我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり!   作:とんこつラーメン

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どうも、こっちではお久し振りです。

随分とお待たせしましたが、どうか言い訳をさせてください。

実は、この作品に対する明らかなアンチがいまして、堂々と批判をしてきたのです。

それが切っ掛けでかなり落ち込んでしまい、この作品に対するモチベーションが激減してしまったんです。

だからと言って更新停止にはしたくは無かったから、他の作品を書きながらモチベーションをなんとか取り戻そうと躍起になってました。

年を跨いで、やっとモチベーションが回復しましたので、これからは少しずつでもいいから更新をしていこうと思ってます。






メイド豪鬼 歳の差を感じる

 全員の一斉攻撃にてノイズを蹴散らす事に成功はするが、まだまだ油断は禁物。

 どこかに伏兵が潜んでいる可能性は否定出来ませんからね。

 

「本部。他にノイズの反応は有りますか?」

『いえ。皆さんが撃破したノイズで最後のようです。少なくとも、周囲100メートル圏内にはノイズの反応は一切ありません。戦闘終了です』

「そうですか……」

 

 通信機から聞こえてきた藤尭さんの声を聞いて、ようやく私達は構えを解いた。

 

「気のせいか、日に日に増してノイズの出現頻度が増してないか?」

「私も同感です。少し前までは、ここまで頻繁に現れることは無かった。それなのに……」

「ここ数年は、最低でも一週間には一回。多い時は二日や三日連続で…なんてのもあるぐらいだしな」

「ノイズの出現パターンに関しては、シャドルーの方でもちゃんとデータ化してるぞ。こっちの分析班も、首を傾げてた」

「なんだか、物騒な世の中になってきちゃいましたね……」

 

 皆さんもぞれぞれに意見を出し合っているが、矢張りこれは、原作に突入したが故の影響が大きいのだろうか。

 『彼女』が本格的に動き出した証拠か、もしくは……。

 

「あ…あの……」

「あ。響さん」

 

 しまった。考え事をして、一瞬だけ本気で彼女の事を忘れてしまった。

 これはメイドとしていけませんね。今後の反省材料にしなくては。

 

「大丈夫でしたか? シンフォギアを纏っているから、怪我などは無いと思いますが……」

「はい。ケガとかはしてません。けど……」

「けど? どうしました?」

「なんか…すっごく場違い感があって……」

「あ~…」

 

 その気持ちはなんとなく理解できる。

 というか、これだけのメンバーが揃っていたら、響さんじゃなくても同じような気持ちになってしまうだろう。

 

「翼さんや奏さんは当然のように凄かったけど、さくらちゃんもあんなにも強かっただなんて……」

「彼女の場合は、気を操ることに関しての天性の才能に加えて、格闘家として抜群のセンスを持ってますからね。あまり同じように考えない方がいいですよ。響さんには響さんの進み方があるのですから」

「そ…そうですよね!」

 

 少しは励ませたかな?

 元々が前向きな性格をしているから、並大抵の事じゃ折れたりはしない。

 その代り、一度でも心が折れた時の落ち込みようは半端じゃないんですけど。

 

「響さん。初めての戦場に立って、どんな感じでしたか?」

「えっと……」

「変に強がったりしなくてもいいですよ。素直な感想を聞かせてください」

「わ…分かりました」

 

 二課のスタッフ達が駆けつけて、撤収準備を進めている中、私は響さんにどうしても聞かなければいけないことがあったので、こうして問い質していた。

 それに気がついた他の皆もこっちに来て、少し離れた場所で話を聞いていた。

 

「……怖かったです」

「怖かった?」

「はい。普通なら触っただけで灰になってしまうノイズに立ち向かう…その事が怖かったです。頭じゃ分ってるんです。今の自分なら少なくとも、ノイズに触って死ぬようなことは無いって。分ってるんですけど……」

「今までの常識が頭から完全には抜け切れない…ですか?」

「……はい。この肌にチクチクするような雰囲気も、なんだか初めてで……足が竦んじゃって……」

 

 ……よかった。

 どうやら、私が最も危惧していた事態には至ってないようです。

 これならば、弦十郎さんも安心するでしょう。

 

「それでいいんですよ」

「ふぇ?」

「いきなり武器を持たされて戦場に立たされれば、怖くて当たり前です。寧ろ、ここで恐怖を覚えるのはいい事です」

「そうなんですか?」

「えぇ」

 

 彼女を少しでも安心させるように、頭を撫でていると、後ろから皆が話に割り込んできた。

 

「立花の気持ちは、ここにいる全員が理解出来ている。私だって、最初は怖かったさ」

「翼さんも……?」

「当然だ。技術は磨いた。覚悟も決めた。それでも、そう簡単に恐怖や緊張を払拭出来る程、人間の心は便利に出来ていない」

 

