我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり!   作:とんこつラーメン

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前回の続きで、装者達を鍛えていこうと思います。

といっても、ガチムチにするわけじゃないですけどね。

割と実践的なものを書いていくので、よかったらチャレンジしてみては?






メイド豪鬼の筋肉講座

 トレーニングに入る前に色々とあったが、ここを使用出来る時間も限られているので、早く始めようと思っているのだが……う~ん……。

 

「豪鬼さん? さっきからキョロキョロとしてどうしたんですか?」

「いえね。出来ればアシスタント的な人物が一人いてくれたら有難いな~と思いまして」

「アシスタント?」

「はい。要は、皆さんにお手本を見せてくれる人間なんですが……」

 

 どこかに都合よく、そんな人物が転がってませんかね~……って、あれ?

 少し離れた場所を歩いている、なんか見覚えのある金髪三つ編みの少女は……。

 

「ちょっと、そこの金髪の女の子さん。少しよろしいですか?」

「私か?」

「あら」

 

 最初はキャミィさんかと思ったけど、正面を見たら全く違った。

 顔つきや体格はキャミィさんと瓜二つだが、その性格が真逆の女の子。

 

「ディカープリちゃん? まだそんな仮面をしてるんだ……」

「知り合いか?」

「はい。私の友達のキャミィって子がいるんですけど、彼女はその子の妹なんです」

 

 彼女もトレーニングの帰りなのか、ジャージを着てタオルを首に巻いている。

 でも、彼女の場合は普段から鍛えてるから、もう少しぐらい動いても大丈夫でしょう。

 

「フッ……! 我が名はディカープリ! 赤き衣を纏いし選ばれし女王に仕える12の戦士が一人なり!(キリッ)」

「「「「「……………」」」」」

 

 早速出ましたよ……キャミィさんも普段からほとほと困っている中二設定。

 音は真面目でいい子なのに、どうしてこんな風に育ってしまったんでしょうねぇ……。

 

「ど…どういう意味だ?」

「要約すると、彼女はシャドルーに所属している【ベガちゃま親衛隊(ファンクラブ)】の一員だって事です」

「今、なんか変なルビが見えたような気が……」

「気にしたら負けですよ」

 

 私は事実を言っただけですし。

 

「というかですね」

「え? ちょ……ま…待ってっ!? 仮面をそんな風に引っ張らないでっ!? 伸びる! ゴムが思いっきり伸びちゃうから! なんか怖いから!!」

「そろそろ本気でこの仮面は取りなさい。キャミィさんも他の親衛隊の方々も困ってるでしょう?」

「フッ……! この仮面は我に宿りし禁断の力を封印する為に身に着けている物。安易に外す事は叶わぬ……」

「えい」

 

バチンッ! 

 

「いったい! 目が―――――――――――――!!!」

 

 大人しく外さないから、こんな目に遭うんですよ。

 とっくにそんな歳じゃないんですから、いい加減に大人になりなさい。

 

「うわぁ~……痛そ~……」

「お笑い芸人の罰ゲームみたいだな」

「禁断の力だと……! あの少女にそんなものが宿っているとは……! しかも、あの仮面がそれを抑制しているだと……!?」

「いや翼。あの子が言ってるの全部、彼女の妄想だから」

「そうなのっ!?」

「なんで信じるんですか……」

 

 なんでそこでもコントをやってるんですか。

 なんかまたグダグダし始めたな……。

 

「とにかく、この仮面は少しの間だけ私が預かっておきます」

「お…横暴だ~!」

「返してほしかったら、私達の手伝いをしてください。そうしたら返しましょう」

「ほ…本当だな!? 嘘じゃないだろうな!?」

「嘘じゃないですよ。ところで、キャミィさんはどうしたんですか? 姿が見えないようですが……」

「姉さんなら、今度開催される【ベガ様総帥就任7周年記念パーティー】の準備に追われてるぞ」

「毎年そんなのを開催してたんですね……知らなかった」

 

 本当に、シャドルー構成員のベガちゃま愛は凄まじいですね。

 噂では、誕生日の日にはそれはもう盛大なパーティーをしているとかなんとか。

 金だけは無駄に持ちまくってる組織ではありますからね~。

 

「では、いきますよ」

「は~い」

 

 こうして、いきなりではあるがディカープリさんが加わった。

 余談だが、別に彼女は仮面の下に火傷なんか全くしていない。

 素顔は至って普通の少女だ。中二病が痛い事を除けば……だが。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

               豪鬼の筋肉講座~♪

 

「「「なんか急にどこからかBGMと一緒にセリフが流れたっ!?」」」

 

 奏さん、翼さん、未来さん。

 ナイスツッコみです。

 

 私達が今いるのは、先程までいたトレーニング施設の中にあるレッスン場のような部屋だ。

 前方が鏡張りになっていて、見事なプロ仕様になっている。

 

「ちゃんと全員にマットは行き渡ってますね?」

「「「「「はい!」」」」」

「よろしい。今回やるのは、先程も言った『体幹トレーニング』と呼ばれるものです。トレーニングと言っても、別にそこまで難しくはないし、これといった道具も必要ありません。大きく呼吸をしながらストレッチ感覚で行ってみるのがいいと思います」

 

 ちゃんと真剣な眼差しで聞いてますね。感心感心。

 

「今からやるトレーニングの殆どが、座ったままや寝たままの姿勢でも出来るので、日常生活の中のちょっとした空き時間に気軽に取り入れる事が可能なんです」

「へ~……そんなトレーニングもあるんだな~……」

 

 少しずつではあるけれど、体幹トレーニングに興味が出て来た感じですかね?

