我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり! 作:とんこつラーメン
今回は、早くも『彼』が登場します。
ついでに、他にも色んなキャラも登場予定です。
主に女体化してますけどね。
メイド豪鬼 新たな日常を送る
あれから二年が経過した。
私の生活自体は殆ど変化してないが、周りの環境が大きく変化をした。
まず、ツヴァイウィングは未だに大活躍。
最近ではコンサートだけではなく、バラエティ番組などにも出演するようになり、増々彼女達の顔が知れ渡る事に。
歌以外の仕事がいい具合に気分転換になっている様子で、彼女達の顔はいつも晴れ晴れとしている。
因みに、あの時の墓参り以降、訃堂さんや兄上とは出会っていない。
風来坊である兄上はともかく、訃堂さんはどこで何をしているのだろうか?
響さんと未来さんは、無事にリディアンに入学する事が出来た。
未来さんは余裕だったらしいが、響さんは相当に御苦労なさった御様子。
後に未来さんから聞いたのだが、『もう二度と、あんな事だけは御免だ』との事。
流石の響さんもこれには相当に堪えたようで、高校に入ってからはちゃんと勉強をしよう……と考えてるらしい。これが『考える』だけで終わらない事を心から祈ろう。
シャドルーやハワード・コネクションは相変わらず。
ギースはいつもの調子だが、ベガの方は完全に奏さんと仲良しになって、今ではプライベートで遊ぶことをよくあるとか。
色々と特殊な身の上の二人だからこそ、友達関係になってくれたことは純粋に嬉しい。
ノイズはあれからも度々出現はしてはいるが、あのコンサートの時のような大量出現は一度も無い。
出て来たとしても、多くて十数体が精々。
それぐらいならあっという間に駆逐は出来る。
装者としての実力もメキメキと上がっていって、私の施すトレーニングの効果かどうかは不明だが、適合係数も上昇していって、今となっては奏さんはLiNKERを投与しなくてもギアを展開できるほどになった。
その事が判明した時、彼女は涙を流して喜んでいたっけ。
そして、私は今日も私の日常を謳歌するのであった。
さぁ……まずはどこをお掃除しましょうか?
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・・
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本日の私は、リディアンに続く並木道を竹箒で掃除している。
思った以上に地面に落ちた桜の花びらがまだまだ沢山あるから、ちゃんと綺麗にしておかなくては。
雨が降ったりして地面にくっついたりしたら、後々面倒な事になる。
「高校……ですか。いいですね、青春です」
私の前を歩く女子高生たちを眺めながら、何かが違っていたら自分も学校に通っていたのかもしれないと思わずにはいられなかった。
別に今の自分の不満があるわけでもないし、若い頃から普通の人生を捨てて格闘家として生きた事に後悔も無い。
「しかし……まだ響さんと未来さんの姿を見てませんね。今日は確かリディアンの入学式。もうそろそろ来ないと遅刻してしまうと思うのですが……」
「響ぃ~!! いい加減に降りてこないと、本当に遅刻するよ~っ!?」
おや、この声は未来さん? なにやら向こうから聞こえてきましたが……。
「あらら」
何をやっているのやら。響さんが木登りなんてしてますよ。
未来さんが木の下で叫んでますが、全く聞いてない様子。
というか、あんな恰好で木に登ったりしたら、間違いなく見えちゃいますよ?
「けど、なんで木なんかに登って……あ」
よく見たら、彼女の手の先に黒い子猫が怯えた様子で立っている。
昇ったはいいけど、降りられなくなってしまったと。
そして、生来のお人好しである響さんはそれを見捨てられずに助けに行ったって訳ですか。成る程。
「まぁ……危なくなったら、すぐに阿修羅閃空で駆けつければいいだけですね」
あれなら一瞬であそこまで移動が可能だし。
でも、念の為に様子は見ておいて方がよさそうだ。
「うぇぇっ!? ちょ……ちょっと待っ……あびゅっ!?」
やば。何を思ったのか、小猫が響さんの顔面にくっついてしまった。
その勢いで彼女の体勢が崩れて、今にも落ちそうになった。
「響っ!!」
これは急がなくては……って、なにやら超見覚えのある人間が全力疾走で向かってくるんですけど?
