我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり!   作:とんこつラーメン

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(敵サイドの)敗北フラグが立ちまくりなイベントが始まるよ~。

今回、豪鬼の新たなスキルが明らかに?








メイド豪鬼 突っ走る

 一日の準備期間を経て、遂に始まった完全聖遺物『デュランダル』の移送任務。

 時間は明朝五時。

 まだ空がほんのりと暗い時間帯に、二課とシャドルー、ハワード・コネクションが共同して臨む壮大な仕事が幕を開ける。

 そして、短いようで長い任務の始まりでもあった。

 

 まず、私と響さん、それから了子さんとファンさんが一緒の車に乗り、その荷台に厳重に封印処理をしたデュランダルを乗せた。

 その後ろにはギース達が乗るリムジンと、ベガが乗っている車が追走していて、周りには大型の輸送トラックが7台走っている。

 更に、私達の隣には翼さんが運転しているバイクに奏さんが一緒に乗って並走していた。

 

「まさか、豪鬼さんが車の運転まで出来るなんて思わなかったなぁ~」

「豪鬼ちゃんって、本当に芸達者よね~」

「この程度、どうと言う事はありませんよ。メイドとしての嗜みです」

「一度、豪鬼さんの中のメイドがどんなものなのか、じっくりと聞いてみたいですねぇ~」

 

 今の話で分かったと思うが、車を運転しているのは私で、助手席に了子さんが座り、後部座席にファンさんと響さんが乗っている。

 え? 運転免許? 当然、持ってますが何か?

 シャドルー経営の自動車学校で取得しました。

 

「私…リムジンなんて始めて見たかも……」

「普通は、そう滅多にお目に掛かれるものじゃないですよ」

「流石は天下のハワード・コネクションよね。あんなの、日本じゃ絶対に見れないわよ?」

「一応、シャドルーの店でも似たような車種の車は扱っていますよ?」

「お値段は?」

「ご想像にお任せします」

 

 それ、絶対に超高級って事じゃないですか。ヤダー。

 

「あ。ギースさんとベガちゃんが手を振ってる。なんかベガちゃん、すっごく眠たそうしてる」

「本当なら、まだ寝てる時間帯ですからね。眠たいのも仕方がないかと」

「頑張ってるんだな~」

 

 見た目幼女でも、立派なシャドルー総帥ですからね。

 

(ここからじゃよく見えないけど、ギース達が乗っているリムジンの後部座席に見覚えのあるような人影があるような……)

 

 一体誰だろう? 因みに、リムジンを運転してるのはビリーさんです。

 流石に今は煙草は吸って無いようですね。感心感心。

 

 そうそう。先程は言い忘れていましたが、今回の任務には珍しく弦十郎さんも指揮官として参加していて、彼は上空にいるヘリに乗って全体を見渡している。

 

「けれど、どうしてこんなにも沢山のトラックがあるのに、肝心なデュランダルはこの車に乗せてるんですか?」

「あれらの車は、全てダミーですから」

「ダミー?」

「そうよ。まず、この移送任務において邪魔になるであろう存在は、まず間違いなくノイズになる。そして、まだ研究段階だから確証的な言えないんだけど、ノイズたちはまず間違いなく、デュランダル目掛けて襲ってくると予想出来る」

「恐らくではありますが、ノイズたちはデュランダルの持つ強大な力に引かれて群がってくるでしょう」

「はぁ……」

 

 あ。また響さんの顔が『FXで有り金全部溶かす人の顔』になってる。

 

「響さんにも解り易く説明すれば、デュランダルが角砂糖。ノイズを蟻で考えてください」

「あぁ~…成る程? なんとなく分かったような……」

「……まぁ…いいでしょう」

 

 響さんは、格闘技以外にもまだまだ沢山の事を学ばないといけないようですね。

 一度、了子さんに頼んで、ノイズに関する講座でも開いて貰った方がいいかもしれません。

 

「普通ならば、ノイズに対してダミーなんて通用しない。けれど、万が一、私達の把握していない第3の勢力がデュランダルを奪う為に現れる可能性がある。この間の防衛大臣の事件の時のように」

「そんな連中に対する策として、あのように明らかに大事な物を乗せてそうなトラックを何台も用意したわけです」

 

 本当はそれだけじゃないですけどね。

 『彼女』が『杖』を使ってノイズを制御している以上、これは『彼女』に対する牽制でもある。

 これは、密かに私からベガやギースにも話している事だ。

 