 その通り。

 それが簡単に出来れば、誰も苦労なんてしません。

 

「まずは体を鍛えつつ、一歩一歩でいいから慣れていけばいいんだよ。お前はあたしと同じガングニールの装者なんだ。気休めかもしれないけどさ、きっと大丈夫さ」

「奏さん……」

 

 どうやら、私の言葉よりも先人の言葉の方が、心に響いたようですね。

 こんな時、同年代の子がいるのは非常に頼りになりますね。

 

「私もね、最初のストリートファイトの時はすっごく緊張したんだ。でも、周りで応援してくれる皆や、追い駆けたい背中がある事を思い出すと、不思議と心が楽になるの」

「さくらちゃん……」

「怖かったり、緊張した時は、私達の事を思い出して。響ちゃんは決して一人じゃないって。どんなに離れてても、心は繋がってるんだって」

「心は繋がってる……うん! そうだね!」

 

 どうやら、この場での私達の出番はここまでみたいですね。

 話している間にスタッフさん達もお仕事を終えたみたいですし。

 

「豪鬼さん。撤収準備が完了しました」

「ありがとうございます。では、帰りましょうか」

 

 ところで、なんで私が現場監督みたいになってるんですか?

 私はあくまでも民間協力者の立場なんですけど?

 

「という訳ですので、我々は本部に戻りますが、皆さんはどうしますか?」

「私は家に帰ります。いきなり飛び出して来ちゃったから……」

「それがいいでしょうね。ご家族にご心配を掛けてはいけませんから。ギースとベガはどうしますか?」

「私も戻らせてもらおう。というか、もうすぐロックを迎えに行く時間だからな」

「あら。もうそんな時間でしたか」

 

 時計とか全く見てなかったから、すっかり時間の感覚が狂っていた。

 となると、タイムセールまであと一時間になるわけか……。

 

「ロックとは誰ですか?」

「私の可愛い息子だ。今年で5歳になり、幼稚園に通っている」

「えぇっ!? あんた、子持ちだったのかっ!?」

「ということは、既婚者……?」

「当然だ。一応、血の繋がらない義理の子供も二人いるがな」

「お…思ったよりも複雑な家庭環境なのですね……私もあまり人の事は言えないけど……」

 

 翼さん。完全に自虐になってますよ。

 そうなんですよね。まさか、『あの二人』がギースといい意味で繋がりを持っていた知った時は、私も本気で驚きました。

 いずれ、本格的に会う事もあるでしょうから、その時を楽しみに待っていましょうか。

 

「私は暇だから一緒についていく……ん?」

 

 突然、ベガのスマホが鳴り出した。

 しれっと、自分のステージの曲を設定してるんですね。

 

「メールだと? 一体誰が……ウヴェアッ!?」

 

 いきなり声にならない悲鳴をあげないでくださいよ。

 割と普通に驚きますから。

 

「い…い…い…」

「い?」

「今から幹部同士での会議が行われるから…とっとと戻って来いって……サガットから……」

「あらら」

 

 それはまた……ご愁傷様。

 

「うぅぅ……帰る……またな……」

「お…おう。仕事、頑張れよな~…」

「うん……」

 

 ……今度、ベガちゃまにお菓子でも差し入れてあげましょうか。

 

「それじゃ、私達も帰りますね」

「また何かあれば、いつでも駆けつけてやる」

 

 手を振りながら、さくらさんとギースも帰路についた。

 

「私達も戻りましょう。戻ったら、まずは弦十郎さんに報告ですね」

「「はい」」

「おう」

 

 帰り道は、私はバイクで帰り、響さん達は揃ってスタッフさん達が乗ってきた車にて帰ることに。

 このバイク、近い内に整備に出さなくちゃな~…。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 あれから数日後。

 今日も今日とて、装者たちは特訓に明け暮れています。

 最近では響さんも積極的に参加するようになっているのですが、まだまだ体が追いついていない様子。

 こればかりは仕方がありませんけどね。

 因みに、ここに来る際の未来さんへの言い訳は『豪鬼さんに鍛えて貰ってくる!』だったらしい。

 それで通じると思う響さんもそうですが、それで普通に納得してしまう未来さんも未来さんですね……。

 類は友を呼ぶ…なんでしょうか。

 

「はい。では、少し休憩をしましょうか」

「は…はい……」

「分かりました」

「りょ~かい」

 

 既にある程度、体が出来上がっているツヴァイウィングのお二人はともかく、まだまだ発展途上にある響さんは息も絶え絶えになりながら返事をした。

 

