東方事反録   作:静乱

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第45話 仕事って辛いね

「……………」

「……………」

 

現在、四季さんの補佐として仕事中。

 

「………あ、四季さん。これって此方でいいですよね?」

「あ、はい。そちらで大丈夫です。」

「わかりました。」

 

………………。

 

「……………」

「……………」

 

……………わぁぁぁぁ!気まずい!常識人と仕事したいとは言ったけどこんな気まずいとは思ってなかったぁぁぁ!

重い、空気が重い!顔では平然を装ってるけど心の中ではこのプレッシャーに耐えられなくなってきてるぅぅぅ!

 

くそぅ、四季さんは毎日重苦しいこの空気で仕事してたのか!舐めてたよ僕!ていうか閻魔様って裁く対象がいない時は普通にデスクワークやってんだね!

 

…………会話したい。会話しよう。

 

「そういえば四季さん。最近死者の数はどうですか?」

「それなら、その辺りの資料に書いてありますよ。」

「あ、はい………」

 

会話が続かないんだけど。いや、仕事中だからなんだろうけどさ。このままじゃ僕の精神が殺られる。うんごめんなさい全国の社会人さん。僕仕事舐めてた。仕事きつい。この小説は全国の社会人さんを全力で応援します(多分)。

 

………今四季さんは何考えてんだろ。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「………あ、四季さん。これって此方でいいですよね?」

「あ、はい。そちらで大丈夫です。」

「わかりました。」

「……………」

「……………」

 

…………重い!空気が重いです!

ひ、一人で仕事するのとだと全然違いますね!効率はいいのに空気が重いです!

な、何か想也は「仕事は真剣に」とでも言わんかのように真剣な表情してますし!格好い…げふんげふん。いや、それは良いことなのですけど!か、会話がしたい!会話がしたいですよ!ぅぅぅうう……

 

「そういえば四季さん。最近の死者の数はどうですか?」

 

想也が話しかけてきてくれました!ここは会話を広げて空気の解消を……!

 

「それなら、その辺りの資料に書いてありますよ。」

「あ、はい………」

 

言葉選び失敗しました!はい!明らかに想也落胆してましたよね!私は最大の好機を逃したんですね…うぅ。すみません想也……

 

………今想也は何を考えているんでしょうか…やっぱり私が会話を終わらせてしまったことに怒って…

 

「!?四季さん!」

「は、はい!?」

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「すごい勢いで妖怪が死んでいっています!死因は月面戦争によるもの、妖怪達のリーダーは八雲紫!すいません、行かせて下さい!」

「!?駄目です!貴方は一度絶命しています!能力もほぼ封印されている状態で大きなことはできないし、一日5回の制限があるんですよ!?死者が現世に行ってはいけませんし、例えそれを許したとしてももう一度死ねば…!」

「無理は承知です!頼みます!」

 

四季さんに真剣な表情でお願いする僕。言った通り、無理は承知だ。だけど助けなきゃ。助けられるのなら。

 

「お願いします四季さん!絶対戻って来ますから!」

「………わかりました。どれだけ説得しようとも、想也、貴方の意思は変わらないのでしょう?上には私が話をつけておきます。行って来なさい。ただし、正体はばらしてはなりませんよ。」

「…!はい!」

 

四季さんの許しを得た僕は能力解放。身体能力を強化、螺を出せるようにして月面まで瞬間移動した。これで三回、あと一回だ。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

八雲紫は眼前に広がる光景を信じられないでいた。一万は軽く越えていたであろう妖怪達が、ほぼ全滅。残った者も瀕死のこの状況。有り得ない、有り得ない、有り得ない。

そして自分自身も………

 

「くぅ…!?」

「甘い!」

 

月人、綿月依姫と戦闘を繰り広げていた。いや、正確には翻弄されていたという方が正解か。

依姫と紫の実力差は、それこそ月とスッポン並みの差である。どれほど工夫しようと詰まることはないこの差。この事実は紫を絶望させる。

 

「これで終わりです、八雲紫!」

「ぐぅ!」

 

体勢を崩されたところに降り下ろされる依姫の刀。それは無慈悲にも、紫を切り裂いた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ちょっと』『待ってもらおうか』」

 

突如として降り注ぐ巨大な螺。それは依姫を狙い、それを察知した依姫は素早く後退する。

 

「何者ですか!?」

 

いきなりの乱入者に少々困惑しながらも、乱入者を探す依姫。彼は、すぐ見つかった。

 

「『おいおい』『何者かなんて必要なのかな?』『僕が君の敵、それさえわかれば充分だろ』」

 

独特な喋り方でとすとすと歩いてくる少年。彼の言うことは確かに言う通りだ。その言葉に納得した依姫は刀を構え直す。

 

「『八雲さん』『君は逃げなよ』『ここは僕がなんとかするからさ』」

「あ、貴方は…」

「『おやおや、君も僕の正体が気になるのかい』『仕方ないなぁ』『とりあえず…』」

 

少年の正体を問う紫。独特の喋り方、黒いフードを着ている者に正体を問うのは当然だろう。

少年はフードを外さないまま、言った。

 

 

 

 

 

 

「『そうだね』『球磨川雪とでも名乗っておこうか』」

 

少年…黒橋想也は全力の演技で、球磨川雪を名乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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