ナンダーク・ファンタジー   作:砂城

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打って変わって後日談的な部分になります。

更新してから章タイトルをつけてこの話から「幕間」にします。
後日談とか次の章に向けての話とか、番外編とかそういうのを入れた感じになります。
シリアスは少なめ。


昨日更新したオーキスメイン回は賛否あるかと思っていたのですが、可愛いとのお声をたくさんいただきました。ありがとうございます。自分は間違っていなかった……! と心から安心しました(笑)

なにせ人形の少女編ですからね。オーキスが可愛ければ、全て良し。

次の章も楽しんでいただけるように準備を進めていきますので、今後ともお付き合いいただければ幸いです。


幕間
料理という名の絆


 アウギュステに到着して宴の会場へと案内された俺達だったが、俺は四人と別れて厨房に向かった。

 

 更衣室で胸当てを外しロッカーから黒のエプロンとバンダナを取り出し装着する。既に俺以外の料理人も到着しているようだ。

 

「うーっす」

 

 俺は厨房への扉を開けて軽く挨拶する。そこでは三人の料理人が料理に勤しんでいた。

 

 一人は色黒のエルーンの青年だ。紺のエプロン以外の見た目からは軽薄そうな空気が漂っているが、料理に向き合う表情は真剣そのモノである。

 一人は厨房のスペースを狭める大柄の男性、ドラフだ。エプロン姿ではなくシェフの衣装といった服装だ。太い指からは想像もできないほど繊細な手捌きで料理を進めている。

 一人は眼鏡をかけたハーヴィンの女性だ。キッチンが高いので台に乗ってはいるが中華鍋を振るう腕は一流のそれだ。傍らに一度見たら忘れないであろう巨大な包丁が置かれている。

 

 誰も彼もが正しく料理上手。ここは俺も負けてられねぇ……!

 

 いつになく燃える心を抑えつけて空いている場所に着く。まずはきちんと手を洗っておいた。

 

「さて、始めるとするか」

 

 彼らは自分の料理に集中しているので俺に気づいていない、または気づいていても意識の外に置いている。

 だがそれで構わない。皆で協力して、なんて普段から一緒に料理をしていなければ難しいし、なにより俺の好きにやれるっていうのがいい。

 

 俺はとりあえず会場内に大勢がいることを考えて秩序の騎空団での経験を活かし大鍋にスープを作ることにする。ざっと百人前用意しておこうか。

 湯を熱して味つけを行う。食材を俺の思う手順で処理して鍋に放り込んだ。調味料の品揃えが良すぎて最高のスープを作るのに申し分がなかった。そうして作っていると、がちゃりと扉が開く。更衣室の方ではなく会場に繋がっている方の扉だった。

 

「新しい方もいますね。私共が料理を配膳いたしますので、皿に盛りつけて並べていってください」

「じゃんじゃん運んじゃいますよ~」

 

 黒髪に無表情な女性と、茶髪ツインテールに笑顔を浮かべた女性だ。どちらもメイド服に身を包んでいる。ただしクールな方は両手にゴツいガントレットを嵌めていて、笑顔の方は背中に赤い箱を背負っている。箱から伸びたホースと繋がった筒のようなモノがあるが。あれって確か火炎放射器じゃなかったか? 最近の給仕係は武力も求められるらしい、と思いつつも料理する手は止めない。

 二人で足りるのかと思っていたが、思いの外テキパキと盆に載せて運んでいってくれている。俺の料理はまだ出来ていないが問題なく配膳できそうだった。これなら本気のペースで作っていいな。

 

 俺はスープを煮込みながら他の料理を作り始める。スープは万人向けだが他の品はあいつらの好きなモノでも作ってやろう。

 

 やっぱりわかりやすいのはスツルムだな。肉だし。肉と言えばステーキ。よく要望されるし喜んでくれるだろう。特別にスツルムだけ三枚ステーキにしてやろうかな。後でメイドさんに特定の人に届けてもらえるか聞いてみよう。

 

 ステーキをざっと三十人前作り終えてから、クールな方のメイドさんに尋ねてみた。

 

「なぁ。これを特定の人に持っていってもらうことって可能か?」

「はい。その方の特徴を教えていただければお届けしますよ」

 

 とのことだった。

 

「赤髪のドラフの女性だ。青髪のエルーンの男と多分隣にいるからわかるはず」

「ああ、あの方ですね。かしこまりました。私の方で間違いなく、届けておきましょう」

「頼んだ」

 

