我が名は豪鬼! メイドを極めし者なり! 作:とんこつラーメン
今回ですが、もうまんまですね。
ついでに、しれっと人気がある『あの娘』をゲストとして登場させようと思います。
それと、やっと私の中でメイド豪鬼のイメージCVが決定しました。
メインキャラのイメージCVを書いておきますので、皆様の脳内再生に役立ててください。
メイド豪鬼:CV川澄綾子
ベガちゃま:CV釘宮理恵
ギース夫人:CV田中敦子
私が二課に協力する事が確定した次の日。
チーフに頼んで少しだけ早くバイトを上がらせて貰った私は、約束通りに奏さんに案内して貰って、翼さんが寝泊まりしている部屋へと案内して貰った。
「到着。ここだよ」
「ほうほう」
「あの……豪鬼さん」
「どうしました?」
完全に青ざめた顔でこっちを見てくる翼さん。
一体何をそんなに怖がっているのでしょうかね?
「ほ…本当にするのですか?」
「当然です。メイドとして、これから共に戦う同志として、部屋が汚くなっている状況は決して見過ごせません」
「うぐ……! そんな風に言われると、ぐうの音も出ない……」
「あははは! 翼、ここは潔く諦めなって。あたしも手伝ってやるからさ」
「奏……他人事だからって楽しんでない?」
「まさか。そんな事ないって」
いつ見ても、この二人は仲がいいのですね。
まるで、『あの二人』を見ているようです。
「ならよぉ……一番の部外者であるあたしはソッコーで帰ってもいいよなぁ~?」
「ダメです」
「んだとゴラァッ!!」
紫な服を着たおかっぱヘアーな女性が私の隣で喚き散らす。
今更、この程度ではビクともしないんですけど。
「んで、この人は誰?」
「私もずっと気になってた。豪鬼さんが連れてこられたのですか?」
「はい。彼女は『ハン・ジュリ』さんと言って、少し素行は悪いですが、これでも立派なテコンドーの選手なのです。因みに韓国出身です」
「チッ……! なんであたしがこんな目に……」
「運命だと思って諦めてください」
「ふざけんな!!」
本当に、何をそんなに怒っているのででしょうか?
全く訳が分かりません。
「テコンドー……」
「聞いた事あるような無いような……」
「まぁ……日本ではあまり聞いた事ないだろうな」
「その……ジュリさんはどうしてここに?」
「あぁ……それな。この野郎……あたしが次の試合に向けてトレーニングをしていた時にいきなりやって来てよ……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「失礼します」
「んぁ? なんだぁ?」
とか言いながらジムの入り口から入ってきたと思った瞬間……。
「一瞬千撃!!!!!」
「ぬあぁああぁああぁぁぁあぁぁぁっ!!?」
天
「よいしょっと。では、私はこれにて」
「「「「「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」」」」」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「……とまぁ、要は気絶させられたうえで強制連行されちまったって訳だ」
「「うわぁ……」」
ちょっと。なんでそこでドン引きするんですか。
「今まで以上に自分を苛め抜いて、今度こそはキムの野郎をぶっ飛ばしてやろうと思ってたのによ!」
「キム? 誰だそれ?」
「キム・カッファン。現在、韓国最強と目されているテコンドー使いで、正義の力で普通に空を飛ぶ事が出来る二人のお子さんを持つ笑顔の素敵なパパさんです」
「……あの~……いまの説明の後半部分におかしかったような……」
「今……空を飛ぶって言った? しかも正義の力で?」
