我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり!   作:とんこつラーメン

39 / 39
物凄くお久し振りです。

お待たせして、本当にすみませんでした。

今回は、主に豪鬼が休む話ですが、ここであの『格ゲー二大ヒロイン』を登場させる予定です。

流石に、このまま彼女達を出さない訳にはいきませんからね。












メイド豪鬼 療養する

「えぇっ!? あの豪鬼さんが倒れたっ!?」

 

 それは、自室にていつものように二人一緒に朝食を食べている時だった。

 ふとしたことで豪鬼の話題になり、響が今の彼女の状態を話してしまったのだ。

 二課やシンフォギアの事は話していないので、ギリギリ大丈夫だった。

 

「うん。お医者さんの話じゃ、過労なんじゃないかって」

「過労…かぁ~…。そうだよね。豪鬼さんって普段から人の数倍は頑張ってるもん。本人も知らず知らずの間に疲れが溜まってても不思議じゃないかも」

 

 響とは別のベクトルで未来も豪鬼の事を深く尊敬していた。

 その姿勢、家事全般を完璧にこなし、気遣いも素晴らしい。

 年上の女性として、一人の女として憧れを抱くのは当然の事だった。

 

「お仕事も少しの間だけ休んで貰う事にしてるみたい。バイトの方はさくらちゃんや庵さん、デミトリさんがフォローするって言ってくれてたし」

「そっか~…なんだか大変だねぇ~…」

 

 モグモグと箸を動かしながら未来は考える。

 普段から豪鬼にはとても世話になっているから、恩返しという訳ではないが、自分も何か出来ないものかと。

 

「そういえば、響って豪鬼さんに特訓を受けてたよね? それも暫くは中止するの?」

「最初は私もそうなるかな~って思ってたんだけど……」

「違うの?」

「うん! 豪鬼さんが休んでいる間、リュウさんやケンさんが特訓に付き合ってくれることになったの!」

「あの人が? それにケンさんって誰?」

「ケン・マスターズって人で、リュウさんの幼馴染でライバルなんだって。小さい頃からずっと仲良しだったらしいよ? まるで私と未来みたいだよね」

「ケン・マスターズっ!?」

 

 本日二度目の大声。

 今日の未来は良く叫ぶ。

 

「あれ? 未来も知ってるの?」

「知ってるも何も! ケン・マスターズさんって言えば、格闘技の事を全く知らない私でも知ってるほどの有名人だよッ!?」

「そ…そうなの?」

「うん! 『マスターズ財団』って所の社長さんで、総合格闘技の全米王者でもあるんだよ! 日本でも何回もニュースが流れてて、私も前に何回か見たことがあるもん。確か、結婚してて子供もいるとかって言ってたっけ……」

「凄い人だとは思ってたけど、そんなにも凄かったんだ……」

 

 響は全く自覚していないが、格闘技に精通している人間達が見れば卒倒するような有名人が彼女の周りに揃っている。

 そんな人々に指導をして貰っている彼女は、ある意味で物凄く幸運と言えた。

 

「昔から響って、あんましニュースとか見てなかったもんね」

「あはは……」

 

 付け加えれば、新聞もあんまり見ない。

 もっと付け加えれば、教科書なんてもっと見ない。

 

「けど、豪鬼さんとその二人って、どんな関係なんだろ? 知り合い…なんだよね?」

「知り合いって言うか…親戚に近いらしいよ? 私もリュウさん達に聞いただけなんだけど、豪鬼さんには歳の離れたお兄さんがいて、そのお兄さんの弟子がリュウさんとケンさんなんだって」

「それはまたなんとも…凄い繋がりだね……」

「世の中って、思っている以上に狭いよね……」

 

 その歳で何をしみじみとしているのか。

 ずず…と味噌汁を飲みながら、未来と響は揃って遠い目をしていた。

 

「ってことは、特訓自体はこれからも続けるんだ?」

「勿論! 折角、リュウさん達が稽古をつけてくれるんだから、これをやらない手は無いよ!」

「まぁ…響なら、そう言うと思ってたけど」

 

 幼馴染にはなんでも御見通しだった。

 

「でも、そっか……」

 

 響は響なりに自分に出来る事を頑張っている。

 ならば、今の自分に出来る事は何だろうか?

