我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり!   作:とんこつラーメン

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最終回が大団円で終わったと思いきや、すぐさまゲームの方で新イベントが始まりましたね。

いや、終わったからなのかな?

でも、そんな事は気にせずにメイド豪鬼はせっせと今日もメイドをするのでした。






メイド豪鬼 先輩になる

 辛うじて遅刻を逃れた響と未来は、無事に入学式を終えてから、割り当てられた教室にて二人で話していた。

 

「もう……猫を助けるのはいいけど、今度からはちゃんと時と場合を考えてよ? 今回はなんとか間に合ったけど、また似たような事が起きても同じ様にいくとは限らないんだからね?」

「分かってるよぉ~…」

「ホントかなぁ……。特に今日のは、下手をすれば大怪我をしていた可能性だってあったんだよ?」

「うん……そうだよね……」

 

 未来が真剣に心配しているのに、肝心な響は先程からずっと上の空。

 完全に『暖簾に腕押し』状態である。

 

「……さっきから何か変だよ? 一体どうしたの?」

「うん……ちょっとね~……」

「もしかして、あの時に響を助けてくれた道着の人の事を思い出してたりとか?」

「まぁね。危なかったとはいえ、あんな風に男の人に抱き止められたのって初めてだから、ちょっとドキドキしたっていうか……」

「ドキドキ……」

 

 未来が知る限り、今までの響の人生の中で『恋愛』という二文字は全くと言っていい程に無縁だった。

 それどころか、異性とあそこまで物理的に近づいた事さえ皆無だっただろう。

 そんな少女が、緊急事態だったとはいえ明らかに自分よりも年上の男に抱き止められた。

 本人からすれば、相当に衝撃的な出来事だった事は想像に難くない。

 

「あの時さ、思わずあの人と目があったんだけど……」

「けど?」

「……すっごく真っ直ぐで澄んだ目をしてた。あんな人……初めて見た」

「響……」

 

 傍にいた未来からしても、響を助けてくれた男性…リュウは全く悪い人間には見えなかった。

 それどころか、どこか響と似た雰囲気すら感じてしまった程。

 

「そう言えばあの人、豪鬼さんと仲良さそうに話してたよね。知り合いなのかな?」

「男女の知り合い……つまりは恋人?」

「それはちょっと話が飛躍しすぎじゃないかな……」

 

 なんて未来のツッコみを無視して、響はまたもや自分だけの世界に入る。

 

「そうだよねぇ~……豪鬼さんは美人で何でも出来て、凄く優しい人だし……」

「響~? もうすぐHRが始まるよ~。響~? 聞こえてますか~?」

「はぁ~……また会えるのかなぁ……」

「だめだこりゃ」

 

 結局、響は入学して早々に担任から有難いお言葉を頂いたのであった。

 それが切っ掛けとなって高校での新しい友達が出来たのが皮肉である。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 メイド喫茶『地獄歌』

 私が働いているこの店は、今日も今日とて大繁盛している。

 だがしかし、あれから二年も経過すれば、流石に大なり小なり変化はしていく。

 まず、店の規模が明らかに大きくなった。

 二年前までは秋葉原とかにも存在しているメイド喫茶と同じ、標準的な大きさの店だったが、あのライブ乱入事件を切っ掛けに客足が爆発的に増加し、当然のように売り上げも爆上げ。

 その結果、店の運用にもかなりの余裕が生まれ、店舗の拡大なんて思い切った事も普通に可能になった。

 完全に改装した今では、そこら辺にあるスーパーと同じくらいの敷地面積を誇り、それに伴い客の数も必然的に増加した。

 

 店が大きくなれば、当然のように従業員の数も増やしていかなくてはいけないのが道理であって。

 少し前までは私が一番の新人だったのが、今ではいつの間にかチーフの座につき新人教育をするようになっていた。

 前のチーフは店長に昇格し、前の店長はオーナーになった。

 要は、皆が一つずつ上に昇っただけなのだが。

 問題は、この『新人メイド』が相当に曲者揃いということだ。

 まさか、職場でも『豪鬼が知っている人物達』と出会うなんて誰が想像するだろうか。

 

