ーーー夢を、見ていた。自分以外の全てが死滅して、自分自身も可笑しくなって自殺する夢を。僕はあの夢が本当のことになりそうで怖い。西行妖が暴走したならば、世界中の全てが本当に死滅する。確実だろう。僕の能力も、剣も、通用する気がしない。それだけの力を、確実にアレは持っているんだ。足止めくらいはできそうだけれど、足止めはあくまで足止めにしかならない。
そして、皆で協力しても封印が精一杯だ。その封印すらも成功する可能性は相当低い。寧ろ、皆が死ぬ可能性のほうが大きい。守ると誓ったのはいいけど、策が一つもないんじゃどうすればいいんだ。このままじゃ夢と同じになる。そんなのは絶対に、絶対に嫌だ。
………じゃあ、僕はどうすればいい?
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草木も眠る静かな夜。明日が遂に、アレが満開になる日だ。結局策は思い付いていない。あの方法以外は。駄目だ、明日までに絶対考えつかなきゃ。考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考え………
ザクッ…と。
音がした。音が、した。一瞬、疑問符が浮かんで、数秒程考えて、………最悪の可能性に辿り着いた。僕は何も考えていない僕は思いついていない最悪の可能性なんて存在しない僕の考えが当たる可能性なんて存在しない。
僕は襖を開けて。
幽々子さんが、自害しているのを見た。
あハハはハ。何で自殺してんだよ幽々子さん。折角僕や皆が頑張って色々な方法を考えているのにさ。そっか、僕らに迷惑をかけないためと自分が人を無差別に殺しちゃうのが嫌だったからかーあはは。でもあれ、可笑しいよ、西行妖が動いているぜー幽々子さん。死に損ってやつじゃねーのー?
………嘘だよね?
「畜生ぉおおおおおおおお!!!!」
想刃・黒覇を取りだし闇雲に西行妖に突っ込む。枝が僕に向かってくるが、昔テレビだかで見たスポーツチャンバラの要領で軽くうち払い、怒りに任せて思いっきり西行妖に突き刺す!
「ぐっ!?」
ギィンッと、金属と金属がぶつかりあったような音が木霊する。予想はできていたけど、ここまでとは思っていなかった、堅すぎる。この剣がちょっとしか刺さらないならともかく、まさか弾かれるとは。西行妖の予想以上の堅さに動揺している僕に、西行妖は枝を僕に向けしゅるるるる!と伸びてくる。
「やば…!」
動揺により反応が遅れた僕はなんとか回避しようと横に飛ぶが………
「がっ……!」
枝は僕の脇腹を掠め、激痛が走る。能力を使う暇もなくアレは追い討ちをかけてくる。僕は痛みを必死に耐えながらもそれを避けて、反撃をしようと………
「お兄さんっ!」
「想也!?」
「っ!?」
不意に背後から聞こえる声に、僕は気を取られてしまう。勿論その瞬間をアレは逃さない。僕が気を取られている間にアレは枝を伸ばし二人を狙う。
「避けて!」
声をかけると同時に二人は枝の接近に気付き回避。しかし、やはり急に接近されたがためか、体勢を崩す二人。その二人に無慈悲にも追い討ちをかける枝に反応した僕は痛みに耐えながら跳躍、枝をうち払う。その後僕は二人に。
「………二人共、今まで一緒にいてくれてありがと。ばいばい、元気でね!」
「え…」
と、死亡フラグを作った後、【この白玉楼にいる人達がここから三時間の位置にいない事実】を反対にした。
「おにいさ…!」
僕が考えてることを理解したであろう小傘ちゃんの泣きそう声が最後に聞こえて、この場には僕とアレしか存在しなくなる。これが世に言う、最終決戦直前の主人公的な状況…なのかな。
「あはは!愉快愉快!なんてご都合主義だよ、最終決戦は勇者一人ってかんじでさ!………いいよ、原作知識を消した二次創作主人公、僕はそういう新しいジャンルの主人公だ。最終決戦と洒落込もうよ!」
僕は剣を構え直す。西行妖も枝を構えるかのようにする。僕はここで死んででも、アレを止めなくちゃね。
「地獄へと案内してあげるよ、西行妖。あ、でも主人公は勝つべき時は勝つんだっけ。」
そう言って僕は西行妖に突っ込む。西行妖は迎え撃つ。これが、僕の最終決戦だ。できる限りアレを追い詰めて、できれば倒し最悪嫌だけど幽々子さんの身体を糧に封印!………僕の命を捨ててでも!
そして、僕は……………