「はい。そこまで気にする事でもないでしょう? ベガだって空ぐらいは飛べますし、その気になれば人間、なんだって出来ますよ」
「「んなわけねぇだろっ!?」」
「それは流石に……」
「ま、実際に見れば分かりますよ。さて、無駄話はここまでにして、早く掃除を始めますよ。最低でも、夜までには終わらせたいですしね」
「ちょ……マジであたしもすんのかよっ!?」
「嫌なんですか?」
「当たり前だ!!」
「そうですか……仕方がありませんね。これだけは使いたくなかったのですが……」
前にスマホで撮ったいい写真が~……あった。これだ。
「もしも掃除を手伝ってくれたら、この間ゲームセンターで撮影した『UFOキャッチャーでベガちゃまぬいぐるみをゲットして、それをギュッと抱きしめながら可愛らしく笑っているジュリさんの写真』の一般公開を阻止できるのですが……」
「あああああああああああああああああ!!!!! なんつーもんを撮ってやがる!!!! 今すぐ消せぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
おやおや。面白いぐらいに顔を真っ赤にして取り乱すとは。
これまたレアな光景を見れましたね。
「そうですね~。もしも、どこかの誰かさんが掃除を手伝ってくれたら、この写真も消えるかもしれませんね~」
「うぐぐ……わ~ったよ! 手伝えばいいんだろ! 手伝えば!!」
「おぉ~。手伝ってくれるのですね。流石はジュリさんです」
「この女……! いつか絶対に痛い目に遭わせてやる……!」
その日を楽しみに待ってますよ。ジュリさん。
「えぐい……」
「豪鬼さんとは、このような人物だったのか……」
「メイドは目的の為ならば手段を選ばないのです」
「お前は一度でいいから辞書でメイドって単語を調べてこい。そして、世界中のメイドに土下座して謝れ」
あらら。どこかで可愛いテコンドー使いの女の子が何か言ってますね~。
「さて、これで全ての準備は整いました。後はもう乗り込むだけです」
「なんか、今から魔王の城に挑むみたいな言い方だな……」
「ある意味、翼の部屋は魔王の城に匹敵するかもな~」
「今の私に味方はいないのか……」
翼さんがポケットから鍵を取り出して、部屋の鍵を開けてから扉を開ける。
ゆっくりと開かれた扉の先にあった光景とは……!
「「こ……これはっ!?」」
私達の眼前に広がっていたのは、文字通りの汚い部屋と書いて『汚部屋』でした。
余りにも酷い光景なので、取り敢えずはここに書き出せるものだけをチョイスしてからお伝えしようと思います。
「おいおい……どんだけゴミ袋を溜めてんだよ……」
「うわっ! この座布団から謎の液体が染み出したぞ!」
「痛っ!? なんか踏んだ……って、なんでんな場所に電池が転がってんだ?」
「ほ…埃が山になってる……」
「お…おいっ!? ここに蜘蛛の巣があるんだけどっ!?」
「蚊取り線香が何個も置いてある……。これ、もしかして連鎖するように設置してあるのか?」
「洗濯物で山脈が出来てるぞ……」
まだまだ沢山ありますが、今の所はこんなもんでしょうか。
しかし、これはまた酷過ぎますね……!
「ご…豪鬼さん……?」
「はぁ……。もう説教するのも馬鹿馬鹿しいです。兎にも角にも、まずはこの部屋を片付けましょう。全てはそれからです」
「おし! んじゃやるか! ……強敵だけど」
「これは……同じ女として普通にドン引きだぜ……」
「ぐはぁっ!?」
なにやら翼さんが血反吐を吐いてダメージを受けてますが、無視して掃除を始めましょう。
掃除の様子を詳細に書いていったらキリが無いので、ここは私達のセリフによるダイジェストでお送りします。
皆さんだって、汚い物は見たくはないでしょう?