使い古された白い道着に、真っ赤な鉢巻。鍛え抜かれた肉体。
あれは間違いなく……。
「危ない!!」
響さんが木から落ちた瞬間、『彼』が見事にダイビングキャッチ。
痛がっている様子が無い事から、思ったよりも衝撃は少なくて済んだようだ。
「大丈夫か?」
「は…はい……」
彼が響さんを優しく降ろし、そっとその体についた汚れを払った。
「響! 怪我は無いっ!?」
「う…うん。私なら大丈夫だよ」
「よかった~……」
かなり心配していたようで、未来さんはその場にへたり込みそうな勢いだった。
一方の心配をさせた響さんは、突然の出来事に呆然としているようだ。
「あ…あの! ありがとうございました!」
「あ…そうだ。ちゃんとお礼を言わないと。響を助けてくれて、ありがとうございます!」
「どういたしまして。この程度、なんてことないさ」
いつもながら、なんとも爽やかな男ですね。
見ているだけで清々しいというか、どこまでも真っ直ぐというか……。
「この猫ちゃん……どうしよう?」
「それなら、私が預かりますよ」
「「豪鬼さん!」」
なんだか見ていられなかったので、仕方なく私が行くことに。
流石に彼に猫は預けられないでしょうし。
「豪鬼……? なんでお前がここに……」
「それはこちらの台詞です。それよりも、お二人共」
私のスマホを見せて、時間を教える。
画面を見た途端、二人の顔が真っ青になった。
「「ち…遅刻~~!!」」
「入学式に遅刻をしたら、洒落になりませんよ?」
「「急げ~!!」」
急いで猫を私に渡してから、二人は全速力で走っていった。
けど、元陸上部な未来さんの方が足が速く、明らかに響さんと差がついていた。
「未来ぅ~! 待ってよぉ~!!」
「そんな余裕ないから! あぁ~もう! なんでこんな事にぃ~!?」
朝から元気ですねぇ~。
これが若さですか……なんか急に悲しくなってきた。
「貴方も相変わらずですね。リュウ」
ある意味で世界的な超有名人。
現在進行形で世界中を旅する孤高の求道家。
私の兄の二人の弟子の一人。
「噂で聞いていたが、本当に格闘家じゃなくなってたんだな……」
「暗殺拳自体は捨ててませんけどね。殺意の波動は未だに健在です」
「らしいな。お前の体から、穏やかだが力強く黒い力を感じる」
彼もまた体の中に『殺意の波動』を宿す者。
だが、それを克服し、兄と同じ領域に到達するのも時間の問題でしょう。
いずれは、彼の親友と同じように、自分だけの答えを見つけてみせるだろう。
「それにしても、女子高生を助けて『大丈夫か(キラ~ン)』って。いつから貴方はラノベの主人公になったんですか」
「いや、俺は普通に危なかったから助けただけなんだが……」
これですよ。
普通の男なら、華の女子高生を抱き上げたのなら多少は照れたりするものでしょうに。
それなのに、リュウは全くの無反応。
禁欲生活を続けているのは立派ですが、少しは普通の反応をしてもいいだろうに。
「ほら」
「え?」
「どうせ暇なんでしょう? でしたら、私の事を手伝ってください」
「掃除か。偶にはいいかもな。修業時代を思い出す」
体力だけは無駄に有り余ってる人間ですからね。
バイトが始まる時間まで、タップリとこき使ってあげますか。
・・・・・
・・・・
・・・
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某スタジオ 控室
もうすぐ番組が始まろうとしている中、ツヴァイウィングの二人は珍しく緊張していた。
「な…なぁ……翼」
「何……奏……」
「今さ……アタシ等の目の前にいるのって……」
「うん……間違いないよ……」
二人の目の前には、仲睦まじく会話をする二人の少女が。
一人は童顔で素朴な茶髪だが、その内側から溢れ出る迫力と魅力がある。
もう一人は、紫の髪に透き通るような声。トドメに、とても眩しい笑顔。
どちらも、万人が認める美少女だった。
「アタシでもブルっちまう程の伝説的アイドルの『麻宮アテナ』に……」
「世界的ミュージカルスターの『神田桃』……どちらも私等が遠く及ばないスーパースターだ……」
彼女達からしたら、どちらも紛れもない芸能界での大先輩。
番組の本番以上に、二人と共演するという事実が翼と奏にこれまでにないプレッシャーを与えている。
「まさか、あのツヴァイウィングのお二人と一緒の番組に出演出来るなんて、思いもしませんでした」
「私もですよ~。もしかしたら、生の歌とかも聞けたりして?」
「楽しみ~♡」
((それはこっちの台詞ですから!!))