 どうせ悪目立ちする黒甲冑の騎士と一緒にいるからわかりやすいか。問題なく届けられるようで良かった。……俺はまだ、彼女がモリモリ料理を食べる美少女がいるから席を覚えていたことを知らないのだった。

 

 さて、次はドランクだな。あいつは野菜が好きだ。だが野菜だけというのも味気ない。まぁここはアウギュステ。海鮮の美味しい島だ。シーフードサラダにでもするか。ドレッシングは俺特製で。

 他のヤツらにはテーブル一つにつき大きなボウル一つ分で作ろう。ドランクは取り合いになるとオーキスがほとんどを掻っ攫ってしまうので単体で届けさせてやるか。

 

 黒騎士はなんだかんだ言いつつアウギュステ育ちだからか海鮮料理が好きなんだよな。誰がやっても美味しいサザエの壺焼きなんかは押さえつつ、海鮮特盛丼でも作ってやるか。味つけはあいつの好みと俺の創意工夫をつけ足して、と。

 

 最後のオーキスはやっぱアップルパイかな。傭兵二人に聞いた料理のコツを活かして更なる進化を遂げたアップルパイを見せてやろう。久し振りだし二十段くらいのアップルパイタワーにしてやってもいいかな。

 

 そんなことを考えつつ、あいつらの好み以外の全体に配膳する料理もがんがん作っていく。

 やっぱりこういうのも楽しい。

 

「厨房の皆さ~ん!」

 

 扉が開いたかと思うとシェロカルテが顔を出した。

 

「今さっき、戦後処理を終えた秩序の騎空団の皆さんが到着しました~! 総勢五十名の追加です~!」

 

 どうやら人数の大幅な追加があったので知らせに来てくれたようだ。

 

「あともう一人料理できる方をお連れしましたよ~」

 

 シェロカルテの言葉に続いて扉から一人の少年が姿を現す。

 

「あ、えっと、秩序の騎空団で厨房を任されている、ハリソン・ラフォードと言います! よろしくお願いします!」

 

 ……一瞬、料理の手を止めてしまった。

 

「は、ハリソン?」

「えっ?」

 

 嘘、だろ……? いや間違いない。この目元だけ俺に似てない感じ。別の俺が喋っているようなこの声。

 そしてそれは向こうも同じだ。驚いて顔を上げたハリソンと目が合った。

 

「こ、この別の自分が喋ってるような声……! ま、まさか……!」

「へぇ。料理できたんだなぁ。無理難題置いてきたと思ってたぜ」

 

 奇妙な縁だとニヤニヤしていると、ハリソンが理解したらしくむっとした顔で俺に詰め寄ってきた。

 

「あの時なりすました料理が上手いっていう!」

「そういうこった。いやぁ、とんだ偶然だな」

「よくもぬけぬけと……こうなったら勝負だ!」

「上等。ただしここは厨房。当然料理勝負だよな?」

「当たり前だ!」

 

 ずんずんとキッチンへ向かうと手を洗って意外と手際良く準備を始める。……ほう。なかなかやるみたいだな。この面子の助っ人としてシェロカルテが連れてくるだけはある。

 

 ……いいねぇ。俄然、燃えてきた!

 

 俺は【ベルセルク】の時のような獰猛な笑みを浮かべて更に料理を進めていく。

 ハリソンも俺に対抗するように猛然と料理するので品が足りなくなることはなかった……ルリアとオーキスと大食いの男ドラフと見た目より精神が幼い少女さえいなければ。あいつらマジでどんだけ伝手あるんだよ。

 

「あー……! マジっべー! 胃袋底なし沼としか思えねぇわーっ!」

 

 最初に音を上げたのは色黒のエルーンだった。

 

「……ちょっと、手が上がらなくなってきたでっす」

 

 続いてハーヴィンの女性も調理器具を投げ出す。

 

「はは、お二人共ずっと作っていますからね。後は私達に任せて休んでください。宴も料理は粗方食べ終わって満足している頃でしょうしね」

 

 ドラフの男が穏やかな口調で言って、他の人から許しが出たことで厨房にあった机の傍にある椅子に座り二人揃ってぐで~っと突っ伏した。

 

