我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり! 作:とんこつラーメン
まだ、この思い付いたネタはタイミング的にお披露目は出来ませんが、自分でもよく閃いたなって思いましたよ。
これで、もっとメイド豪鬼を魅力的に出来ますよ!
リディアンの入学式があった次の日。
私は今日も特に変わる事なくメイドとしての仕事に勤しむのでした。
「ふんふんふ~ん♪」
今日もまた掃除しているのはリディアンに続く並木道。
ここは学生が頻繁に利用するという事もあり、少しでも気を抜けばすぐに汚れてしまう。
だから、こうしてこまめな掃除が欠かせないのだ。
「おや」
向こうからやって来るのは、毎度お馴染みの響さんと未来さんの仲良し二人組。
今日も仲が良さそうでなによりです。
「おはようございます」
「「おはようございます!」」
いいお返事。子供は元気が一番ですね。
「この時間に来ているという事は、今日は遅刻してないみたいですね」
「え? あはは……」
「そうでもありませんよ、豪鬼さん。響ったら、今日も寝坊して急いで支度をしたんですから」
「うわぁ~ん! 未ぃ~来ぅ~!」
「あらら」
響さんが未来さんにしがみ付きながら泣き顔に。
どうやら、誰にも知られたくなかったようですね。ま、当たり前ですけど。
「ちゃんと目覚ましはセットしてるんですか?」
「セットはしてるん……ですけど……」
「電池が切れてる事をすっかり忘れてたんだよね」
「言~わ~な~い~で~!!」
それはまぁ……なんというか……本気で哀れだな……。
この子の場合、どこか詰めが甘い所があるんですよね。
いつの日か、それが取り返しのつかない事にならないといいんですけど。
「そ…そうだ! 豪鬼さん、今日が何の日か知ってますか?」
「急に話を逸らすし……」
「まぁまぁ。で、何の日なんですか?」
「ツヴァイウィングのニューシングルの発売日なんです! この日が来るのをどれだけ待ったか……!」
「響ってば、旗色が悪くなったからって誤魔化して……」
ツヴァイウィングの新曲……。
そういえば、奏さんと翼さんがそんな事を言っていたような気が。
「んん?」
なんだろうか? 何か物凄く重要な事をド忘れしているような気が……。
「どうしました?」
「いえ。なんでもありません」
それほど大切な事なら、自然と思い出すだろう。
今は特に気にする必要はないと判断する。
「それにしても、響さんは本当にツヴァイウィングが大好きなんですね」
「はい! あの人達の歌って、聞いてるだけで勇気が沸いてくるっていうか……とにかく凄いんです!」
「また道端で興奮して……」
今日もまた未来さんは響さんに振り回されている様子。
偶には彼女にも一人でのんびりと過ごす時間が必要なのかもしれない。
「お話はそれまでに。もうそろそろ行かないと、今日も遅刻寸前になりますよ」
「そうだった! 響、行くよ! 幾ら寮暮らしになって学校までの距離が近くなったと言っても、遅刻しちゃ何の意味も無いんだからね!」
「分かってるよ~。それじゃ、豪鬼さん」
「「行ってきます!」」
「はい。いってらっしゃい」
手を振りながら彼女達を見送って、私は掃除を再開する。
今日はリュウは現れませんでしたね。
彼の事だから、まだこの街にいるかどうかも怪しいですけど。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「お疲れ様でした」
「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」
本日のお仕事も何事も無く終了し、皆で店仕舞い。
その後に着替えてから、各々に解散することに。
私の場合は、店のメイド服から自分のメイド服に着替えるだけだから、大した変化はないんですけど。
「やっと今日も終わった……」
「ん~! 解放感!」
「早く帰って酒でも飲みたい……」
未だに仕事には慣れてないのか、庵さんとデミトリさんはお疲れの様子。
それとは対照的に、さくらさんはバイトの後でも元気一杯。
これが若さですか……。
「どうして貴様はそうも元気なんだ……」
「いえいえ。私もそれなりに疲れてはいますよ? でも、これぐらいでへばってちゃリュウさんに追いつけませんから!」
「リュウ……あの白い道着の男か。そういえば、お前は奴に憧れてストリートファイターになったんだったな」
「はい!」
あぁ……なんて眩しい笑顔。
こんな素敵な子に想われているのに、それに全く気が付かないなんて……リュウにも困ったものです。
ケンのように所帯を持てば、また違ったものが見えるでしょうに。
彼が結婚する姿なんて全く想像も出来ませんけど。
「さて……帰りに買い物でもして帰りましょうかね」
「オレも買い物をして帰らねば。少し野菜が少なくなってきたからな」
「私はとっとと帰ってから、ベッドにて惰眠を貪りたい……」
「私は~……家までランニングでもして帰ろうかな?」
どこまで元気なんですか……。
技だけじゃなく、変な所までリュウに似てきてませんか?
