この世界に置いて、人気ヒーローと呼ばれる人たちは総じて火力お化けである。そんな脳筋主義はウチのパパンも同じで、今日もなにやら企んでいるようだ。と言うかなんだその甲冑。
「お、気付いたか。これはなこうそ……トレーニングウェアだ」
今、拘束具って言おうとしたよね!?
「嫌だ!絶対イヤだ!なんだそれそんなの着て外走るなんて絶対イヤだよ!恥ずかしいっ!」
あらーやだあの子全身甲冑なんか着て、特殊な厨二病かしら……とか近所の人に言われてしまう!
「恥ずかしい……だと?お前それミッドナイトに対して言えるの?」
「……っ!」
言えないっ!絶対に言えない!あの年であの衣装着てる人に比べたら甲冑なんて億倍マシだ!
「分かったか?さぁ、着るんだ」
「着てしまった」
そのまま押しきられちゃったよ。
「てか重っ、見た目以上に重いっ!え、なに!?鉛でもはいってるの!?」
「言っただろ?トレーニングウェアだと。それはな、お前の脳波を読み取り、お前が力を掛けようとしている方向とは
「な、なんのために……こんな……!」
て言うか誰が作ったんだよ!こんな訳の分からない物!
「何のために?それはお前、この前手合わせした時に全然勝てなかったからさ!」
なんだこのおっさん!実の息子に負けたからって大人げないぞ!
「という訳で、まずは走り込みから行くぞ!」
「まっ!」
「ふははは!置いてくぞぉぉぉぉ!」
くそぉぉぉぉぉぉ!あ、動いた!
「おぉぉぉぉぉぉ!まてやああああ!」
そんなこんなで月日は流れ、トレーニングウェアを着て過ごすことが日常になった頃、兄貴が高校受験のシーズンを迎えていた。
「俺は士傑に行こうと思う」
「はぁ?兄貴なら雄英でも余裕だろ?」
「まぁな」
「なら何でさ」
「俺はお前に勝ちたいんだ」
「余計に分からなくなったけど?てか、今まで兄貴に勝ったこと無いじゃん」
「俺の個性を忘れたのか?
何て暴論!しかし、それがウチの兄貴だ。兄貴の個性では勝利への道筋が見える。勝ち続けるルートとなるとかなり絞られ、兄貴の高いプライドが許すルートともなると、それしかルートが無かったのだろう。
「兄貴、
「あぁ?一度負けたら終わるじゃねえか!誰がんなもんになるかよ!」
「よかった。てっきりヒーロー対
「だから言ってんじゃねえか、勝ち続ける事にこそ意味があるってな。負けたら終わりの
フハハハハ!と笑う兄貴は非常に楽しそうだった。それから数ヶ月後、兄貴は士傑の試験に合格し旅立っていった。
さて、それからの俺はと言うと、日々強化が重ねられるトレーニングウェアを着たままの生活を送っている。近所や学校の人には「あ、そういう個性なんだ」と受け入れられている。受け入れるな、それは俺の個性じゃない。誰かとめてくれ。
やはりパパンが元ヒーローだと止めにくいのか?まぁ、別に重いだけだから良いけど。(感覚麻痺)
夏休み等、長期休暇の際には山に叩き込まれてサバイバルしたり、廃墟に叩き込まれてサバイバルしたり、無人島に叩き込まれてサバイバルしたり、砂漠に叩き込まれてサバイバルしたりしていた。サバイバルし過ぎぃ!生ミミズはもう勘弁、有り難うベア・○リルス、あなたのサバイバルガイドが無ければ死んでいた。
そして……
「ここが、雄英高校か……」
雄英高校実技試験の当日を迎える!