「お二人はまだまだいけますかな?」

「当然。ハリソンは一番最後だったしまだまだいけるよなぁ?」

「と、当然! まだまだ余裕だからな!」

「はは、それは頼もしい」

 

 ハリソンには割りと疲れが見え始めていたが、俺に負けていられないと強がっていた。というか俺が煽ったんだけど。

 それからしばらく料理を作り続けていると、会場の方の扉が開いてメイド二人がやってきた。

 

「皆様。たくさん食べる方々以外はそろそろ飲み主体になりつつあります。締めのデザートなどを作っていただきたいのですが」

 

 そんな要望が飛んでくる。

 

「じゃあ一人一品作ろうぜ。人数分じゃなくても適当に現場で回してくれんだろ」

「そうですね。満腹だそうなので、軽めのモノを作りましょうか」

 

 このドラフはなかなかデキる男だ。料理の腕もいいし、是非後で語り合ってみたい。

 

 兎も角デザートを作って運んでもらった。ついでにオルキス用に二十段アップルパイタワーを倒さないように運んでもらう。会場からどよめきが聞こえてきたような気がするが、まぁ知ってるヤツなら誰が作ったかなんて一目瞭然なので気にしないでおこう。

 

 デザートは作り終えたが大食い共はまだ満足していないらしい。

 

「たくさん食べる人達が、もっと持ってきて欲しいって言ってますけど……作れます?」

 

 笑顔の方のメイドが尋ねてくる。既にドラフの人もハリソンも休憩に入っていた。まぁデザート作る傍らで料理も作ってたしな。バテるのもしょうがねぇか。

 

「大食いって何人いるんだっけ?」

「え~っと、四人、ですね」

「わかった。じゃあ一品十人前として四十人前くらいか。食材が尽きるまでは付き合ってやるから待っとけって言っといてくれ」

「は、はい」

 

 途轍もなくでかい冷蔵庫やなんかを開いて作る料理を決めて、脇目も振らずただひたすらに作り続けていく。

 ……ヤバいな。楽しくなってきた。まぁ在庫なくなったらとは言ったが俺も飯食べたいし、多少は融通させてもらおう。あ、そうだ。折角だし疲労回復効果のある飯でも四人に食わせてやるか。

 

 俺は四十人前の料理を作りながら、疲労回復効果のある料理を片手間に作っていく。料理のできる四人なので手抜きはできない。というか俺は料理で手を抜かない。

 

「ほれ。疲労回復効果のある飯だ。これでも食って回復したら会場行ってこい。後は在庫空にするだけだから俺一人でも問題ねぇしな」

 

 ということで作り終えた料理を厨房にある机に置いていく。品目は海鮮盛り込みスープの卵閉じ粥だ。アウギュステの食材をふんだんに使った見た目に反して贅沢な料理。香り立つ海の幸で嗅覚に、卵が光の反射と合わせて黄金に輝いて視覚に、それぞれ美味しさを訴えかけてくる自慢の一品だ。

 

「……これは素晴らしい」

「……これを本命を作る片手間に作ったんでっすか」

「……つーかとんでもねぇ速度で料理してんすけど。あれでずっととかマジっべーわ」

「……クソ。こんなことされたら認めるしか……」

 

 一応自分の分は確保してあるので問題ない。だが一品だけだといい食材がいっぱいあるので勿体ない気がしてくる。もう一品作ろうかな。

 好き放題に料理していいという空間に浮かれて鼻歌なんかを歌いながら料理していく。

 

 しばらくすると休憩していた四人が徐に立ち上がった。会場に戻るのかと思っていたがキッチンの元いた場所に立つ。片付けでもしてくれるのかと思っていたら、ドラフが笑いかけてきた。

 

「お陰様で体力が多少回復しました。私達も協力させてください。残り僅かだというなら一気に片付けてしまいましょう」

「一人に任せて厨房から去るなんて、料理人の名が廃るってもんでっす」

「今回は負けを認めてやる。次は絶対勝つからなぁ!」

「シーメー一緒に作ったらもうダチ公っしょ。ダチを助けねぇなんて漢じゃねぇ。だろ?」

 

 彼はキメ顔でそう言った。兎も角協力してくれるようだ。まぁ有り難いし断る理由もない。

 

「じゃあ頼むわ。あ、後で俺もお前らの料理食べたいから適当に作っといてくれよ。じゃあ一人一品四十人前でよろしく」

 

