理の律者は笑わない   作:バイクに乗ったまま戦闘だって!?

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お ま た せ

最後のアンケートにご協力お願いします。

やっぱり崩壊3rdのSS少ないんやなって……


戦闘訓練後

 冬眠態勢に入った蛙吹は轟の炎によって復活したが体調が優れないとの事で保健室へ。鳥黐の餌食となった黒影は芦戸の個性で鳥黐を溶かして事なきを得た。

 

 準備ができたところでオールマイトが今戦についての講評を始める。

 

「今回のMVPはブローニャ少女だ!何でかな〜〜わかる人!!?」

 

 ざわつくクラスメイトの中、一人の少年がスっと手を挙げた。常闇だ。

 

「俺は当事者でしたが……いいですか?」

「第三者意見は聞いていたけど敵側からの意見は聞いていなかったね! OK!」

 

 では、と一呼吸置いて常闇は順を追って話し始めた。

 

「俺達はザイチクを遮光カーテンを使ったフロアまで誘導し、そこでザイチクの能力の把握及び時間稼ぎで勝利しようと考えていた」

 

「俺の黒影は闇が深くなるにつれて力が増す。だが遮光カーテンのあるフロアは4階、そこまでどう誘導するか考えた結果が最初のアレだな」

 

 最初のアレとは5階の窓を一つ開けておくことと、姿をチラ見せすることである。

 常闇は個性把握テストで重装ウサギ19cは空中浮遊していたことを覚えており、ならばそれ以上の高度への浮上も可能なのではないかと考えた。窓を開けていたのはブローニャをそちらへと誘い込むためだったのだ。実際はもっと別な移動方法だったのだが。

 

「それがしくじった時はつ──蛙吹が防衛中に俺が5階まで核兵器を持っていく手筈だった。そして作戦は成功。強化された黒影でザイチクをタイムアップまでもっていくはずだったが……」

 

 ブローニャはその拮抗した状況に楔を放った。

 光学迷彩(ハッタリ)の使用、ダイナミック投身、投身前に仕掛けた黒い何か……。

 

「こちらを撹乱させる多くの不確定要素をばら撒かれたことによる思考の鈍化、判断力の低下が今回の主な敗因に繋がったと思う。自力にも結構な隔たりを感じたが」

 

「相手を自分のテリトリーに引き込むことができたのは素直に誇っていいと思います。それに屋内ではなく屋外だった場合はブローニャも負けていた可能性が濃厚です。今回は高低差を活かせたので上手く事が運びましたけど」

 

「そういえばブローニャ少女、窓から下の階に行く前に仕掛けたアレって結局なんだったんだい?」

 

「あれは動体センサーです。万が一踏陰が鳥黐をどうにかして窓をくぐり抜けようとすれば催涙ガスが噴出するように設定していました」

 

 その言葉はクラスを静まり返らせるのに十分すぎる効果を発揮した。当のブローニャは「皆さんどうしました?」と首を傾げていた。

 

 

 

 

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 屋内戦闘訓練が終了した後、ブローニャはオールマイトと共に蛙吹が休養していた保健室へと足を運んだ。蛙吹は今回の講評や評価を聞くと「重装ウサギちゃんがいなかったら何とかなるかも、と思ってたんだけど……浅はかだったわね」とケロケロと表情を崩した。

 確かに素の身体能力は蛙吹の方が数段上だ。

 何せカエルの脚力に伸縮自在・縦横無尽の舌によるレンジの長い攻撃とブローニャ単品だけでは背伸びしても届かないほどの能力を保持している。

 

 しかし『ウラルの銀狼』時代のブローニャは自分よりも腕っ節が強い相手と戦うことはざらであった。

 自分だけで足りない力はあの手この手を駆使して相手を自身の領域まで引きずり下ろすことでカバーする。それは彼女にとって至極当然なことである。

 

「ポテンシャルはブローニャも梅雨もクラスのみんなも変わりません。一緒に頑張りましょう」

「ありがとね、ブローニャちゃん。次こそはあなたの度肝を抜かしてみせるわ」

「ではブローニャも抜かされないよう頑張るとしましょう」

 

 コツンとフィストパンプを交わしてブローニャは病室から退室した。

 

 

 

 

 ⚫

 

 

 

 

「なぁ、ブローニャってどんな個性なんだ? 個性把握テストの時は重装……何とかを作ってたよな?」

 

