我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり!   作:とんこつラーメン

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やっぱシリアスよりも、コッチ系の方が書きやすいです。

シリアスも好きなんですけど、雰囲気作りが難しいんですよね……。






メイド豪鬼 転生する
メイド豪鬼 参上!


 突然だが、私は転生者である。

 恐らく、これを読んでいる人達は何度も、何十回も、何百回…は流石に無いか。

 ともかく、飽きる程に転生者の物語を読んできたことがあるだろう。

 今から語るのも、そんな数多くいる転生者の物語の一つだ。

 まぁ、暇潰しとでも思って読んでくれると私も作者も嬉しい。

 

 私、なんて一人称を使ってはいるが、前世は立派な男だった……と思う。

 転生してからある程度の時間が経過しているせいか、どうにも昔の記憶が曖昧になっている。

 テンプレのように車に轢かれ(厳密な原因は、仕事が忙しすぎて過労でフラフラになりながら歩道を歩いていたところに居眠り運転をしていた2トントラックが突っ込んできてミンチになった)、性別不明の神様に出会ってから、こっちが何かを言う前に有無を言わさず転生。

 その際に私は性別を変えられたらしく、ものの見事な女性へと早変わり。しかもメイド。

 

 黒髪ポニーテールに、両腕を寄せれば立派な谷間が出来上がるほどのボイン。

 とどめに腕っぷしが強い。というか、リアルにチートだと思う。

 誰もそんな踏み台転生者のような事は一言も頼んでないのだが、それでも頂いてしまった物は仕方がない。

 この『能力』は、私が第二の人生を生きていくのに利用させて貰うとしよう。

 

 そう言えば、まだ私の名前を言ってなかった。

 我が名は『豪鬼』。メイドを極めし者なり。

 以後、お見知りおきを。ご主人様。

 

 

 

 

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・・

 

 

 

 

 転生には大まかに二種類が存在していると私は定義している。

 一つは母親の腹の中から生まれてきて、文字通り赤ん坊から人生をやり直すもの。

 もう一つは、成長した姿で転生して、すぐに行動が出来るようになるタイプ。

 私の場合は後者で、目を開けた時に視界に入ったのは石造りの壁。

 それがコンクリートで作られたビルの壁だと知り、自分がいるのが街中の路地裏だと分かるのはすぐだった。

 まずは現状把握が第一だと思い、自分でも驚くほどに冷静な頭で路地裏から出た。

 その時はまだ自分が女になり、メイド服を着ている事にも気が付いてなかった。

 奇異の視線に晒されながらも、近くにある店の窓ガラスを見て、自分の性別が変わって見目麗しい美人のメイドさんに姿が変わっている事を知った。

 

「……大きいですね」

 

 一番最初に出る言葉がコレな時点で、男の業の深さが窺い知れる。

 男から女に変わっているにも拘らず、それに対して微塵も驚きが無い。

 それどころか、ガラスに映る自分が自分の胸を揉み解す始末。

 傍から見ると変態以外の何者でもないが、それでも揉んでしまうのは、まだ中身が男な証拠なのか。

 

 次に、自分がどんな世界に転生したのかを知る必要がある。

 転生者の殆どが、どこぞのファンタジー世界や、なんらかのアニメや漫画の世界等へと転生する。

 私もきっと例外ではないだろうと思い、何かヒントになるような物は無いかと周囲を見渡していると、ソレは向こうの方からやって来てくれた。

 

「ん?」

 

 現代っぽい街並みに似つかわしくない、まるで大戦中のような警報が鳴り響く。

 人々は蟻の子を散らすように逃げていき、あっという間に私だけが街中にポツン。

 本気で状況が分からない私は、呆然としながら立ち竦んでいると、いきなり地面から着ぐるみのような化け物たちが出現。

 普通なら突然の事に戸惑うだろうが、私は違った。

 私はこいつ等を知っている。

 正確には、こいつ等が出ている作品を知っている。

 

「ノイズ……」

 

 あらゆる生き物を触れただけで灰にする異形の化け物。

 詳しい事は忘れたけど、なんかの杖で操られてるんじゃなかったっけ?