「ん?」
「あ」
「これの警報は……」
「アレが出たのか」
気を抜いた矢先に、いきなりノイズ出現の警報が街中に鳴り響く。
となれば、必然的に私も出動しなくてはいけない訳で。
プルルルルル……
噂をすればなんとやら。
私のスマホに着信が来た。
「もしもし?」
『もしもし! 豪鬼くんか!』
「私のスマホですからね。今回はどこに出たんですか?」
『詳しい出現位置は現在こっちで調べている! だが、少なくとも市街地に出現したのは間違いなさそうだ!』
「市街地……また厄介ですね」
この時間帯は仕事終わりの人々が多い。
だから、このような状況でノイズが出現すれば、被害者が出るのは時間の問題になる。
『現在、自衛隊が緊急出動して市民の避難誘導をしてはいるが……』
「余り上手くいっていないんでしょう? 分かりました。まずはここから移動して……」
『司令!! ノイズの出現位置が特定出来ました!!』
『でかした! 急いで装者二人と豪鬼くんに伝えるんだ!』
『了解です!!』
おや。私がアクションを起こす前に場所が判明しちゃいましたか。
一体何をどうしているのかは不明ですが、私のスマホに地図が表示され、赤い点でノイズが現れた場所を示している。
「ここですね。今いる場所からだと少し遠いですね……」
『済まんな……仕事が終わったばかりだというのに……』
「気にしないでください。私は私が出来る事を、メイドとしてやっているだけ。ですから、弦十郎さんも弦十郎さんがやるべき事をしてください」
『……君には敵わないな』
「メイドですから。では、切ります」
『あぁ。気を付けてくれ』
「……ハイ」
通話を切りスマホをポケットに入れると、一連の会話を聞いていたと思われる三人がこっちを向いていた。
「行くのか?」
「はい。それがメイドとしての務めですから」
「そうか……なら、オレも一緒に連れて行け」
「は?」
庵さんが自分から人助けに名乗りを上げた?
明日は台風でも来るのでしょうか……。
「貴様が何を考えているか、なんとなく分かるが……勘違いをするな。オレは有象無象の連中の命なんぞに興味は無い」
「では何故に?」
「なぁに……」
言葉とは裏腹に、その手に蒼い炎を出しながら、なんとも眩しい美少女スマイルをする庵さん。
なんか、彼女が言おうとしてる事が分かったかも。
「あの傍迷惑な害虫共でバイトのストレスを発散するだけだ……!」
「んなこったろうと思いましたよ」
でも、彼女ほどの格闘家が手伝ってくれるのは本気で有難い。
女体化してはいても、その手から放たれる炎の威力は健在だし、身体能力の若干の低下は技術で補っている。
『三種の神器』の一人なのは伊達ではなく、彼女も生粋の天才格闘家なのだ。
「お前が行くのなら、私も同行させて貰おう」
「デミトリ……貴様……」
「私も丁度……ひと暴れしたいと思っていたところだしな……!」
あんたもかい。
まぁ……こんななりでも、魔界最強の吸血鬼であるのは違いないですし。
ミッドナイト・ブリス以外の技は普通に使えるみたいですしね。
戦力的には問題無いでしょう。
「豪鬼さん、私も一緒に行きます!」
「さくらさん……」
「正直ちょっと怖いけど、でも! リュウさんなら、困っている人を見て逃げるような真似は絶対にしないと思うんです! だから!」
「分かりました。貴女も立派な『気』の使い手。本音を言えば一緒に来てほしいと思っていたところです」
「豪鬼さん……」
これでこっちの戦力は揃った。
ここに装者の二人も加われば、絶対に大丈夫だろう。
「では、今から急いで……」
プルルルル……
こんな時にまた電話?