ガチガチに顔を強張らせながら、二人は心の中で盛大にツッコんだ。
そんな時、完全に雰囲気が二分化された部屋に、全く空気を読まない人物が乱入してきた。
「奏~! 応援しにきたぞ~!」
「ベ…ベガっ!? なんでここにっ!?」
「ワープしてきた」
「「そうだった……」」
サイコパワーによって、いつでもどこでも入り放題なベガは、こんな事をこれまでも頻繁に繰り返してきた。
だがしかし、幾ら容姿が幼女でもベガも立派な大人。
ちゃんと仕事の邪魔はしないように、本番直前にはちゃんと帰ってくれる。
「あ~! ベガちゃんっ!?」
「アテナ~! 久し振りだな~!」
「「えっ!?」」
まさかの交友関係に驚きを隠せないツヴァイウィング。
でも、この二人には実は意外な共通点があったりする。
「あ…あの……麻宮…さん?」
「こいつ……ベガと知り合い…なんですか?」
「知り合いだなんて。私とベガちゃんはお友達ですよ」
「そ~だぞ~。私とアテナは親友同士なんだぞ~」
「「マジでっ!?」」
仮にも秘密結社を名乗っている組織の総帥と、超ビッグなアイドルが親友同士。
普通じゃ絶対に考えられない組み合わせだ。
「モモも久し振りだな~!」
「お久し振りです、ベガさん」
「神田桃とも知り合いっぽいし……」
「ベガの交友関係ってどんだけ広いんだ……?」
そこにツッコんでいけばキリが無いので、深くは追及しないのが賢明である。
「けど、一体何処で知り合ったんだろう……?」
「それはだな~」
「私とベガちゃんが、同じサイコパワーの使い手だからですよ」
「「なんだとぉっ!?」」
もう何度驚けば気が済むのか。
まさか、目の前の超有名人が、自分達の知り合いの幼女と同じ超能力を使えるなどと誰が想像するだろうか。
「知ったのは本当に偶然だったけど……」
「それが分かってからは、あっという間に仲良くなったよな~」
「私は、アテナさんから紹介して貰ってお友達になったんです」
「「…………」」
もう驚きすぎて声も出ない。
今にして思えば、シャドルーの幹部にはムエタイの世界チャンプであるサガットに、アメリカンドリームを実現したボクシングの世界チャンピオンであるマイク・バイソンがいる。
それを考えれば、彼女が世界的な有名人と知り合いでも不思議じゃない……のかもしれない。
場がカオスになりかけた時、帽子を被ったスタッフがノックをした後に控室へと入って来た。
「麻宮さ~ん。神田さ~ん。ツヴァイウィングのお二人。もうすぐ本番で~す……って、なんだこの子?」
「あ。気にしないでください。この子は私達のファンで、私達を追って控室に来てしまったんです」
「そうでしたか」
「ちゃんと後で家に帰させますから」
「分かりました。では、そろそろ準備をしてください」
「「「「はい」」」」
スタッフが去っていってから、ベガの体が僅かにではあるが光り出す。
ワープをする兆候だ。
「んじゃ、私はもう行くな。四人共、番組頑張れよ~」
「うん! ちゃんとテレビの前で見ててね!」
「お~!」
満面の笑みを浮かべながら、ベガはワープで帰っていった。
「では、私達も行きましょうか」
「そうですね。奏」
「おう。態々ベガが来てくれたんだ。アタシ等も二人に負けないぐらいに頑張らないとな!」
ベガが来てくれたことで緊張が解れたのか、さっきまでの強張った表情が無くなり、完全にいつもの二人になった。
こうして、麻宮アテナ、神田桃、ツヴァイウィングという夢の競演が実現した番組が始まった。
余談だが、この番組の瞬間最高視聴率は40%を超えたとかなんとか。
まだ戦闘シーンには入りません。
次回はメイド喫茶での様子をお送りしたいと思っています。
そこでもまた、意外過ぎるキャラ達の登場を予定中。
さぁ、皆は予想出来るかな?
それと、まだまだアンケートは募集してますので、是非とも活動報告をご覧ください。