 

(放課後に、豪鬼さんのお見舞いにでも行ってみようかな……家の場所なら知ってるし)

 

 早速、放課後の予定が決定した未来だった。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 ……暇ですね。

 弦十郎さんや二課の皆、他にも色んな方々から休むように言われて、こうして自宅療養をしている訳ですが……。

 

(こうして、部屋でジッとしているのは、どうも性に合いませんね)

 

 なんというか…体がうずうずします。

 今すぐにでも外に出て道路に落ちているゴミや落ち葉などを掃除したい。

 けれど、皆さんのご厚意を無下にするような真似はしたくないし……。

 因みに、今の私はメイド服ではなくて普通に部屋着を着ています。

 どんな格好かはご想像にお任せしますが。

 

「…我ながら難儀な性格をしていますね」

 

 私って、こんなにも暇を潰すのが下手だったっけ。

 この部屋には娯楽道具なんてものは殆ど無いし、やる事と言えば部屋を軽く掃除したり、自分の分の食事を作ったり、後は特に興味も無いテレビを見たり、スマホを弄ったりで……。

 

「……ダメだこりゃ」

 

 いつもならば、仕事ししている間に時間なんて過ぎてしまっているのに、今日に限っては一分一秒が物凄く長く感じる……。

 休みを…楽しめない……!

 

「何か…何か本とか有りませんでしたっけ…?」

 

 転生してからの新生活をする際に、色々と必要な物は買い揃えたし、仕事を見つけてからも様々な物を買い揃えてきた。

 私自身が覚えていないだけで、何か買っていたかも……。

 そんな淡い希望を信じ、部屋の中を捜索してみる。

 すると、とある一冊の本を見つけた。

 

【サルでもわかる! メイドとしての心得講座! 上級者編】

 

 ……一体いつの間に、こんな本を購入していたんだろうか。

 全く持って記憶にない。というか……。

 

「とっくの昔に、ンなものは全部習得済みですよーだ」

 

 これでは暇潰しにならない…。

 後、何か読む物と言えば新聞ぐらいしか……。

 

 ピンポーン

 

「おや?」

 

 まだまだ明るい時間帯だというのに、一体誰でしょうか?

 二課の人達…ではないでしょうし、かといって翼さんや奏さんでもないだろう。

 あの二人は仕事の真っ最中の筈だから。

 かといって響さんも有り得ない。学校に行っているから。

 では、トニー…なわけないか。

 じゃあ、シャドルーの誰か? それが一番濃厚な線か。

 もしくはギースさんか、その関係者の誰か。

 後は、格闘家繋がりの誰か。

 兄上だけは絶対に有り得ませんね。

 

「こうして考えると、私の家に訪れる可能性のある人って沢山いるんですね…」

 

 無意識の内に、私も随分と顔が広くなったものだ。

 

「っと、余り待たせては申し訳ありませんね。メイドたる者、すぐに出なくては」

 

 急いで立ち上がってから玄関に向かい、入り口のドアを開く。

 すると、開いたドアの向こうには意外過ぎる人物達の姿があった。

 

「ヤッホ~♪ 倒れたって聞いてたから心配してたけど、思ってたよりは元気そうじゃない」

「はぁ……」

「ま…舞さん? それに春麗(チュンリー)さんも? どうしてお二人がここに……」

 

 不知火舞さんに春麗さん。

 今更、詳しい説明は不要なほどに有名な二人。

 こうして会うのは久し振りだが、どうやってここが分かったのだろうか?

 私の家の場所はまだ教えていない筈だけど……。

 それと、流石に二人とも、いつものような恰好はしておらず、完全な私服に着替えている。

 アレで街中はうろつけないですしねぇ……。

 

「テリーやアンディから聞いたわよ? 相当に無茶をして倒れたんですって?」

「成る程…情報の出所は、あのお二人でしたか……」

 

 それならば納得だ。

 あの兄弟…じゃなくて、今は姉弟か。

 兎に角、あの二人と舞さんは非常に密接な関係ですからね。色んな意味で。

 

「春麗さんは一体どうして日本に?」

「私は単純に仕事よ。出張で偶々、日本に来る用事があったの。んで、休みを貰えたから気分をリフレッシュする為に散歩をしてたら……」

「舞さんに捕まって今に至る…と」

「そゆこと。けど、今となってはこれで良かったって思ってるわ。大切な女性格闘家仲間が倒れたと聞かされれば、お見舞いに行くのは当然だもの」

 

 この人も相変わらずですね。休みの日でも真面目成分が抜けない。

 え? 私も人の事は言えない? そうでしょうか?