 料理上手が集まったならその飯を食べずにいるのは勿体ない。俺の分も確保しておくように告げ、それからは五人一丸となって料理を続けた。

 そしてようやく在庫がなくなる。

 

 メイド二人にシェロカルテを呼んでくるよう頼んで、彼女にまだ食べたい様子ならもう在庫が尽きたから無理だと言っておくよう伝えた。こういうのは下っ端が行くんじゃなくて主催者が行った方が丸く収まる。その主催者もシェロカルテだし、まだ食べたいと駄々を捏ねたとしてもなんとかしてくれるだろう。

 

「ふぅ、ようやく終わったか。お疲れ。っていうか美味いな」

 

 俺は料理を終えたので自分の腹を満たすために作ってもらった料理や自分で食べたいと思っていた料理を口にしていた。なかなかに美味い。俺とは辿り着いた味つけが違うので新しい発見がある。

 

「ありがとうございます。折角ですから、自己紹介でもしましょうか。顔を知っている者もいますが初めて会う方もいますからね」

 

 俺以外も他の人の料理が食べたいということになって互いに作り食べ合うということになっていた。

 

「私はリュミエール聖国、清く、正しく、高潔にをモットーとするリュミエール聖騎士団所属。バウタオーダと申します」

 

 男性ドラフ特有のガタイのいい身体で穏やかに微笑み、彼はそう名乗った。

 

「アタシはさすらいの料理人エルメラウラでっす。『最高にイケる料理』を提供してまっす」

 

 特徴的な口調で話すハーヴィンの女性、エルメラウラ。

 

「じ、自分は秩序の騎空団第四騎空艇団所属、専属料理長のハリソン・ラフォードと言います」

 

 やや緊張した面持ちで、俺と全く同じ声で話すハリソン。

 

「えぇ~っとぉ…………アウギュステ騎馬戦連合(三人)の大将やってます、ローアインッス」

 

 大将という言葉からはアダムを連想するが、新米なのだろうか目が凄い左右に泳いでいた。まるで嘘を吐いているかのような挙動だ。

 

「俺は大した肩書きはねぇな。ダナンだ」

 

 どこの所属っていうわけでもない。俺は名前だけを名乗った。

 

「確かあの黒騎士の直属だという……」

「オレは一人でダンチョー二人と同じ強さだって聞いたッスよ?」

「黒騎士の奥義を真っ二つにしたって聞きまっした」

「秩序の騎空団を料理で乗っ取ったんだってな」

 

 俺の評価がおかしい。いやまぁ間違っていないことの方が多いんだけど。一応帝国として黒騎士直属だし、前は二人が相手でもなんとか立ち回れてた。今は無理だが。黒騎士の奥義を真っ二つにできるのは二割か三割までだから言葉ほどの凄さはない。秩序はまぁ、うん。胃袋掴んで掌握したと言っても過言じゃない状態だったから否定しづらくはあるな。

 

「噂には尾ヒレがつくもんだ。しかしあんたら料理美味いな。是非語り合いたいところだ」

「それは私もですよ。あなたの速度は凄まじいモノでした。美味しさで劣っているとは思いませんが、匹敵する質でありながらあの量をこなすのは素晴らしいと思いますよ」

「アタシも数をこなすのには自信がありまっしたが、流石に体力が持たなかったでっす。見習わないとでっすね」

「料理なら勝てると思ったのに……鼻歌混じりにとんでもない量作りやがって」

「マジっべーわ。オレも料理ならちょっと自信あっけどぉ、世の中広いっつーか? 見聞広がっちゃう的な?」

 

 それぞれも料理の腕を互いに認め合っていたのでその後は料理談義に講じることとなった。

 結果、まぁありきたりな言葉で言うと料理好きに悪いヤツはいないというか。意気投合したよな、うん。

 

 色黒エルーン、ローアイン。いつも友人二人とつるんでいるらしく、他二人は会場の方にいるとのことだ。一見するとチャラ男で中身もチャラ男だが、実はこれを機にあいつらの騎空団に入りたいと申し出るつもりらしい。なんでも主格メンバーの一人、キャタリナさん(カタリナのことらしい)に惚れ込んでいて、あいつの騎士になるという目標を持っている。チャラ男は俺もちょっと関わりを遠慮したい人種だが、こいつはそういうチャラ男という言葉の軟派なイメージとは違って一途な硬派だった。女性経験もまだないらしい。

