「イクス!!」
「………」
「いきなり大声出すなよ……」
「俺……昔、『鏡士』の術を使おうとして、事故を起こしたことがあるんです。溢れた力を、上手く制御出来なくて……」
「……それで、『鏡士』の道を断ったのか」
「でもさ……それってもしかして」
「ああ、裏を返せば潜在的に、強大な力を持ち合わせているという証左でもある」
「結局、上手く出来なかったわけですから……それで周りの大人たちにも、ミリーナにも迷惑をかけてしまったし」
「そんなこと……」
「そんな———そんな俺でも、手伝えますか、その任務?」
「!!……イクス……」
「『鏡士』の才は、血統に依存する。両親が『鏡士』であり、『魔鏡』を持つお前には充分にその才覚があるだろう。修練の有無で、私の気持ちは変わらぬ。是非、この任を受けてもらいたい。
「わかりました」
「良いの?イクス、『鏡士』の力嫌だって……」
「
「へ?……イクス?」
「!!!」
「なんか知らないけど、たまに知らない女の子が夢に出てくることがあるんだ……今の言葉も……」
「その女の子が言っていた言葉か?」
「そうなんだよ、コウスケ。その女の子のことを考えると、妙に懐かしい感じがするんだ……不思議だよな」
「(なあ、これはどういうことなんだ?ニーベル……そもそもこの『ティルナノーグ』という世界を創造した『神族』は誰なんだ?)」
「(………そ、それは)」
「(どうした?)」
「(『ティルナノーグ』という世界を創造したのは、ダーナという
「(……………じゃあ、ダーナという『神族』が創造した『概念世界』が『ティルナノーグ』というわけか)」
「(うっ、…………そ、そうよ。流石、私の認めたひとね)」
「(…………愛してるよ、ニーベル。たとえ、この先何があったとしてもこの気持ちだけは変わらないから)」
「(………………………ありがとう、コウスケ)」
ニーベルとの〔念話〕も適当に、コウスケは話の続きを聞くことにした。
「ミリーナ1人で、危険な任務をしなきゃいけないなんてのも嫌だから———だから、俺やってみるよ」
「イクス……ありがとう。私、イクスがそう決めたなら絶対やれるって思うよ」
「そうだといいな。自信は全然ないけど、ミリーナとコウスケが一緒ならなんとかなる気がしてきた」
「『鏡士』のことだったら、なんでも聞いてね。ほら、私ちょっとだけ先輩だし」
「元々、その為にこの世界にやってきたからな……任せろ。あなたたちは、絶対に俺が守る!」
「ありがとな。宜しく頼むよ。ミリーナ、コウスケ」
「改めて、私からも礼を。ありがとう。お前たちの旅に、最大限の支援を約束しよう。では、イクスとミリーナ。この機械に触れるのだ。この『カレイドスコープ』が、お前たちの『魔鏡』の力を増幅させてくれる。維持する為のエネルギーは……『アイギス』を修復し、
「『概念世界』や『並行世界』からそのエネルギーをいただくということか……」
「そういうことだ。さぁ、始めるぞ。『アイギス』を癒すエネルギー、『アニマ』に満ちた異世界の具現化を!」
———数日後、セールンド近郊———
「いよいよ、出発か。準備は大丈夫か、ミリーナ?」
「うん、ばっちりよ」
「それじゃあ、準備が本当に万全か、確認だ。「イクス、ストップだ」へ?なんで?」
「何回目だよお前のその確認……人間死ぬときは死ぬんだ。慎重なのはいいことだが、慎重過ぎるのもどうかと思うぞ」
「ごめん……」
「それよりかさっさと行くぞ。具現化した異世界へ」
「そうだな」
「そうね」
「おーい。お前ら、そろそろ行くぞー。急げよー!」
「ガロウズさんも呼んでますよ。それでは旅に参りましょうか!」
彼女は、カーリャ。『鏡精』だ。
「(でも、なんでだ!なんで、俺はこんなにも『
「よし。やってみるか!」
「うん!一緒に頑張ろう!」
「それじゃあ、行こう。まず、『はじめの鏡映点』の場所へ!」
こうして、3人は飛空艇『ケリュケイオン』に乗り込んだ。