今度は……未来さんから?
「もしもし」
『ご…豪鬼さん! 響が……響が!!』
「未来さん? 一体どうしたんですか? 落ち着いてください」
『響がいなくなっちゃったんです!!』
「なんですって?」
響さんがいなくなった? どういうことだ?
「取り敢えず、まずは深呼吸をして落ち着いてください。それから、順番に何が起きたのかを説明してください」
『は…はい。ス~…ハ~……』
「落ち着きましたか?」
『少しだけ……』
「で、何が起きたのか説明をお願いします」
『分かりました……』
未だに焦燥に駆られている様子の未来さんは、なんとか頑張って話し出した。
『放課後に響と一緒にCDショップに行ったんですけど、その時にいきなりノイズ出現の警報が鳴って、それで急いで避難しようとしたら……』
「したら?」
『響がいきなり『女の子がいる!』って言って外に向かって走り出して、それで……』
血の気が引いた。比喩でなく。
未来さんの話を聞いて、私はようやく全てを思い出した。
リディアンの入学式の次の日、それは響さんが初めてシンフォギアを纏った日でもある。
つまり、今日がその日って事になる。
原作では響さんは胸にガングニールの破片が突き刺さった事により聖遺物と融合した。
でも、ここでは突き刺さるのではなくて飲み込んだ。
この違いがどんな影響を与えるのか、神ならぬ私には全く予想がつかなかった。
『もしも響に何かあったら……私……私……!』
「……大丈夫です。私が必ずや響さんを助けてみせます」
『豪鬼さん……?』
「大丈夫。未来さんも知っているでしょう? メイドには……」
『不可能は無い……』
「その通り。今は避難用シェルターにいるんですよね?」
『はい……』
「では、そこで静かに待っていてください。響さんとは、必ずまた会えますから」
『豪鬼さん……ありがとうございます……』
「未来さんも響さんも、私にとっては大切な人達ですから。では、そろそろ」
『響の事……よろしくお願いします……』
「任せてください」
少し話が長くなってしまったが、これはこれで必要な情報だった。
これはなんとしても急がなくては……!
「豪鬼さん……」
「皆さん。少々、事情が変わりました。今から急いで現場に向かいますが、いいですか?」
「無論だ」
「フッ……愚問だ」
「ハイ!」
「よろしい。では、まずは……」
駐車場からバイクを運んできて、そこにまずは自分が座る。
「さくらさん。私の後ろに」
「は…はい!」
「庵さんは私の前に乗ってください」
「三人乗りをする気か? 普通に交通違反だぞ」
「今は緊急時なので大丈夫です」
前にも普通に高速道路を異常な速度でぶっ飛ばしましたし。
「デミトリさんは、確か普通に空を飛べましたよね?」
「今は、この箒を使わないと飛べんがな」
「それで結構です。ちゃんと私についてきてくださいね」
「任せておけ」
「二人も、しっかりと掴まっていてください」
「あぁ」
「ドキドキ……ドキドキ……」
こんな事もあろうかと、ちゃんと私以外の分のヘルメットも準備しておいたのだ。
さくらさんと庵さんにメットを渡してからエンジンを掛ける。
「では……行きますよ!!」
スマホをバイクにセットしてから、私は全速力で道路を走りだした。
「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
「飛ばし過ぎだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「速すぎだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
本当は響のシーンまで行きたかったのですが、またもや私の悪い癖が炸裂。
次回は最初から響のシーンからいこうと思います。
そして、再び彼が登場する?