「そういえば、幾ら朝早いからと言って、どうしてこんなにも道が空いてるんですか?」

「二課とシャドルーとハワード・コネクションとで、ちょっとした情報操作をしたのですよ、はい」

「情報操作?」

「例の防衛大臣を暗殺した犯人を検挙する為と言う名目で広い範囲で検問を敷いて、その隙に一気に駆け抜けるのよ」

「そして、その駆け抜けるルートは、私と了子さんの二人で考えました」

 

 二人で地図と睨めっこしながらルートを考えるのは苦労しましたが、同時に少しだけ楽しくもありましたね。

 なんだか、普段は見られない了子さんの一面を垣間見た気がします。

 

「豪鬼ちゃんって本当に凄いのよ? この周辺の地理を全て頭の中に叩き込んでたんだから。冗談抜きでナビいらずの女の子よ」

「それもまた、メイドとしての嗜みなので」

「なんか、私の中でのメイド像が徐々に変わっていってる……」

 

 何を仰るのですか。

 これこそがメイドとしての本来あるべき姿なのですよ?

 その辺にのさばっている『なんちゃってメイド』と一緒にしないでください。

 

「弦十朗さん。そちらからは何か見えますか?」

『いや。まだこれといった動きは見られない。順調そのものだ』

「分りました。引き続き、お願いします」

『了解だ。……気を付けてくれ…豪鬼くん……』

「御心配なく。必ず貴方の元に帰ってみせますよ」

『……! そ…そうか! そうだな! 待っているぞ!』

「はい……」

 

 通信終了……って、あれ? なんですか、この甘ったるい空気は……。

 

(なんであの二人って結婚しようとしないのかしら……)

(うわぁ~…ラブラブだぁ~…)

(ふむ……是非とも、式場はシャドルー傘下の場所でしてほしいものですね)

 

 お三方。何を考えているのか丸分りですよ。

 ったく…私と弦十郎さんは、そのような関係じゃないと何度説明をすれば……。

 

「むっ!?」

 

 何気ない話をしていると、突如として前方の橋が倒壊し、全ての車両が緊急停止をした。

 幸いなことに、倒壊に巻き込まれた車両がいないのが救いだった。

 

「弦十郎さん!!」

『こちらでも確認した! まだ原因は分からないが、ノイズの可能性が非常に高い! 警戒を怠らないでくれ!』

「分りました!」

 

 前方の道が塞がれてしまった以上、私達が取るべき行動は……。

 

「こちらです! そこから橋の下の道路に降りられます! そこからは市街地に出られる筈です! ファンさん! 全車両に通信を!」

「承知しました!!」

 

 ファンさんが自前の通信機で連絡をしている間に、私は窓を開けてから隣で停車している翼さんと奏さんにも同じことを伝えた。

 

「…というわけなので、引き続きお願いします」

「承知しました。しかし、早くもこちらの道を防いでくるとは……」

「単純だけど、効果的だよな」

 

 安易に高速道路を使って一気に…というのが拙かったのかもしれません。

 ここは多少の遅延は覚悟の上で、安全策を取るべきでしたね。

 

「ベガ様たちやギース総帥たちにもお伝えしましたよ!」

「ありがとうございます。では…行きますよ!」

 

 アクセルを吹かしてから、道を曲がって高速道路を降りて誰もいない市街地を疾走していく私達。

 だが、そこで突如としてマンホールの蓋が吹き飛んで、空高く舞い上がり落下した蓋がトラックの一台に直撃。

 大きく凹みはしたが、あれ程までに大きな車ならば、走行には全く支障はないだろう。

 しかし、またもや全車両が緊急停止をしてしまった。

 

「マンホールがいきなり……? まさかっ!?」

「そのまさかみたいね…! ノイズは下水道を通って来てるんだわ!」

「えぇっ!?」

 

 これは拙いかもしれない……!

 よもや、下水から襲ってくるだなんて……。

 

「豪鬼さん。心配は無用ですよ。そうですよね? ベガ様」

『その通りだ! こんな時の為に『バイト』を雇ってるんだからな!』

「はい?」

 

 通信越しにベガが自慢げに語ってますが、一体誰をバイトとして呼んだっていうんですか?

 

『お前達! 出番だぞ! 存分に暴れてこい!!』

『おう! ここは任せてくれ!』

『ちょっと狭くて暗くて臭いけど…頑張ります!』

『とっとと終わらせて、熱いシャワーでも浴びたいぜ!』

 

 この声…リュウとさくらさんとケンっ!?