 そんでもって、政府から正式に災害扱いされてたような気が……。

 それはともかく、これで自分がいる世界がどこなのかハッキリした。

 どうやら私は『戦姫絶唱シンフォギア』の世界に転生してしまったようだ。

 

 ノイズが私の存在に気が付いたのか、こちらに向かって突撃してくる。

 それを見て、自分の中にある闘争本能のような物が疼き、無意識の内に体を構え、必殺技を放った。

 

「豪昇龍!!」

 

 蒼い炎を纏った拳のジャンピングアッパーがノイズを粉々に打ち砕いた。

 それにより、自分が何になったのかようやく理解した。

 

(あ……これ。ずっと昔に一部で有名になった『メイド豪鬼』だ……)

 

 スタイル抜群の美人メイドが必殺技を放つ姿は相当にシュールだろうな……。

 メイドになっても戦闘能力が低下していないのは、流石は『拳を極めし者』と言ったところか。

 取り敢えず、今は自衛をしながら自分の体の事を色々と確かめていこう。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

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・・

 

 

 

 

 本人は全く自覚は無いが、彼女は完全に見られていた。

 政府よりノイズ対策を任されている『特異災害対策機動部二課』の本部のモニターに、無手でノイズを縦横無尽に薙ぎ払っていくメイドの姿がバッチリと映し出されている。

 

「なんなんだ……あの少女は……!」

 

 司令官である『風鳴弦十郎』は、目の前の光景が信じられなかった。

 明らかに『彼女達』と同い年ぐらいの少女が、全く恐れる様子も無くノイズを次々を倒していく姿を。

 その身には何も纏ってはいない。強いてあげればメイド服を着ている。本当にそれだけだ。

 その拳には蒼い炎を宿し、その脚には紫電を迸らせる。

 誰がどう見ても常人の所業ではない。では彼女は何者なのか?

 それは、本人から直接聞くほかない。

 

「装者二名、間もなく目標地点に到着します!」

「急げ! 奏! 翼! そこで戦っている少女を急いで保護するんだ!!」

 

 

 

・・・・・

・・・・

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・・

 

 

 

 

 

 ノイズがあと数体ぐらいになった時、ふとある事に気が付いた。

 

(ここにノイズが出たって事は、もしかしてシンフォギア装者達が現場に駆けつけてくるんじゃね?)

 

 もしかして、じゃなくて必ず来る。だって、それがシンフォギアのテンプレだから。

 となると、そのままの流れで二課、もしくはS.O.N.Gに所属する流れになるのか?

 別に、彼女達に協力するのはやぶさかではないが、なんでか今はまだ早いような気がする。

 転生初日にいきなり原作キャラと邂逅するのはなんだかアレな気がするし、まずは先立つ物が欲しい。

 そうと決まればやる事は一つ。三十六計逃げるに如かず。

 まずは、残ったノイズ共を一掃するとしましょうか。

 体内に宿る殺意の波動を高め、一気に解き放つ!!

 

「滅殺!!!」

 

 極太ビームのように発射される超必殺技(ハイパーコンボ)『滅殺豪波動』。

 複数のノイズを纏めて燃やし尽くし、跡形も無く消滅させる。

 

「よし。お掃除完了!」

 

 ……なに言ってんだ私は。

 でも、なんとも言えない爽快感というか……達成感がある。

 もしや、体だけでなく心までもが女、っていうかメイドになっているのか?

 うっ……! そう思った瞬間、無性に掃除がしたくなってきた……!

 どこかに……どこかに汚れた物は無いのかっ!?

 

「むっ!? こっちから汚物の気配が!」

 

 ここは豪鬼さんお馴染みの高速移動である『阿修羅閃空』を使おう。

 待っているがいい! 私が全てを掃除しつくしてやる!!

 

 後で知ったのだが、私が去った後に装者達もやって来たらしいが、人っ子一人いない現場に困惑してしまったとの事。

 少し悪い事をしてしまったかもしれない。

 

 

 




メイド豪鬼として転生した彼女にとって、ノイズは唯のばい菌的な存在にすぎません。

無手でノイズを倒せるのは、殺意の波動の恩恵もありますが、最大の理由はメイドだから。

タグにもあるように、メイドに不可能はありません。だってメイドだし。
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