「重装ウサギ19cです。ブローニャの個性については知り合いにはよく聞かれるので……そうですね、ちょっと準備してもいいですか?」

 

 屋内戦闘訓練後の放課後、ブローニャは今回の授業の反省と自己紹介をする会のようなものに参加していた。ブローニャもクラスメイトとの交流や彼らの個性の詳細が気になったので参加した。

 

 音頭をとっていた切島から自分の個性について質問されたブローニャはカバンからホムがモチーフになった機器を取り出して、机に置き起動する。

 

 ホムの目の部分がパッと光ると机の上にバーチャルキーボードが表示された。ホムの頭のてっぺんからはパソコンのデスクトップのような画面が空中投影される。

 

 クラスの視線が集まる中、ブローニャは目にも止まらぬ速さでキーに指を走らせてホムの頭のてっぺんを黒板の方へ向けた。

 

 すると『ブローニャの個性考察 ver.4.7』と題されたタイトルがデカデカと表示される。

 これはブローニャが理解している範囲での自分の個性のことについて事細かに記したものだ。

 オールマイトやプロヒーローと訓練する時に自分の出来ることを把握してもらうための説明用に作成したもので、ブローニャ本人は口頭で説明するよりも10倍は分かりやすいと自負しているらしい。

 

 ブローニャは黒板の近くまで移動すると、どこからともなく取り出したメガネをかけて指示棒で黒板をカツカツと叩く。

 

「鋭児郎くんからの要望があったのでブローニャの個性を説明します。よろしいでしょうか?」

 

 特に依存はないと頷くクラス一同。

 今か今かと楽しみにしている人がいたり、でも難しいんじゃねぇの? と訝しむ人もいれば、メモを手に取っている人もいる。

 

「百。よろしければ後でスマホにPDFにして送ってあげますが」

「助かりますわ!」

 

「さて、それでは説明しましょう。質問は随時受け付けます。まずブローニャの個性は『武装』を創り出す個性です。ブローニャが創造する武装は一部を除いて全てオリジナルが存在します」

 

 スライドが切り替わる。タイトルの次に表示されたのはデフォルメされたブローニャが重装ウサギ19cを創っている画像だった。

 

「百とは違うのか? と思う人もいるでしょう。では次のスライドをご覧ください」

 

 デフォルメ八百万が救急箱を創り出している絵とデフォルメブローニャが救急箱を創り出そうとして失敗している絵が表示される。

 

「ブローニャが創ることができるのはあくまでも『武装』。相手を害するものや自分の身を守るものしか創り出すことはできないわけです」

「ブローニャ先生、質問よろしいでしょうか?」

 

 八百万がピシッと手を挙げた。ブローニャが「百さん、どうぞ」と促すと起立して疑問点を述べた。

 

「私が何かを創造する時は対象の分子構造まで把握していることが絶対条件なのですが、ブローニャ先生はどこまでを把握すれば創造することが出来るのでしょうか?」

「いい質問です。ちょうど次のスライドで紹介する予定でした」

 

 ブローニャはスライドを次へと進める。

 

創造理念(どんな意図で)基本骨子(何を目指し)構成材質(何を使い)製作技術(どう創って)行使経験(どう使うか)これがブローニャが何かを創造するために必要な最低限の情報です」

 

「噛み砕いて言えば[見る][触る][構造を理解する][材質を理解する][使い方を理解する]を達成すれば創れます」

 

 しかし、とブローニャは続ける。

 

「ブローニャはそこまで要領が悪くはないと自負しているのですが、完全理解に至るまでに時間がかかってしまいます。特に使い方を理解する、という点ですね。武装1つにつきだいたい二週間前後ほどでしょうか。もっと早くできればいいのですが、どうもここまでが現在のブローニャの限界のようです」

 

「と、まだまだ細かいところはありますが、簡易的な説明になるとこんな感じですね。ご清聴ありがとうございました。何か質問はありますか?」

「ザイチク、質問いいか」

 

 後方の席に座っていた常闇が手を挙げた。

 

「……ブローニャ先生と呼んでくれたら許可しましょう」

 

 どこか悦に浸ったようなブローニャ。そんな雰囲気を常闇は察知したが自分の内から湧き出る好奇心は抑えられなかったようだ。

 