 まさか、ベガが雇ったバイトって、あの三人の事ですかっ!?

 

「ええぇぇぇぇぇっ!? なんであの三人がいるのっ!?」

「彼等こそが今回のバイトです。我々がデュランダルの輸送をする際に襲ってくるであろうノイズの露払いをお願いしました」

「……時給は?」

「危険手当込みで1350円です」

「すごっ!?」

 

 シャドルーだからこそ出来ることかもしれませんね……。

 でも、この状況では非常に頼りになる助っ人です。

 

「マンホールの蓋が飛ばなくなった……って思ったら、また飛んだぁっ!?」

「しかも、今度は蒼い炎と一緒に……。あれってどこかで見たような気が……」

『フッ……バイトを雇ったのは、何もシャドルーだけではないと言う事だ!』

「それって……」

 

 もうなんとなく予想出来ちゃいました。

 

『泣け! 叫べ! そして死ねぇっ!! ハッハッハッハッハッ!!!』

『いや…ノイズは泣きもしなければ叫びもしないと思うのだが…まぁいい。こちらもやらねばな。デモンクレイドル!!』

「やっぱり……」

「この声って…庵さんとデミトリちゃんっ!?」

「あの二人もいたのね……」

 

 庵さん。お願いですから、余りやり過ぎないでくださいね?

 場所によっては自爆しますから。

 

「ま…まぁ…これで取り敢えず、下水道からの奇襲は防げましたね。おや?」

 

 再発進をしようとすると、今度は真正面からノイズの大群が迫ってきた。

 道を物理的に塞いで、進行を妨害しようとしているのだろう。

 

「一難去ってまた一難…ですか。ですが……」

「なんだか、搦め手が通用しなかったから、自棄になって正面から来た感じに見えますね」

「案外、その通りかもしれませんよ?」

「え?」

 

 今の『彼女』の性格ならば十分に有り得そうな気がする。

 響さんの観察眼も侮れませんね。

 

「仕方がありませんね…了子さん」

「何かしら?」

「ここから運転をお願いできますか?」

「それはいいけど…何をする気?」

「いえね。ここからは私が一番槍を務めようと思いまして」

 

 停車している大型トラックの荷台を開けて中に入ると、そこには念の為にと用意しておいた、私の愛用のバイクが固定してあった。

 

「うんしょ…っと」

 

 バイクの固定を外してから、ゆっくりとバックさせて荷台から降ろしていく。

 

「それって…豪鬼ちゃんのバイクっ!?」

「持って来てたんですかっ!?」

「一応。何事にも万全を期すのがメイドですので」

 

 そのまま翼さん達の隣まで行きバイクに跨った。

 案の定、二人も驚いた顔をしていたけど。

 

「はは……流石は豪鬼さん。用意周到ですね」

「それ程でも。ならば翼さん。私が言いたいことも分りますよね?」

「はい! 我々が先行して前方を塞ぐノイズを蹴散らすのですね!」

「正解です。では……」

「共に行きましょう!!」

 

 エンジンを吹かし、マフラーから煙が出る。

 視線を合わせてから頷き、最初から一気に加速する!

 

「豪鬼ちゃん…! 私達も行くわよ!」

「は…はい!」

 

 了子さんも、ちゃんとこちらの意図を理解してくれたようでなによりです。

 気のせいか、ハンドルを握った瞬間に生き生きし始めたような気が……。

 

 バイクを走らせながら、翼さんの後ろでは奏さんがシンフォギアを纏い、いつでも攻撃出来るようにランスを構えていた。

 

「奏さん! 私に合わせてください!!」

「合点だ!!」

 

 奏さんがバイクの上に立ち、私もまた絶妙にバランスを取りながらバイクの上に立って構える。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

 滅 殺 豪 破 動

 

 LAST∞METEOR

 

 私達の一撃が合わさり、相乗効果を生んで眼前のノイズの大群を全て木端微塵に消し飛ばした。

 

「これで道が出来ました!」

「このまま突っ切る!!」

「けど、この先には何があるんだっ!?」

「私の記憶が正しければ、巨大な製薬工場があった筈です!」

 

 製薬工場…か。

 私の予想が正しければ、そこで『彼女』とデュランダルが……。

 

(響さんにデュランダルを握らせるわけにはいかない。原作ならばいざ知らず、今の彼女にどんな影響があるか分からない。最悪の事態だけは絶対に避けなければ……!)

 

 いざとなれば、この身を挺してでも……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、本格的な無双タイム。

勿論、豪鬼だけじゃありません。
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