 

「ところで、どうやってここを知ったんですか? 舞さんにはまだお教えしてないですよね?」

「ギースママに教えて貰ったの。将来的に、あの人は私の義母になる人だしね。今の内から仲良くしておかないと」

「あぁ~…」

 

 そういや、そうでしたね…。

 まぁ、お二人が結婚の暁には、私も出席ぐらいはしてあげましょうかね。

 

「いつまでも玄関先ではアレですので、どうぞお入りください」

「その言葉を待ってました! んじゃ、お邪魔しま~す」

「お邪魔します」

 

 そんな訳で、舞さんと春麗さんを中に入れてから、真っ直ぐにキッチンへと向かってから茶と茶菓子を出した。

 

「お見舞いに来たのに、逆に気を使わせてごめんなさいね」

「気にしないでください。寧ろ、こうしていた方が落ち着くので」

「貴女も相変わらず、メイド一直線なのね」

「それ程でも」

 

 私にとっては最高の褒め言葉ですよ、舞さん。

 

「にしても、まさか豪鬼ほどの人間が倒れるなんてね。正直、舞から聞かされた時は耳を疑ったわ。これまでに、とんでもない連中と死闘を繰り広げても大丈夫だったのに」

「一体何があったの? アンディ達から軽くは聞かされてるんだけど……」

 

 本来ならば機密事項なのだが、舞さんもKOFで世界の裏側に潜む『真の闇』を知っているので問題無しと判断をしたのだろう。

 それは春麗さんも同様だし、ここで言ってしまっても大丈夫だろう。

 場合によっては、この二人にも協力して貰うかもしれないし。

 

「そうですね。貴女方にならば話してもいいでしょう」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「完全聖遺物デュランダルの移送に……」

「ネフシュタンの鎧を纏った謎の女の子の襲撃…ね」

 

 全てを話していったら長くなってしまうので、要点だけを押さえながら説明をした。

 彼女達ならば、これだけでも十分に理解してくれる筈だ。

 

「シンフォギアや二課の存在については、私も密かに知ってはいたけど……」

「まさか、こっちが知らない間にシャドルーやハワード・コンツェルンも関わっていたなんてね。連絡さえしてくれれば、いつでも協力しに行ったのに」

「あの時は凄くバタバタとしていましたからね。そんな暇は無かったんですよ」

 

 逆に言えば、余裕さえあればもっと増援を要請していましたよ。

 それこそ、自分の知り合いに片っ端から。

 

「しかも、あのトニーまで協力してくれることになるなんて」

「彼の場合も春麗さんと同じで、仕事で来ていたところを偶然にも我々の戦闘を目撃し、救援に来てくれたといった感じらしいです」

「アイアンマン…トニー・スタークね。豪鬼や春麗がアベンジャーズと関わりがあったのは知ってたけど……」

 

 そういえば、前に一度だけ春麗もアベンジャーズにスカウトされてたことがありましたっけ。

 自分には本職があるから無理だと言って断ってましたけど。

 

「もしかして、相当にヤバい事になってる?」

「なってますね。少し前に飛竜さんに仕事を依頼もしましたし」

「彼も動いてるんだ……」

 

 舞さんは忍者仲間として、春麗さんは以前に一緒に行動していた事があったから共通の知り合いとなっている。

 何気に彼も顔が広いですよね……。

 

「そういや、ちょっと小耳に挟んだんだけど……」

「なんですか?」

「豪鬼って…彼氏出来たの?」

「なっ…!?」

 

 か…彼氏ッ!? この私にッ!? なんでっ!?

