今日の朝御飯は白米に味噌汁、魚というオーソドックスな感じだ。やっぱ日本人なら朝はご飯だよ!
まぁパンも好きだけど。
「いやー!やっぱり想兄の料理は美味しいね!」
「そうですね。」
「本日?嬉しいな。今日は気合い入れて作ったからね。」
「?何で?」
「あー、うん。僕さ。都に行こうと思って。」
そろそろ竹取物語だしね。
「ええ!?行っちゃうの!?」
「急ですね。」
「ごめん。でも、また会えるからさ。行かせて。」
さとりとこいしは少し考えた後に言った。
「わかりました。また会いましょう。」
「約束だからね!絶対だよ!」
「うん。ありがとう!さて、ご飯も食べ終わったとこでそろそろ行くかな。じゃあ、行ってきます。」
「「行ってらっしゃい!」」
さとりとこいしにありがとう。
さとりとこいしにさようなら。
そして全ての妖怪達に………
ありがとう。
「終わらないけどね。」
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「お、想也!今日はどうしたんだ?」
「ああ。そろそろ旅に出ようかと思ってね。別れを言いに来たんだ。」
「おお!まじか!じゃあしばらく会えねえな!達者にな!」
「うん。またね!」
見張りに別れを告げ、屋敷に入り天魔の部屋へ。ごくりと唾を飲み、入る!
「やぁ!僕、旅に出ることにしたから!んじゃね!」
「え!?」
早口で言いきりその場を瞬間移動で離脱。
都のちょっと遠くの森についた。
因みに椛には伝えてある。
常識を持っているから。
射命丸なんかに教えたら広まっちゃうからね。
「これで安心だね!さあ、行くか!」
決意を新たにして森を突き進む。
僕の旅はまだ始まったばかりだ!