「はぁ…はぁ……。てっきり…シンフォギアを纏って特訓をすると思ってましたけど……そうじゃないんですね……」

「まぁな。豪鬼が前に言ってたんだ。シンフォギアに頼りきりになるんじゃなくて、素の身体能力を向上させれば、必然的にギアを纏った時にもっと能力が上がるってさ」

「あれは本当に目から鱗だったわね。今までには全く無い発想だった」

「そっか~…成る程な~…」

 

 私が用意しておいたスポドリを飲みながら話している少女達。

 絵にはなりますが、何ともいえない疎外感が……。

 

「そういえば、まだ響さんのガングニールにはアームドギアが展開されていませんでしたね」

「アームドギア?」

「簡単に言うと、ギアごとに存在してる固有の武器みたいなもんだ」

「分かりやすい例だと、私が刀剣類、奏がランスだ」

 

 私だけは響さんのアームドギアの形態を知ってるんですけど、ここで言ってしまっては意味ないですしね。

 こればかりは、響さんが自分で辿り着かなくてはいけない事ですから。

 

「私の場合は……なんなんだろう?」

「櫻井女史によると、アームドギアの発現には装者の心象、つまりは心の有り様が重要になってくるらしい」

「心の有り様って言われてもな~……」

「あたしの場合は、単純にガングニール=槍ってイメージが強かっただけなんだけどな」

「翼さんもそうなんですか?」

「いえ。私の場合は幼い頃から武芸を嗜んでいたから、そのせいじゃないかしら? 自分にとって、最も扱いやすい武器が剣だったから」

「イメージ……扱いやすさ……」

 

 柄にもなく響さんが考え込んでいる。

 こう言ってはなんですが、彼女一人ではいい答えは出せない気がします。

 

「別に焦る必要はないさ。こーゆーのは無理矢理に考えるよりも、自然と頭に思い浮かんだ事がいつの間にか形になってたりするからな」

「かといって、一人で考え込むのもアレだけどね。聞きたい事があるのなら、いつでも聞いてやるぞ」

「ありがとうございます。でも、最初は自分で色々と考えてみようと思います」

「そっか」

「立花がそれを望むのなら、私達からは何も言わない。でも、あまり一人で悩みすぎないようにな」

「はい!」

 

 う~ん…青春ですね~。

 前世の学生時代なんて完全に忘れてるし、豪鬼と言う人物に至っては学校なんて場所とは微塵も接点が有りませんしね。

 見事に話の輪に入れずにいる……。

 

「あの…豪鬼さん?」

「どうしました?」

「リュウさんって、どんな人なんですか?」

「これまた唐突ですね」

「ずっと前から気になってて……」

「そうですか」

 

 リュウがどんな人物か…ねぇ~…。

 複雑そうで、実は単純なんですよね。彼って。

 

「…修行バカ?」

「え?」

「どこまでも只管に上だけを見続けている求道者。例え、目の前にどんな困難が立ち塞がっていても、絶対に諦める事だけはしない男。そして、その拳を通じて、様々な人々と絆を育んできた人間……ですかね?」

「凄いんですね……リュウさんって……」

「そうですね。凄い、凄くないで言えば、間違いなく凄い人物です。ちょっと天然ボケなところもありますけど、基本的には善人ですから。困った人は絶対に放っておけない困った君です。この辺りは響さんとも似てるかもしれませんね」

「そ…そうですかね……」

 

 おや。もしかして照れてる?

 さくらさん。これは、意外なライバルが現れたかもしれませんよ?

 

「リュウさんにも夢ってあるんですか?」

「夢というよりは、目標ならありますね」

「それは?」

「……『真の格闘家』になる事」

「「「真の格闘家?」」」

「そうです。それがなんなのか、何を成せば真の格闘家と呼べるような存在に至れるのか、それは彼本人もよく分ってはいません」

「分らないのに、目指してるんですか?」

「分らないからこそ目指すんですよ」

 

 未だ嘗て、誰も至っていない領域。

 あの『豪鬼』ですら、自分が至っているとは一度も明言をしたことは無い。

 一体何が『真の格闘家』なのか。

 それをハッキリと言える人間は、どこにもいない。

 

「見えないもの、分らないものを目指す…か」

「なんか…すげぇな。あたし達とはスケールが違うや。流石は世界中を又に掛ける格闘家だな」

「そんな人の背中を追い駆けてるんですよね…さくらちゃんは……」

 

 なんだか話し込んでしまいましたね。

 どうやら、私も場の空気に当てられたようです。

 

「はいはい。休憩はここまで。トレーニング再開ですよ」

「「「は~い」」」

 

 この時の私は知らなかった。

 まさか、響さんが原作とは全く違う理由で、原作と全く同じ場所に辿り着くだなんて。彼女が秘めた、意外な可能性に。

 私は……全く至らなかった。

 

 

 

 

 

 

 




久し振りなのに、まさかの5000字越え。

割とマジで夢中になって書いてましたわ。
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