 とはいえカタリナは人気らしく、他にも彼女を「お姉様」と慕うアルビオンの城主だったり、カタリナを先輩と呼び慕う後輩娘だったり、ライバルは多いそうだ。帝国軍の中やアルビオンの士官学校とやらにも彼女を慕う者はまだまだ眠っているだろうという予想が立つ。だがこいつの心意気は本物だ。いつかきっと、達成できるんじゃないかと思っている。

 

 俺達五人の中でも最も人が出来た男、バウタオーダ。彼は一度帝国に追われているあいつらに遭遇して、守るために脱退までしようとしたらしいが、なんとか部下達とあいつらに引き止められて今はまだリュミエール聖騎士団の所属だそうだ。許しが出れば正式に脱退して彼らの旅に同行しようと考えているらしい。身体は小さいが心は立派な団長を支えるべく精進していたが、その団長もなにやらあいつらの騎空団に興味を持ってしまっているらしい。もしかしたら二人揃って移籍するかもしれませんね、と穏やかに笑っていたが。

 騎士を辞めることに後悔はないそうで、リュミエール聖騎士団のモットーである「清く、正しく、高潔に」を掲げていればどんな所属だって騎士として行動できるとのことだ。立派な人だった。

 

 祖母譲りという巨大な包丁を持った、エルメラウラ。彼女はさすらいの料理人を名乗った通り色んな場所で屋台を設置し料理を振る舞っているという。その道中あいつらと出会ったそうだ。『最高にイケる料理』を豪語しており五人の中で最も料理に本気なのは彼女かもしれない。凄腕ではあるがどこかに仕えるようなことはしていないらしい。そろそろ空域を超えたいらしく、全空を旅するあいつらの騎空団に加わることを検討している。

 

 言わずもがな、ハリソン・ラフォード。俺が秩序の騎空団へ潜入するにあたってなりすましたヤツ。あの後周囲からあいつの料理は美味かった、と言われたことで「やってやらぁ!」となり結果料理長の座に就いたらしい。給料も上がったし皆から喜ばれるしでなんだかんだ充実しているそうだ。じゃあ俺を敵視せずにむしろ感謝して欲しいもんなんだがな。

 

 俺も俺で今まで黒騎士の一味として行動してきたことやなんかを話した。まさかの繋がりが出来てしまったな。ハリソン以外があいつらの騎空団に入るなら料理の腕前としても強敵になるだろう。俺ももっと精進しないとな。

 

 そうして意気投合した俺達が談笑していると、ばんと勢いよく扉が開かれた。ボサボサの黒髪に丸眼鏡をかけたヒューマンの男だ。

 

「厨房の皆さぁん。是非私に、ラーメンを作ってくれませんか?」

 

 妙にギラついた目でそう言ってきた。

 

「らぁめんだ? 聞いたことのねぇ名前だ。作るか」

「はは、腕が鳴りますな」

「未知の料理、料理人の腕の見せどころでっすね」

「いっちょパーペキに作ってキャタリナさんのストマ掴んじゃいましょーか!」

「いやなんで知らない料理に喜んでるんだよ。でもま、楽しいしな!」

 

 意気揚々と席を立った俺達は彼の指導を受けてらぁめんの作り方を学んだ。食材は追加でシェロカルテが持ってきてくれたが、そんなに数はないので試行錯誤でらぁめんを完成させて一杯ずつ振る舞うぐらいしかできなかった。

 美味いらぁめんを完成させることができた俺達とらぁめん師匠(名前を知らない)ががっしりと手を組んで成功を喜んだ。

 

 しかしらぁめん道を極めるにはまだ道のりが長く、また険しい。

 それでも俺達が歩みを止めることはない。次の料理に向かって突き進むだけだ。

 

 そう。俺達の戦いはこれからだ。




CookDo Fantasy ――完。

……前回から大分はっちゃけましたねぇ。

「全員わかればあなたもグラブル検定3級!?」みたいなノリでグラブルに登場するキャラクターがいっぱい出てきています。ちゃんと書いていないキャラも多い中、全員わかった人がいたら凄い……。

キャタリナさんの後輩娘とか言ってもグラブルやってなきゃ誰かわかんねぇよ、という感じですが本作オリジナルルートにグラン&ジータも入るのでこういった話も偶に挟まってきます。
できる限り色んなキャラを出したいというのもありますしね、グラブルはキャラも魅力的ですし。

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