 

「だ…誰から聞いたんですか?」

「テリーから。なんか、すっごく良い雰囲気だったって聞いてるけど」

「そ…それは……」

 

 つい、あの時の事を思い出す。

 帰り際、弦十郎さんに抱きしめられた時の事を。

 

(顔がめっちゃ赤くなってる)

(こりゃマジだわ)

(っていうか……)

((何この可愛い生き物))

 

 こ…このままではダメだ! なんとかして話題を逸らさないと!

 えっと…何かいい話は……。

 

「そっか~…あの豪鬼にも遂に春が訪れたか~…。後でユリちゃんやキングにも知らせておかないと」

「や…止めてください! 確かに、弦十郎さんとはその…人並み以上に仲がいいのは認めますが、彼氏彼女の関係かと言われれば…その…ごにょごにょ……」

「恋する乙女の顔で言われても、説得力皆無よ」

「うぐ……!」

 

 完全に雰囲気が女子会になっている…!

 なんで、どうしてこうなった…?

 

「ま…舞さんはテリーさんが女性になってしまった事を知ってたんですか?」

「そりゃ知ってるわよ。なんたって、あいつに女性用の下着を買いに行かせたのは私だもの」

「彼…相当に困ってたでしょうねぇ……。庵やデミトリも同じ目に遭ったって言うし……」

「しかも、三人揃って可愛いのよね。普段は筋骨隆々な感じなのに、絶対におかしいでしょ」

 

 よ…よし! なんとかして話題を逸らす事に成功した!

 これで、私に苦手な雰囲気から脱却できた…。

 

 ピンポーン

 

「「「ん?」」」

 

 またもや、お客さんですか?

 なんて見せかけて、実は単なる宅配便だったりして……。

 取り敢えず、まずはドアを開けてみますか。

 

「どなたですか~…って?」

「こんにちは、豪鬼さん。響から倒れたって聞いて、お見舞いに来ました」

「未来さん……」

 

 今度は未来さんですか。

 今日は本当に意外な客が来る日ですね。

 時計を見てみたら、とっくに放課後の時間帯に。

 これならば、彼女が来れるのも納得ですね。

 

「あれ? 見慣れない靴が…お客さんですか?」

「気にしなくても大丈夫ですよ。さぁ、入ってください」

「じゃ…じゃあ…お邪魔します」

 

 こうして未来さんを部屋に入れるのは久し振りですね。

 最近は色々と忙しくて、会う機会すら少なくなってきてましたから。

 

「あら? その子は?」

「小日向未来さんといって、私の…そうですね。友達です」

「わ…私が豪鬼さんの友達…友達……うふふ…♪」

 

 おや? 妥当な言い方をしただけなのですが、未来さんは嬉しそうにしてますね。

 何かあったのでしょうか?

 

「は…初めまして。小日向未来です」

「初めまして。不知火舞よ。豪鬼とは…私達も友達になるのかしら?」

「そうじゃない? 私は春麗よ。よろしくね」

「よ…よろしくお願いします」

 

 二人とも、コミュ力は高い方ですから、すぐに未来さんとも仲良くなれるでしょう。

 しかし、こうしてみると意外な取り合わせですね。

 

(さ…流石は豪鬼さんのお友達…! 二人とも、すっごい美人だよ~…。類は友を呼ぶって本当だったんだ……)

 

 今度は未来さんが遠い目をしてるし。

 前にも似たような事がありませんでしたっけ?

 

「まずは座ってください。今、お茶を出しますから」

「て…手伝います!」

「大丈夫ですよ。未来さんはお客様なんですから、お二人と一緒に座っててくださいな」

「その方が本人も落ち着くらしいわよ? それよりも、さっきの話の続きをしましょうよ~」

「豪鬼に彼氏が出来たって話?」

「ご…豪鬼さんに彼氏ッ!?」

「まだ終わってなかったんですかっ!?」

 

 流石は舞さん……そう簡単には終わらせないつもりですね…!

 

 結局、その後も女子会のような感じになり、気付けば未来さんは二人とすっかり打ち解けて仲良くなっていましたとさ。

 …お見舞いってなんでしたっけ?

 

 

 

 

 

 

 




やっと登場の春麗&舞コンビ。

彼女達だけは外せませんからね~。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。