「ふぅ……疲れたぁ~。あのお客さん、私の事をずっとイヤらしい目で見てくるんですもん。精神的に疲れちゃいましたよ」

「お疲れ様でした、さくらさん。一応、そのようなご主人様には来店を遠慮するように言っているのですが、未だにいるんですね」

「中にはちゃんと、こっちの事も考えてくれる優しいお客さん…じゃなくて、ご主人様もいるんですけどね」

 

 もう名前を出したから隠す必要もありませんね。

 この店の新人メイドその1の、リュウの熱狂的な追っかけにして、見よう見真似だけで気のコントロールを身に着けたばかりか、技もほぼ完璧に習得してみせた天才女子高生『春日野さくら』さん。

 バイトの理由は『夏休みにリュウさんに会いに行く為の資金稼ぎ』

 だからと言って、メイド喫茶をチョイスするのはどうかと思いますけどね。

 

「にしても、ここのチーフが豪鬼さんで助かりましたよ~。やっぱ、一人でも知り合いがいると心強いですね!」

「いや、他にも知り合いはいるでしょうに……」

 

 そう。他にもいるのだ。想像すらしなかった『知り合い』が。

 例えばほら、一番端のテーブルにいる四人の美女達にからかわれている茶髪の美少女がそうです。

 

「プ……プクフフフ……♡」

ギャハハハハハハハハ!! 話を聞いた時は本気で耳を疑ったけどよ、まさかマジだったなんてな! こいつはケッサクだぜ!!」

「うわ……元の原型が完全に無くなってるし……」

「普通に美少女になってるアル。高貴なる吸血鬼様も、こうなっては完全に形無しアルな」

「キ…キサマら……! 好き放題言いおって……! 後で覚えてろよ……!」

 

 あの茶髪の美少女の正体は、かの『デミトリ・マキシモフ』その人だ。

 名前の前に『ブリス化した』が付くけど。

 因みに、彼女に絡んでいる美女四人は人間界に遊びに来たサキュバスの『モリガン・アーンスランド』と売れっ子ミュージカルスターになったキャットウーマンの『フェリシア』、美少女キョンシーの『レイレイ』に超凄腕の賞金稼ぎの『バレッタ』。

 因みに、全員がちゃんといつもとは全く違う私服を着ている。

 

「まさか、対戦中にくしゃみをして『ミッドナイト・ブリス』を暴発させて自分が女の子になるなんてね。意外と可愛い事をするんじゃない」

「黙れ!! 私とてなりたくてこんな姿になったのではない!!」

 

 もうモリガンが言ってしまったが、要はそういうことだ。

 自分の技を自分で受ける羽目になるとは、なんとも哀れとしか言いようがない。

 しかも、暴発した時の影響なのか、何故かミッドナイト・ブリス『だけ』が使えなくなってしまったらしい。意味が分からない。

 

「でも、まさかバレッタちゃんがモリガンさん達と一緒にいるなんて思いませんでした」

「彼女曰く『アイツらを相手にするよりは、利用して他の連中を狩った方が遥かに効率がいい事に最近になって気が付いた』らしいです」

「ははは……凄く『ぽい』ですね……」

 

 デミトリが完全に弱体化しているのをいい事に、彼女達は言いたい放題になってる。

 でも、実際はそこまで弱くはなってないんですよね。体格が小さくなっただけで。

 

「そんな言葉遣いでいいのかニャ~? ここでは私達は『ご主人様』だよ~? 『デミデミちゃん』♡」

「クッ……! なんでこの私がこんな屈辱を……!」

「ジッとしてろよ。写真に撮ってからツィッターにアップするからよ」

「店内は撮影禁止でございます。バレッタお嬢様」

「急にメイド口調になるなよっ!?」

 

 なんで女体化したデミトリがここで働いているかというと、あんな状態で魔界には戻れないと言って途方に暮れていた彼女を私が見つけ、嘗ての知り合いのよしみで当面の生活の為の資金稼ぎの場を提供したのです。

 そんな彼女は今、この店の近くにあるアパートに一人で住んでいる。

 心だけは貴族でいようと努力しているようだが、生活感覚は完全に庶民と同レベルになっている。

 

「で、そんなデミトリさんと対戦して巻き添えを喰らった人は……」

 

 デミトリとは全く反対の位置にあるテーブルにて接客中。って、あのテーブルにいるのって……まさか?

