戦国乱世を現代兵器チートが行く。   作:トマホーク

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お互いに自己紹介を済ました所で和也が雪を黒羽城に送って行くことになった。

 

「悪いのぅ、城まで送ってもらって」

 

「送るのはいいんだが……何故手を繋ぐ?」

 

逃がさないとばかりに雪に握られている自分の右手を見つつ和也が言った。

 

「ん〜?ムフフッ、気分じゃ!!それにお主が妾からはぐれたら事じゃろ」

 

今にも鼻歌を歌い出しそうなほどご機嫌な雪はいたずらっ子のような笑みを浮かべ和也に返事を返す。

 

「そうか。いろいろ聞きたいことがあるんだが……ちょっと聞いていいか?」

 

雪の言葉に敢えて突っ込まず流した和也は雪に問い掛けた。

 

「なんじゃ?」

 

黒羽城までの道中、和也は雪から聞けるだけ情報を集め始めた。

 

……定款15年か……聞いたことない年号だな。この世界、戦国時代のパラレルワールドっていう話だが……俺の知る歴史とは流れが全く違うみたいだな。

 

だけど有名どころの戦国武将はちゃんといるみたいだし……みんな女らしいけど……。

 

あーもう、よく分からん世界だな!!

 

和也は雪から聞くことの出来た情報を頭の中で整理していたが、最後は整理するのを諦めた。

 

「くふふっ」

 

「……どうした?」

 

和也が情報の整理を諦めて頭をガシガシと掻いていると雪が隣で小さく笑った。

 

「ん?なに……人とこんなにも長く喋ったのが久しぶりじゃったものでな、楽しいて楽しいて、つい笑ってしもうた」

 

「……それは……どういう」

 

悲しげな表情を浮かべ呟いた雪の意味深な言葉に眉を潜めた和也が雪に真意を問い質そうとした時、馬の走る音が聞こえ次いで和也と雪の前に馬に跨がり鎧兜を身に纏った武士が現れた。

 

「……もう……終いかの……和也、お主との話は楽しかったぞ」

 

……なんだ?嬉しそうじゃないな。

 

迎えとおぼしき武士が現れたにも関わらず、何故か残念そうに雪が呟く。

 

「姫様、ご無事でしたか!!」

 

「お急ぎ下さい姫様!!奴らに気付かれてしまいました!!奴らが――鬼達が迫っております!!」

 

武士は雪の姿を見るなり慌てた様子でそう叫んだ。

 

「……はい、分かりました」

 

なっ!?一体どうした?

 

あらゆる感情が抜け落ちてしまったような単調な声でしかも和也と喋っていた時とはガラリと口調を変え、まるで人形のように雪は答えた。

 

「姫様、こやつは?」

 

腫れ物を扱うように雪を馬上に引き上げようとした武士がようやく和也の存在に気が付いた。

 

「妖怪から私を救ってくれた命の恩人です」

 

「……そうでありましたか。そういう事なら城にお連れ致しましょう、ここも危ないですから」

 

「っ!?は、はい……」

 

雪は和也を城に連れていくという提案に悩む素振りを見せたが、最後には武士の言葉に頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

あれよあれよという間に成り行きに任せて黒羽城に連れて来られ、雪と一緒の部屋――唯一、外の様子が見える窓に嵌められた鉄格子や部屋のいたるところにお札がベタベタと貼られ何かを寄せ付けないようにしている牢獄――に押し込められた和也が口を開く。

 

「……聞いてもいいか?」

 

「っ……お主が聞きたいことは大体分かっておる」

 

和也の問いかけに雪はビクッと体を震わせおずおずと語りだした。

 

「妾がこんな扱いを受けているのには理由があるのじゃ……妾には……妖を引き寄せる妙な力が備わっておる」

 

「……」

 

「恐らく先祖返りが原因だと陰陽師や呪術士の連中が言っておったが……。とにかく妾は妖に狙われておるのじゃ。ほれ、和也と出会った時も蟲の妖に襲われておったであろう?」

 

「……」

 

「グスッ……こんな……呪われた体のせいで……皆にも……父様にも嫌われ……ッ……妾はこの薄暗い部屋の中で……1人で暮らさねばならなかったのじゃ」

 

時折涙を溢しながら雪が続ける。

 

「グスッ……すまぬ……変な話を聞かせてしもうた。っ!?ほれ、もう行くがよい。鬼共が来たということはいよいよ妾も終いじゃ。死ぬのが恐ろしいてお主を思わずここに連れて来てしまったが、妾の巻き添えになることはない」

 

悲鳴や何かが破壊されるような音が聞こえ城内が一気に騒がしくなったのが聞こえ、鬼共が城内に侵入した事を悟った雪が真っ青な顔で和也に早く立ち去れと促す。

 

「……そうだな」

 

「そうじゃ、早よう行かねば鬼の餌食となるぞ。急ぐのじゃぞ!!」

 

念を押すように和也を急かす雪。

 

「それじゃ――」

 

「グヘへ、見つけたぞ!!」

 

「ひぅ!?」

 

和也の言葉を遮るように部屋の障子が鬼によって開かれた。

 

元から赤い地肌に城にいた兵士の血を浴びて更に真っ赤になった鬼が妖怪の侵入を阻む筈のお札をいとも簡単に引き裂き障子を開け雪を見て、嬉しそうに口を三日月形に歪めた瞬間。

 

「――鬼退治といこうか!!」

 

ズドン!!という音が響き鬼がぶっ飛んだ。

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