 よし、この調子で最後までいきましょうか。

 

「まずは、寝ながらも出来るトレーニングをしましょうか。てなわけで、まずはお手本を見せるので、ディカープリさん。マットの上に寝転がってください」

「分かった」

 

 板張りの床に敷いたマットの上にディカープリさんが仰向けに寝転んだ。

 それを見下ろす形で見つめる皆。

 

「まずはこのように仰向けになり、それから両手を左右に真っ直ぐ広げる。そして、膝と股関節が90度になるように足を上げます。まずは右からお願いします」

 

 ディカープリさんが私の説明した通りの体勢になる。

 その姿勢は本当に見事で、実に綺麗だった。

 

「そのままの姿勢で息を吐きながら右へと捻って、吸いながら元に戻す。左も同じ様に行います。この場合、別に足が床までつかなくても問題はありません。重要なのは肩が浮かないようにする事なので」

「見た感じでは、そこまで難しそうには見えないな……」

「そうかもしれませんね。これらの事を左右で10~20回を1~2セットぐらい行います。ディカープリさん、もういいですよ。ありがとうございました。皆さんも同じ様にやってみてください」

「「「「「はい!」」」」」

 

 ディカープリさんが立ち上がると同時に、皆が寝転がって今言った事を始めた。

 

「い…意外とクルもんなんだな……」

「ちゃんと分かってるのに、肩が浮いちゃうよ~」

「足が想像以上に曲がらない……!」

「うむ……これは……いいな……!」

「お? なんか肩も足もちゃんとつく?」

 

 翼さんと奏さんはなんとか出来てる感じで、響さんは予想通りに悪戦苦闘。

 未来さんは元運動部という事もあり、形にはなっている。

 さくらさんは完璧過ぎです。どんだけ体が柔らかいんですか。

 

 まずは最初ということで、10回を目安にして貰う事に。

 慣れてしまうと簡単なようで、熟練の装者とさくらさんは最終的には淡々とこなしていた。

 

「そこまで。1分の小休止の後に次のトレーニングを行います」

「一分かよ……」

「それぐらいが丁度いいんですよ。あまり長く休憩すると、折角温まった体が冷えてしまいますからね」

 

 一分後、次のトレーニングに移行する事に。

 

「今度は立ったままでも行えるトレーニングです。てなわけで立ってください」

 

 各々に座っていた体勢から、今度は揃って立ち上がる。

 

「まずは自然と立ってから目を閉じます。そのまま片足を上げてから膝を90度にします。その際、上げた脚は体を支えているもう片方の足につかないように心掛けてくださいね」

 

 普通なら簡単かもしれないが、目を瞑るだけで難易度が大幅に上昇する。

 もう既に響さんがグラグラし始めてますし。

 

「その状態でバランスが崩れるまで立ち続けてください。ここで大切なのは、どれだけバランスを崩しても、最後まで足が床につかないように粘る事です。こうする事でバランス感覚が養われて、体の軸を支える筋肉を鍛える事が出来ます」

 

 武芸を嗜んでいるだけあって、翼さんは見事なバランス感覚だな。

 普段から歩き方までちゃんと意識して行っている証拠だ。

 さくらさんも同じ様に全くぶれないが、彼女の場合は天性の才能が大きいから、これは余り参考にはならない。

 なんて言ってる間にも響さんが早くも脱落。

 未来さんと奏さんが少しふらつきながらも、なんとか頑張ってますね。

 因みに、私の横でお手本をしているディカープリさんはまるで石像のように微動だにしない。これもこれでまた凄い。

 

「余り時間を掛けすぎても逆効果なので、そこまででいいですよ。翼さんとさくらさんは素晴らしいバランス感覚の持ち主ですね。お見事でした」

「ありがとうございます」

「えへへ……褒められちった♡」

 

 今度もまた一分間の休憩をしてから、次のトレーニングを開始する。

 

「次のは基礎代謝を向上させるトレーニングです。まずはうつ伏せになってから肘を床に着けてください。ディカープリさん」

「了解だ」

 

 ディカープリさんが私が言った通りの体勢となって、次の指示を待つ。

 

「爪先と肘のみで自分の体を支えてから、そのまま腰を浮かせます。この時、頭と肩と腰と膝と足首までのラインが一直線になるようにしてから10秒間キープをする。呼吸は決して止めず、腰を逸らさないように気を付けましょう」

 