 

「……………………」

なんで貴様がここにいる……京……! って、なんでさっきから黙ってる?」

「可愛い……」

「は?」

「まさか、八神に心ときめく日が来るなんて思わなかったぜ……。お前って、女の子になるとそこまで可愛くなるんだな……」

「や…やめんか貴様!! 大体、お前には既に女がいるだろうが!!」

 

 デミトリのドジに巻き込まれて同じように女の子とかしたのは、あの超イケメンで人気者の『八神庵』。

 物静かそうでいて、実はかなり喧嘩っ早い二人は、なんでか道端で出会って目があった途端に戦闘開始したそうで。

 途中まではほぼ互角の展開だったそうですが、そこで例のミッドナイト・ブリス暴発事件が発生。二人で仲良く美少女となってしまいましたとさ。

 んで、同じようにどうすればいいのか困っていたので、前に私の事を勝手にライバル視して喧嘩を売って来たよしみでバイト先を提供してあげました。

 

「そこの…矢吹慎吾とか言ったか! お前もこいつを止めろ!! 仮にも弟子入りしているんだろうが!!」

「あ~……すみませんけど、それは無理ッス」

「なんでだ!?」

「俺も……女の子になった八神さんの可愛さに胸キュンしてるからッス……♡」

「何~~~~っ!?」

「頼むからよ……俺の事を『ご主人様♡』って呼んでくれねぇか? い・お・り・ん♡」

絶対に断る!! そんな事をするぐらいなら、貴様をここで焼き殺す!! あと、オレの事を『いおりん』と呼ぶな!!」

「今のお前になら本気で殺されてもいいな……」

「こっちが悪かった。だから、本気の目でオレの事を見るのだけは止めてくれ。お前を殺す前にオレがストレスで死ぬ」

「あの八神さんが普通に謝った!?」

 

 流石の庵さんも、自分と物凄く因縁のある草薙京が相手では相性が悪いようですね。

 完全に翻弄されてる……というか、彼の目が普通に恋する男の目になってません?

 

「庵さん……後で胃薬でも出してあげようかな」

「それがいいかもしれません。彼女、御両親からは泣いて喜ばれた挙句、妹さんからは『萌え』って言われた上で着せ替え人形と化してるそうですよ」

「私から見ても、女の子になった庵さんって可愛いもんな~」

 

 実は、地味にデミトリさんと庵さんの二人って人気なんですよね。

 特に庵さんは現役でバンド活動をしているだけあって歌声も抜群に上手いですから、時折ここでイベントとして行われる簡易的なライブでは凄い事になってるし。

 

「何気に真面目だから、ちゃんと休まずに来てくれるのも有難いんですよね」

「実は庵さんって凄く良い人ですよね。私も前に簡単な料理を教えて貰いましたし」

「もう、このまま女でいた方がいいような気もしてきました……おや?」

「またお客さんですね。豪鬼さん、行きましょうか」

「そうですね」

 

 他の子達と一緒に店の入り口まで歩いていき、スカートを左右に軽く開きながら一言。

 

「「「「「お帰りなさいませ、ご主人様」」」」」

 

 まだまだ、私の仕事は終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そんな訳で、まさかの新キャラは女体化したデミトリと庵。

それに付随するように、二人と関係が深いキャラ達も登場させました。

ピクシブで二人が女体化した姿を見た時の衝撃は未だに覚えています。

特にいおりんは可愛くなりすぎです。流石はミスX。
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