ガンダムビルドファイターズ NEXT 作:よなみん/こなみん
投稿遅くなりました。少し短いです
―――――
学校に久しぶりに来た一翔。彼を待ち受けていたのは新たな戦いだったが、そこに予期せぬ侵入者が現れる。
「え?あ、あれって・・・」
突然現れた一翔と同じ“男の”乱入者に香澄たちは驚いていたが、その隣でラルさんは1人汗を流していた。
フォビドゥンと一翔は発したが、正確には違った。
両肩にあるシールドのようなものと、手に持っている鎌のようなものを見ればフォビドゥンだと分かる。だが、装備は予想してたより増築されていた。
背中には同じシリーズのガンダム、カラミティガンダムの2連装高エネルギー長射程ビーム砲“シュラーク”。
足のパーツも、スラスターが増量されていたり、肩のシールドにはレイダーガンダムのクローが搭載されていた。
「む・・・や、やはりそうか!」
「何がですか?」
「たえくん。そして皆。彼は・・・今年のガンプラ世界大会出場者、
フォビドゥンと呼ばれたガンダムはそれに答えるかのようにモノアイを光らせる。華楓と呼ばれた少年は静かに操縦桿を握りしめる。
「現役の最強の高校生・・・人呼んで、禁忌の死神」
「禁忌の・・・」
「死神・・・」
◇
「なんで?どうして・・・」
「いやいや。このまま負けなんて折角この場に来てくれたギャラリーに申し訳がないだろう?だからだよ」
ニーズヘグの先、槍のような部分をスローネに向けて、フォビドゥンは突撃の構えをとる。スローネも、GNアームビームガンを向けながらそれに対する構えをしていた。
「・・・いいですよ。俺も・・・あなたとお手合わせしたかったですから」
「ありがとう・・・そして!さよならだ!」
その言葉を合図に両肩にあるシールドを正面に展開し、スローネへと突撃してくる。スローネはGNアームビームガンを放つが、そのシールドはビームを無力化する。
いや、よく見れば無力化・・・というより、“”曲がった”というのかもしれない。だが、その現象は今の一翔には十分な絶望を与えた。
「ビームが・・・曲がった!?」
急いで機体を後退させようとするが、途中で伸びてきたレイダーのクローに捕まり、そのまま肩のシールドをあっさりと落とされてしまう。
さらにフォビドゥンは機体を旋回させ、ニーズヘグを一閃させる。気づいたのか一翔は機体を後退させたが、少し遅く、コックピット辺りに傷が入ってしまう。
「ぐっ!?つ、強い!」
「燃えろ・・・!」
さらに槍のような部分で突かれ、機体は峡谷の岩壁に押し付けられる。一翔はそこから機体をズラし、飛んできたフォビドゥンの攻撃をかわす。
GNアームビームガンを撃ち続ける。しかし、そのビームは全てかわされるか曲げられ無力化されてしまう。
その直後、スローネの腕をギリギリにニーズヘグの鎌の先が当たる。僅かだが、腕に傷がついてしまう。
一翔は右手のスロットを素早く動かし、そのまま右手にGNバスターソードを装備する。フォビドゥンは機体の距離を取り、鎌を改めて構える。
「燃え上がれっ!ガンプラぁぁっ!」
下から振り下ろされた鎌が迫ってくる。一翔は抜き取ったバスターソードを対抗して振り下ろす。しかし片手で振り下ろされたバスターソードは両手で迫ってくる鎌を抑えることは出来ず、大剣は吹き飛ばされ、後ろに大きく飛んでいく。
バックパック内蔵のレールガン、エクツァーンをスローネの足下を目掛けて撃ち、煙を発生させる。一翔は急いで機体を後退させるが、フォビドゥンの移動能力は予想より高く、急いで後退させる前には既に煙を通過して姿を表していた。
「速いっ!?」
そのままの勢いでフォビドゥンは鎌を振り下ろし、スローネの足を切り落とす、片足で踏ん張り、スローネは空中へと機体を運ぶが、フォビドゥンのレールガンがそれを防ぎ、地上へと落とされる。
爆発音とともに、機体は地面へと到達、落ちた勢いで大地は割れ、その隙間に埋まるようにスローネは落ちる。
そして煙が発生。一翔は急いで後退しようとするが・・・
「・・・チェックメイトだ」
気がついた頃には、既に自分の首にはフォビドゥンの鎌が存在し、一翔は崩れ落ちるかのように言葉を失った。
◇
「・・・一翔くんが負けた・・・」
フィールドが消え、いつもの体育館の光景が見えると共に、少女たちは各々の反応を見せる。1番初めに声を上げたのはたえだった。
悔しさからか、一翔は汗と共に手を握りしめていた。目の前には崩された自分のガンプラと華楓のガンプラが立っていた。
「・・・フォビドゥンガンダム・・・か」
「悔しいか?一翔くん」
相手の声・・・柊羽 華楓は静かに一翔に近寄ってくる。その表情は先程の戦いとはかわり、穏やかに変わっていた、彼はガンプラを回収すると、一翔に鋭い視線を向ける。
「そういえば・・・君は全国に出るのかな?」
「・・・」
「出るのなら敵だな。それまでに・・・本気になってくれよ?僕を楽しませてくれ」
華楓は手を振り、体育館を後にする。
一翔はしばらく動かなかった。しばらく・・・全員が誰も喋ることがなく、あっという間に授業を始めるチャイムが鳴り響いた。