「ブ、ブローニャ……先生。あなたが使っていた装備にはオリジナルがあると最初に言ったな。だがそこそこミリタリーを嗜んだ俺が現状見たことがあるザイチクの武装は蛙吹に使ったキャリコm950と窓を斬る時に使った……恐らく高周波ブレードだろうが、まぁそれだけしかない。催涙弾ポッドとかのオリジナルはどこから引っ張り出してきたのかが気になってな」

 

「あぁ、それでしたらちょっとツテのあるサポート会社に装備の開発を手伝ってもらっていまして。重装ウサギ19cのデータ提供と少し経営資金を渡す代わりに色々と融通してもらっています」

 

『経営資金!!?』

 

 今の話は半分本当で半分嘘だ。

 クラスメイトたちに嘘をつくことを申し訳なく思いながらブローニャは続ける。

 

「えぇ。少し株をやって──」

「株ゥ!!?」

「稼ぎ方教えてくれよ!!」

「オイラも!」

「ちょっと奢って!」

 

 上から順に瀬呂、上鳴、峰田、芦戸。

 ブローニャは現代版聖徳太子のような速さで各々の質問に回答していった。

 

 

 

 

 ⚫

 

 

 

 

「つ、疲れ……」

 

 さすがに一時間強ほど一般高校生よりも我の強い彼らの質問に延々と答え続けるのはブローニャにも堪えるものがあった。

 途中で緑谷がアームホルダーを装着して教室に戻ってきたが、麗日と何事かを話した後すぐにどこかへ行ってしまった。

 

 ちなみに峰田はブローニャの株の話についてご執心のようだった。ブローニャの頭に彼が札束風呂に浸かり女を侍らせ豪遊している姿がよぎった。

 何故だろう。彼ならやりかねない気がする。そんな予感がした。

 

 今日は予定がないとはいえ遅くなりすぎた。もうオールマイトは帰宅している頃だろうか。

 

 帰り支度をしながら考える。

 先ほどついてしまった嘘というのは武器のオリジナルの件についてだ。

 確かに鳥黐弾とかストライカーとかはブローニャがサポート会社に依頼して作成してもらったもので、雪娘(Снегурочка)に関してはとあるヒーローに貸してもらったものだ。そして重装ウサギ19cはブローニャのオリジナルだ。

 

 しかしその他のモノは彼女が戦場で使い続けてきたものだ。

 

 高周波ブレードはドアも壁も、敵の首でさえ切り取れる。

 

 キャリコM950Aは一対多数の際によく使用した。

 可能な限り反動を削ぎ落とすように魔改造を施し、それによって失った威力はスニーキングと機動力でカバーした。

 現在使っている銀狼(Дед мороз)はそれとは別に特殊改造を施しているが、同じ形態のものを実戦で使っていたことに変わりはない。

 その他にもヒーローが確実に使わないようなものがゴロゴロと個性の中に転がっている。

 

 個性の中身を全て話すためには、まずブローニャの過去から語らねばならない。それを彼らに話したとして、彼らは受け止めてくれるだろうか。話すことに抵抗はないがそこから生まれるであろう自分への恐怖――それがブローニャの懸念材料だった。

 また昔のように恐れられることはブローニャにとって何より嫌悪することなことなのだ。

 

 頭を振って自分にまとわりついた思考を振り払い、ブローニャはカバンを背負う。

 

 今にも沈みそうな夕焼けに向かってブローニャは帰路を辿った。

 




オールマイト「そういえばブローニャ少女、蛙吹少女のお見舞いの後に緑谷少年のところへ行ったかい?」
ブローニャ「いえ、行ってませんが?あの程度、出久なら大丈夫だと踏んだだけです。実際大丈夫だったでしょう?」




やっとこさ次から物語が動かせるぅ……。


下の方にあるアンケートの解説置いときます。

①B組委員長orB組副委員長
フカちゃんが学生になるなら委員長になるしかないぞ!!そうだよなぁハム太郎!!そうなのだ!拳藤と仲睦まじいフカちゃんや物間に発勁を叩き込むフカちゃんが見れるのだ!!ヘケッ!!

②プロヒーロー
こっちの場合だとよりお姉さん要素が高まってきます。ヒーローコスチュームは影騎士・月輪。ヴィランを一撃で沈めたランキング3位くらいにいる気がする。ヒーロー事務所天命所属。

③江戸川フカ、探偵さ!
塚内君の部下か公安の人。オットーとテレサとは親交がある模様。現行犯逮捕件数は一位。
その声帯を生かして声優してるかも。十天衆(斧)とか飛べない天使とか忍者とか。
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