「あ。その前に1カメさんにモザイク処理です。奏さん」
「はいよ。ペタペタってな」
「私の部屋ってそんなに酷いのっ!?」
「自覚無いのかよ……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「まずは、こっちに燃えるごみを入れて、こっちの袋には燃えないごみをお願いします」
「了解だ!」
「はいよ」
「しょ…承知しました!」
「にしても、いつもこれだけの惨劇を緒川さんは一人でなんとかしてるのかよ……なんか普通にスゲーな。マジで尊敬するわ」
「なんだ、このアンティークなランプ……って、これキノコじゃねぇかっ! なんでラーメンのドンブリに発生してんだっ!?」
「あ……それはいつか何かに使えるかもと思って取っておいて……」
「没収!!」
「う……!」
「こいつ……俗に言う『片付けられない女』って奴か。ズボラって言葉すら生温いな」
「キッチンも酷い有様だな……」
「おい、お前って料理は出来んのか?」
「い…一応……人並みには……」
「けど、翼の場合はそれでストップしてるんだよな。料理をした後がダメダメっていうか……」
「論外です!! いいですかっ!? 料理も遠足も同じように、下拵えから始まり、調理してからキチンと片付けるまでが『料理』なのです!! その一番肝心な部分を怠るとは言語道断!! 仮にも防人を名乗るのであれば、最後の最後までちゃんとしなさい!!」
「は…はい! 申し訳ありませんでした!!」
「謝罪は後です! まずはこのキッチンを綺麗に掃除しなさい!」
「承知!!」
「完全にマジモードになってやがる……」
「まだ短い付き合いのあたしにも分かる……。今のあの人には絶対に逆らっちゃいけないって……」
「同感。つーか、地味に用意いいよなアイツも。ちゃんと人数分のゴム手袋とマスクを用意してたし」
「スカートの中から出したのには驚いたけど」
「……少しだけ見えてたしな」
「そこ! 口ではなくて手を動かす!!」
「「は…はい!」」
「いいですか? 散らかった服は全てこの籠に入れてから洗濯機の近くに置いておいてください。後で私が洗いますから」
「分かったよ」
「ある意味、嫁としては完璧かもしれないな……」
「テレビは、この専用のウェットティッシュを使ってください。パソコンのディスプレイも同様です」
「こんなもんがあるんだな~。知らなかった」
「この座布団はどうする? さっきから謎の液体がポタポタと落ちてるけど」
「それもちゃんと洗いますから、服と一緒に置いておいてください」
「ほ~い」
「きゃぁぁぁっ!? ジ……Gが出たぁぁっ!!」
「ど…どこだっ!? と…飛んでるぅぅっ!?」
「ゴ…ゴキジェットはどこだっ!?」
「そんな物は必要ありません」
「「は?」」
「滅殺!! ほらね?」
「「す…すげ~……」」
「ご…豪鬼さん! お皿を洗ったのはいいのですが、なんでか棚に入りません!」
「入れ方が悪いんです。ほら、こうして重ねれば……」
「おぉぉ……! このようなやり方があるとは……!」
「これ……マジで夜までに終わるのかよ……」
「わかんね……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
チ~ン……
そんな効果音が聞こえてきそうな程に、奏さんと翼さんとジュリさんは疲れ切っていました。
かなりの強行軍で頑張った結果、辛うじて今日中に掃除を終わらせることが出来ました。
「これが……本当に私の部屋なのか……? この目で見ても信じられん……」
「頑張ったよな~…あたし達……」
「うん……間違いなく、今年で一番頑張った……」
ちょ…ちょっと? 奏さんとジュリさんの口から魂が抜けかけてるんですけど?
この二人、本当に大丈夫ですか?
「あはは……あたしも今度からは、もう少し本気で掃除しようかね……」
「アタシもだ……。じゃないと、世界一おっかないメイドがやって来るかもしれないしな……」
何か言いました? 私の悪口が聞こえたような気がしますけど……空耳ですかね?
「本当にありがとうございます! この風鳴翼、もう二度とあのような失態を犯さず、この状態を維持出来るように誠心誠意、努めていきたいと思います!」
「その意気です。私が教えた事を忘れてはいけませんよ?」
「はい!」
なんと言う事でしょう。
あの踏み場は愚か、映す光景すら無かった部屋が生まれ変わったかのように綺麗になっているじゃありませんか。
木製のフローリングはピカピカに磨かれ、鏡のように顔が映ります。
キッチンもお風呂場もまるで新品のような美しさを取り戻し、埃で外が見えなかった窓ガラスもほら、今では綺麗な夜景を見せてくれています。
洗濯物は全て洗って、今は順番に乾燥機にかけて、乾いた物から畳んでクローゼットに。
「久々にいい仕事をしました……感無量です……♡」
「すっげーいい笑顔……」
「あんだけの
「全くもってそう思うよ……」
こうして、前代未聞の大掃除を終えた私達は、深夜一歩手前ぐらいの時刻にようやく解散出来たのでしたとさ。
次の日、奏さんとジュリさんはお昼近くまで泥のように眠っていて、逆に翼さんは部屋が綺麗になったお蔭で元気一杯だったとかなんとか。
私? 私は普通に朝の掃除とバイトに行きましたけど?
メイドたる者、この程度でダウンなんてしてられませんから。
今回のゲストはジュリちゃんでした。
キャラとしてはかなり新しいですが、人気はありますからね。
性格的にも扱いやすそうです。