 ピーンとした恰好で綺麗に体を伸ばすディカープリさんは流石としか言いようがない。

 この真面目さを普段から見せてくれれば、少しはキャミィさんの気苦労も減るでしょうに。

 

「そこまででいいです。今回のは今までのと比べても少し大変ですが、それでも頑張っていきましょう。では、始めてください」

 

 全員がディカープリさんと同じ体勢になってトレーニングを始めるが、今回は余裕とかいかなかったようだ。

 

「クッ……! これは……腹筋もだけど……床についている肘が痛い……!」

「奏さん。肘だけではなく、腕全体を使うんです」

「頭じゃ分かってるんだけどな……」

「体が自然と肘を使ってしまう……!」

「体がプルプルしてきた……」

「10秒間ってこんなに長かったっけ……」

「……………」

 

 10秒経過し、皆が苦行から解放されたかのようにマットの上に寝そべった。

 

「いって~……」

「少し腕が痺れた……」

「腹筋も痛いよ~……」

「たった10秒でここまで疲れるなんて……」

「キツかった~……」

「痛い、キツいと感じたという事は、効果が出ている証拠です。では、今のを後2回しましょうか」

「「「「「マジでッ!?」」」」」

「はい。マジです♡」

 

 その後、残り二回をし終えた皆さんは、まさに死屍累々と言った感じに疲弊していた。

 実はこれ、慣れてないうちは本当にキツいんですよね。

 逆に、慣れてしまえば10秒以上も余裕なんですけど。

 因みに作者は1分以上は普通に出来ます。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 先程の『フロントブリッジ』を終えてからも、『バックブリッジ』や『バックキック』、『ツイストクランチ』とやっていき、ここで少し長めの休憩をする事に。

 

「正直さ……少し舐めてたわ……。これはマジでキッツい……」

「だが、いい具合に体も温まってる気がする。これは本当にいいな……」

「うへ~……もう限界だよぉ~……」

「気持ちは分かるけど、もう少ししゃんとしなよ。春日野さんなんか凄いよ? 全然疲れてる様子ないし」

「いやいや。私も疲れてるからね?」

「フッ……この程度、前世で経験した聖戦に比べれば児戯に等しいわ……」

「なんて言いつつ、脚がプルプルしてるのは誰ですか?」

「こ…これは武者震いだ!」

 

 会話をする事で僅かではあるが元気は戻って来たみたい。

 これなら後半もなんとかなるかな?

 

「美しいお嬢さん方。この私が用意しておいたスポーツドリンクでもいかがかな?」

「「「「……誰?」」」」

「バルログさん?」

 

 なんの脈絡も無く部屋に入って来た、無駄に金髪ロン毛なイケメン野郎。

 この爽やかな笑みに騙されてはいけない。

 こいつは四人の中で唯一の残念野郎だから。

 

「いきなり現れて、何をしに来たんですか? バルログ」

「何とは酷い言い草だな。君が来たというから急いで飛んできたのに」

「うっさいですよ。残念仮面男」

「残念仮面男っ!?」

 

 なんでそこでショックを受けてるんですか? 事実じゃないですか。

 

「えっと……こいつは?」

「彼はバルログ。先程会ったバイソンやサガットと同じ『シャドルー四天王』の一人なのですが、彼だけ特にこれと言った活動をしてないニート野郎です」

「いや、別に私はニートじゃないからねっ!? ちゃんと色々とやってるからねっ!?」

「え? バルログさんってニートなんですか?」

「そう言えば、バルログが何か仕事をしている姿を見た事が無いな」

「さくらちゃん。それからディカープリ。そんなピュアな目でお兄さんの心を容赦なく抉らないでくれるかな? ただでさえガラスのハートな私の心が粉々だよ?」

「な~にが『お兄さん』ですか。1967年生まれの癖に」

「ナイショー! それだけはナイショー!! 昔は若かったの――――――!!」 

 

 派手に涙を流しながら、バルログは早々に去っていった。

 無駄に騒がしくてウザい奴がいなくなって清々しましたけど。

 

「あの通り、四天王で唯一の奇人変人ですけど、根はいい奴ですから。ちゃんと実力もある格闘家ですしね」

「「そ…そうなんだ……」」

「世の中、色んな人がいるんだな~」

「あの人の場合はそれだけで済ませていいのかな……」

「バルログさんって本当に素早いから、まともに攻撃を当てるだけでも一苦労なんだよな~。今の所、あのスピードに追従出来てるのってケンさんだけだし。私ももっと頑張らないと!」

 

 律儀にスポドリだけは置いていってますね。

 あの軟派な部分さえなければ、普通に尊敬も出来るんですけどね。

 仕方ないから、後で礼でも言っておきますか。

 

 




ね? 『ついで』だったでしょ?

ベガちゃまが四天王の癒し系ならば、バルログはギャグ係ですね。
意外と真面目系にバイソンが入っている不思議。

そして、ディカープリはシャドルーの『めぐみん』枠。
勿論、クローンとかじゃなくて普通に血の繋がったキャミィの妹です。


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